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黒曜石とか化石とかが卒業証書入れのポンッて音に魅力を感じても

1 : チャイドル(大阪府):2007/03/16(金) 20:59:55.49 ID:7/3zoXu+0
いいじゃねぇかよ!どうなんだよ!


ここはローゼンメイデンの庭師姉妹にヒントを得て、石をモチーフにした乙女たちを愛でるスレです。

◆宝石乙女まとめwiki (ブックマーク推奨)
http://www16.atwiki.jp/jewelry_maiden/
◆宝石乙女専用うpろだ
http://obsidian.no.land.to/jm/index.html
◆宝石乙女スレ 緊急避難所
http://obsidian.no.land.to/cgi/mtbbs2/asylum/
◆過去ログ倉庫
http://rozen-thread.org/2ch/test/threadsearch.cgi?t=vippic7

【現在乙女飽和中】
現在20体以上います。新しい乙女の創造はご遠慮ください。
それでも、という場合は責任を持ってその子を愛しましょう。
SS、絵、AA、その他さまざまな表現手段で乙女を愛でてみよう。
基本設定はこちら ttp://www16.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/4.html
ですが、基本設定を壊さない程度ならば、みんな違って、みんないい。書き手の数だけ世界がある。
「保守代わり」とか謙遜とかせず、自信を持って投下しましょう。
乙女紹介のダイジェストは>>2以降に。

201 : 留学生(茨城県):2007/03/19(月) 18:15:27.51 ID:KxPePP5U0
ちなみにトトロは1958年でまだ復興期かな
そのあと3丁目の夕日やサザエさん、ゲートキーパーズの時代が来る
戦中も戦況でだいぶ雰囲気が違う

202 : 高校教師(北海道):2007/03/19(月) 18:18:22.85 ID:X+eMHy0V0
鹿鳴館の頃なんて良いと思ったころもあった
西洋文化の伝来と同時に来日した乙女がいるはずだってね

203 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 18:32:47.91 ID:SgwveV/C0
>>198のネタでSS
漬物石メインで2レス借り
ちょっと昔の、まだ人の力だけで自然と共存していた頃のお話です

204 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 18:33:16.43 ID:SgwveV/C0
今年も冬がやってきた。
俺の住むこの村では、冬はとても厳しい。
一面真っ白な雪に重く包まれ、家族で寄り添って過ごす。
冬支度の一つに、漬物作りがある。
短い夏の間に採れた野菜を、冬の間の栄養源として蓄えておくのだ。
俺は、この準備が密かに楽しみだ。
何故って、彼女に会えるから。

「よう、つーちゃん」
「あ、こんにちわ」
村の誰よりもよく働き、小さな体で漬物壷を抱えて走り回る彼女。
僕らは『つーちゃん』と呼んでいる。
「今年も美味そうだなあ、一口……」
「食べちゃだめですよ、冬の蓄えなんですから。食いしん坊な所は、お父さんそっくりですよ」
ふふ、と笑って俺に壷を渡す。
「よう、つーちゃん。今年のたくあんはどうだい」
「ええ、いい漬かり具合になりそうです」
「おやおや、つーちゃん、寒いだろ。これ被りな」
「はわわ、ありがとうございます」
村の皆は、彼女と笑いあい、冬の支度を進めてゆく。
ちらほらと降る雪が、村を覆いつくすまで。

205 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 18:33:52.21 ID:SgwveV/C0
何年も、何十年も繰り返してきた行事。
彼女だけが、変わらないのだという。
不思議なものだと思うが、村の皆は自然と彼女を受け入れていた。
彼女が何者なのか、とか、いつからここにいるのか、とか。
そんな事は些細な事なのだと、楽しそうに働く彼女を見ている人は、きっとそう思うのだ。

