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( ^ω^)がどこまでも駆けるようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:51:10.72 ID:f9ePKG050
・ 












                       君の道を僕が照らす。
              
             だから…だから君は信じた道をどこまでも駆けて行けお。















2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:53:44.84 ID:760LydCM0
>>1先生の次回作にご期待下さい。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:54:47.85 ID:f9ePKG050

                      時は中世。

                  権力と暴力が支配する時代。

          より多くの鉄を より多くの塩を持つ者が民を支配していた時代。

               北の大陸に【鉄の支配者】ラウンジ王国

               南の大陸に【塩の支配者】神聖ピンク帝国

              この歴史上類を見ない二大大国に挟まれた小島。

                   【鉄と塩の道】中継点 

               それが物語の舞台となるアルキュ島である。

                 常に大国の干渉を受けるだけでなく

            4つの民族がそれぞれの正義を掲げ覇権を争うこの島に

                   血の雨が降らぬ日は無い。  



                       だが。

            だがそれでも彼らは信じた道をどこまでも駆け続けた。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:55:23.26 ID:UuP3d0SN0
様子見支援

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:55:23.73 ID:k/DMj69m0
>>1先生の次回作にご期待下さい。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:57:18.39 ID:f9ePKG050


                  幼き日の全てを失くした者。

                自らの体を流れる血に翻弄された者。

                  信念の下に友を裏切った者。

                     家族を失った者。

                     家族を捨てた者。

   暗殺者としての過去を持つ者。

               彼らは悩み。苦しみ。それでも時代を駆ける。

        そして小さな流れはやがて集い。彼らを運命と言う名の激流に飲み込んでいく。

                   安らぎの日々は終わった。

                   さぁ。物語の幕を開こう。






               ( ^ω^)がどこまでも駆けるようです



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 22:58:43.46 ID:ZatZJZdSO
( ^ω^)にゃーにゃー

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:01:16.68 ID:f9ePKG050


                 第一部 永遠の平和の為に死を。

     第一章 雨の出会い


…カーン。カーン。

太陽が季節を間違えたような日差しを降り注いでいる青空の下、
ローハイド草原に木槌の音が響き渡る。
近隣の農民は【彼ら】に作物を奪われる事を怖れ、
例年より何日も早い収穫を終え粗末な住居に息を潜め閉じこもっていた。

そう。【彼ら】は軍隊。

どんなに統率の取れた軍隊であっても。例え自国の軍隊であっても。
国境付近に居を定める農民達が蹂躙の記憶を忘れる事は無い。
ただ、ただ災いが立ち去る事だけを静かに願っていた。

一口に軍隊と言っても、個々の表情は様々である。
初めての戦場に緊張し、布製の兵舎を建てる事すらままならない新兵達を横目に
古参の兵士達は早くも火を熾して食事の準備を始めていた。

ここにも傷だらけの兜を椅子代わりにして
湯気の立ち上る鍋をかき混ぜている男がいる。

周囲のどの兵士より早く食事の準備にかかった彼は最古参の兵に違いないのだろうが、
銀色の頭髪と首から下げられた同じく銀色の鈴。
あどけなさを残す笑顔が【歴戦の勇士】たるイメージを打ち消していた。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:01:41.71 ID:nu6+iZ8H0


これなんだ?

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:02:20.12 ID:yjQ7ormTO
C

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:04:10.71 ID:f9ePKG050
・( ^ω^)『今日のご飯は豆豆豆豆お豆さ〜ん♪』

自作の鼻歌を歌いながら鍋の中身を掬い取り、ふーふーと冷ましてから一口味見する。
真剣な面持ちで味を確かめていた彼は手元に置かれた塩袋に手を伸ばし口紐を解いたが
なにやら少し考え込んでから、それを元に戻した。

('A`)『…ナイトウよぉ。そのワケわからねぇ鼻歌止めろよな』

そう言いながらナイトウと呼ばれた青年の前に腰を下ろしたのは、
いかにも陰気な雰囲気の男である。
細すぎる程に細い体は武人よりも文人を思わせるが、
その身に着けた傷だらけの鎧が彼の戦場経験を如実に物語っていた。

( ^ω^)『そんなの僕の勝手だお、ドクオ』

('A`)『…ふん』

ドクオと呼ばれた青年は面白くなさそうに鼻を鳴らし、許可も得ずに鍋の中身を椀に移した。

('A`)『…なんだコレ!? 全然味がしねぇじゃねーか!!』

( ^ω^)『文句言うなお。塩は貴重品だお』

そう言って彼は自分の椀に盛った豆スープを嬉しそうに啜りこむ。

('A`)『…ちぇっ』

反面彼は自分のそれを一息に口に流し込み、そのまま大の字に寝転んだ。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:06:47.51 ID:f9ePKG050
・('A`)『…あ〜ぁ。メンヘルの連中は塩がたっぷり入った飯喰ってんだろうなぁ…』

空を見上げながら不満を口にする。

( ^ω^)『おっ、おっ。メンヘルは神聖ピンク帝国の支援を受けているから仕方ないお。
       その代わり、僕らはラウンジ帝国のおかげで武器や鎧には苦労しないし…。
       "隣の客はよく柿喰う客だ"って奴だお』

('A`)『…"隣の芝生は青い"だろ。"隣"しか合ってねーじゃねーか』

【北の大国】ラウンジと【南の大国】神聖ピンクは、【鉄と塩の中継点】アルキュ島を巡って何十年もの間争ってきた。
戦乱が起こる度、双方の大国では生活必需物資が枯渇する為
両国が不可侵条約を締結したのが約200年前。

以来彼らはアルキュ島に彼らに都合のいい傀儡政権を樹立しようと画策する。
ラウンジ支援下にある東のリーマン族と、神聖ピンク支援下にある西のメンヘル族を中心に
アルキュ島の戦乱は続いた。

戦費徴収を目的とする度重なる増税に民衆の不満は高まり、それに比例して官による取り締まりも厳しくなった。
増税。
徴兵。
悪法の乱立。
それに加え【義賊】を名乗る無法者集団が更に民衆を苦しめた。

…人々は希望と笑顔を忘れ、血と涙は雨となり島中に降り注ぐ。
誰もが産まれた意味すら知らず、ただ…ただ無意味に死んでいった。




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:06:51.88 ID:jVwjGQzsO
支援

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:10:16.43 ID:f9ePKG050
・そして、30年前。
奇跡が起こる。

北の貧しい土地に住む一人の下級貴族が興した革命の旗に各地の民衆が応え、立ち上がったのだ。
彼は同じく弾圧されていたニイト族と手を組むと、
リーマン族上級貴族の先兵として立ちはだかるモテナイ族を討伐。
宗教保護の盟約の下、信仰豊かなメンヘルとの同盟を締結。
そしてリーマン族との電撃的和解の後
上級貴族の支持の下、王座についた。

世に言うアルキュ王朝創立者、【統一王】ヒロユキである。

南北の大国に対し完全中立を声明した王の下、戦乱は終結するかと思われた。

ーーーーーしかし、早すぎる王の死が再びこの島に暗雲を呼ぶ。

【統一王】の死後。
まだ幼すぎる世継ぎの後見には、遺言により【評議会】と呼ばれる組織が当たる事になった。
ニイト族、メンヘル族、リーマン族の貴族による合同政治である。

だが、三者の歴史的争いの溝は深く簡単には埋まらなかった。
時を同じくしてラウンジ・神聖ピンクの両国は影に日向に干渉を再開。

両大国の支持を得たメンヘル・リーマン族はニイト族代表・王の妹婿であり【七英雄】の一人
モララー公爵を【評議会】から追放し、挙兵した公爵を撃破。
ニイト族を辺境の自治区に追いやる事に成功する。

そして、ここに再び両民族を中心とする戦乱の世が始まったのであった。

なお後世の歴史家の間で、この遺言そのものが捏造であると言われているのは周知の通りである。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:13:21.25 ID:f9ePKG050
・( ^ω^)『で、今回のメンヘル侵攻はいきなり何でなんだお?
       最近はこんなに大きな侵攻作戦はなかったお』

頬に豆粥の雑穀をつけたナイトウが相方に問いかける。
ドクオはすでに味気ない食事への興味を失っているのか、草を銜えながら答えた。

('A`)『…さぁな。俺は殺して殺して殺しまくって金をもらう事しか興味がねーよ』

そんな彼の枕元に一人の男が立ち、その顔に影が差す。

???『それはな、メンヘルの連中が我が民族の至宝を盗み出しやがったから…らしいぜ』

不満気にその加害者の顔を確認しようとしたドクオは、
それが誰なのか知ると面倒臭そうに体を起こした。

筋肉隆々とした長身に纏う、磨き上げられて陽光に輝く銀色の鎧。
背後の従者が持つ大鎌と【無敵・急先鋒】と書き込まれた戦旗。
白地に桃色の乳首を模った傾いた旗印を持つ男。

( ゚∀゚)『ま、真偽はどーだか知らねーけどな』

今回の侵攻作戦の総大将。
リーマン族が誇る勇猛果敢な将軍であり、【薔薇の騎士団】団長。

【急先鋒】の異名を持つ男、千騎将ジョルジュがそこに立っていた。




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:16:11.68 ID:f9ePKG050
・畏まる2人をよそにジョルジュは地べたに腰を下ろす。
ドクオの椀に豆粥を盛りつけ、口に含んだ。

( ゚∀゚)『なんだコリャ? 全然味がねーじゃねーか』

( ^ω^)『僕ら兵奴は、この御時世に贅沢は出来ませんですお』

それを聞いたジョルジュは己の腰につけた袋から塩を一掴み、鍋に放り込む。

( ^ω^)『おぉ!! なんて豪勢な!!』

ナイトウが喜びの奇声をあげた。
いそいそと自らの椀に豆粥を注ぎ込む。

('A`)『…ところで将軍。さっきのメンヘルが宝物をパクりやがったってのはマジなんですか?』

正反対に粥に興味を持たないのはドクオだ。

( ゚∀゚)『だから知らねーって。喧嘩売るのに理由なんて重要じゃねーんだよ。
     大事なのはこっちが奴らに喧嘩売りたいと思っている。その事実だけだ』

…こんな意味のない喧嘩なんぞ【統一王】ならしたくねーだろうけどな。

やる気なさげにそう言うとジョルジュは立ち上がり、
すぐ側で火を熾すのに悪戦苦闘している新兵達の方へ歩き去っていった。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:18:06.13 ID:ytpv2mFP0
期待支援

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:19:41.04 ID:f9ePKG050
・( *^ω^)『ジョルジュ将軍…最高だお』

豆粥を冷ましながら言ったのはナイトウである。

('A`)『…そうかぁ? 俺はあまり好きじゃねーけどな』

いちいち否定するドクオ。

( ^ω^)『最高だお。僕らみたいな兵奴に気軽に声をかけてくれる将軍なんて
       あの人ぐらいなもんだお』

('A`)『…単なるポーズじゃねーか。第一、あの人は【王室派】だろ?
    俺達モテナイの民にとって王室は先祖の仇だし、
    100歩譲ってもリーマンなんぞクソ以下の侵略者としか俺は思っt』

( ^ω^)『ドクオ』

熱く語り出したドクオに対し口を挟む。
その言葉に強い悲しみを感じ取ったドクオはハッとして顔を上げた。

( ^ω^)『…その話はやめてくれお』

('A`)『…ワリィ』

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:20:12.79 ID:chHC83ME0
支援

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:21:39.76 ID:ytpv2mFP0
支援

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:22:25.75 ID:f9ePKG050
・民族紛争下の地において、民族間の差別意識は切り離せない問題である。
それは中世においても現代においても変わりなく、時を経てもその意識は尾を引く事になる。

さらに自民族の誇りに固執するあまり、彼らは混血児・他国民を見下す傾向が強い。
その様な被差別民に対して人間以下の扱いをする事も多いのだ。
現代においても【インド建国の父】マハトマ・ガンジーは差別に苦しむ最下級カースト層を
【天使の子】と呼び解放しようとしたが、今なお差別の根は強く残っている。

この地においても滅亡寸前にあり、各地を放浪する民であるモテナイ族のドクオ。
そして、幼い時より孤児として己が属する民族も知らず一人生きてきたナイトウは
最下層被差別民だったのである。

いや。
それでもモテナイ族の誇りと言うアイデンテティを持つ分、ドクオの方が若干恵まれていると言えた。

( ^ω^)『………』

('A`)『………』

黙って己の手の中の椀を見つめるナイトウと、それを見つめるだけしか出来ないドクオ。
2人の間に気まずい空気が流れる。
それを打ち破ったのは、高らかに鳴り響く警鐘と物見台にいる見張り番の叫び声であった。

見張り兵『ーーー敵襲!! 敵襲!!!!!』

( ^ω^)『…っ!! 来たみたいだお。行くお、相棒』

('A`)『…おう。豆粥は祝杯代わりにとっておくとするか』

目で合図を交わした2人は無造作に地に置かれた獲物を手にすると、陣門に向けて駆け出した。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:25:37.84 ID:uzTavseV0
>>9
区切りの目印じゃね?

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:25:46.84 ID:f9ePKG050
・( ^ω^)『おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

('A`)『………』

右手に短刀。左手の篭手に戦爪をつけたナイトウが雄叫びをあげ走る。
一歩遅れ、無言で短槍を手に駆けるのはドクオだ。

階級と所属を示す腕章をつけた正規兵と違い、
腕章を持たない最下級兵【兵奴】である彼等は常に捨て駒同然の最前線に配属される。
新兵達が木の葉の様に死んでいく中、メンヘル兵の恐怖の的となったのはこの2人であった。

ナイトウが【兵奴】として戦場に立つ理由。
それは悲しいかな、彼のような身分の者が生きていくには軍隊か犯罪者しか道は無く
ただ軍隊を選んだ…と言うだけである。
対して、ドクオが戦場に立つのは金の為。
リーマン貴族によって牛耳られた【評議会】がモテナイ族に対して提示した
金銭による土地分譲の盟約の為である。

幾度と無く戦場を共にした2人の連携は完璧と言えた。
先行するナイトウが両手の武器で敵兵の動きを止め、ドクオがその命を奪う。
その単純作業の繰り返しは、彼らの駆ける跡に血の道を作り上げた。

('A`)『…おい、ナイトウ。あれ見ろよ』

( ^ω^)『あの腕章…百人長だお。あれを倒せばドクオの好きなお金が沢山貰えるお』

('A`)『…分かってるじゃねーか。行くぜ、相棒!!』

言うや2人は戦場の更に奥深く駆け込んでいく。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:27:30.42 ID:ytpv2mFP0
支援

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:28:09.58 ID:f9ePKG050
・('A`)『…結局コレかよ』

( ;ω;)『僕の…僕の豆粥…お塩たっぷりの豆粥…』

その後、自軍兵士を蹴散らしながら迫る2人を見てメンヘル百人長は逃げ出してしまった。
それを追って敵陣深く切り込んだ2人は自軍と離れ離れになってしまう。

運が悪かったのは、戦場に充満する血と汗と涙と…糞便や吐瀉物などの様々な汚物が蒸発して天に届いたのか
先程までの青空が嘘の様に暗くなり、滝のような大雨が降りだした事である。
それを合図にする様に両軍は兵を引いた。

そうして。右も左も。
自らの目の前すら確認できない雨の中、2人は自陣を探して走り回っていたのであった。

('A`)『…諦めろ。今頃水浸しだ』

( ;ω;)『ああああああ…あんな御馳走二度と食べられないお』

そんな事を言い合いながら、戦場で拾った外套を頭から被って走る。
濡れた外套は重く、鉄の鎧は氷の様に冷え切っていた。
と、そこで。

('A`)『…お。ナイトウ、あれ見えるか? 民家か…? 灯りが見える』

( ;ω;)『…見えないお。豆粥が…豆粥の妖精さんが見えてきたお』

('A`)『…こんなに冷えたら死んじまうな。ここはまだリーマン領のはずだ。
    雨が止むまであそこで休ませて貰おうぜ』

言って、2人はドクオが指差す方向に向け残る気力を振り絞って走り出した。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:30:05.48 ID:f9ePKG050
・数分後。
彼らは灯りのともる民家の前にいた。
粗末な木造小屋だが、2人が暮らしてきた住居に比べればはるかに立派なものであったし
隙間風は入っても雨さえ凌げれば十分であった。

( ^ω^)『おっ、おっ。ホントに家があったお。ドクオ凄いお』

('A`)『…当たり前だ。モテナイは騎馬民族だからな。目はいいんだよ』

そんな事を言いながら扉を叩く。

( ^ω^)『もしも〜し。誰かいませんかお』

…。返事は無い。

( ^ω^)『留守かお?』

('A`)『…戦を避けて逃げ出したか?いや。それなら灯りがともってるのは不自然だな』

( ^ω^)『? なんでだお?』

('A`)『…戦が始まった時は明るかっただろ?
    って事は、このクソっ垂れた雨が降り出した時に人がいたって考えるのが自然だ』

そうすると、可能性は幾つかに絞り込まれる。
2人の表情に緊張が走った。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:31:59.66 ID:ZdPP9wsq0
島国があるってことは海があるんだよな?

