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( ^ω^)ブーンと4色の音色達のようです

1 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:35:46.14 ID:l/kIZC9i0












             【序曲】


          









2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:36:06.32 ID:IZyeGrUF0












             【序曲】


          









3 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:36:49.51 ID:l/kIZC9i0
視界の先、及び周囲は貼り付けた様な黒

そのせいだろうか、頭が上手く回らない、状況がよく分からない

僕はつい先程まであいつを追っていた筈、盗まれた物を取り返す為に

それで追いかけて…いや、今はそれ所じゃ無いな


(;^ω^)「…なんも見えないお」


僅かな光も無い暗闇の中、視覚できる物は何一つとして無い闇の世界
迂闊に動く事も躊躇わせるがこのままでは埒が開かない、ゆっくりと一歩踏み出す


と、その時、正面にぼうっと淡い緑色の光が浮かんだ。


(;゚ω゚)「ひっ、おばっ!?」


突如として現れたソレに恐怖を覚え、背筋を冷たい物が走るが
すぐに瞳を奪われた、暗闇に浮かぶそれはひたすら綺麗で
恐怖心はどこかへ飛んでいってしまった


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:36:53.17 ID:gz9ASLPvO
ktkr

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:37:06.76 ID:OFhwiGYdO
まんこー

6 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:38:15.77 ID:l/kIZC9i0

そして、こちらへ接近する緑光

(;´ω`)「け…?」

目の前で停止すると、ゆっくりと淡い緑色が広がっていく
厚みの無い半透明、四角いディスプレイが暗闇の中に浮き上がった。


(;^ω^)「なに…この、何?」


僕の目の前で、依然として続く怪奇現象、再び現れる先と同じ光
今度はいくつかの数が浮かび上がり、同じ形状の緑光がずらりと並ぶと


闇の最中、僕の姿を淡く映し出す


不意に四角の中に生まれる大量の線


目まぐるしく走る文字列、謎の数字列、不明な単語は
瞬きの間に画面を埋め尽くす。


(;^ω^)「す、すごいお……よくわかんないけど」



7 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:39:54.87 ID:l/kIZC9i0

固唾を呑んで見ていた僕の口から思わずそんな言葉が漏れると
浮かぶ四角の内一つが反応を示した。

画面下から何本もの線が伸び上がり、上下運動を繰り返す
その様は何処かグラフを連想させる。


《デバイス確認 ――ブーンを認証》


続いて見知らぬ誰かの声が響いた
その声に首を傾げる

(;^ω^)「…ブーン?」

いつだったか…誰かが僕の事をそう呼んでいなかったか?
疑問に思えど、意味不明な言葉を繰り返す声はお構い無しだ

(;´ω`)「あの、どちらさまですかお?」

恐る恐る問いかける

《――登録完了 具現化開始》

(;´ω`)「おーい、ちょ、聞いてますかお?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:40:37.78 ID:NngbyKvFO
あー、誰だっけな
この酉

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:41:08.39 ID:f1jeCbU20
なんか見覚えのある酉なのは気のせいか?

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:41:17.63 ID:vyi7eZ750
ちょっとまて!お前……

11 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:41:59.87 ID:l/kIZC9i0

聞こえてくるのは微かにくぐもった女性の声
声は少しの間を置いてから、僕の声に応えた


《イエス、マイスター》


(;´ω`)「まい…? え…えと、あなたは、フーアーユー?」


《ワタシは本機 リィン・フォルツェンドのインテリジェントシステムです》


(;^ω^)「お、おまえはなにを言ってr」


《オリンデバイス起動》


『…さあブーン! あたしを弾くのよ!』

(;^ω^)「お?」

次いで聞こえてきたのは聞き覚えのある声

…いや、それはおかしい、そんなはずは無い


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:42:26.68 ID:JU0YXZ9HO
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!

13 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:43:24.34 ID:l/kIZC9i0

『…ちょっと、聞いてるのブーン』

だって僕はこんな声は知らない、なのに覚えがある、そう思ってしまった
以前に聞いた事があるってだけかもしれないが
それなら聞き覚えがあると感じるこの感覚こそが変だ

『ブーンってば!』

(;´ω`)(なんなんだお、わけがわからなくなってきたお…)

間違いなく聞き覚えがある
にも関わらず僕の思考は全力でそれを否定している


ふと、一つの単語が頭を過ぎた


何故かは分からない、それが妙に納得できる答えだった

…そもそも、今日は何だか分からない事だらけだ、もうそれでいい



     僕は――この『音色』を知っている




14 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:45:20.13 ID:l/kIZC9i0








   ( ^ω^)ブーンと4色の音色達のようです

        《 第一音 楽興の時 》









15 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:46:26.32 ID:l/kIZC9i0

音がする


色々な音


見えるのは不思議な光景、不可思議な感覚
自分が自分を見ているような…そんな違和感


赤、白、橙の色が周囲の色を変え、遠く高い空をも染め上げる
空気は燃えるように熱い、息が苦しい、喉が焼ける
完全に乾ききった喉は酷く痛み、水を欲する思いも消えた

地を揺らし、空気を震わすキャタピラ、巻き起こる爆音

吹き飛ぶ家々と手足の付いた何か

焼け焦げ転がる黒い肉塊

幾度も聞こえる滅びの声

既に耳は麻痺しているのか、轟音もただの騒音のよう
とにかく息が苦しい、不意に景色が反転した
全てが横転…いつの間に倒れたのか、僕が地に横になっている

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:47:24.70 ID:gz9ASLPvO
支援

17 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:48:55.27 ID:l/kIZC9i0

(  ω )「…?」


ぼんやりとした視界の隅に何かが見えた


(  ω )(…あれは……なんだろう…)