「今年もつーちゃんのおかげで、冬が越せそうだなあ」
「皆さんが夏の間頑張って、美味しい野菜を作ってくれたからですよ」
冬が深まり、村は眠りにつこうとしていた。
彼女にまた会えるのは、来年の冬。
「……なあ、俺ん家に来ないか?」
「ふふ、私には、私のお家がありますから」
毎年のことだが、一人雪の中へ消えてゆく彼女に、声をかける。
はにかむように笑って、『つーちゃん』は帰ってゆく。
「……本当、お父さんそっくりなんだから」
雪の中のつぶやきは、よく聞き取れなかった。
「また来年なー!」
かすむ彼女の姿に手を振る。
次の雪を、心待ちにして。

206 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 18:34:59.70 ID:SgwveV/C0
以上、タイトルは「冬の訪れ」で

207 : 通訳(catv?):2007/03/19(月) 18:45:30.85 ID:e+HNOP4u0
ほのぼのしてていいなぁ
だが俺の家には一向に冬が来ないので実感がわかない

208 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 18:47:42.82 ID:SgwveV/C0
挿絵自給自足
ttp://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1275.gif

209 : 接客業(愛知県):2007/03/19(月) 18:52:36.13 ID:VcQoVjrc0
>>208
GJなんだが…その…名前がなんとかならんものか…

鶏冠石は古き良き日本って感じの時代はどんなヤツだったんだろう
もしかすると海外組かな?
過去ってけっこう妄想ふくらみまくりんぐだなぁ

210 : 産科医(岐阜県):2007/03/19(月) 18:53:22.47 ID:/nea7aZX0
>>205
冬の感じが出ててGJwwwこっちは秋は冬支度結構忙しいからなぁ
>>208
なんというゆきんこつーちゃん・・・嫁に下さい

211 : 黒板係り(千葉県):2007/03/19(月) 19:04:44.06 ID:wR7vhMgr0
http://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1276.gif
gifアニメを沢山見てたら作りたくなって、気が付くと夕飯の時間だった。

>>204,208
漬物石って座敷童だったのかと思うほどしっくりくるな、DJ!!!

212 : 通訳(catv?):2007/03/19(月) 19:08:35.31 ID:e+HNOP4u0
>>208
つーちゃん可愛いよつーちゃん
>>211
横顔が以上にハンサムだったから困る
正面の笑顔で微笑んでしまう俺って・・・

213 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:10:42.13 ID:SgwveV/C0
>>211
やべええええええええええ
胸を猟師の銃で射抜かれた
瑪瑙かわいいよ瑪瑙

214 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:15:16.99 ID:SgwveV/C0
>>209で垣間見えたものを投下
鶏冠石メインで2レス借り

215 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:15:53.10 ID:SgwveV/C0
赤い靴履いてた女の子
異人さんに連れられて行っちゃった――

「ひとつ、ふたつ――」
細い指がおはじきを弾く。
丘の上の館に住む、緋色の髪に、赤いドレス、赤い靴の女の子。
「はい、わたくしの勝ちですわね」
大人の目を盗んで忍び込んだ館で、時折遊ぶようになった。
姉のように私たちを叱り、共に遊んでくれた。

――今となってはその時の彼女がどのような声で話したか、どのような姿だったかはおぼろげにしか思い出せない。
――燃えるような緋色の髪と、赤い姿だけが、印象的だった。

「お別れですわ」
別れの日のことは、はっきりと覚えている。
凛とした姿で、淡々と別れを告げる彼女。
耐えられなくなって泣きついた私を、優しく抱きとめてくれた。
「良い子にしていたら、いつかまた会えることもあるでしょう。わたくしは、あなたよりほんのちょっと、長生きですから」
頭を撫でてそう言った彼女は、立派な老紳士に連れられて、波止場から船に乗って異国へと旅立った。