塩ぐらいどうにでもなるんじゃないか

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:32:30.52 ID:760LydCM0
>>27
お前消されるぞ

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:32:55.65 ID:f9ePKG050
・( ^ω^)『…雨で僕らの声が聞こえなかった。もしくは、僕らの姿を見て怖くて閉じ篭っている』

('A`)『…それならいいんだがなぁ。【先客】がお邪魔してる可能性が高いぜ』

( ^ω^)『…一家住人皆殺して、僕らが入ってくるのを待ち伏せしてるかもだお』

常に迫害の中生きてきた2人の危機感知能力は高い。
そもそも、彼らは夕食のメニューを決めるような気楽さで話しているものの
今まさに生死を分けるやもしれない状況下にあるのだ。

我々の過ごす日常と彼らの過ごす日常はあまりにもかけ離れすぎていた。

ナイトウは短剣を鞘抜き、ドクオは短槍を構える。

( ^ω^)『さて。どうするかお』

('A`)『…やるしかねーだろ。せっかく生き延びたってのに、
    このまま雨にうたれたら肺病になっちまうぜ』

( ^ω^)『…友軍だったらいいんだけど』

('A`)『…物事は最悪の可能性に対応できるようにしておくもんだ…ぜっ!!』

言うや否や合図もなしにドクオが引き戸を蹴破る。
同時にナイトウが両手の武器を構え、室内に飛び込んだ。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:35:13.99 ID:f9ePKG050
・( ゚ω゚)『…っ!?』

踊りこむナイトウの顔に蛇が襲い掛かった。
緊張状態の脳はアドレナリンを大量分泌し、景色がコマ送りのようにスローになる。
瞬間的に彼は己の顔面に噛み付こうと飛び掛ってきたそれの正体を知った。

ボロ木を寄せ集めて作ったような、何も無い室内の中央で囲炉裏が燃えている。
その奥に立つのはやはりボロボロの、何年も使い続けてきたような毛布を体に巻きつけた金髪の少女。
囲炉裏の炎でその顔は赤く染まり、手にした【それ】は踊るように自分に向かってくる…。

( ゚ω゚)『うおっ!! あぶねーお!!』

ナイトウは慌てて【それ】を左手の戦爪で叩き落とす。
確認するまでも無い。
少女が自分目掛けて振るったのは、恐るべき殺傷力を持った鉄鞭。

('A`)『…!! 女かっ!!』

一歩遅れて室内に侵入したドクオが獣のように囲炉裏を飛び越え、少女を押し倒した。
その勢いで少女が巻きつけていた毛布が宙に舞う。
ドクオは片手でその首を押さえつけ、手にした短槍を振りかぶった。

???『きゃあっ!?』

( ^ω^)『殺すなおっ!!』

('A`)『…分かっtっおぎょっ!!』

答える間も無くドクオの体から力が抜ける。
股間を押さえ悶絶する彼の下から、少女が抜け出してきた。

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:37:20.41 ID:ytpv2mFP0
これは痛い支援

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:37:46.19 ID:f9ePKG050
・ξ゚听)ξ『…ただの旅人よ』

囲炉裏を前に、再び体に毛布を巻きつけて仁王立つ少女はツンと名乗った。
突然の雨で連れとはぐれ、迷ううちに運良く空き家を発見。
濡れた服を乾かしている時にナイトウらがやってきたと話す。

ミセ*゚ー゚)リ『でも、いきなり兵隊さんが来たから驚きました』

ツンの従者を自称する短髪に鮮やかな髪飾りをつけた少女が言う。
彼女はナイトウらが小屋に飛び込んだ際、隅で丸くなっていたのだ。

( ^ω^)『…女の子2人で無用心すぎるお』

言いながら彼は自分達が壊した引き戸をはめ込んでいる。

('A`)『…全くだ。戦場には女と見たら見境ないような連中や、
    ドサクサ紛れに略奪を働くクズもいるんだからな
    灯りなんか点けてたら、そんなのを呼び寄せるだけだぜ』

そう口にしながら小さな窓に木片を打ち付けているのはドクオだ。
彼らとて、冷え切った体に囲炉裏の炎は恋しい。
外に灯りが漏れないようにする、虐げられてきた者なりの生活の知恵であった。

ξ゚听)ξ『大丈夫よ。あんただってアタシに何も出来なかったじゃない』

( ^ω^)『…それは僕らだからだお』

どこの軍隊も『表面上は』民衆の為の組織であり、戦場での略奪や強姦行為を禁止している。
特に【急先鋒】ジョルジュは誇り高く、その様な行為を一切許さなかった。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:39:27.61 ID:IR8oZRTEO
wktk支援

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:40:10.12 ID:f9ePKG050
・('A`)『…この雨は今晩はやまねーな』

灰色の空は何時しか真っ暗になり、それでも雨は降り続いていた。

( ^ω^)『仕方ないお。濡れないだけ良かったと思うしかないお』

囲炉裏を囲み、乾いた服を身に着けた4人はそれぞれの時間を過ごす。
ナイトウとドクオは錆びつかない様、武器や鎧についた水分を丁寧に拭き取り
あちこちがほつれた絹の服を纏ったツンは炎を眺めながら何やら物思いに耽っている。
ミセリと名乗った少女は部屋の隅に置かれたズタ袋から材料を取り出し、囲炉裏で鍋を煮込んでいた。

ミセ*゚ー゚)リ『こんな状況ですから大した物は作れませんが…』

言いながら椀に盛り分けた粥を配る。

(;'A`)『…すげぇ。大御馳走だ』

椀の中には雑穀ではなく精米されピカピカの白米で作られた粥が注がれている。
普段彼らが食べているような食材を限界まで水で引き伸ばした様な代物ではない、
口の中で米の味と食感が楽しめるようになっている。
更に程よい量の塩と複数の調味料で味がつけられ、御丁寧に兎の乾し肉まで入っていた。

( ;ω;)『美味しい…美味しいお…この御礼は何でもしますですお』

ミセ*゚ー゚)リ『ふふ。お代わりは沢山ありますから。遠慮しないで下さいね』

ξ゚听)ξ『……泣く事無いでしょ。大袈裟な』

たっぷり作られた粥の鍋が空になった時。
冷え切っていた筈の体は芯から温まり、汗を掻くまでになっていた。

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:40:49.03 ID:ytpv2mFP0
し え ん

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:42:39.59 ID:f9ePKG050
・暖かい食事と満腹感は、人を幸せにしてくれる。
食事を終えた4人は、先程殺しあおうとしていたのが嘘のように打ち解けていた。

( ^ω^)『で、ツンはどこまで行くんだお?』

更にこの青年の生まれついての性格なのか、人見知りというものをしない。

ξ゚听)ξ『…当てのない旅よ。』

ツンは一言でその会話を打ち切る。

ミセ*゚ー゚)リ『と、ところでお二人はどちらに所属する兵隊様で?
     見た所我らと同じリーマンのお方のようですが…?』

ツンに付随するかのようにミセリが質問した。

( ^ω^)『僕らは【急先鋒】将軍の兵だお』

ξ゚听)ξ『【急先鋒】…?』

その単語を聞いた彼女らの顔色が変わった。
転がるように部屋の隅に固まると、小声で何やら相談を始める。

…ひm…急先……王…派重鎮…必ずや…になって…
分か…てる。…彼ならきっと…。

( ^ω^)『?』

やがて、相談がまとまったのか2人は囲炉裏の前に戻ってきた。


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:43:06.39 ID:IR8oZRTEO
支援

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:43:31.77 ID:jmdrhrlhO



これなんなの?ふざけてるの?

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:43:48.03 ID:/SG5w9FH0
全く読んでないけど支援

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:44:54.02 ID:f9ePKG050
・ξ゚听)ξ『…アンタ、さっき食事のお礼はなんでもするって言ってたわよね?』

( ^ω^)『お?』

そんな事言ったかな?と言った風のナイトウにツンが畳み掛ける。

ξ゚听)ξ『じゃ、明日アタシ達を将軍の所に案内しなさい。お礼は弾むわ』

その言葉にブーンは両手を振って拒否反応を示した。

( ;^ω^)『無理無理無理だお!! いくら将軍が気さくな人でも僕らみたいな兵奴が
       自分達から将軍に近づくなんて出来ないお!!』

ξ゚听)ξ『大丈夫よ。アタシが保障してあげるわ』

( ;^ω^)『そんな根拠の無い保証されても困りますお!!』

ミセ*゚ー゚)リ『ホ、ホントに大丈夫です!!
     え〜と、ひ…お嬢様は将軍とは遠縁に当たりまして…』

( ;^ω^)『で、でも…』

それだけは、と必死に拒否するナイトウ。
そこに口を挟んできたのは沈黙を守ってきたドクオだった。

('A`)『…いいんじゃねーか。どーせ帰り道だしよ。それより、明日は早く出発だ。
    遅くなったらまた戦が始まるかも知れねーからな。
    分かったら、ホレ。早く寝ようぜ』



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:46:24.31 ID:JEtobttpO
これ料理人?
だとしたらジャンルを間違えたな。

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:46:35.03 ID:iw+6wlBKO
>>38
落ちつけ

wktk

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:46:59.62 ID:f9ePKG050
・ドクオの言葉にようやくナイトウは渋々首を縦に振った。

種火を残して灯りを消し、男女別れて床に丸くなる。
やがて、女性二人が小さな寝息を立て始めた頃。
囁くような声で何やら話す声が聞こえだした。

…起きてるか?

起きてるお。で、観察した結果はどう思うお。

…ありゃ、かなりのワケアリだな。
旅の途中とは思えねぇ絹の服と豪華な食事。
お嬢様に侍女。
終いにゃ、【急先鋒】は王室派の重鎮。必ずや力になってくれる…と来たもんだ。

ドクオは…どうするお?

…面倒事は嫌いなんだがな。でもどうせお前は最後まで面倒見るつもりなんだろ?

すまないお。

…気にするな。駄目って言っても着いて来る勢いだし…それに、儲け話に繋がるかも知れねーしな。

その言葉を最後に2人の会話は途切れる。
そして、女性陣に遅れる事数分後。
彼ら2人は豪快な鼾を立てはじめた。


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:47:00.87 ID:IR8oZRTEO
支援

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:47:49.86 ID:ytpv2mFP0
wktk支援

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:49:59.21 ID:chHC83ME0
支援

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:52:10.64 ID:3z9lN+6U0
支援

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:52:22.29 ID:q92X6oAo0
>>27
そんな簡単な問題じゃない
時代にもよるが塩を精製するにはコストがかかるし手間もかかる
実際に昔の中国では塩は高価なものとして扱われ、塩さえあれば軍を率いれるほどだった

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:53:41.81 ID:f9ePKG050
以上、第1章でした。

本日は第4章まで投下させていただきますが、
第3章まではストーリーの導入部分。
JOJOで言えば、ファントム・ブラッドの冒頭で石仮面を被った男が『長!!』『長!!』コールを受けている部分程度です。
正直退屈かもしれませんが、ストーリーを展開するに当たって不可欠な部分でもあり
ご了承ください。

第4章では自分の持ち味であるキャラの大暴れが少しづつ出てきますので。

でわ、第二章投下させていただきます


・←コレはメモ帳に書き溜めてた時、30行区切りの名残です。
申し訳ない。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:54:23.82 ID:Jglg4pSv0
>>48
その辺の話はやめてやれ
言い出すと白米=稲作文化圏に必要な降水量とか
色々飛び出してスレがえらいことになる

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:55:06.68 ID:vtTC5Dyw0
wktk支援

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:55:24.17 ID:ytpv2mFP0
wktk支援

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/25(金) 23:57:57.00 ID:f9ePKG050


     第二章 陰謀と思惑と


ナイトウとドクオが粥に舌鼓を打っている頃。
数里離れた森の中。
やはり小さな小屋の中に2人の男達がいた。

???『それにしても参ったな。服がビショビショになってしまったぞ』

???『この雨でせっかくの【至宝】まで見失ってしまったと言うのに服の心配か。流石だな』

呆れ返った様な声。
…奇妙である。確かに小屋の中には男が2人。
にもかかわらず、聞こえてくる声の質は全く同じであった。

やがて暗闇に目が慣れてくる。一人の男が小屋の隅に詰まれた薪を、囲炉裏に放り込んだ。

???『準備出来たぞ、兄者』

???『うむ』

兄者と呼ばれた男が懐から手の平大の玉を取り出す。

???『くらえっ!! 兄者玉・五式っ!!』

掛け声と共にそれを囲炉裏に叩きつける。
数分の後。小屋は囲炉裏が放つ炎に明るく照らされていた。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:00:17.86 ID:6cSOB08l0
・(´<_` )『おぉ。珍しく成功したではないか、兄者』

( ´_ゝ`)『何を言うか。俺の兄者玉に失敗の文字は、ほとんどない』

炎に照らされたその顔は全くの瓜二つ。
頭に巻きつけた色とりどりのターバンが、彼らがメンヘルの民である事を表わしていた。

リーマン首都であり、アルキュ王国の王都デメララ。
そこの【沈黙の塔】番人が彼らの顔を見れば、
一目で彼らが【至宝】を盗みだした犯人だと指摘しただろう。
もっとも彼はこの場にいなかったし、死人に口がきける筈も無いのだが。