そして何処からか聞こえてくる音色、何故か愛しく、遠く儚い旋律


それは、何処か悲しげなヴァイオリンの調べ


希薄な存在をどうにか保とうとするも余計に無意識は無を失くし

浮上していく、自分が僕へと還って行く


「………」


薄暗い部屋、微かに差し込む光の中を埃が漂っているのが見えた



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:49:54.67 ID:gz9ASLPvO
誰かと思ったらアンタだったのか

19 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:50:16.16 ID:l/kIZC9i0

気付けば僕は一人、見慣れた天井を見つめている
そうして全てを理解した

ここは僕の家、僕の部屋、そしていつも見る謎の夢


( つω`)「…ん、朝かお?」


気だるい体に鞭打って上半身を起こすと、ふぅと溜息を一つ

( ´ω`)「また、だお」

最早いつ頃から見始めたのかもわからない夢

遠く幼い頃から見ているような、今日が初めてであるような
そんな錯覚を覚える不思議な夢だった

覚えているのはいつだって火の海に包まれた街並と…悲しげな旋律

( ^ω^)「……さて、と」


まあ夢は夢だ、そんな事を気にしていてもしょうがない

20 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:52:47.26 ID:l/kIZC9i0
そう思うと心機一転、起き上がり、勢い良くカーテンを開く
すぐさま一面の青が視界に飛び込んできた
なんだか気持ちよくなって窓を開けると、風が頬を優しく撫でた

( ^ω^)「んーいい天気、今日は気持ちよく演奏できそうだお」

軽く背を伸ばし大きく深呼吸、固くなった体を軽くほぐし、振り返る
暗かった室内はすっかり陽光に照らされ、全貌を現している
そこには至るところに並ぶ様々な楽器達
それこそ弦楽、鍵盤、吹奏楽器までてんこ盛りだ

(;´ω`)「流石に整理しないと駄目かお…」

ごちゃごちゃと一室を埋め尽くすソレを見てまたしても溜息が漏れる
けれど大事な商売道具だ、減らす事は出来ない

そう、僕はこれでもこの国内じゃちょっとは名の知れた音楽家だ

近頃は何かと物騒なのもあって、音楽は癒しであり、人々を支えている大事な物だ
そんな訳で僕は毎日街頭で多彩な楽器を演奏し、生活を得ていた


21 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:54:04.22 ID:l/kIZC9i0

そんな訳で今日も軽めに朝食をとると、早速出かける準備を始めた

( ^ω^)「今日は…」

手を顎に触れ、しばしのシンキングタイム
しばしの間を置き手にしたのは少し色褪せたヴァイオリン

これは僕が昔から愛用している楽器類の一つ
随分と昔の一品だが、毎日の丁寧な手入れの賜物かその光沢は失っていない
いつから持っているのか、それすら思い出せない程以前からの付き合いで
今では他に無い、唯一無二の僕の相棒だ。

早速玄関へ向かい、玄関のドアを開くと、その先にはずらり広がる町並み
見上げた大空は青く、柔らかな日差しが僕を包み、鳥の声がどこからか聞こえた

ドアに鍵を閉めるとケースに仕舞われた愛器を片手に通路を進み、階段を下りる
ここは二階建てのこじんまりとした建物、新しくも無く、かと言って古いわけでも無い
そんな普通のアパートが僕の住む家だった。

lw´‐ _‐ノv「あ…内藤さん…おはよう」

階下では何かの棒を手にし、僕へ挨拶をしてくる女性の姿
彼女は名はシュール、このアパートの若き管理人さんだ

(;^ω^)「あ、おはようございます……あの」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:54:14.77 ID:yfLZfMz50
支援

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:54:21.40 ID:gz9ASLPvO
支援

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:54:49.10 ID:VoNrzOxU0
支援

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:55:40.80 ID:f1jeCbU20
あああああ、あんたか
支援

26 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:56:02.30 ID:l/kIZC9i0

lw´‐ _‐ノv「…なんでしょ」

(;^ω^)「なにを、してるんですかお?」

lw´‐ _‐ノv「箒で、庭のお掃除です」

(;^ω^)「そう…いや、その…それ、僕にはただの棒に見えるんですが」


lw´‐ _‐ノv「…」

(;^ω^)「…」


突っ込んじゃいけない所だったんだろうか…居辛い、凄く居辛い

lw´‐ _‐ノv「管理人の登場と言えば、朝の挨拶、箒で掃除」

(;^ω^)「えぇーと…」

そうして手にした棒を左右に振り回す彼女
見ればそこら中の地面に棒状の物によって抉られた跡があった

…一体いつからやってるんだろうか

lw´‐ _‐ノv「…今日も早くから大変ですね、お疲れ様」

(;^ω^)「まあ、生活の為ですから…」

27 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 22:58:08.27 ID:l/kIZC9i0

きっと深く考えちゃいけないんだろう
また一つ大きくなれた気がした、ありがとうシューさん

lw´‐ _‐ノv「たまには、私も聴きに行こうかしら」

(;^ω^)「え゛!?」

lw´‐ _‐ノv「…迷惑?」

(;^ω^)「そそそんな事ないですお! 歓迎しますお!」

lw´‐ _‐ノv「…そう」

(;^ω^)「あは、は…それなら御ひねりは家賃って事でお願いしますお」


lw´‐ _‐ノv「………」

ちらりと、冷ややかな視線が突き刺さった


(;^ω^)「あ、あわわ、冗談! 冗談ですお!!」

lw´‐ _‐ノv「ピアノ演奏だったら…いいですよ、それで」

(;^ω^)「へ?」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:58:27.11 ID:CLIXhGce0
支援