216 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:16:58.72 ID:SgwveV/C0
「――幼い日の私は、船が見えなくなるまで見送ったんだよ。彼女の赤い髪が見えなくなるまでね」
祖父の話はいつもここで終わり。
「じいちゃんの初恋だよな」
「これ、年寄りをからかうな。……ああ、もうこんな時間か。あの子に声をかけておいで、お茶にしよう」
「うっす」
俺は庭に出た。
祖父の趣味で建てた洋館の中庭は、邪魔くさいくらいに草花が生い茂っている。
花の合間に見え隠れする緋色。
「鶏冠石!お茶にしようぜ」
「もう少し言葉遣いに気をお付けなさい。……今、参りますわ」
そう言って微笑む彼女の姿に、俺はいつも目を奪われる。
「……じいちゃんがライバルってのも、あんまり聞かねーよなあ……」
「何かおっしゃいました?」
「んーや。参りましょうか、お嬢様?」
じいちゃんにはぜってえ負けねえ、と心に誓って、俺は愛しい緋色に手を伸ばした。

217 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:17:48.97 ID:SgwveV/C0
以上。タイトルは「赤い靴」

218 : 接客業(愛知県):2007/03/19(月) 19:18:26.72 ID:VcQoVjrc0
>>215>>216
GJ! なんだが…もう少し…こう…まともな名前はないんだろうか…

219 : 電力会社勤務(東海):2007/03/19(月) 19:21:40.23 ID:0dGe4XQJO
>>215->>216
GJ!
これは祖父が幼い頃に鶏冠石と逢ってたけど異人に連れてかれて
巡り巡ってその孫が鶏冠石のマスターになってるってことでいいのか?
じいちゃん鶏冠石見ても思い出さないの?

220 : 高校教師(北海道):2007/03/19(月) 19:24:58.18 ID:X+eMHy0V0
祖父さんは世代交代を理解しているのだろう
受け継ぐ志ってやつかな

221 : タイムトラベラー(愛知県):2007/03/19(月) 19:26:51.68 ID:Xy3gs1kq0
>>218
下手に説明的なタイトルより
こういうシンプルな物の方が好きだな

SS良かったぜ
SS拒食気味だったが、すっとしたよ

222 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:27:01.57 ID:SgwveV/C0
名前のことは言うなー!!

わかりづらくて申し訳ない、「その時の」彼女の姿が思い出せないってだけで、
じいちゃんの愛の執念で鶏冠石と再会してマスターになったけど、
孫も鶏冠石に惚れちゃったという話でした

223 : 愛のVIP戦士(岐阜県):2007/03/19(月) 19:27:53.15 ID:pbc+4W300
今北コレなんてレジェンドオブマナ?

224 : 産科医(岐阜県):2007/03/19(月) 19:29:21.87 ID:/nea7aZX0
>>211
俺も心臓打ち抜かれたんですけどwww
>>216
寂しい話かと思ったらどうしてなかなかwww
>>218
それはあれか、か・い・か・んのことか?

225 : 電力会社勤務(東海):2007/03/19(月) 19:29:44.41 ID:0dGe4XQJO
>>220>>222
ごめん読み直して納得した
祖父は達観しとるのぅ…

226 : 二十四の瞳(北海道):2007/03/19(月) 19:35:28.96 ID:SzcNlhNC0
今北。職人の方々GJ
SSが活発なのはやっぱ嬉しい

過去話ネタには間に合いそうにないので書き溜めておいたのを
金剛石メインで3レス借り。タイトルは『風切り自転車、二人乗り』

227 : 二十四の瞳(北海道):2007/03/19(月) 19:35:56.31 ID:SzcNlhNC0
 長い冬の寒さも一段落し、日を重ねて暖かさが増してくる今日この頃。
 冬場バス通勤だった俺も、明日から自転車通勤に切り替えだ。
「あ、マスターおかえりなさーい」
 自転車の点検を終えて帰ってみると、金剛石が玄関前で出迎えてくれる。
「ただいま。何かあったの?」
「ううん、違う……違いますよ。マスターの自転車を見たいなーって思って」
 そう言って、僕の自転車の横に立つ。
 宝石乙女には大きすぎるそれは、俺が大枚叩いて買ったちょっといい自転車だ。
「かっこいいー。テレビで出てくる奴みたい」
「ありがと。そうだ、これで散歩でも行こうか」
「えっ、いいのっ!」
 喜んだのも束の間、自分の口調に気付き、慌てる金剛石。
 相変わらずだなぁ……。
「もっとおしとやかに、ね」
「はぁい……じゃあ、後ろに乗っていいですか?」