濡れた服を脱ぎ捨て、炎にあたる二人。
その上には水を湛えた鍋が架けられ、沸き立つのを待っている。

(´<_` )『それにしても…俺達は声も顔つきも体格も全てそっくりなのに、
       どうして兄者のはそんなにお粗末なのか理解に苦しむな』

( #´_ゝ`)『やかましい』

言いながら兄者は脱ぎ捨てた服からまたもや一つの玉を取り出した。

( ´_ゝ`)『兄者玉・十九式!!』

威勢の良い掛け声と共に静かにそれを鍋に落とす。
やがて、それはゆっくりと溶け出しなんとも言えないいい香りが小屋中に充満した。

(´<_` )『ほぉ、今日は鳥粥か』

( ´_ゝ`)『卵入りだ。喜べ』

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:03:18.22 ID:6cSOB08l0
・言いながらどこからか取り出した卵を鍋に割りいれ、半熟になった頃合を見計らって椀に盛る。。
塩を豊富に使ったその味は、ミセリが作ったそれに引けを取らないものだった。

d(´<_` )『旨い。流石は兄者。無駄な方向に才能を活かしきっているな』

( ´_ゝ`)b『…褒め言葉と受け取っておこう』

それからは黙ってひたすら粥を食べ続け、鍋が空になった頃2人は倒れるように横になった。

(´<_` )『で、兄者。どうするんだ?』

( ´_ゝ`)『うむ。どうせ我々の物ではないんだ。このまま洗わずトンズラしよう』

(´<_`# )『鍋の事ではない。このまま【至宝】を見逃すのか?』

弟者の台詞に兄者は大きな欠伸をしながら答える。

( ´_ゝ`)『この雨だ。やつらだってどこにも行けんさ。
       放っておいても遠くに逃げられるわけでもないだろう』

(´<_` )『流石だな。物臭な兄者らしい考えだ』

( ´_ゝ`)『…頭脳派と言ってくれ。どちらにしても逃がしはせんよ』

ーーーーーメンヘル最高の隠密・【金剛阿】【金剛吽】と呼ばれた我らの名に懸けて。

兄弟は声を合わせて言うと、いかにも愉快そうにニヤリと笑った。

翌朝。完全に雨が上がったのを確認して2人は小屋を出る。
結局最後まで彼らは、彼らが惨殺したこの小屋の元住人の方を見ようとしなかった。

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:04:08.13 ID:HWzv24G60
支援

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:05:45.52 ID:6cSOB08l0
・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

( #゚∀゚)『…あ〜、なんで俺様があの引き篭もりを出迎えなきゃならねーんだ』

リーマン軍陣地内。
総大将用の幕内でジョルジュは不機嫌を隠そうともせずに言った。
手にした水差しを勢いよく机に叩きつけ、
溢れた水が豪奢な外套に染みを作った。

( #゚∀゚)『おいっ!!』

使者『ひ…ひゃいっ!!』

( #゚∀゚)『亀野郎はまだつかねーのか!! すでに指定した時刻を半刻以上過ぎてるぞ!!』

使者『お…おおおそらく昨夜の雨で道がぬかるんでいる為に遅れているのかと…』

( #゚∀゚)『ちっ』

舌打ちを一つして使者から視線を外す。
一晩中この状態に置かれた、この男こそ不幸というべきである。
彼はただ、評議会よりの使者が来る事を伝えに来ただけなのだ。

そこにジョルジュ子飼いの兵、【薔薇の騎士団】の一人が入ってくる。
両手を胸の前で組み合わせ一礼すると、用件を伝えた。

騎士『将軍。【評議長】ニダー様よりの使者・【鉄壁】ヒッキー様到着されました』

使者は安堵の溜息を漏らす。
それを耳にしたジョルジュは、哀れな彼を思い切り蹴飛ばしてから幕舎を出た。

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:07:46.94 ID:6cSOB08l0
・リーマン族。
彼らはアルキュ島最大の人口を誇る民族である。
だが…いや、だからこそと言うべきか彼らは決して一枚岩と言うわけではない。

元々、貴族と民衆。
つまり、支配者層と被支配者層の差格が大きい事に加え
【統一王】の出現後は彼を敬う下級貴族を中心とした【王室派】
彼の残したシステムを利用する旧支配者層である上級貴族を中心とした【評議会派】
による争いまで起こる様になっていた。

【王室派】はヒロユキの妹婿であるモララー公率いるニイト族や
革命に力を貸したメンヘル族との共存を声高に叫んでいたし、
【評議会派】はヒロユキの遺命に逆らうニイト族・メンヘル族を逆臣と呼んで憚らなかった。

【統一王】の革命に少年兵として参戦し、
攻撃においてはリーマン随一とさえ言われる【急先鋒】ジョルジュは【王室派】の重鎮であり
【評議会派】の頂点に立つ男ニダーの腹心、
守備においてはリーマン随一と噂される【鉄壁】ヒッキーは【評議会派】の重鎮である。

ジョルジュはヒッキーを『虎の威を借る狐』『鎧を着なければ何も出来ない引き篭もり』
と、酒場での笑い話にして止まなかった。
ヒッキーはジョルジュを『偉そうにしているが結局は何も出来ない口先大将』
『突進するだけの猪武者』と、笑い飛ばした。

彼らの関係は、当時の【王室派】【評議会派】の対立・心理を
ストレートに表しているとして非常に興味深い。

この様な例はリーマン族独特の物ではない。
同一民族内であっても複数の政治組織が存在し、それがアルキュ島の混迷に拍車をかけていたのだ。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:09:57.69 ID:6cSOB08l0
・そのような訳で、深夜遅くに使者訪問によって叩き起こされ
【評議会勅命】の元に出迎えまでさせられたジョルジュの不満たるや、今にも爆発寸前であった。

白銀の鎧の上から外套を纏う騎士の正装を整えたジョルジュの左右には
同じく白銀の甲冑に包まれた【薔薇の騎士団】500名が並ぶ。

正門からゆっくりと入ってきた馬車が止まり、
先行していた騎兵が馬を降り恭しく馬車の戸を開いた。

そこから堂々たる重装鎧に身を包んだ騎士が姿を現すや
ジョルジュは苦虫を噛んだ様な表情をしつつも胸の前で手を組み頭を下げる。

( #゚∀゚)『…遥々戦場まで使者の労、痛み入ります。【鉄壁】ヒッキー殿』

(-_-)『うん。出迎えご苦労である、【急先鋒】ジョルジュ殿。
    早速だが偉大なる【評議長】ニダー様よりの勅命を伝える。
    【評議長】の声は【統一王】の声も同じ。
    地に膝をつき、三拝して受けとるが良い』

正装たる外套も被らず、傲慢な態度を取るヒッキーに殴りかかろうとして
危うくジョルジュは己を押さえ込んだ。
今ココでヒッキーを殴っては、彼に着いて来た500の部下が路頭に迷う事になる。

( #゚∀゚)『…幕舎に香を焚き清めた上で、御使者の労を労う宴の準備をしてございます。どうぞこちらへ』

(-_-)『…フン』

本音を言えば、部下の前で彼に膝をつかせたかったのだろう。
しかし、それが叶わないと見るやヒッキーはジョルジュには目も向けず
足を地にめり込ませながら幕舎に入り込んだ。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:12:25.43 ID:6cSOB08l0
・薔薇の騎士A『将軍!! 落ち着いて下さい!!』

薔薇の騎士B『ここで使者を殺したら…将軍は逆賊扱い。それこそ【評議会派】の思うツボですぞ!!』

怒りと屈辱に顔を赤く染めるジョルジュを彼の騎士団が宥める。

( #゚∀゚)『…分かってる。大丈夫だ』

噛みしめた唇から流れ落ちる血を袖で拭うと、ジョルジュはヒッキーの後を追った。
ここでまたしても彼は己の目を疑う光景を目にする。

( #゚∀゚)『…っな…ヒッキー…貴様…』

総大将たる己の座に腰を下ろすヒッキー。
それだけではない。
その尻の下には、女性の乳首を模った彼の戦旗が敷かれていた。

(-_-)『ん? どうされた…っと、コレは将軍の戦旗ではないか。
    あまりにも下品な絵図で気付かなかったわ』

カラカラと笑いながら、尻の下から旗を引き抜き乱暴に地に抛る。
それは、その旗の主の足元にはらりと落ちた。

【評議会勅命】と言う権力の元、宿敵を散々侮辱するのに満足したのか。
ヒッキーは『フン』と笑うと、胸元から勅書を取り出し広げる。

(-_-)『千騎将・【急先鋒】ジョルジュ!! 勅命である!!』

ヒッキーの声が幕舎内に響いた。


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:14:09.83 ID:R2F+XrQU0
支援

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:14:34.37 ID:6cSOB08l0
・( ゚∀゚)『…なんだと…もう一度言いやがれ…』

顔面蒼白でジョルジュが呟く。

(-_-) 『フン。頭だけでなく耳も悪いのか?』

反対に白け切った表情で小指で耳の穴をほじっているのはヒッキーだ。
小指の先に着いた耳垢をフッと吹き飛ばすと、言葉を繰り返した。

(-_-)『メンヘルが王都より盗み出した【至宝】。
    これがどれ程我が民族の繁栄に必要不可欠なものか、
    頭の悪い貴公にも分かるであろう。
    犯行者はメンヘル最高の隠密【金剛阿吽】こと、流石兄弟。
    我らも隠密を放ち、この近辺で流石兄弟の姿を確認した。
    将軍は兵を駆り、【至宝】奪回の後に王都に届けるのだ』

アルキュ最強の騎士団の誉れ高い【薔薇の騎士団】。
その彼らに対し【評議会】は、迷子の猫でも探し出せと言うような命を下してきた。
王の為…王室の為ならそれも耐えよう。
だが…しかし。

( ゚∀゚)『【沈黙の塔】…あんな開かずの門の奥に【至宝】は閉じ込められてたってのか!?』

(-_-) 『あそこなら外敵は簡単には入れん』

( ゚∀゚)『…もし、【至宝】を奪回したら…その後はどうする?』

(-_-)『再び【沈黙の塔】に封印し、更に警備を厳重にする。
    それこそが【至宝】の…ひいてはリーマン族全体の安泰に繋がるのだ』


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:16:15.36 ID:6cSOB08l0
・( #゚∀゚)『ふざけるなっ!!』

その言葉にとうとうジョルジュの堪忍袋の緒が切れた。
壁に立てかけられた大鎌を手に取り、ヒッキーに切りかかる。

( #゚∀゚)『俺様が…何も知らないとでも思ったかっ!!
     【沈黙の塔】は本来重罪人を閉じ込める為の施設の筈だっ!!
     貴様ら【評議会派】は【至宝】の事など案じていないっ!!
     【至宝】の持つ権威がほしいだけだっ!!』

(-_-) 『違うね』

風をも切り裂く大鎌の一撃を微動だにせずその鎧で受け止めつつヒッキーが言う。

(-_-) 『アレが持つ権威を欲しているのはメンヘルの連中だ。
    だから【沈黙の塔】から【至宝】を盗み出すと言う暴挙に出た』

( ゚∀゚)『…権威欲しさに封印するテメェらと、盗み出すヤツラとどこがどう違うってんだ!!』

再度大鎌を振り上げるジョルジュ。
そこへ主の大声を聞きつけた【薔薇の騎士】団員達が幕舎に飛び込んできた。

薔薇の騎士A『将軍っ!!』『落ち着いてくださいっ!!』

暴風雨の如く大鎌を降りまわすジョルジュを押さえつける騎士団を
ヒッキーは面白くもなさげに見つめ、『フン』と鼻を鳴らす。

(-_-)『とにかく。貴公らは一刻も早く【至宝】を探し出すのだ。
    【評議長】の使者に手を出した罰はそれまで待ってやる』


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:17:35.57 ID:99qy8V/v0
薔薇の騎士wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
すげぇネーミングセンスだなwwwwwwwwwwwwwww

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:18:20.92 ID:6cSOB08l0
・それからしばらくして。
【薔薇の騎士団】は陣を出て馬上にあった。
彼らの先頭にいるのは【急先鋒】ジョルジュ。
しかし、その姿からは戦場で見せる大胆不敵なまでの
雄雄しさは微塵も感じられない。
500名の騎士達は、これほどまでに悔しげに肩を落としている主の姿を初めて見た。

薔薇の騎士『…しょ、将軍あれを…』

一人の騎士の言葉に、一同は自陣を振り返る。
彼らが作りあげた陣に入り込む兵の集団が見えた。
あちこちに見られる全身鎧に身を包んだ騎士達は、ヒッキー配下の『鉄柱騎士団』に間違いないだろう。

【急先鋒】ジョルジュ率いる【薔薇の騎士団】と【鉄壁】ヒッキー率いる【鉄柱騎士団】。
彼らは両団長の関係そのままにいがみあう仲である。
直接的な抗争こそ起きていない物の、市場ですれ違うだけで一般市民の間に緊張が走る。
それだけの確執はお互いに持ち合わせていた。

その政敵の手によって、命を懸けて守り通してきた戦旗が次々と引きづり降ろされていく。
今頃はゴミのように山にされ、しばらくすれば【鉄柱騎士団】の旗がたなびく事になるのだろう。

薔薇の騎士『…我らの旗が…』

薔薇の騎士『…なんたる屈辱か…』

     『 将 軍 !!!!!!』

比較的、まだ若い騎士たちがジョルジュを取り囲んだ。


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:21:48.14 ID:6cSOB08l0
・薔薇の騎士『我らはもう辛抱できません!!』

薔薇の騎士『こうなれば、あの薄汚い泥亀どもに一戦挑み蹴散らした後
      南の反乱鎮圧に向かわれている【常勝将】元帥に事の全てを訴えでましょう!!』

アルキュ王国禁軍を指揮する【常勝将】はジョルジュの師にあたる。
ジョルジュが少年兵として【統一王】の革命に参加した当時、
【常勝将】は王の右腕として活躍していた。

派閥に属する事を嫌い、【統一王】亡き後も孤高の立場から政治に携わってきた。
それゆえ、【評議会派】の権力の濫用には何度も苦言を呈している
公明正大で知られる男でもある。
その騎士の提言は悪い考えとは思えなかった。

だが…。

( ゚∀゚)『それは…まだできねぇ…』

眉間に深い縦皺を刻み、静かに瞳を閉じていた彼は苦々しげに口を開いた。

( ゚∀゚)『考えても見ろ。俺達が今、怒りに我を忘れて行動したら【至宝】はどうなる?
     こうしている間にも【至宝】はメンヘルに向かっているかも知れないのだぞ。
     そうなれば二度と我らの元に返ることはないばかりか、どのような扱いを受けるか分からん。
     王家の事を思うならまずは【至宝】を奪回せねばならん。
     …この屈辱を晴らすのはそれからだ』

身を焼かれるような屈辱を受けながらも王家への忠誠を忘れない主の姿に
騎士達は頬を殴られたような衝撃を覚える。


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:23:26.12 ID:6cSOB08l0
・( ゚∀゚)『【沈黙の塔】なんぞに【至宝】を封印させるワケにはいかねーが、
      それでも安全が分かる分、メンヘルなんぞに連れて行かれるより100倍マシだ。
      それこそ、後日元帥に直訴して待遇の改善をさせる事も出来る』

ジョルジュは自らに言い聞かせるように言葉を搾り出した。

( ゚∀゚)『まだメンヘルは軍を引いたわけじゃねーし、下手人はあの【金剛阿吽】の2人。
     単独行動は危険だ。軍を8つに分ける。
     【薔薇の騎士団】の名誉に懸けて【至宝】をメンヘルに渡すんじゃねーぞ』

その言葉を受けた騎士達は顔の前に剣を構え、一斉に答える。

騎士団『【薔薇の騎士団】の名誉に懸けて!!』

そして、即座に隊列を整え直すと東西南北に散っていった。

薔薇の騎士『では将軍。また後ほど』

最後に残った【百騎長】の腕章をつけた、中年の騎士が言う。

( ゚∀゚)『あぁ。こんなくだらねー仕事で命を無駄にするなよ』

薔薇の騎士『ふっ。あの鈍亀どもの首を落とすまでは死にませぬ』

片方の唇を上げて笑うと、騎士は馬首を返す。

( ゚∀゚)『…みんな…すまない。今少し堪えてくれ…この屈辱は必ず…』

その瞳に暗い炎が灯る。彼とて、この屈辱を甘受するつもりは毛頭無い。
遠のく騎士の姿に小さく呟きかけると、ジョルジュもまた愛馬の脇腹に軽く合図をいれ駆け出した。

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:23:53.22 ID:Qt2NwQxUO
ジョルジュと薔薇。
これはつまり……