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 22:59:36.03 ID:JU0YXZ9HO
シュールwww

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:00:12.78 ID:JHdnZ0REO
試演

31 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:00:12.87 ID:l/kIZC9i0

――――。


その後、管理人さんと別れ、路上に出るといつもの場所へ向かい歩き出した
時間毎に場所を変えて演奏する僕のルート、まずは朝の人通りの激しい街中
道行く人と挨拶を交わし先へ進む、そんな普段どおりの日常


今日は…何かが違った

「おい、そこのてめえ」

( ^ω^)「お?」

目的の場所、街の中心にある噴水広場へ辿りつき
座り込んで色々と準備を始めていると誰かに声をかけられた


ミ,,゚Д゚彡「わりぃが、ちょいと付き合ってくんねぇ?」

顔を上げると、そこには何やら眼つきの悪い男が居た

( ^ω^)「あ…ふ、フサギコさん!?」

ミ,,゚Д゚彡「おー、ちょい裏まで来いよ、話があんだ」

( ^ω^)「すいません…今日は、僕お金持ってないです」

32 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:02:12.20 ID:l/kIZC9i0

ミ,,゚Д゚彡「あぁ? ほんとかよ、ちょっと飛んでみ?」

( ^ω^)「か、勘弁してくださいお…僕には帰りを待つ三匹の金魚が…」
  _,
ミ,,゚Д゚彡「いいから飛べおらあ!!」

( ^ω^)「ひゃああ、やめてえええ!」


ざわ…   ざわ…

  ざわ…


そんな騒ぎを聞きつけたのか次第に人だかりが出来ていく

(,,゚Д゚)「おい、いつまでやってんだよお前等」

とそこへ、人波を掻き分けもう一人、やれやれと肩を竦めて現れた


33 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:03:54.85 ID:l/kIZC9i0

ミ,,゚Д゚彡「あ、兄貴」

(,;゚Д゚)「あ、じゃねえよ…たく、誤解されるような真似すんなって言ってるだろが」

ミ,,゚Д゚彡「フヒヒwwwwサーセンwwww」

( ^ω^)「ギコさん! おいすー」

(,,゚Д゚)「おう、毎日早くからご苦労さん」

ミ,,゚Д゚彡「ささ、それじゃ早く始めてくれよ!」

(,♯゚Д゚)「てめえで邪魔しといてほざくな!!」

ミ,,;Д;彡「いてえっ!!」


彼等はギコさんとフサギコさん
平たく言ってしまえば常連のお客さんであり

それと同時に…家族同然の人達でもある

と言うのも、実を言うと僕は捨て子らしいのだ
この街で路頭に迷っていた当時の僕を拾い、色々お世話してくれたのがこの二人だ

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:05:19.20 ID:gz9ASLPvO
最近シュールをよく見る希ガス

支援

35 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:05:37.62 ID:l/kIZC9i0

僕には何故か幼い頃の記憶が無いから、僕がどこのどちら様なのか
詳しい事は良く分からない、昔はそれで散々悩んでこの二人には色々迷惑をかけたが

…今ではそれもいい思い出、と言う事にしておこう、我ながら情けない話だから

ただ、一つだけ謎がある

(,,゚Д゚)「ん、もうお昼か…移動するか?」

( ^ω^)「はいですお」

ミ,,゚Д゚彡「んじゃーその前に、飯でも食いに行くか?」

(;^ω^)「あ…すいません…今日はちょっと次の場所で先約が」

(,,゚Д゚)「…先約、ね」

ミ,,゚Д゚彡「あー、そっかwwwww」

二人はニヤニヤしながら僕を見つめている
これは非常に不愉快である

(;^ω^)「な、なんですお?」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:07:05.70 ID:l/kIZC9i0

(,,゚Д゚)「ま、ごゆっくりどうぞってやつだ」

ミ,,゚Д゚彡「内藤も大人になったもんだ…」

(;^ω^)「ちょwwww違うお! 別にしぃとはそんな関係じゃないお!!」

ミ,,゚Д゚彡「その彼女とは一言も言ってないわけだが」

(;^ω^)「うっ…!?」

こんな分かり易いオチに引っかかるなんて…くやしい…でも
ちなみにそういう時はこれを訪ねるに限る

(;^ω^)「…ところでお二方、今日こそはお聞かせ願いたいですお」

(,,゚Д゚)「ん?」

( ^ω^)「いったい二人は何をしてる人なんだお?」


(,,  )
ミ,,  彡


その言葉を聞くや否や、二人が一斉に顔をそらした

( ^ω^)「こっち見てくれお」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:08:42.70 ID:gz9ASLPvO
支援

38 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:09:10.56 ID:l/kIZC9i0

(,,゚Д゚)「おっ!そろそろ時間だな、行くぞゴルァ」

ミ,,゚Д゚彡「へい兄貴!」

(;^ω^)「ちょwwwまたかおwwww」


そう、二人は何故か僕に自分の職業を教えてくれない、恐らく相当稼いでると思うのだ
なんせ僕一人を平気で養い、そればかりか一人で住む家や楽器類
それらのほとんどは彼らが僕に与え…

違った、借りているだ、いつか稼いだお金で返して見せる、だから借物なのだ

走り去る二人の背中を見つめながら、そっと心に誓った

( ^ω^)「さて…それじゃ次は公園に――」

('A`)「あ」

そうして振り返ると、見知らぬ誰かと目が合った

(;^ω^)「お?」

('A`)「あ、どうも、ドクオっす」

39 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:10:58.45 ID:l/kIZC9i0

(;^ω^)「へ、あ、ああ…どうも」

('A`)「じゃ、そういう事で」

(;^ω^)「は、はぁ…」

見知らぬ誰かはぺこりと頭を下げると
僕の愛器が仕舞われたケースを片手に歩き出した

(;^ω^)「………えーと」

(;^ω^)「な、なんだお…今の……」


…いやちょっと待て、何かおかしいぞ?