 春の南風を切って、自転車が進む。
 後ろには金髪の少女。俺の身体をしっかりと掴み、さっきからはしゃぎっぱなしだ。
「マスターっ、もっと早く! BダッシュBダッシュ!!」
「マリオじゃないっつーの。あと口調」
「あわわっ……こほん。マスター、是非ともここは自転車の最高速度でギネスを
目指してみては?」
「無茶いわないの。口調直しても駄目」
 結局、口調を直しても金剛石は金剛石だからなぁ。

228 : 二十四の瞳(北海道):2007/03/19(月) 19:36:22.65 ID:SzcNlhNC0
「暖かくなったなー」
「そうですねぇ。冬に自転車乗ると寒いんですよね?」
「そ。だから雪無くても乗らない」
 目の前に、河川敷の遊歩道が見えてくる。
 少し坂になった道を気合いで漕ぎ、遊歩道へ。
「わぁ、綺麗ですねー」
「春頃のこの辺はお勧めの散歩コースだぞ」
 季節の花が何でも咲いている訳ではないが、春は特別色々な花が咲く良い場所だ。
 まだまだつぼみが多いが、冬場は漂う事の無かった草の匂いが鼻をくすぐる。
 そして、川の流れる音。山からの雪解け水が加わり、普段よりも大きく感じた。
「あー、あそこサッカーしてる……してますよー」
「だな。俺も昔は高校でやってた」
「あっ、なら今度あたしの相手してくださいよぉ」
「あはは……遠慮する」
「えー」
 なんだか金剛石とやってたら朝から晩までPKやらされそうだ。
 いや、でも宝石乙女全員集めて試合やらせたら結構面白く……駄目だ、絶対
修羅場になる。蛋白石ちゃんのドライブシュートとか、ありそうで怖い。
 あぁ、置石ちゃんがボールを爆弾にすり替えたり……いや、置石ちゃんなら
虎目石ちゃんとスカイラブハリケーン……。
「マスター、何で黙っちゃうんですかー?」
「え、あぁ悪い悪い」
 ついつい宝石乙女のデスサッカーを思い浮かべてしまった。

229 : 二十四の瞳(北海道):2007/03/19(月) 19:36:49.00 ID:SzcNlhNC0
「そうだ、これからどっか昼飯でも食べに行くか」
「ホントっ? じゃああたしオムライスが食べたい……ですっ」
「了解。確か近所に店があったと思うから、そこいってみよう」

「ただいまーっ」
「おかえりなさい。マスター、お疲れ様です。荷物持ちますね」
「あぁ、ありがと黒曜石」
 結局、夕方まで自転車であちこちを回る事となった俺達。
 冬場の運動不足が一気に解消されそうな、そんな疲労が身体を襲う。
「そういえばびっくりだったよー。今日お昼ご飯にオムライスの店行ったんだけどね、
そしたらレッドベリルちゃんのマスターが……」
 まぁ、金剛石は十分楽しんだみたいだし、良しとするかな。
 ……明日筋肉痛にならなきゃいいけど。
「マスター、早く晩ご飯食べよ……食べましょうよー」
「あー、はいはい。今行くよ」


以上

230 : 建設作業員(関東・甲信越):2007/03/19(月) 19:38:59.99 ID:gHmtZHeQO
こいつらになんかいってくれないか?www悔しいんだ、漏れはwww悔しい頼むwwwwwww

http://look2.jp/badbad/
ちなみに編集パスは
98258だからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

231 : 高校教師(北海道):2007/03/19(月) 19:39:21.53 ID:X+eMHy0V0
>>227-229



232 : 高校教師(北海道):2007/03/19(月) 19:40:17.82 ID:X+eMHy0V0
爽やかだなぁwww

233 : プロ固定(大阪府):2007/03/19(月) 19:41:31.17 ID:ZwuSoTUA0
スカイラブハリケーンワロタwwwww

234 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 19:42:58.37 ID:SgwveV/C0
>>229
爽やかだwww
金剛石と二人乗りしたくなったwww