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:24:30.76 ID:6cSOB08l0
・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兵士『司祭様。あれでございます』

舞台は変わってメンヘル軍陣地。
丸太とロープで組まれた物見櫓の上に二人の男がいた。

一人はメンヘル軍下級兵に配布される粗末な皮鎧を着込んだ青年。
もう一人は所々に銀の装飾が施された皮鎧を着込んだ老人である。

メンヘルでは階級の上下に関わらず鉄鎧を身に着ける者は殆どいない。
その理由として、【鉄の大国】ラウンジとの交流は天敵リーマン族が独占しており
純度の高い鉄を手に入れる為には各地に勢力を誇る【闇賊】を通さねばならなかった事が一つ。
更に、砂漠の民である彼らにとって鉄の鎧はあまりに不便であった事が挙げられる。

老人の頭に巻きつけたターバンからは肩まで届く白髪がのぞき、
戦場で浅黒く日焼けした顔には臍までヒゲが蓄えられている。
手にした【天星十字槍】さえなければ、年寄りの冷や水と笑う者もいるだろう。

しかし彼こそはメンヘルが誇る十二神将が一人。
この世に知らぬ者は無し。【天使の塵】【砂漠の星】の異名を持つ男。

ミ,,゚Д゚彡『…どれ。遠見眼鏡を貸せ』

その名をフッサールと言う。

ミ,,゚Д゚彡『…確かに妙だな』

自らの獲物を見張りの兵に渡し、遠見眼鏡を覗き込む。
そのレンズには昨日まで剣を交えていた侵略者の姿が映っていた。

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:26:37.28 ID:0TsM6yjC0
意図的に厨2病用語を使う辺りの度胸がすごい

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:27:44.43 ID:6cSOB08l0
・ミ,,゚Д゚彡『…ふむ』

右手で遠見眼鏡を持ち、左手で豊かな顎鬚を撫でつける。
彼が物事を考える時のクセであった。

遠見眼鏡の小さな筒の中。
勇猛で知られる【薔薇の騎士団】が見える。
だが彼らはこちらを目指すわけでもなく、隊を分け散っていった。

そして、代わりに敵陣に翻るは黒地に塔が描かれた旗。
【急先鋒】の政敵として知られる【鉄壁】ヒッキーの旗印だ。

ミ,,゚Д゚彡『あの二人が手を組んで戦場に立つとは思えんし…。
      それに、あの数少ない兵で我が軍を包囲するとも思えん…』

如何に【薔薇の騎士団】が鍛え抜かれた精鋭集団とは言え、隊を分ければ各個撃破の的になるだけだ。
ジョルジュは勇猛であっても愚かではない。

ミ,,゚Д゚彡『…何か策でもあるのか?』

フッサールは今回のリーマン軍侵攻の影に、
主である【預言者】モナーの命を受けた【金剛阿吽】流石兄弟の暗躍がある事を知らされていない。
武人であると同時に清廉な神職者でもある彼が『至宝強奪』等と言う蛮行を事前に知っていれば、
間違いなく反対しただろう。
それが名将フッサールの判断力を鈍らせた。

ミ,,゚Д゚彡『…しばらく様子を見る。備えだけは怠るなよ』

そう言い残し【天使の塵】フッサールは物見櫓を後にした。


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:28:09.36 ID:99qy8V/v0
これ意図的なのかよwwww
それにしても笑えるwwwwwwww

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:30:17.64 ID:6cSOB08l0
・−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『…どうする気だ、兄者?』

ジョルジュ率いる【薔薇の騎士団】一同が、やり慣れぬ人探しに四苦八苦している頃。
フッサールとは別の場所から騎士団を観察する4つの目があった。

ローハイド草原に面する森の中。
茂る葉の中に彼らはいる。

( ´_ゝ`)『…まさかこんなに早く【鉄壁】が到着するとはな』

【沈黙の塔】から【至宝】を奪って王都デメララを抜け出た時
その捜査を一任されたのが鈍重で知られたヒッキーと知って、兄者は油断した。
例え【至宝】とその侍女を連れているとは言え隠密たる自分達に追いつけるはずがないと。
だからこそ、昨夜は突然の雨で見失ったツン=デレの捜索を打ち止めたのだ。

兄者はヒッキーを侮りすぎた。
【評議長】ニダーに媚び諂う姿勢から、ヒッキーを単なる腰巾着と見る者も多い。
だが、彼もまた己の実力で千騎将にまで登りつめた男であり
その口先以上に頭脳と足の回転が速い男でもあったのだ。

(´<_` )『…だからあの時、邪魔になる侍女を殺せと言ったのだ。
       あの侍女さえいなければ今頃は神都に着いているだろうし、【至宝】を逃がす事も無かったはずだ』

( ´_ゝ`)『何を言うか!!』

兄者は【薔薇の騎士団】に見つかる危険も忘れて大声をあげる。

( ´_ゝ`)『少女愛好家の名誉に懸けてそれだけはできん!!』

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:32:30.45 ID:6cSOB08l0
・その言葉に弟者はガックリと肩を落とし、溜息をつく。

(´<_` )『…死ねばいいのに。では、どうする気だ?』

この木の上に姿を隠して早半日。
幾度と無く繰り返されたやり取りは、最初こそ暇つぶしには持って来いだったが
あまりに度を過ぎると苛つきに拍車をかけるだけになる。

( ´_ゝ`)『…ここを出て我らも【至宝】を捜索すると言うのはどうだ?』

(´<_` )『…却下だ』

自分達が【薔薇の騎士団】に見つかる可能性も捨てきれない。
彼らは闇夜に暗躍する者であり、真正面から【薔薇の騎士団】と渡り合うだけの力も備えも無かった。

(´<_` )『…だからあの時、邪魔になる侍女を殺せと言ったのだ』

( ´_ゝ`)『何を言うか!!』

結論が分かりきっているやり取りが再開される。

( ´_ゝ`)とりあえず様子見。臨機応変に行動しよう(´<_` )

…2人がこの結論に達するまでに、更に長い時間を要した。



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:32:46.30 ID:R2F+XrQU0
支援

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:33:33.94 ID:sDdYGpyP0
支援

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:34:20.78 ID:HWzv24G60
C円

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:34:57.28 ID:6cSOB08l0
・−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

( ゚∀゚)『…マジかよ…お前ら…』

今、【急先鋒】を先頭とする小隊の前には4人の男女が立っていた。
うち2人の男は幾度と無く戦場を共にした兵奴である。
そして、残る2人は…。

櫛も通されていない髪。泥にまみれた顔。
茂みにでも引っ掛けたのか、元は豪奢であったであろう絹の服はあちこちがほつれ
その柔肌にまで傷がついていた。

ξ゚听)ξ『…貴方が…【急先鋒】将軍…?』

疲労し怯えたその瞳。しかし、そこから同時に懐かしい威厳を感じて
気がつけば彼は愛馬から飛び降り泥濘の中、膝まづいていた。

( ;^ω^);'A`)『…将軍?』

兵奴に質問する間も与えず、腰から貴重な塩袋と銀袋を取り外し2人の手に握らせる。

( ゚∀゚)『…お前等に頼みがある』

【王室派】の筆頭として…【至宝】を王家を蔑ろにする【評議会派】の思惑通りにさせる訳にはいかなかった。
だが、それ以上に少女の瞳が彼に決意させた。
武人として。男として。ヒッキーを許す事は出来なかったのだ。

( ゚∀゚)『…ここから街道を北に行くとバーボン領に着く。
     何も言わずに2人を連れてそこまで逃げてくれ。
     我が義弟【天智星】ショボンと言う男が力になってくれるはずだ』

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:36:15.41 ID:errK4gB10
最初の・は投下の直前に消したほうがいいような

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:39:57.06 ID:6cSOB08l0


     第3章 混迷の幕開け


( ;^ω^)『しょ、将軍…? 何を…?』

青年は完全に戸惑っていた。
当然であろう。
あの名高い【急先鋒】ジョルジュが、兵奴である自分に膝をつき頼み事をするなどあってはならない事なのだ。

( ゚∀゚)『頼む…お前等を男として頼んでるんだ…』

悲痛な表情でナイトウに縋りつく千騎将。
その時、一人静観を決め込んでいたドクオが動いた。
狩人の如く俊敏さで手にした短槍を離れた茂みに投げつける。

???『…っ!!』

( ;゚∀゚)『っ!?』

声にならない悲鳴と鈍い音が重なる。
数秒遅れて、一同の前に胸の中央を短槍に貫かれた黒尽くめの男が茂みからよろめきながら姿を現した。
フラフラと2歩3歩足を前に進めてから、膝から前のめりに崩れ落ちる。

( ;゚∀゚)『影!? しまった!! 見られていたか!!』

それでも影は絶命の瞬間、口にした笛を吹き鳴らした。
甲高い笛の音がローハイド草原に鳴り響く。

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:40:34.72 ID:HWzv24G60
お!消えた消えた
支援

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:42:42.44 ID:6cSOB08l0
( ゚∀゚)『…こいつは…引き篭もり野郎が飼ってやがった影だ…!!
      くそっ!! 俺達はずっと監視されて立ってワケか…!!』

ジョルジュは苦々しげに呟く。
元々は王家の忠誠心よりも一人の男として咄嗟に出た言葉だった。
しかし、ここに来て遂にジョルジュは決意を固める。
呆然と立ち尽くすツン達に踵を返すと、愛馬の背に飛び乗った。

( ;^ω^)『あの…僕らは一体どうすれば…』

急激な展開に困惑するナイトウをよそ目に、ドクオはまだ痙攣を続ける死体の頭に足をかけ
自らの武器を引き抜く。

('A`)『…よくわからねーけど、この2人を北のバーボンまで送り届ければ褒美がもらえる。
    この塩と銀は前金って考えればいい。そうだろ?』

( ゚∀゚)『……あぁ。そうだ』

モテナイの民であるドクオは王家に関わる物全てを憎むよう幼少期から教育されている。
出来れば同行させたくなかったが、ドクオの天才的な戦闘技術を彼は高く買っていたし
この2人の兵奴以外に主の身を任せられる者はいなかった。

騎士『将軍!! 今の音は一体!?』

突然の笛の音に驚き、散っていた筈の彼の騎士達が続々と集まってくる。
その問いには答えず、金髪の少女に馬上から一礼すると
ジョルジュは右手の大鎌を天高く掲げ声高に宣言した。

( ゚∀゚)『【急先鋒】ジョルジュ!! 真の忠誠の証として、今【評議会】に背かん!!
     俺様を信じる奴は着いて来い!! あの亀野郎の首を叩き落すぞ!!』

83 :(`o_⊃o) ロドリゲス ◆ENcwH9KYeM :2007/05/26(土) 00:44:03.96 ID:r87P48qu0
厨用語満載なのに
何でこんなに面白く感じるんだろう?

支援

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:45:01.36 ID:HWzv24G60
支援

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:45:46.49 ID:kX4Frb6RO
支援

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:50:58.51 ID:R2F+XrQU0
支援

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:53:43.25 ID:6cSOB08l0
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(-_-) 『そうか…【急先鋒】が裏切ったか…』

足元に膝まづく影を前にして、ヒッキーはさも残念そうに呟いた。
顔を上げることすら許されていない影からは、その表情を覗き見る事は出来ない。
しかし、時折聞こえてくる不気味な含み笑いがヒッキーの心情を雄弁に物語っていた。

ヒッキーが放った影は、ドクオに殺された一人ではない。
こうなる事を予想して複数の影を監視に放っていたのだ。この狡猾さこそが彼の真骨頂と言える。

(-_-) (…全てが僕の思い通りに進む。順調すぎて怖いくらいだ)

メンヘルの指導者モナーが自らの正当性を天下に主張するのに、
アルキュ最大の【至宝】を血眼になって探していると知った彼は、ある計画を立てた。

それが【沈黙の塔】にあると言う情報を密かにメンヘルに流す。
敢えて塔の警備を手薄にし、その時が来るのをジッと待った。
そして、時期が到来するや否や彼は【至宝】奪回の為にどうしても…と
【評議会勅命】と言う武器を手に入れた。

あとは、猪武者のジョルジュを挑発し叛意を煽り立てるだけ。
王室の守護者を名乗る彼の事だ。
再び【沈黙の塔】に封印すると聞いて黙っていないであろう事は容易に想像できたし、
仮にこの計画が失敗に終わったとしても全責任をジョルジュに押し付ければ中央を追放するくらいの成果は上がるだろう。

そして…計画はうまく進み、ジョルジュは勅命の使者に切りかかるという暴挙に出た。
それだけでも【急先鋒】を追い込むには十分な材料ではあったが、
反逆ともなれば目障りな【薔薇の騎士団】全てを無き者としても十分お釣りが来る。
この叛乱を鎮圧し、ついでにジョルジュが見つけ出した【至宝】を手に凱旋すれば更なる栄光が手に入る事であろう。

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:56:22.47 ID:6cSOB08l0

(-_-) 『この計画がうまく行けば万騎将…いや【常勝将】と並ぶ元帥の座も夢じゃないな。
    そうすれば…いや、ダメだ。もっと…もっと登りつめないと…』

軍部最高権力者たる元帥の地位にある者の身に許された
竜の刺繍された外套を身に纏う己の姿を思い浮かべて、
それでもなお彼は満足しなかった。

(-_-) 『いずれは僕が天下に号令をかける身になる…ならなくてはダメなんだ』

そう一人語ちて、身を引き締める。
戦う事に理由が必要ならば、彼には確かにその【理由】があった。
権勢欲。
一言で言ってしまえば簡単だが、それを求める【理由】もある。

重騎士『しょ…将軍!! 【急先鋒】ジョルジュが戦陣を組みこちらに向かっております!!』

そこへ見張りに立っていた一人の重騎士が鎧を鳴らしながら飛び込んできた。

つまらなそうに『フン』と鼻で笑うとヒッキーは総大将の座を立つ。

己の武器である鉄鎚を手に幕舎を出ると、色めきだつ部下に向けて言い放った。

(-_-) 『【急先鋒】ジョルジュは勅命を裏切った!!
     我らは忠臣として逆賊を討つ!!
     出陣の銅鑼を鳴らせ!! 【鉄柱騎士団】出陣する!!』



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:58:02.91 ID:HWzv24G60
しえーん

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:58:47.08 ID:6cSOB08l0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

穏やかな風が吹くローハイド草原。
普段であれば子供達の笑い声が響きわたるこの草原を挟んで、2つの騎士団がにらみ合っていた。
その先頭に立つ、一際煌びやかな鎧で身を飾った騎士が前に出る。
【鉄柱騎士団】団長ヒッキーと、【薔薇の騎士団】団長ジョルジュであった。

彼らは戦場の『 形 式 』として、声高に己の正当性を叫び敵対する者の非を暴く。

(-_-) 『逆臣ジョルジュ!!
    法の番人たる【評議会】の勅命に背き、弓引くとは何事か!!
    即刻下馬し縄につけ!!
    本来であれば九族にまで罪が及ぶ所だが、
    過去のよしみを持って今なら貴様一人の首で勘弁してやる!!』

( ゚∀゚)『黙れ!! 逆臣は貴様だ!!
     王家を蔑ろにする権力の犬め!!
     その首切り落としてクソ擦り込んでやる!!』

(-_-) 『言いおったな!! 地獄で後悔しても知らんぞ!!』

         (#-_-)   『 全 軍 出 撃 ! ! 』   (゚∀゚# )

これ以上は時間の無駄。堪えきれないとばかりに両将が同時に叫ぶ。

今ここに歴史上初の同一民族による殺し合いが始まった。

…歴史家達は声をそろえて言う。
アルキュ暦488年。
まさにこの時、真の混迷は始まったのだと。

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 00:59:56.10 ID:R2F+XrQU0
支援

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:01:37.48 ID:6cSOB08l0
( ゚∀゚)『手前ら!! 【刺突の陣】だ!!』

騎馬を走らせつつ、ジョルジュは全隊に命を下す。
【薔薇の騎士団】が最も得意とする陣形。
隊はジョルジュを先頭とした楔型に隊列を組み突進する。
やがてそれは敵陣を両断し、蹂躙するのだ。

(-_-) 『馬鹿の一つ覚えめ!! 【岩鶴の陣】!!』

対するヒッキーは自身のいる本隊を中心に、左右に広く兵を展開する。
彼自身が敵軍を受け止め、両翼が左右から敵軍を言葉どおり『押し潰す』。
これもまた、守備には絶対の自信を持つ彼がもっとも得意とする陣形であり
左右からの攻撃に脆い【刺突の陣】に対してヒッキーが訓練を重ねてきた戦術であった。

騎士『将軍!! やはりヒッキーは【岩鶴の陣】を取ってきましたぞ!!』

( ゚∀゚)『それがどうした!!』

些細な問題とばかりにジョルジュは騎士の進言を退け、先頭を駆ける。
そして遂に両軍が接触した。

( ><)『控えよ!! 我こそは【鉄柱騎士団】百人長ワカンナイd』

( ゚∀゚)『うるせぇっ!!』

銀光一閃。

重騎士の首が宙に舞う。
早くも血に濡れた大鎌を手にしたジョルジュを先頭に騎士達は鉄の壁に突進して行った。


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:04:36.55 ID:8N3wleIhO
鋒矢と鶴翼かな?かな?