( ゚ω゚)「僕のぶぁいオりんがあああああああ!!!???」

(;'A`)「げ」

そんな声を察したのか、先の男は僅かにこちらを伺い、駆け出した

( `ω´)「待てこの、どろぼーーーー!!!!!!」

(;'A`)「うへ、来た!」


40 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:12:21.44 ID:l/kIZC9i0

そうして逃げる彼を追いかけ、噴水広場を後にした

( `ω´)「逃がさんおおおおお!!!」

(;'A`)「…っ」


人を掻き分け、街角を走り抜ける


(;`ω´)「ま、まぁてーるp(規制音)ーー!!」

(;'A`)「ぜぇ、ぜぇ…」


息も絶え絶えに追いかけっこは続く
やがて前を走る男がとある路地裏へと吸い込まれるように消えた

(;`ω´)「あそこは…」

しめた、あの道の先は行き止まりになっている
勝利を確信し、薄暗く、狭い道へ向け駆け抜けていく

だが、その先に僕の思い通りの物は無かった

(;´ω`)「い、居ない!?」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:13:54.49 ID:CLIXhGce0
支援

42 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:14:12.22 ID:l/kIZC9i0

四方を壁に囲まれ、袋小路の男の図を想像していたが、そこに人の影は無く
あるのは赤レンガの壁と、一軒のお店の入り口であろう扉だけであった

(;´ω`)「おかしいお…こんなとこに店なんてあったかお?」

不思議に思い見つめる、扉の上には看板がかけられ、大きな文字でこう書かれている

【バーボンハウス】

(;^ω^)「飲み屋か…何かかお…?」

よくよく見れば扉が半開きになっている
どうやらあの男はこの中に逃げ込んだと見て間違いないようだ

(;^ω^)ゴクリ

多少の不安、いや正直とんでもなく怖いが、あれをそう簡単に諦める訳にはいかない
僕は意を決してドアノブを掴み、ゆっくりと開いていく

まず、軽快なクラシックが聴こえた

そして薄明かりに包まれた店内、いくつかのテーブル
カウンターの奥には様々な酒類やグラスが並んでいる
なんだか落ち着いたふいんきで良いお店だと思った


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:14:22.31 ID:yfLZfMz50
支援

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:15:41.55 ID:f1jeCbU20
しえん

45 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:16:02.71 ID:l/kIZC9i0

…それもその筈、なんせ人っ子一人居ないから

(;^ω^)「こ、こんにちわー、誰か居ませんかおー?」

当然返事が返ってくる事も無く、僕の声だけが空しく店内に響いた
客も居なければ、本来カウンター奥に居るべきであるマスターも居ない
時間的にもまだ準備中なのかとも考えたが、店内の様子からそれは無いと感じ
とりあえず店内へと歩を進めた

(;´ω`)「うう…どうなってるお?」

しばし散策してみるも、やはり人の気配すら無い
が、発見はあった…不気味に開かれた、カウンター横の扉だ

(;´ω`)「またかぉお…」

正直うんざりしながらそこへ向かうも、心の中は相変わらず不安で一杯だった

扉の奥にはとんでもなく長い通路、これは本格的にやばいかもしれない

例えばここはどこぞの窃盗団のアジトで、ここの事を知った僕は殺されるかと思いきや
謎の黒服の男達に謎のクスリを飲まされ小さくなったりとか?

それは嫌だ、怖いってレベルじゃないぞ…もしもそんな事になったら…
これから先、僕は行く先々で死体を見なければいけなくなってしまう

( ;ω;)「やだお…」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:16:46.63 ID:K45idE3N0
バーロー支援

47 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:18:33.15 ID:l/kIZC9i0

だがあのヴァイオリンは取り戻さなきゃいけない、ずっと一緒だった
記憶の無い僕にとって、唯一の過去との繋がりなんだ
涙を堪え、勇気を振り絞って前へ進む

頭の中はどんどん悪いイメージが膨らんで行く



(;´ω`)(この奥には店主が何者かに殺されていて、それを発見した僕が犯人に…とか)