235 : 電力会社勤務(東海):2007/03/19(月) 19:44:13.43 ID:0dGe4XQJO
>>227->>229
なるほど、今なぜか巷でロードレースブームだから便乗したと…
マスターってけっこういつも苦労してるよねwwwwww
でも幸せそうで羨ましいぜ

236 : 産科医(岐阜県):2007/03/19(月) 19:48:06.84 ID:/nea7aZX0
>>229
なんというさわやかさwwww金剛石かわいいよww
そして赤べりのマスターとか他の繋がりがいいww

237 : (北海道):2007/03/19(月) 20:19:45.20 ID:ebDFM5cZ0
昨日に続いてまたアメジストのSS
今度はホープとの過去話をメインに3レス借り。タイトルは『愚者の話をしよう』

238 : (北海道):2007/03/19(月) 20:20:17.63 ID:ebDFM5cZ0
 ――昔出会ったバイオリニストの話だ。
 彼はいつも路上である曲を演奏している。
 タイトルも、作曲者も分からぬその曲は、道行く人々の足を止め、路地の
一角に黒山の人集りが出来るほどのものだった。
 やがて人々の口を通じてその曲とバイオリニストは一躍有名人となる。
 ……だが、彼は決して他の曲を演奏しない。
 奏でるのは常にその曲のみ。
 だから人気が落ちるのも早かった。飽きた人々は彼から遠ざかってゆき、
いつしか路地には演奏する彼の姿一人しか残った。
 それでも彼はやめない。住民から疎まれようとも、その曲を演奏し続けた……
命を落す、その瞬間まで。
 ……そんな彼を、周りは愚者と呼んだ。彼がその曲を演奏する理由も知らずに。

「ここで一つ質問だ。何故彼は、その曲を弾き続けたのか」
 横で耳を傾けていた彼女に尋ねる。
 私がまさかこんなところで昔話をするとは、思ってもいなかったが……まあいい。
 しかし、私の質問に彼女は頭を悩ませているようだ。首をかしげて困った顔を
浮かべている。
「その人は、その曲がとても大事だったから……ですか?」
「半分正解。その曲は彼の恩師が、最期に作った曲だった」
 それを聞き、彼女の顔色が曇る。
「そんな顔をしてしまう気持ちも分かる。だが世間とはそういうもの。理由が分からなければ、
同じ事をやるのは愚かでしかない」
「でも……」
 彼女がそういう感情を抱くのは、無理もない。
 優しいから、な……。

239 : (北海道):2007/03/19(月) 20:20:55.20 ID:ebDFM5cZ0
「……もう一つ、彼が演奏し続けた理由がある」
 彼の物語の続き。
 彼にとって、これが最も大切な事だ。
「彼は、その曲と共に死ぬ事を選んだ。そして自分が人である事を恐れ、
忘れぬように演奏を続けていたんだ」
「忘れないように……?」
「人は忘れる生き物だ。そして、曲の死は私達と同じ、忘れられたときに訪れる。
逆に、人の記憶にその曲が残っているとき。それは曲の命が最も輝く……彼は
曲の命を輝かせたかったんだ」

 愚者と呼ばれた事で、彼は自分に課した使命を負えた。
 曲と共に、その生涯を終えた。

「じゃあ、もうその曲を知る人はいないんですね」
 その質問に、私は口を閉じる。
「でも幸せだと思います。その人も、曲も。わずかの間だけでも輝く事が
出来たのですから」
「……そうだな。きっと、そうだ」
 彼女が、私の腕にしがみついてくる。
 顔には笑顔……この笑顔が何を意味しているのかは、あえて
理解しない事にする。
 口に出さずとも、分かる事なのだから。
「ただ一つ、残念なのは……」
 私の顔を見つめて、一言。