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:04:41.20 ID:6cSOB08l0
戦場において、騎馬と歩兵では高さという意味で前者に圧倒的な分がある。
その差を埋める為、ヒッキーは本陣の騎士団に長槍を装備させていた。

その甲斐あって【薔薇の騎士団】達は仇敵に達する前に愛馬を、
もしくは自身の体を貫かれ落馬していく。

それでも、彼らの先頭を駆ける将は巧みに愛馬を操り長槍の壁を掻い潜る。
そうなれば【鉄柱騎士団】が如何に頑丈な鎧に身を包んでいようと、勝ち目は無い。

( ゚∀゚)『うおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!』

ジョルジュが腕を振るう度に、重騎士達の首が。腕が。ある者は上半身が。
血吹雪と共に地に落ちる。
彼らの隊長が開いた血路に【薔薇の騎士団】達は次々と突進した。

総重量500キロを軽々越える騎兵の全体重をかけた突進に鉄の壁は次々と薙ぎ倒されていく。
単騎先頭を駆けるジョルジュはすでにヒッキーの本陣深くに侵入していた。
悲鳴と剣戟が鳴り響く戦場に2人の将が合いまみえる。

( ゚∀゚)『…ご機嫌麗しゅう御座います、泥亀野郎。
     その薄汚い首に別れを告げる準備は出来ておいでかな?』

(-_-) 『…フン』

ヒッキーは鼻を一鳴らしすると、ジョルジュの背後を指差した。

(-_-) 『首に別れを告げるのは貴様だ、猪馬鹿。
    見るがいい。我が鉄の壁はすでに貴様の兵を押し潰す準備は出来ているのだぞ』



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:04:58.24 ID:HWzv24G60
ワカンナイデスカワイソス

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:07:58.24 ID:6cSOB08l0
その言葉にジョルジュは背後を振り返る。
確かに先陣を駆ける一部の騎士達はヒッキー軍本陣に潜入していたが、大半は未だ鉄の壁に苦戦している。
その左右に岩鶴の両翼が迫っていた。

(-_-) 『光栄に思え【急先鋒】。
    我が【岩鶴の陣】は本来貴様の【刺突の陣】を破る為磨き上げられた必殺の陣。
    押し潰され、磨り潰され、練り潰され……泥の中死ぬがいい』

( ゚∀゚)『……』

嘲る様な笑みを浮かべるヒッキーを前に
ジョルジュは静かに今にも鉄の壁に押し潰されようとしている彼の騎士達を見つめている。

(-_-) 『どうした? 何も出来まい?
    貴様に出来る事は死ぬ事だけだ。
    この【鉄壁】に逆らった事を後悔しながら死ね…死ね…死ね!! 死ね!!
    死んで死んで死にまくれ!!』

興奮のあまり、ヒッキーの顔面は真っ赤に染まっていた。
彼は完全に勝利を確信していた。
しかし。

( ゚∀゚)『…黙れよ、亀野郎。下品な素が丸出しだぜ』

(-_-) 『なっ!?』

対する…絶体絶命の筈のジョルジュはあくまで冷静だった。



97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:08:31.90 ID:CaDEeV4s0
紫炎

98 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:10:28.60 ID:HJQSroo6O
自演

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:10:34.48 ID:R2F+XrQU0
しえ

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:11:34.87 ID:6cSOB08l0
( ゚∀゚)『この俺様がこの展開を予想していないとでも思ったか?
      甘いんだよ、引き篭もり野郎』

言いつつ愛馬の踵を返す。

(-_-) 『な、なんだと!! 突進しか能が無い貴様に何が出来ると…』

( ゚∀゚)『てめぇら!! 【荊絡みつく車輪の陣】を取れ!!
     日頃の訓練の成果を見せる時は今ぞ!!』

予想外の言葉に慌てふためくヒッキーを無視。
大鎌を振り上げ叫ぶと、ジョルジュは己が切り開いた血路を逆走しはじめた。
ヒッキー軍本陣で槍を振るっていた騎士達も彼に続く。

(;-_-) 『な、な、な、何をする気だ!!』

ジョルジュは【鉄柱騎士団】本陣前衛と槍を交える騎兵の脇をすり抜け、なおも愛馬を駆けさせる。
やがて、自軍の最後尾と合流。
鉄の壁に挟まれた彼の軍は、縦長の楕円と化した。
その円線上を【薔薇の騎士団】は駆ける。

( ゚∀゚)『【岩鶴の陣】は両翼の兵が足並みを揃え強固な壁となる事で敵兵を押し潰す陣。
     だが…その足並みが揃わず、壁を成せなかったらどうなるかな?』

(;-_-)『し、しまった!! 両翼に進撃中止の合図を!! 急げ!!』

ジョルジュが呟くのと、ヒッキーが【荊絡みつく車輪の陣】の狙いに気付いたのは同時だった。
ヒッキーは急ぎ、進撃停止の銅鑼を鳴らさせる。
しかし、時すでに遅し。
楕円形に運動を続ける【薔薇の騎士団】と、横一線に列を揃えた【鉄柱騎士団】が接触した。

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:13:45.45 ID:6cSOB08l0
( ゚∀゚)『この俺様がこの展開を予想していないとでも思ったか?
      甘いんだよ、引き篭もり野郎』

言いつつ愛馬の踵を返す。

(-_-) 『な、なんだと!! 突進しか能が無い貴様に何が出来ると…』

( ゚∀゚)『てめぇら!! 【荊絡みつく車輪の陣】を取れ!!
     日頃の訓練の成果を見せる時は今ぞ!!』

予想外の言葉に慌てふためくヒッキーを無視。
大鎌を振り上げ叫ぶと、ジョルジュは己が切り開いた血路を逆走しはじめた。
ヒッキー軍本陣で槍を振るっていた騎士達も彼に続く。

(;-_-) 『な、な、な、何をする気だ!!』

ジョルジュは【鉄柱騎士団】本陣前衛と槍を交える騎兵の脇をすり抜け、なおも愛馬を駆けさせる。
やがて、自軍の最後尾と合流。
鉄の壁に挟まれた彼の軍は、縦長の楕円と化した。
その円線上を【薔薇の騎士団】は駆ける。

( ゚∀゚)『【岩鶴の陣】は両翼の兵が足並みを揃え強固な壁となる事で敵兵を押し潰す陣。
     だが…その足並みが揃わず、壁を成せなかったらどうなるかな?』

(;-_-)『し、しまった!! 両翼に進撃中止の合図を!! 急げ!!』

ジョルジュが呟くのと、ヒッキーが【荊絡みつく車輪の陣】の狙いに気付いたのは同時だった。
ヒッキーは急ぎ、進撃停止の銅鑼を鳴らさせる。
しかし、時すでに遅し。
楕円形に運動を続ける【薔薇の騎士団】と、横一線に列を揃えた【鉄柱騎士団】が接触した。

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:16:08.05 ID:6cSOB08l0
円と線が接触する時。接点は面ではなく、点になる。
この理屈は諸兄らもご存知であろう。
ジョルジュの狙いは正にここにあった。

【薔薇の騎士団】はひたすら楕円形運動を崩さず、一点のみに集中攻撃を加え続ける。
素早い騎兵と鈍重な重騎士。
前者は全軍がただ一点のみを狙い、駆け寄り、一撃を加え、駆け去る事の繰り返し。
対して後者は攻撃を受ける者、敵に攻撃を仕掛けようとする者、未だ敵と接触していない者に分かれ
当然足並みは乱れ出す。

( ゚∀゚)『車輪と化せ!!』

号令一声、楕円は徐々に広がっていく。
それが完全な円形を描いた時、岩鶴の翼は完全に中心から分断されていた。

( ゚∀゚)『絡めとれ!!』

頃合い良しと見るや、ジョルジュは再び陣を楔とし分断された壁の一つに突進していく。
無敵の筈の【岩鶴の陣】が崩壊した事で混乱している所を個別撃破するのは、
数のアドバンテージもあって彼には赤子の手を捻るより簡単な事である。

(-_-) 『……』

ヒッキーは自身の不敗の陣が崩壊していくのを本陣から呆然と眺めていた。
いや。
呆然と眺めているだけしか出来なかったのだ。



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:16:20.83 ID:CaDEeV4s0
紫炎

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:18:42.13 ID:6cSOB08l0
重騎士A『…う軍!!』

(-_-)『……』

重騎士A『ヒッキー将軍!!』

(-_-) 『…っ!!』

耳元で怒鳴られ、ヒッキーはようやく我に返った。

(-_-)『喧しい!! 何事だ!!』

手にした鉄鎚でその重騎士を殴り倒す。
軽く振るっただけのその一撃で彼の頭部は熟れすぎた果実の様にあっけなく弾け飛んだ。
しかし、それも日常茶飯事なのかヒッキーの側近達は死体に構わず言葉を続ける。

側近A『何事だ、ではありませんぞ!!』

側近B『岩鶴の翼はすでに折られました!! このままでは【急先鋒】がここに迫るのも時間の問題!!』

その進言にヒッキーは必死で脳を回転させた。
こうなれば、陣に逃げ戻り門を堅く閉ざして援軍を待つ。
【鉄柱騎士団】は壊滅的な打撃を受けたが、【鉄壁】の異名を持つ者として防衛線には絶対の自信があった。
ジョルジュが攻め込んでこようとどこかへ逃げようと責任の全てを押し付けてしまえば
処分は軽く済むだろう…。

側近A『…将軍。それは出来ませぬ…』

知らず知らずのうちに考えが声に出ていたのか。側近は泣き出しそうな顔で背後遠方の陣地を指差した。
そこで再度ヒッキーは絶望的な光景を目の当たりにする。

105 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:19:03.66 ID:HJQSroo6O
ぴゅー

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:20:10.54 ID:CaDEeV4s0
紫炎

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:21:18.77 ID:6cSOB08l0
……陣が燃えていた。
到る所から火の手が上がり、
更に白地に女性に乳房を模った将旗ーーーーー引き降ろした筈の【急先鋒】ジョルジュの将旗が風にたなびいている。

(;-_-) 『な、何故だ!! 何故この様な事に!?』

側近A『…叛乱でございます』

側近B『陣にて閉じ込めておいた【急先鋒】配下の下級兵どもが脱走いたしました』

側近C『我らが王都より連れてまいりました下級兵は少数…いとも簡単に敗れ去り陣を奪われましてございます…』

そうこうしているうち、楔形に隊列を整えた【薔薇の騎士団】が再びヒッキーの本陣に迫る。
それはすでに先頭を駆ける騎士の背に立てられた【無敵 急先鋒】の文字が
はっきりと読めるまでになっていた。

(;-_-) 『か、壁だ!! 壁を作れ!!
     命に従わぬ者は一族全員の首を刎ねる!!
     そ、そうだ!! ジョルジュの首を取った者には一生喰えるだけの塩を褒美にやるぞ!!』

その言葉を受けた本陣に残された【鉄柱騎士団】は将を守るべく壁を作り上げる。

( ゚∀゚)『…無駄な事を。命を粗末にするんじゃねーよ』

小声でぼそりと呟くと、ジョルジュは愛馬に鞭を入れる。

合図を受けた白馬は大地を蹴りーーーーー翔んだ。


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:21:19.86 ID:HWzv24G60
しっ支援

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:24:14.89 ID:6cSOB08l0
(;-_-)『…う…あ…』

彼はその瞬間、手にした大鎌を陽光に煌かせ
壁を成した重騎士団の頭上を飛び越える宿敵の姿に目を奪われた。

着地と共にジョルジュは大鎌を振るう。
それだけで背を向けて逃げようとしていた側近の首が3つ、同時に宙に舞った。
同時にヒッキーは我に返る。

( ゚∀゚)『御自慢の【鉄壁】が打ち砕かれた感想は如何かな? 引きこもり野郎』

(;-_-) 『ひ……ひぃぃぃ…』

全身を返り血で赤く染め上げたジョルジュの姿にヒッキーは腰を抜かし、
それでも少しでも眼前の死から逃れようと後ずさる。

( ゚∀゚)『往生際が悪いぜ』

ジョルジュは彼同様返り血で赤く染まった白馬の背を降り、ゆっくりと歩を進めた。
その背後では逃げ遅れた重騎士達が【薔薇の騎士団】の手で殲滅されていく。

( ゚∀゚)『…小便済ませたか? 神様にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて許しを請う心の準備はOK?』

遂にジョルジュは、自らが撲殺した重騎士の遺体に進路を阻まれたヒッキーの前に立つ。

( ゚∀゚)『王室を蔑ろにする犬め…あの世で【統一王】に詫びてこい』

ジョルジュは手にした大鎌を大上段に振りかぶる。
その時。
突如、彼らの頭上に矢の雨が降り注いだ。

110 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:24:50.44 ID:HJQSroo6O
自演

111 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:25:57.72 ID:HJQSroo6O
はぁ?