ちなみに、あくまでも自分が死ぬという選択肢が出ない事に気付いたのは
それからずっと後のことだった



どれほど歩いただろうか、やがてこれまたとんでもなくでかい広間へと抜けた
そこで、僕は信じられない物を目にした

見た瞬間はそれが何であるか理解できない程の巨大な異物


48 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:20:09.47 ID:l/kIZC9i0

見上げれば、まるでセーフテ…よくあるシャッターの様な天井

天井から下を照らす巨大なライト


その光を全身に受け、眩く輝く巨大な


(;゚ω゚)「人…!? い、いや…これって……ロボット!?」


大きくてこの位置からでは全てを把握しきれないが
巨大な手足、これはどうやら巨大な人型ロボットの様だ

(;゚ω゚)「なんで…こんなものが……」

そのあまりの異様に、その間の僕は忘れてしまっていた
盗まれた大事な物も、どうして自分がこんな場所に居るか、何処から来たのか、その全てを


だから、気付けなかった


( ・∀・)「ようこそ、ブーン君」


49 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:22:08.83 ID:l/kIZC9i0

(;゚ω゚)「…え?」

いつの間にか、僕が入ってきた入り口は閉鎖され
取り囲むように後方に並んでいた数人の人間


( ・∀・)「ああ、失礼…内藤君だったね」

(;゚ω゚)「……!!!」

全身が危険信号を上げる、やばい、やばい、やばい
連中の中には僕が先まで追っていた男も見えたが、それ所じゃない

僕はきっと見てはいけない物を見てしまった、それくらいは僕にも分かる


('A`)「準備は終えてあります」

( ・∀・)「じゃあ早速搭乗してもらおう、もう時間が無い」


奥歯がガチガチと鳴る、怖い、僕は…死ぬのか?

こんなわけのわからない事で、死ぬのか?

50 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:24:00.84 ID:l/kIZC9i0

まだ…何の恩も返せていないのに

また聴かせてと言ってくれた女の子への約束も果たしていないのに

まだ何も――――――

(  ω )「…うっ……」

首筋に感じるちくりとした痛み、急激に意識が飛んでいく


めのまえが……ぼやけ…て……


(  ω )「ぃゃ…だ…」


最後に見えたのは…腕時計と、開かれた時計のレンズ部分だった



   「バー………ロー…」





51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:26:52.00 ID:gz9ASLPvO
バーローwwwwww

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:27:38.12 ID:f1jeCbU20
バーローwwwwwwwwwww

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:29:20.37 ID:yfLZfMz50
ペロッ・・・・これは

54 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:30:01.53 ID:l/kIZC9i0

「丁重に運べ、麻酔の効果は?」

「一時間もかからない、筈です」

「…大丈夫なんだろうね?」

「い、いざとなればデバイスを強制起動すれば!」

「…はあ、そうだね、まあなんとかなるか」


「頼むよ、ブーンを受け継ぐ者」


「…かっこつけすぎじゃねっすか?」

「…」

                     第一音 楽興の時  終

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:30:13.27 ID:2ANc8YTd0
きたwwwwwwwwwwwwwww

意外と長編化早いなwwww

56 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:34:22.59 ID:l/kIZC9i0
はい、そんな訳で俺でした、支援ありがとう、あとごめんなさいね
こないだからの総合の活気はほんとに異常、楽しかったし凄く勉強になった
というかこれからもよろしk

ちなみにこの話はそれほど複雑にする気はないから5,6話で終わる予定です
完結したら異世界を始めようと思ってます

2話はちょい10分ほどの休憩の後、始めますね!

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:36:17.60 ID:f1jeCbU20
総合のあれはあんただったのかー
期待してるよ

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:37:12.37 ID:vJhAehor0
wktk

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:46:51.62 ID:gz9ASLPvO
wktk

60 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:49:05.88 ID:l/kIZC9i0
というわけで再開します

あ、そうそう私信だけど、見てるかわからんが総合の4重奏の方
使うのは恐らくラストになるので
それまでに超大作を完成させて投下してほしいんだぜwww

61 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:50:53.28 ID:l/kIZC9i0

      《 第二音 鎮魂弦奏 》




僕は…気付けば僕は暗闇の中に居て…そして…



『さあ、ブーン! あたしを弾いて!!』



僕は…この音色を知っている、これは…



(;^ω^)「…君は、君はいったい!? どこに居るんだお!?」

(??)『慌てないで、大丈夫よ』

(;^ω^)「いったいどうなってるんだお!? あのロボットは!?
       僕はどうなって…いやだから君は!?」


(??)『説明はあと! それより…』



62 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:52:11.91 ID:l/kIZC9i0

そこへ、轟き響く突然の爆発音


(;゚ω゚)「おっ!?」
(??)『きゃあ!』


僕の言葉を遮った彼女の声を更に遮るように大地を揺るがす重低音
いやむしろ実際に揺れている、凄まじい震動が僕等を襲った


《敵機多数接近中 外部シェルター破壊 本機損傷はありません》


(;^ω^)「敵機?損傷?」

(??)『もう気付かれたの!? リィン、状況は!?』


《現在戦車部隊に包囲されています 数は5 現在被弾数3》


(??)『それなら…まず緊急起動!!』

《了解》

(;>ω<)「うおっ、まぶし!」

突然、正面に白の縦線が走り、左右に広がっていく

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:53:10.24 ID:yfLZfMz50
支援

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:53:23.71 ID:CLIXhGce0
支援

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:54:08.46 ID:aqZVDbP/O
支援

66 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:55:01.25 ID:l/kIZC9i0

その様はまるでカーテンを開いたように、眩む視界の先には広がる世界の姿

(;^ω^)「あ、え?え?」


360℃、全方位に広がる世界は見慣れた景色、違うのはたった一つ
目に映る全てが目下足元にある、つまり自分はかなり高い場所に居るようだ


そして隣には


ξ*゚听)ξ『…な、なによっ!』


ちんまい幼女が居た

いや少し違うな、いやいや、かなり違う
なんというか…8頭身キャラをデフォルメ化したような…

とにかく小さいのだ


(;^ω^)「…はい?」

ξ*゚听)ξ『じろじろ見ないでよっ!』


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/10(木) 23:57:05.61 ID:IJYHd5rt0
音楽家の俺が見ているぞ

68 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:57:13.20 ID:l/kIZC9i0

(;^ω^)「…」
ξ*゚听)ξ「…」

しばし見つめ合う、どうしろと?