240 : (北海道):2007/03/19(月) 20:21:32.90 ID:ebDFM5cZ0
「その曲を、聴く事が出来ない事ですね」

          ◆

「あっ、またバイオリンー?」
 神出鬼没の月長石が、私の隣に立つ。
「ホント、相変わらず飽きないよねー。昔から一人の時はいつもいつも……」
「音楽は聴くだけのものではないということさ」
「ふーん。あたしは聴くだけでいいやー。という訳で、聴かせてっ」
「いつも聴いていて居眠りするのに」
「うっさいっ。とにかくなんか弾いてよぉ、聴いた事無い奴で」
 まったく、我が儘な妹だ……。
 しかし弾くためにこれを構えているのも事実。月長石の要求とは関係無しに、
普段は弾かない曲を選びたい気分でもある。
 さて、何を……。
「アメジストー、手が止まってるよー?」
「考え事だ」
 そういえば、結局一度もあの曲を、彼女に聴かせる事はなかった。
「アーメージースートぉー」
「……しがみつくな」
 いや、あの曲は彼と共に眠らせるのがよいのだろう。
 だが彼女をまた輝かせる事が出来たとき。
 その時は、彼女が望んだあの曲を……。
「もー、ぼんやりしないでよぉーっ」
「はいはい……」


以上

241 : ネコ耳少女(中部地方):2007/03/19(月) 20:24:35.85 ID:nNve2/hr0
GJなんだぜ!
アメジストはシリアス話が合うなぁ…

242 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:25:17.08 ID:SgwveV/C0
>>240
GJ!!
ああ、もうこの雰囲気好きだー

243 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:31:28.61 ID:SgwveV/C0
過去話、こんな時代があってもいいんじゃないという思いで
雲母メインSS

244 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:31:56.39 ID:SgwveV/C0
「ただいま。今日も素敵なことがあったのよ。あのね――」
黒髪に赤いリボンを揺らし、袴のまま主の少女は私に語りかける。
沈丁花の香りを連れて、今日あった事を私に嬉しそうに話す。
うっすらと眠りの帳の向こうで、幸福な微笑みを覚えている。
「お母様があなたを下さってから、もう随分たつけど、ずっと綺麗なままね」
主は時折、私の綿毛のような髪を櫛で梳き、子守唄のような歌を歌ってくれた。
まどろみの中で、私は目覚めることはなかったけど、幸福だった。

「――、雲母ちゃん!」
声をかけられて目が覚めた。
「……こくようせき?」
「こんな所で寝ると、風邪ひいちゃいますよ」
優しい微笑み。夢と現実が交差する。
「――」
名を、呼びそうになる。
「え?何ですか?」
「……なんでもない。夢、みてた」
黒曜石の膝に上り、胸に甘えるように抱きつく。
他の姉妹たちと形は違っても、私は幸福だった。
「どんな夢だったんでしょう」
そして、今も。

「せかいでいちばん、しあわせな人形の夢」

245 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:32:45.01 ID:SgwveV/C0
以上。タイトルは「幸福な眠り姫」

246 : 高校教師(北海道):2007/03/19(月) 20:36:46.57 ID:X+eMHy0V0
う、いやいや。
きららを膝に抱いて子守唄を歌うなんて、
なんて素敵な思い出w

過去物語に花が咲くなぁwww

247 : ネコ耳少女(中部地方):2007/03/19(月) 20:38:10.16 ID:nNve2/hr0
良い雰囲気だ…

248 : おたく(アラバマ州):2007/03/19(月) 20:41:17.24 ID:qS3/0YBp0
意味もなく>>224の続き

黒「夢の中で沢山の荒巻とでも会えたんですか?」
雲「だれがくいいじはってるってー!?」

249 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:48:46.58 ID:SgwveV/C0
>>244
自給自足雲母
ttp://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1277.gif

250 : か・い・か・ん(東京都):2007/03/19(月) 20:58:50.60 ID:SgwveV/C0
ほな
ttp://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1278.gif
また来週ー

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