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:26:05.78 ID:u4VgV6C20
ワカンナイデスは俺の嫁しえん

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:26:33.59 ID:CaDEeV4s0
ヘルシング支援

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:27:09.88 ID:6cSOB08l0
( ;゚∀゚)『な、なんだ!?』

思いもしなかった方向からの攻撃に右肩を貫かれ、それでも続く矢を片っ端から叩き落す。
その視界では、同じく彼の騎士達が騎上で必死に矢の雨を払い除けていた。

その遥か背後。ローハイド草原の小高い丘に立つ兵の群れ。
翻るは、黒地に南十字星が輝く戦旗。

ミ,,゚Д゚彡『この【天使の塵】の前で同士討ちとは舐められたものだな!!』

先頭に立つ老将が馬上から叫ぶ。
そのまま【天星十字槍】を頭上に掲げ、全兵挙げて突進してきた。

( ゚∀゚)『…ちっ』

思わず舌打ちする。メンヘル軍の急襲。予想はしていたが早すぎた。
仇敵は厚い鎧に身を守られ矢の雨をかわし逃げたのか、すでにその姿は見えない。
ジョルジュは再び愛馬の背に飛び乗るとあらん限りの声で叫ぶ。

( ゚∀゚)『散れ!! 相手にするんじゃねーぞ!! 逃げるんだ!!』

勇猛果敢な【薔薇の騎士団】でも【鉄柱騎士団】に次いでメンヘル軍と戦うだけの余力は無い。
ジョルジュの判断は正しく、素早かった。
全軍に撤退の指示を出し、自らは大鎌を手に十字星の旗を睨みつける。

そして…。

( ゚∀゚)『【急先鋒】ジョルジュ参る!! 死にたい奴はかかって来い!!』

味方を逃がす時間を稼ぐべく、単騎メンヘル軍に向けて突進していった。

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:27:19.82 ID:lW7PJZn20
うはwwいいwww

116 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:27:47.64 ID:HJQSroo6O
ジョルジュかっこいいよジョルジュ

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:30:26.54 ID:6cSOB08l0

…こうして【ローハイド草原の戦い】は幕を閉じた。

歴史上では小さな島の小さな戦に過ぎない。
諸兄らの学んだ歴史教科書に措いても、年表に記述があるかないかの小さな戦いである。
『リーマン軍の内紛にメンヘル軍が乗する形で勝利を収めた』
位の表記があれば、教本としては上出来であろう。

だがしかし。
この真実を巡る旅の幕開けにおいては、非常に重要な戦いであった事は皆もお気づきかと思う。

ジョルジュはヒッキーが。
フッサールはモナーと流石兄弟が。
蔭で暗躍している事を知らず、この戦に臨んでいた。

もし知っていたとしたらまた、この戦いの結末も変わっていた事だろう。
歴史に『もしかしたら』は禁物とは言え、そのような空想を思い描く小説家も少なくない。

ツンとミセリ。それに2人の兵奴は北の街道を抜けバーボン領を目指す。

勝者である【天使の塵】フッサールは自国領へ戻り、次なる侵攻に備えた。

紙一重で命拾いした【鉄壁】ヒッキーは汚名を晴らさんと敗残兵をまとめ上げる。

戦いを傍観していた【金剛阿吽】流石兄弟は中央に戻らないヒッキーの行動に不審を覚え、その後を追った。

そして、勇猛なる【急先鋒】ジョルジュは……。


                  ーーーーー人々の思いは錯綜し、物語の舞台は北に移る。

118 :川д゚川 ◆bqoHJQZQOM :2007/05/26(土) 01:32:40.86 ID:HJQSroo6O
おやすみ

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:33:07.92 ID:u4VgV6C20
しえん

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:33:29.60 ID:CaDEeV4s0
紫炎

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:33:42.87 ID:6cSOB08l0


     第4章 白眉と給士


ローハイド草原から北に延びる大街道。
そこを抜ければ、すでにバーボン領である。

リーマン上級貴族に政権を牛耳られ王位継承者すら不在の形ばかりの小国とは言え、
それでもアルキュ王国禁軍最高権力者【常勝将】元帥の封土であるこの地は、
戦乱収まらぬアルキュ島において数少ない穏やかな土地だった。

今も街道に近い大邸宅の庭で咲き誇る梅を楽しむ男が一人。
頭にアルキュ貴族独特の竹冠を乗せ、豪奢な絹の服に身を包んでいる。

腕を組み梅を見上げるその姿からは想像できないほどに彼は若かったのだが、
落ち着いた物腰と隠者を思わせる白髪交じりの垂れ下がった眉のせいか
実年齢よりはるかに年上に見られる事が多かった。

そこへ近づく人物がいる。
両手で白磁の椀を乗せた盆を持つ10代後半の女性だ。
膝まで届く艶やかな黒髪。青年とは正反対に意志の強そうな細い眉と大きな瞳。
北のラウンジ帝国で使用されている黒の給士服に身を包んでいる。

彼女が青年に盆を差し出すと、彼は梅を見上げながら椀を手に取った。
薄焼きの椀の中には黄金色の茶が芳香豊かな湯気を立ち上らせ、
ジャスミンの花が一輪浮かんでいる。

青年はそれを口に含んで満足げに頷くと…椀を盆に戻そうとして手を滑らせた。
熱い茶が豪奢な絹の服に降りかかる。

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:35:19.78 ID:u4VgV6C20
天敗星のワカンナイデス再登場に期待しつつしえん

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:36:14.54 ID:6cSOB08l0
(;´・ω・)『ぉわちゃーーーーーーっ!!』

青年はよほど驚いたのか、その場を飛びのくと熱い茶を被った服を冷まそうと必死で仰ぎ出した。
しかし給士の女性は、主人の急場にもかかわらず動こうとしない。
盆を両手で抱えこみ眺めているだけである。

(;´・ω・)『…で、どうだった?』

と、青年がいきなり主語も述語も抜かした問い掛けを発する。
給士服の女性には、その問い掛けの意味が分かっているのだろう。
それでも『…何が?』と意地悪な問いを返す。

(;´・ω・)『今の駄洒落だよ。お茶と【ぉわちゃーーーーーーっ!!】で絡めてみたんだ。
      このショボン一世一代の駄洒落。君の感想を聞きたいんだけど…』

その言葉に彼女は大きな溜息をついた。
左手で盆を小脇に抱えなおし、右手を腰に当てる。

从#゚∀从『笑いの為に体を張る根性は認めるけどよ。
     せっかくの茶を粗末に扱って欲しくないもんだぜ、ご主人』

怒りを隠さず、八重歯を光らせながら答えた。

(;´・ω・)『うん、そうだね。ハインごめん』

彼は素直に頭を下げる。

白眉の青年の名はショボン。
給士の女性の名はハインと言う。
……そして彼こそは【天智星】のショボンとして天下に広く知られた人物であった。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:37:46.38 ID:u4VgV6C20
天智星が出てきたが粛々としえん

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:38:52.51 ID:6cSOB08l0
从 ゚∀从『…まぁ、いいけどよ
      世の中には茶も飲めない貧しい連中の方が多いんだぜ。
      それは覚えておかねーとな』

言いながらハインはジョボンの前にひざまづき、
茶に濡れた股間にどこからか取り出したハンカチを押し当てる。

从 ゚∀从『…それにしても…笑いの為とは言えなんつートコに零しやがったんだ』

(´・ω・`)『うん、そうだね。大きくなったらごめん。でも主の下の世話も給士としての…』

从#゚∀从『……』

獲物を前にした蛇の如く冷ややかな視線。
ショボンもこれ以上刺激するのは危険だと悟ったのか、言葉を慎んだ。
互いに微妙な姿勢のまま時間が過ぎる。

(´・ω・`)『ところで…あとどれ位かなぁ?』

再びの主語も述語も無い問い掛け。それにハインは再び『何が?』と答える。

(´・ω・`)『例の4人さ。君は見て来たんだろう? あとどれ位で到着するのかな?』

从 ゚∀从『もうすぐバーボン川だったからよ。
     夕方までには到着するだろ。道に迷わなければの話だけどな』

(´・ω・`)『…退屈だなぁ。早く到着しないかなぁ』

立場の弱い主は空を見上げ呟く。
立場の強い給士は、主の下品な冗談に対する報復を考えていた。

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:39:32.50 ID:u4VgV6C20
sienn

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:41:02.38 ID:CaDEeV4s0
紫炎

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:41:34.25 ID:6cSOB08l0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その頃。
噂されている事など露知らず、4人は街道で馬を走らせていた。
ローハイド草原を出てから早2日が経過している。

途中街道の商家から2頭の馬を買い、一頭にナイトウとツン。もう一頭にはドクオとミセリが騎乗している。
急ぐのであれば4頭の馬を買うべきであったが、
侍女であるミセリに騎乗経験が無かった事から2人で1頭の馬に騎乗する事になったのである。

平坦な街道ゆえ馬車と言う選択肢もあったが、
足元を見た商人が相場よりはるかに高額な価格を提示してきた事に、ドクオが猛反対した為断念。
馬の疲労も考え、走るよりちょっと早い程度の速度でバーボン荘へ向かっていた。

( ^ω^)『そんな訳で、貴族様が店に入るとみんな食堂の裏に集まるんだお。
       貴族様は肉しか食べないから…鶏のトサカや足を食べた事あるかお?
       歯応えコリコリだけど舌の上では蕩けて…これが本当に美味しいんだお』

馬を走らせながらナイトウは背後のツンが退屈しないよう、色々な話をして聞かせる。
自虐的な笑いを盛り込んだナイトウの話に彼女は夢中で相槌を打ち、
目を見開いて驚き、クスクスと笑いを漏らした。
特に食べ物の話をしている時の青年の表現力は鮮やかで、幾度と無く彼女の胃は抗議の音を漏らす。

('A`)『……』

反面無言で馬を走らせるのはドクオだ。
元来無愛想な男である。
だがそれ以上に己の民族に異常なまでの誇りを持ち、
反面その他の三民族を【侵略者】として嫌っている男でもある。
身元を完全に明らかにしようとしない彼女らに不信感を覚えているのも当然だった。

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:42:50.97 ID:Bip4pN+sO
追いついた支援

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:42:57.69 ID:u4VgV6C20
しえん

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:43:21.07 ID:HWzv24G60
支援

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:43:22.46 ID:6cSOB08l0
ミセ;゚ー゚)リ『あの…その…隣の家に塀が立ったそうですね…なんちゃって…』

ミセ;゚ー゚)リ『あの…今晩食べたい物とかあります?
     ボクは季節的にも蓬のお粥なんか食べたいなぁ…なんて…』

時折ドクオに抱えられるように支えられている短髪の少女が沈黙に耐えられず口を開く。
だがその度に

('A`)『…黙ってろ子猿。舌噛むぞ』

と一蹴されてしまい、泣きそうな顔で銀髪の青年と金髪の少女を見つめるのであった。

( ^ω^)『おっ、ここからはもうバーボン領だお』

街道を分けるバーボン川に架けられた橋を渡りながらナイトウが言う。

('A`)『…バーボン荘まであと少しだな。夕刻までには着くだろう』

前を行くナイトウに馬を並べながらドクオが言った。

ξ゚听)ξ『【天智星】ショボン…どんな人なのかしら』

ミセ*゚ー゚)リ『優しい人だと…』

…いいですね。続けようとしたミセリはドクオの『…黙ってろ子猿。舌噛むぞ』の一言で口を閉じた。
仕える主人は銀髪の青年と楽しそうに笑い合っている。

ミセ*;ー;)リ。oO(…泣かないもん)

そう決意を固める少女の目には大粒の涙が溜まっていた。

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:44:45.21 ID:u4VgV6C20
トサカって旨いのかしえん

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:44:54.47 ID:6cSOB08l0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(-_-) 『…役に立ちそうな者はこれだけか』

簡素な座に腰掛け、ヒッキーは周囲を見渡した。
命からがらローハイド草原を逃げ出し、ようやく人心地ついた所で
どこからともなく生存者が彼の周りに集まりはじめた。
その大半が傷を負い、戦力になりそうな者は【鉄柱騎士団】が200。
一般兵が300と言った所であろう。

側近D『…将軍。これからどうしましょうか…』

言いながらも側近の目は『早く王都に戻りたい』と訴えかけていた。
王都を出た時には2000を数えていた軍が今やこの有様である。
彼の願いも当然であると言えた。

(-_-) 『この様な醜態を晒して王都に帰れるものか!!』

叫び立ち上がる。

側近D『ひっ』

小さな悲鳴を上げ、その場に尻餅をつく。
その情けない姿を見て沸きあがった怒りを納めたのか、
ヒッキーは『フン』と鼻で笑うと側近に背を向け口を開いた。

彼はこんな所で躓くわけにはいかなかいのだ。
汚名を晴らす手段は一つしかない。


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:45:07.17 ID:CaDEeV4s0
('A`)『…黙ってろ子猿。支援するぞ』

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:46:42.38 ID:u4VgV6C20
なかねーもんしえん

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:47:06.12 ID:6cSOB08l0
(-_-) 『…確か【至宝】はバーボン領に向かったのだったな』

その言葉から、彼の思考を読み取った側近が口から泡を飛ばしながら訴えかける。

側近D『しょ、正気ですか!! バーボン領は元帥殿の封土!!
   現在元帥は南部の叛乱制圧の為不在とはいえ私兵も多く、
   留守を預かるは天才と謳われた【天智星】と【黄天弓兵団】ですぞ!!』

側近E『そ、そうですぞ!! 仮に【至宝】を発見したとしても、
   軍を率いて私領に足を踏み入れたとなれば、あの【常勝将】を敵に回す事になります!!
   そうなれば我らの将来は絶望と言わざるを得ません』

(#-_-)『黙れ!!』

ヒッキーは側近の進言を一喝、強引に口を閉じさせる。

(#-_-)『よいか。ジョルジュは元帥に師事していた時、
    【天智星】とは義兄弟の契りを結んだと聞く。
    この度の叛乱に【天智星】が絡んでいたとしても不自然ではないのだ!!』

死人に口無し。
如何に天才【天智星】と言えども、死後に被らされた罪を晴らす手段は無いだろう。
少数とは言え厚い鎧に守られた【鉄柱騎士団】は
弓兵中心で構成された【黄天弓兵団】に対して絶対的に有利であり、
【天智星】がどのような小細工を仕掛けてきても負けないだろうとの自信もあった。

(#-_-)『分かったか!!
    分かったら動ける者は出立の準備を整えるのだ!!』

顔を見合わせる部下に怒鳴り散らすと、ヒッキーは手元の水差しを一息に飲み干した。

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:47:18.04 ID:8N3wleIhO
ボクって言ったぞ!今ボクって言ったぞ!!