ξ;゚听)ξ『はっ! そ、そんな事よりほら! 早くあたしを弾くのよ!』

(;^ω^)「弾く?」


そこへ、再び爆音、連続した音と共に視界が半分煙に消える


ξ;><)ξ『きゃ!?』


同時に地震、幼女は更なる震動に耐え切れず体制を崩し
そんな彼女へ向け、僕は咄嗟に手を伸ばし


ξ゚ー゚)ξ


細い腕を掴んだ瞬間 彼女が微笑んだ

(;^ω^)「え?」


69 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/10(木) 23:59:58.73 ID:l/kIZC9i0

(; ω ) ゚ ゚ 「な!?」

影の正体は見慣れた物体

彼女を掴んだ筈の手に握られていたのは、盗まれた筈の僕のヴァイオリンだった


(;゚ω゚)「なんじゃらほいーーーー!?」

ξ゚听)ξ『ほいじゃないわよ!内藤、グズグズしないで弾くの!!』

(;^ω^)「いや、あの、ええええええ!?」

ξ♯゚听)ξ『あーもー!ごちゃごちゃうるさい! 」

(;^ω^)「ごちゃごちゃって」

ξ♯゚听)ξ「いいわ、ならとにかく下を見なさい」

何やら苛立つ幼女の声に言われるままに下を覗く
下に見えたのは廃墟と化した街並みと、こちらへ砲身を向ける戦車の姿

(;゚ω゚)「あれは…っ!」

戦車には大きな旗がついていた
風になびくその絵柄は見覚えがある


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:00:49.46 ID:FWXLLTQS0
こ、これは!?
例のアレじゃないか!

71 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:01:21.71 ID:j786yaD10

みんな知ってる、僕だって知ってる

忘れよう筈も無い現世界における恐怖の現れ


(;゚ω゚)「て、帝国…グラン……?」


あの旗を掲げるのは、グラン帝国と呼ばれる国
正式名称グラン・コンオー帝連盟国

グランディオーソ、そしてコンフオーコと呼ばれる二つの国からな大国
『壮大な炎』を国言に掲げ、火に異常なまでの信仰心を持ち

強大な国力、戦車と呼ばれる移動式砲台の開発、及び多数保有し
頻繁に他国への侵略を繰り返す危険な国

だが…最近は大人しくなったと聞いていた、はずなのだが


(;゚ω゚)「な、なんで!? どうして帝国の戦車隊がここに!?」

ξ゚听)ξ『詳しい話は後でって言ったでしょ!』

(;゚ω゚)「なんでそんなに冷静なんだお!? あの国が攻めてきてるんだお!?」

ξ゚听)ξ『そう…このままじゃこんな小国はすぐに滅ぼされるでしょうね
     だからあなたは今ここに居る、あなたが今知るべき事はそれだけよ』


72 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:03:35.19 ID:j786yaD10

彼女の言っている事が理解できない
正確に言えば分かりたくないのだが…考えうる中で一番嫌な可能性を口にした

(;´ω`)「まさかそれって…僕がこのロボットで戦えって事かお?」

ξ゚ー゚)ξ『そういう事よ、察しがよくて助かるわ』

彼女は嬉々としてそれを肯定した

(;゚ω゚)「バカな事言うんじゃないお! 僕にそんな事できるわけないお!!」

ξ゚听)ξ『いいえ、出来る、ブーンであるあなたになら必ず…さあ』

彼女が僕へ向け一歩踏み出し、真っ直ぐに向けられた視線が僕を射抜く
思わず後退しかけるも、負けじと反撃する

(;゚ω゚)「だ…だいたいブーンってなんだお!?
      僕は内藤ホライゾンだ、何か勘違いしてるんじゃないのかお!」


ξ゚听)ξ『分からないの? このままじゃまた繰り返す事になるわよ』


繰り返す、何を?

この国が滅びる?


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:04:43.93 ID:5xnjjpgS0
支援

74 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:06:38.62 ID:j786yaD10

戦火に呑まれ、焼かれ、崩壊し、虐殺、人が死ぬ…国が死ぬ

あの場所のように? あの日のように?