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:47:59.15 ID:u4VgV6C20
常勝将って読みによっては早口言葉みたいだなしえん

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:50:06.51 ID:6cSOB08l0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

暗い表情で溜息をつく兵士の中に、2人の男がいた。
兵士達は疲労し己の運命を呪う事で精一杯だったが
もし余裕があったとしたら、この2人を見て首を傾げた事であろう。

どんなに古株の兵士であろうと彼らを見知らなかった事が、その理由の一つ。
更に、彼らは鏡で映したかのように全く同じ顔をしていたのである。

( ´_ゝ`)『どうだ、やはり北だっただろう』

(´<_` )『…てっきり、南の【常勝将】を頼るかと思っていたが。流石だな』

弟者は懐から銀を一枚取り出し放り投げる。それを掴み取ると兄者はニヤリと笑った。
実際は南を主張する弟に敢えて反対しただけなのだが、このような時だけ兄者の勘は冴えていた。

(´<_` )『そうなると、後はここを脱走して北へ向かうだけか』

( ´_ゝ`)『まぁ、待て弟者。時に落ち着け』

ヒッキーとしては一人の脱走者も許さない心積もりであろうが、
この2人にとってそのような警備など何の意味も成さない。
それでも兄者は腰を上げようとする弟者を制止した。

(´<_` )『どうした、兄者? 何故止める?』

答える兄者の声は心なしか暗い。

( ´_ゝ`)『忘れたか? 北にはヤツが…【射手】がいる…』


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:52:14.91 ID:6cSOB08l0
【射手】。
正確には【闇に輝く射手】の異名を持つ隠密である。
幼くして戦火に両親を奪われた【射手】は、兄弟同様キール峠で隠密としての修行を積んだ。
血を浴びたように赤い髪を闇夜に翻し、幾つもの謀略に関わってきたとされる人物。
修行時代、メンヘルの隠密では1・2を争うこの兄弟ですら幾度と無く訓練で打ち負かされてきた。
心持たぬ暗殺人形。炎髪の人斬り。
そう言った意味では南の【常勝将】は表の人間であり、手ごわいとは言えまだ楽な相手と言えた。

( ´_ゝ`)『弟者は…【射手】と正面からやりあって勝てると思っているのか?』

弟者から巻き上げた銀を玩びつつ言う。
バーボン領は完全に【射手】のテリトリーだ。
2人が侵入すればたちどころに【射手】に知られるであろうし、そうなれば衝突は避けられない。

(´<_` )『……』

沈黙を返答と受け取った兄者は更に言葉を続けた。

( ´_ゝ`)『ならば、我ら兄弟はこの軍に潜み合戦のドサクサに紛れて【至宝】を掻っ攫う。
       これぞ、楽して最大の成果を挙げる一番の手段ではないか』

(´<_` )『おぉ!!』

弟者は思わず驚嘆の声を上げる。

(´<_` )『流石兄者だ!! セコイ!! 汚い!! えげつない!! 死ねばいいのに!!』

( ´_ゝ`)『…今、死ねばいいのにとか言わなかったか?』

しかし、それは弟者なりの兄に対する精一杯のの賞賛であった。

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:53:57.78 ID:u4VgV6C20
弓は馬に弱いとか考えるのは某ヘタレゲーマー

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:54:56.56 ID:HWzv24G60
支援

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:55:31.17 ID:6cSOB08l0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
辺りが夕闇に包まれ、一同が野宿を考え出した頃。
ようやく彼らは庭に梅の木が生えた邸宅に到着した。

ξ゚听)ξ『危なく今夜も野宿になるところだったわね。早く汗を流したいわ』

( ^ω^)『これもドクオが近道しようとか言い出すからだお』

('A`)『…いいじゃねーか。ちゃんと着いたんだからよ。
    それに汗を流したいなら、途中で川があったじゃねーか』

ドクオは何となくバツの悪そうな表情を浮かべる。

ξ゚听)ξ『川で水浴び? 冗談は止めてよね。気持ち悪い』

眉をしかめながらの言葉に、水浴び以外で汗を流す手段を知らない2人は顔を見合わせた。

ミセ*゚ー゚)リ『だからボクがあの道は間違ってr』

(#'A`)『…黙れ子猿』

ミセ*;ー;)リ(…ぜ、絶対泣かないもん!!)

そんな会話をしながら、彼らは門の前で馬を降りる。
訪問を告げ、扉を叩こうとした時ふいにそれは内側からゆっくりと…まるで彼らを待っていたかのように開けられた。
立っているのは、左右に屈強な門番を従えた黒い給士服の女性。

从 ゚∀从『よぉ、遅かったじゃねーか。近道しようとして迷子にでもなったのかと思ったぜ』

何故か、口調に軽い皮肉を込めながら彼女は言った。

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:55:57.98 ID:Bip4pN+sO
眠いけど支援

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:56:05.52 ID:u4VgV6C20
しえん

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:57:27.01 ID:6cSOB08l0
かぽーん

湯気が充満した空間に、手桶を床に置く音がこだまする。
市に酒を買いに行っているという【天智星】が帰ってくるのを待つ間、
4人は男女に分かれて風呂に入っていた。

だが実際ショボンは市になど行っていない。
そもそも、これほどの大邸宅の主が夜半に自ら酒を買いに行くこと自体がありえない話だ。
まずは旅の汗を流してもらおう…と言う給士ハインの配慮であり、

('A`)『リーマンの連中なんかと仲良くなんて御免だね。
    俺は金貰ってさっさとおさらばしてぇんだ』

と頑なにそっぽを向くドクオを押し切り、好意に甘えた次第である。
そのドクオも今は大人が泳げるほど広い湯船の中で小さく鼻歌など漏らしている。
ほんの数刻前まで全く知らなかった幸福の中に2人はいた。

( *^ω^)『気持ちいいけど…なんだか体中がかゆいお』

男『それは体についた汚れがふやけてきているのです。
  宜しければ、お背中をお流しいたしますが?』

浴場の隅に控える男が答えた。
入浴法など全く知らない2人の為にハインが手配した、この邸宅の召使である。

( ^ω^)『おっ、お願いしますですお』

作法など全く知らない2人は勧められるがままに湯船を出る。
程よく温まった体から湯気が立ち上った。

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:57:44.81 ID:HWzv24G60
まだまだ支援

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:59:16.11 ID:CaDEeV4s0
紫炎

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 01:59:47.72 ID:6cSOB08l0
从 ゚∀从『よし。じゃ、そこに座ってくれ。サービスするぜ』



( ^ω^)( 'A`)『……』



( ゚ω゚)( ゚A゚)



( ゚ω゚ )(゚A゚)




从 ゚∀从『こっち見んな。つか、前隠せ』


151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:00:36.51 ID:u4VgV6C20
体は洗ってから入ろうぜ軍人様

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:02:04.33 ID:6cSOB08l0
( ;゚ω゚)『な、なんで何時からこんな所にいるんだお!!』

(;'A`)『…変態か!?』

慌てて湯船に逃げ込もうとするが、前を隠しながらでは思うように走れなかった。
湯船の手前で?まり、細腕からは想像も出来ない馬鹿力で無理矢理座らされる。

从#゚∀从『誰が変態だ!! 給士長として客人をもてなしてやろうってハインの気遣いがわからねぇのか!!』

( ゚ω゚)『ちょ、この人何とかしt』

咄嗟に助けを求めるが、唯一頼りになりそうだった召使の青年はいつの間にか消えていた。
ハインは給士服のスカートの裾を巻き上げて腰で縛り、
両手にたっぷりと泡立てられた垢すりを持っている。

从 ゚∀从『へへっ、観念しな』

内股座りで必死に股間を隠す2人の後ろで彼女は不敵な笑みを浮かべ…獣の如く襲い掛かった。

从#゚∀从『大人しくしろっ!! そんな汚れた体でお屋敷を歩き回られてたまるかってんだ!!
     オラオラっ!! 手ェどけろ!! そこは皮剥いて洗うんだよっ!!』

( ;ω;)『ら、らめぇ!! そこはらめぇ!!』

从 ゚∀从『うるせぇ!! 普通なら金取るぞ!!』

( ;ω;)『おっ、おっ、おっ…』

('A`)『…ウツダシノウ』


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:02:09.75 ID:CaDEeV4s0
紫炎

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:02:50.26 ID:u4VgV6C20
一人称が自分の名前なおねーさま萌えしえん

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:03:08.60 ID:HWzv24G60
支援

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:05:42.26 ID:6cSOB08l0
力任せに全身を垢すりで擦られ、フラフラになって浴場を出た2人は
またしてもハインの手で体中の水分を拭いまわされ髪に櫛を通される。
若芽のように軽く柔らかい絹の服に袖を通し客室に案内される途中で
やはり入浴を終えたばかりのツンとミセリに鉢合わせた。

2人もまた体の線がくっきり分かるほど薄い無地の絹の服を着て、頭髪を纏める様に布を巻きつけている。
ほんのりと赤く染まった頬が艶っぽい。

ξ゚听)ξ『あら。ナイトウも今お風呂出たトコなの?』

水差しが汗をかくほどよく冷えた水を薄焼きの椀に注ぎ手渡す。
2人はそれを一息に飲み干した。

( ;^ω^)『…お風呂って怖い所ですお』

ミセ*゚ー゚)リ『…? はしゃぎ過ぎて溺れたんですか? って言うか、強く擦りすぎなんじゃ…?』

擦りすぎてみみず腫れになった男2人の肌を見て言う。

('A`)『…黙れ』

( ^ω^)『…今回ばかりはドクオに賛成だお。男には口に出来ない事も多いんだお』

ξ゚听)ξセ*゚ー゚)リ『???』

お互いに振り分けられた客間には入らず、その前の廊下で4人は談笑する。
そこへ、濡れた給士服を着替えたハインが姿を現した。
背中に回したエプロンドレスの紐を結びながら歩いてくる。

从 ゚∀从『? んなトコで何やってんだ? それより飯の支度が出来たからよ。食堂まで来てくれや』

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:06:24.95 ID:u4VgV6C20
しえん

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:10:32.91 ID:HWzv24G60
支援

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:11:35.46 ID:u4VgV6C20
落ち着けしえん

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:12:29.81 ID:CaDEeV4s0
紫炎

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:12:57.50 ID:Bip4pN+sO
ところでどっかにまとめ申請するんかい?

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:13:07.50 ID:6cSOB08l0
('A`)『…俺は庭の隅で干し肉でも齧らせてもらう。何度も言うようだが、リーマンの連中なんかと…』

この様な感じでやはり同席を固く拒否するドクオだったが、

从 ゚∀从『あぁ!? 野宿でもしようってのか? 
     折角の誘い断って、ハインちゃんに恥かかせるんじゃねーよ』

と胸倉掴まれて説得され、渋々首を縦に振る事となった。

彼らが案内された食堂はこれまた兵奴の2人が見た事もない豪華な部屋で、
穏やかな温暖系の色で統一された室内を柱に掛けられたランプが灯している。
テーブルの上にもランプが載せられ、どうやら精度の高い酒に香りをつけて火を点けているらしかった。

( ゚ω゚)『…お酒をこんな風に使うなんてもったいないお』

他にも椅子やテーブル・勿論柱や窓枠など細やかな部分にまで、この邸宅の代名詞ともいえる梅の花を模した彫刻が為され
鳳凰を描いた衝立、無造作に梅の枝を差しただけの花瓶まで目を見張るものばかりである。

从 ゚∀从『早く座ってくれねぇか? 飯が運べねーんだけど』

呆然と部屋中を眺め回していたナイトウは、その言葉で我に返った。
見ればツンとマトマ、ドクオまでがとっくに座に腰を下ろしている。
慌てて座り込んだ椅子は沈み込むように柔らかいクッションがひいてあって彼はまたそれに驚いた。

( ;^ω^)『…なんか緊張してご飯が喉通りそうにないですお』

彼らがたまの贅沢日に行く酒場は、壁に酔っ払いがぶち空けた穴が塞がれずに放置されていたものだ。
椅子は4本あるはずの足が3本しかなかったり、テーブルの代わりに木箱が積まれているような店だった。
意地汚さには絶対の自信を持っていた筈の彼だったが、今ではその自信も失いそうになっていた。

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:14:22.58 ID:HWzv24G60
支援

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:14:54.48 ID:CaDEeV4s0
紫炎

165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:15:03.48 ID:u4VgV6C20
しえん

166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:15:23.62 ID:6cSOB08l0
( ゚ω゚)『ハフッ…ハムハム…うまうま…ングッ!!』

('A`)『……』

ξ;゚听)ξ『……緊張して…?』

ミセ;゚ー゚)リ『…ご飯が喉通らない…って言ってませんでしたっけ?』

台風の様な勢いで皿に取り分けられた料理を口に流し込むナイトウ。
どうやら、彼の心配は杞憂だったようだ。
気難しそうな顔をして、それでも誘惑に勝てず静かに目の前の皿を空にしていくドクオ。
ツンとミセリは、箸を動かすのも忘れてそれを呆然と見つめている。

从 ゚∀从『だぁぁぁぁぁっ!! 飯は逃げねぇからもっとゆっくり喰えっ!!』

怒鳴り散らしながら、大皿の料理を次々と小皿に取り分けていくのはハインだ。
残念ながら、それは盛り分けるとほぼ同時に空になってしまうのだが。

( ゚ω゚)『逃げちゃうかもしれないですお…ングッ!!』

('A`)『…オムッ!!』

同時に喉を詰まらせ、目を白黒させる。
必死で目の前のグラスに手を伸ばした。

从;゚∀从『ちょ…それは…!!』

2人が一息に飲み干したのは、ラウンジから輸入された最高級葡萄酒。
彼らの生涯収入を合わせても手に入れられないであろう酒で喉の異物を胃に流し込み、
男達は再び卓上の料理を征服に乗り出した。

167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:16:08.08 ID:u4VgV6C20
旨そうだしえん

168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:16:32.22 ID:lW7PJZn20
腹減った
支援


169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:16:55.82 ID:Cn7ayb3AO
>>162
ミセリがマトマになってる

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:18:04.14 ID:CaDEeV4s0
紫炎

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:18:24.16 ID:HWzv24G60
マトマwwwwww
支援

172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:19:03.59 ID:6cSOB08l0
彼らがこの夜無我夢中で食べている料理は
この邸宅の料理人が腕を振るった甲斐もあり本当に素晴らしいものだったと記録にはある。

新鮮な貝を散らしたサラダに始まり
蜜を塗って表面をパリパリに炙った、舌の上で蕩ける豚の皮。
腹の中に野菜を詰め込んでオーブンでじっくり焼いた鶉。
野草を散らした川魚の塩包み焼。

海老は彼らの目の前で生きたまま酒を注がれ、宙を跳ね踊る。
やがて海老が酒に酔い動きが止まったところで軽く塩焼きにされた。
口に放り込むと、中から火傷しそうなほどに熱い肉汁があふれ出す蒸し物。

子牛の骨と香草をじっくり煮込んだスープ。
蓮の葉で包んで蒸したご飯。
当然の如く注がれる酒は口の中でふわりと複雑な香気が広がり、嫌味なく消えていく。

デザートに出された果物の蜜漬けを食べ終わった時には
4人は膨れ上がった腹を抱えて動けなくなっていた。

( ^ω^)『…もう食べられないお』

('A`)『…腹が破裂して死にそうだ…今襲われたら間違いなく死ぬな。
    …まさか、この隙に暗殺者が乱入する計略か!?』

从 ゚∀从『お前らバカだろ?』

言いながらも嬉しそうな表情でハインは椀に茶を注ぎ、彼らの前に静かに配って回った。



173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:20:13.78 ID:8N3wleIhO
こんな夜中に旨そうな料理を書くなんて……恐ろしい子!