そこまで考えて、強烈な頭痛が僕を襲った


(; ω )「…いっっっ!?」

ξ;゚听)ξ『え、どうしたのブーン、大丈夫?』

(; ω )「ぅ……っ」


立ち眩み、揺らぐ視界、全てが白く染まる――その過程

白い視界を投影機が映すように、彩る赤

夕焼けのような、禍々しく美しい赤


(; ω )「…?」


鮮明に蘇る夢の記憶


75 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:07:35.87 ID:j786yaD10

焼き払われたのは、家族、友人、居場所、そんな地獄絵図


(  ω;)「…ぁ」


自分で何が悲しいのか、それすら分からないまま、頬を一筋の涙が伝う


ξ゚听)ξ『…今、それを止める力があなたにはある』

(  ω )「…っ!」


更に爆音と地鳴り、彼女が微かに悲鳴を上げた
そして響くアラーム音と先の女性の音声


《装甲危険領域へ突入 早急な音源の補給を要請します》


周囲が赤く点滅を繰り返し、赤と煙が視界を奪う

その際、その隙間に僅かに覗いた、燃える家屋


(;゚ω゚)「!?」


76 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:09:57.18 ID:j786yaD10

既に見えなくなったその場所を凝視する
そんな僕の意思に応える様に、右下方に四角い板状の光が現れた
光はすぐさま煙の奥を現し、数度の機械音と共に映像の倍率を上げ

凄惨な光景が映し出された


ξ )ξ『ひどい…』

堪らず彼女が悲痛な声を漏らす
逃げ惑う民衆、崩れ煙を上げる家屋
僕の意識の向かう方向へと画面は動き、やがて広がる赤い水溜りを写した


そこには 四肢の潰れた――――


僕の中から何かが湧き上がる
許せない、こんなのは許されない

(  ω )「し…たら……どうすればいいんだお?」

ξ゚听)ξ『…』

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:10:17.94 ID:Fd/hyp8a0
支援

78 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:11:57.73 ID:j786yaD10

《敵戦車増援 多数出現しました》

そんな僕の言葉に、彼女は静かに答えた

ξ゚ー゚)ξ『あたしを弾いて、そうすれば…』

尚も続く爆発音、景色が揺れ、警報が鳴り響き
レッドランプが現状の危険を知らせる

《装甲―き――け―ん》

意味のよく分からない警告を繰り返す声は続く爆音に掻き消え

(  ω )「…分かったお」

そんな中で、僕はそっと肩に『彼女』を乗せ、顎当てに顎を乗せて挟み込む

ξ*゚听)ξ『んっ…』

人差し指から滑らかに弦に触れ、弓を構えると
第三ポジションからE線を強く擦る

ξ////)ξ『あっ!!』


79 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:12:53.31 ID:j786yaD10

《音源確認 収集開始》

高音が響き、心が細く、思考は白に染まる
確かめるように腕を動かし、今度はビブラートを重ね高低音を繰り返す

ξ////)ξ『だめぇ…こんなの、やだ…や、あっ』

演奏とはとても言えないムチャクチャな音
それでも構わず感情のままに擦り続ける

ξ////)ξ『あっ、あっ…んんっ』

《敵戦車 次弾装填》


(  ω )「…!」

また撃つつもりか、人を人で失くす忌むべき魔弾を
思わず力を込めた指先が弦を強く弾いた

響く破裂音


ξ////)ξ「やっ!!!」


《障壁 起動》



80 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:14:10.55 ID:j786yaD10

その音に声が応えた、外部から響く強烈な破裂音
視界を覆っていた煙が一揆に晴れ、景色が見通せた

相変わらず眼下には戦車が並び、その砲身を真っ直ぐにこちらへ向けている

音が聴こえる

吹き上がる熱気と排気音、地を抉るキャタピラの回転、軋み上がる砲身
脅えた音、戸惑う音、そして――敵対する意思

「  撃て!!  」

同時に爆発、大きな煙が上がった


響く音は遠く、起こる炎も遠い

(; ω )「…?」

《音障壁 ピチカート 正常に作動しました》

(;^ω^)「しょうへき? ピチカート…!?」

機械的に告げる音声、聞き慣れた単語が耳に届き、ハッと気付く
ピチカートとは指で弾く奏法の事だ、それが何?なんだって?


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:14:25.37 ID:gHajmu6t0
楽器萌えキャラのお題出したの俺だったりする。
しえ

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:15:15.80 ID:h2+xJc4UO
支援

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:18:40.51 ID:5xnjjpgS0
支援

84 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:19:33.59 ID:j786yaD10

ξ////)ξ『はあ…はぁ、ブーン?…もう、おちついた?』

(;^ω^)「どうしたんだお、そんな息を荒げて…」

ξ♯゚听)ξ『う、うるさいっ!! いい、よく聞きなさい…』

(;^ω^)「ら、ラージャ」

ξ゚听)ξ『あなたは今このリィン・フォルツェンドの奏縦者になったのよ』

(;^ω^)「りぃん…なんだって?」

ξ゚听)ξ『リィン・フォルツェンド、このロボットの名前よ』

(;^ω^)「リィン…」

《イエス マイスターブーン》

(;^ω^)「お…」

ξ゚听)ξ『このロボットの動力源は音、私達楽器を鳴らす事で得るの
      つまりあなたの演奏がそのまま力になるってことよ』

(;^ω^)「…えーと、あの…よくわからn」

《障壁レベル低下》

微かな震動、遠くから爆発音が続く

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:21:18.83 ID:NuTF8Zxi0
これって歌も動力になるのかな支援

86 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:23:17.21 ID:j786yaD10
ttp://www.fileup.org/fup149264.mp3.html
パスはsiki

これを聴きながらだといい感じかもしれない
曲は割と有名な四季、冬

87 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:26:00.50 ID:j786yaD10

どうやら相変わらず砲撃は尚続いているらしい

《早急な対応を要請します》

ξ;゚听)ξ『そうね…じゃあ…』

(;^ω^)「あう…?」

ξ゚听)ξ『内藤、攻撃よ!!』

(;^ω^)「攻撃って…ど、どうやって?」

ξ゚听)ξ『そうね…うん、イメージするの、強く、強く、弓を引く自分を』

( ^ω^)「弓お?」

ξ゚听)ξ『そう、そして精一杯引いたら…今のあなたの思いをそのまま曲にして放つのよ!』


( ^ω^)「思い、弓を引く…」


( -ω-)「…」

願うのは、赤を打ち消す、白
炎を消しさる、氷の欠片

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:26:34.03 ID:QUeedRbhO
ツンがエロい
支援

89 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:26:45.24 ID:j786yaD10

―――――。

一方、戦車で巨大な塊に挑む者達はそれに戦慄した
何発もの砲弾を受けてもびくともしない装甲

そして今では奇妙な音色が響き、砲弾が全て見えない壁に阻まれているのだ

(×゚1゚)「おのれ、なんなのだ、こいつは!!」

(×゚2゚)「Worker, kill without fail!!」

地を揺るがすような低音が幾度と無く響く
だが何発撃った所で何一つ変化は見られない、彼らは皆一様に困惑した
過去一度たりとも止められる事等なかったこの砲撃が通じないのだから当然か


…やがて風に乗って微かな音色が響き始めた

(×゚3゚)「…ん?」


     《コード 震動破滅弦奏曲》


外部に大きく響く、女性の無機質な声
一定のテンポで鳴らされる演奏、徐々に激しく成り響く弦曲

90 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:27:31.72 ID:j786yaD10


     《 アレグロ・ノン・モルト 》




その声で、音が弾けた

外部に激しく聴こえてくる演奏

騒がしい大音量とは違う、まるで世界中を包むような不思議な音色


(×゚1゚)「なんだ…?」

(×゚2゚)「誰だ、どこから聞こえてくるんだこれは!?」

大気が震えている

戦車に搭乗する彼等はそんな錯覚を感じると同様に全身にも震えを感じた
音色に包まれた世界が、まるで感動に打ち震える様に揺らめく

そこで不意に大きく何かが軋む音が響くと、大きな破裂音が轟いた

戦車の内一つが大きな音を立てひび割れと同時に砕け散る


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:28:10.43 ID:RXXGRrPd0
これなんてラーゼフォン

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:28:27.55 ID:LPeVSznjO
クラシックが聞きたくなった支援

93 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:28:28.04 ID:j786yaD10


「う、うおおあああああ…!!!??」


破片の隙間を縫うように内部に居た筈の人間が地に落ちた
彼が座っていたシートも、目の前にあったコンソールも全てが震動の中砕け散り


その場で、目撃した者は誰もがその破戒の旋律に戦慄を覚えた
人に一切の危害を与えぬまま、戦車と、周辺の建築物全てを滅していくその異行



その奇跡を



美しき演奏は加速する、心を奪う弦想曲に混ざり合う様々な音色




ξ )ξ『〜〜♪』



どこからか重なる歌声、次々に砕かれゆく兵器群、崩れた家屋
規則正しく鳴り続く演奏と破裂音が重なる

94 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:29:06.01 ID:j786yaD10


砕けた破片は更に灰塵と成り、風に煽られ空へ昇った


脅える人々は絶望を見た、この世の終焉を知らせるような音色に
全ての攻撃を無に帰し、眼前に聳え立つ白き巨人
気付けば数十と居た筈の戦車隊は一機残らず跡形も無く粉砕した


救いを求める人々は希望を見た、生まれ出ずる勇気を与えるような音色に
崩れた家屋の下敷きとなった人は突然差し込んだ光に目を細め
分かたれた家族は再会に涙した


そんな様子を呆然と眺める人々の中、広がる無空間を舞い上がった塵が宙を舞った

全ての音は吸い込まれるように消え去り、誰一人として言葉を発する事無く
静止する時の中で人々はその光景に見惚れ…またあるいは恐れ


(  ω )《四季、冬》



95 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:30:29.75 ID:j786yaD10

そんな中、どこからか聴こえた、穏やかな青年の声


深々と舞う塵が降り注ぎ、一面を白く染めていく


雪は積もる、人々に、街に、彼が乗るその巨躯にと


そして――


全ての音が途絶えたその場にはただ、それを見上げる人々と


巨人が静かに立ちすくんでいた


                          二音 終




次回 二節 《ブーンと呼ばれし者》 つづく

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:32:06.10 ID:fJu2DV9eO


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:32:10.15 ID:Fd/hyp8a0
しえん

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:32:30.52 ID:Fd/hyp8a0
じゃねえや 乙!

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:32:58.09 ID:J4ZK/4/w0
まとめていい?

100 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:33:38.66 ID:j786yaD10
ぎゃああああ余計な所まで入ったあああああ!!!
最後の行はスルー推奨

てことで以上でした!支援ありがとうです!
>>81
お前か!乙
>>85
その辺は後々

101 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:34:15.04 ID:j786yaD10
>>99
わぁいおねがいします

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:34:57.14 ID:u45K/VHC0
乙!

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:43:41.44 ID:P7z93WzGO
おつ

104 : ◆6Ugj38o7Xg :2007/05/11(金) 00:46:10.20 ID:j786yaD10
次回予告!

ξ゚听)ξ「ああ、一度具現化されたらもうずっとこのままよ」
    「バーローwwww」(^ω^ )

失ってしまった愛する我が楽器

( ・∀・)「やあ、締め切りは守れてるかなー?」
(;'A`)「あ、…モナーさん…!?」

そしてそれはまた、違うお話

そして現れる第二の音色!その名はクー!!

∧,,∧
川 ゚ -゚)   ねこみみとかって…どう思う?

(^ω^)「うめえwwwwwww」

それでいいのか?これでいいのか!?

風雲今日を告げる次回、見逃す確率は高い!
何故なら落ちるのが早い、早すぎる!やめてくれストレイトクーガー

続きは…WEBで!!

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:46:43.01 ID:KKq2KyxJ0
>>1
総合で話題上がってたから探してみたら
やっぱりおまいか
待ってたぞ

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:47:48.03 ID:Fd/hyp8a0
>( ・∀・)「やあ、締め切りは守れてるかなー?」

おまwwwwwwww

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/11(金) 00:48:57.65 ID:gHajmu6t0
これはひどい次回予告www
乙!

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