支援

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:20:14.83 ID:u4VgV6C20
しえん

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:20:15.40 ID:HWzv24G60
>>172
なるほど…だから僕なのか……

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:20:36.85 ID:ADN4nX+y0
メール欄で会話するな

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:21:45.03 ID:6cSOB08l0
香り立つその液体を口に含むと柔らかい苦味と甘味が同時に鼻から抜け、自然と心地よい溜息が出る。
満腹にもかかわらず、飲まずにはいられない。ハインリッヒが注いだ茶はまさしくその様な味だった。

茶葉の質が良いのも勿論の事。全てを理解していなくてはここまで茶の味を引き出す事は出来まい。
ナイトウとドクオは、ここで初めて『茶とは美味い物だ』と知った。
彼らが普段飲んでいた物は、茶とは名ばかりの『色がついたお湯』だったからだ。

('A`)『…贅沢な飯を食べたかったらリーマン族に作らせろ、ってのは本当だったんだな。
    俺達モテナイの民はとてもじゃないがこんなのは作れん』

ドクオが珍しく本心から讃えた。
モテナイ族は遊牧民である。
日々を家畜の世話をして過ごす彼らの食文化は羊の乳から造った酒など簡素な物や保存食の類が多く、
一日中厨房に立って調理に勤しむ文化など興る筈もなかったのだ。

ミセ*゚ー゚)リ『ところで、【天智星】様のお姿がどこにも見当たりませんが…』

ここに来てようやくミセリが当然の疑問を口にする。

从 ゚∀从『あぁ、いいんだよ。疲れた客人にまず面倒な話をさせるほどバーボンは無粋じゃねーからよ』

片手をヒラヒラと動かしながら、さも当たり前と言った感じで続ける。

从 ゚∀从『納屋に監禁してある。お前らが寝た頃に解放してやるさ』

(;'A`);゚听)ξセ;゚ー゚)リ『……え?』



( ;^ω^)『いや、それは不味いだろう…常識的に考えて』

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:22:04.55 ID:u4VgV6C20
こんな旨そうな料理食ったことねえ畜生

179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:22:50.47 ID:CaDEeV4s0
紫炎

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:22:53.13 ID:HWzv24G60
支援

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:24:20.81 ID:6cSOB08l0
翌朝。
雲のように柔らかく、陽の匂いがする布団の中でナイトウは目を覚ました。
ふと横を見るとドクオは寝台に腰掛けてボンヤリとしていた。

('A`)『…寝れたか?』

( ^ω^)『バッチリ熟睡だお。ドクオは?』

ナイトウの問い掛けにドクオは憂鬱そうに首を横に振る。

('A`)『…なんか落ち着かなくて寝れなかった。
    やっぱり、庭の片隅でも借りた方がマシだったぜ』

他者を見下す言動が多く傲慢に見られがちなドクオだが、この島では彼が特別と言うわけではなかった。
民族紛争が盛んな地では、幼少期より己の民族こそ至高の存在たる教育を受ける事は珍しくない。
その副作用として、『自己>他者』的な傾向を知らず知らずのうちに持ってしまう者も多いのだ。
だが、実際の彼は…1個人としての彼は意外なほど繊細な男であった。

( ^ω^)『……』

一枚作りの寝服を脱ぎ捨てると、いつの間にやら用意されていた平服に着替える。
寝不足で不機嫌な親友を見てなにやら躊躇していた様子のナイトウだったが、
やがて決意を固めたかのように口を開いた。

( ^ω^)『ドクオ』

('A`)『…あぁ?』

( ^ω^)『…あんまり変な意地張るなお』

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:25:26.09 ID:CaDEeV4s0
紫炎

183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:26:06.40 ID:u4VgV6C20
しえん

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:26:17.54 ID:6cSOB08l0
('A`)『…言ってる意味がわからねーよ』

友の予想外の忠告に一瞬ドクオは鼻白む。

( ^ω^)『ドクオなら分かる筈だお』

('A`)『…っ!!』

いつもどおりの柔らかな笑顔を崩さず、それでも強く断言するナイトウ。
対するドクオは彼にしては珍しく顔を硬直させた。

('A`)『…それなら言わせてもらうがな!!
    俺はリーマンのカスどもと仲良くなんて御免なんだよ!!
    お前の方こそ変なんじゃねーか!? あんな素性も知れない…どこの民族かも分からない女ども相手にヘラヘラするわ、
    御呼ばれとあればノコノコ着いて行くわ。
    脳に虫湧いてるとしか思えねーぞ!!
    それともあの金髪クソ女に惚れでもしたk』

( ^ω^)『ドクオ』

罵倒されても態度を乱さない、それでも確固たる意思を込めた一言にドクオは声を中断した。
熱くなっていた頭が水を掛けられたように冷めていく。

( ^ω^)『ドクオと僕は友達だお』

('A`)『…あ…あぁ』

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:28:27.13 ID:HWzv24G60
死宴

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:28:34.16 ID:6cSOB08l0
( ^ω^)『素性も知れない。どこの民族かも分からないのは僕も同じだお』

('A`)『…お前とあいつらは違う。この何日かでも分かっただろ?
    あの2人は間違いなくどっかの貴族…それもリーマン族の貴族だ。
    貴族連中を信じて死んでいった奴を何人も見ただろ?
    モテナイの民は貴族連中を信じて利用された挙句【統一王】のクソに滅ぼされたんだ。
    俺から見れば貴族も【王室派】も【評議会派】も、当然王家に関わる連中も信じられねぇ。
    仲良くするどころか…殺してやりてぇくらいなんだよ』

ドクオの言葉にはキレが感じ取れない。
ダラダラと反論じみた事を呟くのみであった。

( ^ω^)『…確かに僕も貴族は嫌いだお。
       あいつらは僕からやっと手に入れた少しだけのご飯やお金や…友達の命を奪っていったお。
       でも、貴族ってだけで嫌なヤツはいない筈だお』

更にナイトウは続ける。

( ^ω^)『ジョルジュ将軍は僕らに塩をくれたお。
       ミセリが作ってくれたお粥…美味しかったお。
       ハインさんは怖いけど…僕らと対等に話してくれるお。
       ツンはきっと今凄く困ってて…僕らを沢山いじめた貴族様と同じ位偉い人のはずなのに
       僕の話を聞いて嬉しそうに笑ってくれる…すごくいい娘だお。
       みんな…僕らみたいな兵奴に凄く良くしてくれて…それなのに僕らから壁を作っちゃいけないお』

('A`)『……』

ドクオの押しの強さは幼年期より植えつけられた物であるが、
ナイトウには生来よりここぞと言う時には自身の意見を曲げない頑固さがあったと伝えれている。
今も微笑みを浮かべながら肯定を迫るナイトウの迫力に負けて、ドクオは渋々と首を縦に振る事になった。

187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:29:31.71 ID:u4VgV6C20
しえん

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:31:06.00 ID:6cSOB08l0
('A`)『…分かったよ、ナイトウ』

( ^ω^)『おっ?』

('A`)『…いきなりじゃ難しいけど、努力してみるつもりだ』

( ^ω^)『流石ドクオだお!! ドクオなら絶対に分かってくれると思ってたお!!』

ナイトウは思わずドクオに抱きついた。

(;'A`)『…って、何しやがる!!』

( ^ω^)『信じてたお!! 好き好き愛してるだお』                       从∀゚ 从

(;'A`)『……』

( ;^ω^)『好き好き愛し…t…』                                从∀゚;从

(;'A`)『……』

( ;^ω^)『……』

                                                  )))))从;゚∀从




( ;^ω^)『 い や 、 マ ジ で ち ょ っ と 待 て 』


189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:31:51.02 ID:u4VgV6C20
アッー!

190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:32:18.64 ID:HWzv24G60
うほっ

191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:33:23.85 ID:ZoEhZ9ic0
支援アッー

192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:33:44.76 ID:lW7PJZn20
うはwwww

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:34:06.68 ID:CaDEeV4s0
アッー

194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:35:30.15 ID:6cSOB08l0
从;゚∀从『は、離せ!! ハインちゃんは何も見てねぇ!!それに恋愛は自由…』

(;'A`)『…誤解だ』

( ;^ω^)『本当に勘弁してくださいお』

2人はドン引きのハインを無理矢理部屋に引っ張り込み、寝台に座りこませる。

同性愛者がタブー視されだしたのはあくまでも近代になってからであり
諸兄らの国でも明治時代に、男色・衆道と言われていたものが同性愛と言い換えられるなど
『性をタブー視』する風潮が広まるまではかなりオープンであった。

古代ギリシャではあのスパルタ軍を打ち破ったテーベ軍の中心が
同性愛者によって組織された軍隊であったと言う歴史的事実もある。

余談だが、欧州には固まりミルクなる遊びがあり……これについては興味がある人のみ調べていただきたい。
ただ、それでも人は自分と違う性癖を持つ者とは壁を作ってしまうわけで。

从;゚∀从『や、やめろ!! その男汁にまみれた手でハインちゃんに触るんじゃねぇ!!』

( ;^ω^)『ちょ…静かにしてくださいお!! お願いですお!!』

('A`)『……』

さて。
暴れるハインを必死に説得させようとするナイトウと、呆れて言葉もないドクオ。
この現場は全く経緯を知らない者が見れば
抵抗するハインを無理矢理押し倒すナイトウと、人が来ないか監視しているドクオ…という風にも見れるわけで。

( ;^ω^)。oO(…嫌な予感しまくりんぐりんぐばんげりんぐべいだお)

195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:35:47.77 ID:nxS3NvDbO
|・ω・`)

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:37:00.89 ID:u4VgV6C20
しえん

197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:39:17.39 ID:6cSOB08l0

???『とぉぅぅぅぅぅぅぅぅぅおりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』

( ゚ω゚)『ぶげらっ!!』

嫌な予感とは的中する為にあるような物である。
開いた扉から飛び込んできた【何か】に強烈な膝蹴りを頬に喰らい、ナイトウは床に転がった。

ハインを庇うようにそこに立つのは、やはり給士服に身を包んだ女性。
ただ裾はハインの物と比べてかなり短く、色は燃え上がるような赤。
肩に届かないほどの長さで毛先がクルンと跳ねあがった髪は同じく炎の様に赤く、怒りに全身を震わせている。

ノハ#゚听)『御姉様に何してるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!』

更にドクオにまで殴りかかろうとする彼女をハインが必死に羽交い絞めにする。

从;゚∀从『ま、待てヒート!! お前が出てくると話がこじれる!!』

( ;^ω^)『…妹さんかお?』

床にへたり込んだナイトウが頬を擦りながら、場違いな疑問を口にした。

ノハ#゚听)『血の繋がりなんか愛の前に関係あるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
     御姉様はあたしの心の御姉様だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!』

从;゚∀从『ばっ…黙れっ!!』

( ^ω^)『……』

('A`)『……』

198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:41:48.69 ID:u4VgV6C20
・・・(゚д゚)

199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:45:05.80 ID:6cSOB08l0
( ;^ω^)『……うわぁ』

(;'A`)『……』

正にドン引き。

( ;^ω^)『…だから平気で男湯に入ってこれたのかお』

(;'A`)『……いや、どっちが男役(せめ)でもおかしくない気がするぜ』

从;゚∀从『待て!! お前らこそ誤解するな!!』

正に立場逆転である。今度はハインが男2人の肩をつかみ、必死で説得を始める。

( ;^ω^)『いや、いいと思いますお。
       僕もそんなシチュエーションを想像して何度かお世話になりましたし…』

ノハ#゚听)『黙れ下衆!! 御姉様そこをお退きください!!
     この汚らわしい生き物に本当に美しい愛とは何かを体に叩き込んでやります!!』

从;゚∀从『違うって言ってんだろ!! ヒートも少し黙れ!!』






ξ;゚听)ξ『…朝から何やってるんですか…』

その狂宴は扉の影から覗いていたツンが言葉をかけるまで続いた。

200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:46:50.35 ID:lW7PJZn20
支援

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:47:01.56 ID:J9ZuEgWq0
ししええんん

202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:47:12.78 ID:HWzv24G60
(’e’) うわぁ〜支援

203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:48:48.01 ID:6cSOB08l0
ノパ听)『そう言う事だったら、もっと早く言ってくれればよかったんだ!!!!!』

( ;^ω^)『…説明する間もなく蹴りかかって来たのはあんただお』

ナイトウら一行は給士長であるハインの案内でショボンの書斎へ続く廊下を歩いていた。
窓からは朝の光が差し込み、梅の木に止まった鶯の鳴き声が風流とは無縁の生活を送ってきた
2人の兵奴の心にすら安らぎを与えてくれる。

やがて彼らは一段と豪華な両開きの大扉の前に辿り着いた。
その左右に立つ護衛の兵がスッと一歩下がり、道を空ける。

从 ゚∀从『さて…ここから先はお前らだけで行ってくれ』

ハインが何時にもなく真剣な表情で言った。

ξ゚听)ξ『…ハインさん達は一緒に来てくれないんですか?』

不安げな声で問いかけるツンに答えたのはヒートだ。

ノパ听)『ご主人様のご命令でね。
     あたしは御姉様と本当の愛について肉体言語で語り合う大事な使命が…』

从 ゚∀从『あるあr…ねーよwww
     心配すんな。ハインちゃんらは朝飯の支度をしなくちゃいけないってだけさ。
     バカみたいに喰う男どもがいるからなwww』

そう言ってハインは笑う。
そのやり取りがツンから不安を取り除いた。
扉に手をかけ彼女を見つめる兵に向かい静かに、だが強く頷く。
そしてゆっくりと扉が開かれた。

204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:48:53.15 ID:u4VgV6C20
しえん

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:50:39.45 ID:6cSOB08l0
扉をくぐった彼らの目に飛び込んできたのは、壁一面に陳列された莫大な量の本だった。
その前には樫の木で作られた重厚な机があり、白磁の碗が4つ並んで置いてある。
右手の壁や、彼らが通った扉側の壁もやはり書物で埋まり
唯一庭に面した壁だけが征服を免れている状態だった。

その壁にあいた窓から、庭の梅の木を見る者が一人。
背を向けているだけの姿からも、知性のオーラを感じ取らせる。
【急先鋒】ジョルジュとはまた違った気を発する男がそこにいた。

ーーーーー【天智星】。

ミセリが慌てて両手を胸の前で交差させ頭を下げる、
リーマン女性式の最敬礼の姿勢をとった。

ミセ*゚ー゚)リ『一宿一晩の御恩感謝致します、偉大なる【天智星】ショボン様。
     ボク…じゃなくて、私はリーマンのミセリ。異名も無き小さな者にございます。
     こちらにおわしますは我が主…』

自身に続いてツンを紹介しようとしたミセリを、彼は右手を軽く挙げて制した。
そのまま、机の上に置かれた碗を指差す。

( ^ω^)『…まずあれを飲めって言うのかお?』

梅の木から視線を外さずに頷く。

( ^ω^)。oO(…ワケわかめかめかめかめかめわかめだお)


206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:53:11.02 ID:lW7PJZn20
支援

207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:53:37.20 ID:HWzv24G60
支援

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:53:51.60 ID:6cSOB08l0
もし、これが何らかの陰謀だとすれば考えられるのは毒物の可能性だろう。
昨夜の盛大な歓迎を思えば杞憂かもしれないが
一旦安心させてから裏切るのは貴族のお得意とナイトウは考えていたし、
何よりもそのやり方で命を失くした者を数多く見てきた経験もある。

だが、彼は【天智星】という男を…何よりも文字通り命を捨てて彼らをここに送り届けた
【急先鋒】ジョルジュを信じた。
いや、疑う気など微塵も起こさなかった。

不安げな表情のツン。
オロオロするミセリ。
片手を懐に入れ、もう片方の手で道を塞ぐようにして立つドクオ。
その顔を見渡し軽く頷く。

碗を手に取ると、まずは鼻に近づけ匂いを確かめた。
精度の高い酒が発する刺激臭がツンと鼻につく。

(   )『…毒なんて入ってないから安心してくれていいよ』

( ;^ω^);'A`);゚听)ξセ;゚ー゚)リ『!!!!!!』

無関心な風を装っていた筈の人物から発せられた突然の一言に驚き、彼らは一斉にその声の元を見る。
視線を全身に浴びながら、邸宅の主はゆっくりと振り向いた。

そして言う。



(´・ω・`)『ようこそバーボン領へ。
      このテキーラはサービスてきーな物だから、まずは飲んで落ち着いて欲しい』

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:54:11.82 ID:u4VgV6C20
しえん

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:55:13.18 ID:lW7PJZn20
  _   ∩
( ゚∀゚)彡  支援!支援!
 ⊂彡


211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:55:48.32 ID:6cSOB08l0

               この テ キ ー ラ は

( ;゚ω゚)『ま…まさか…』

(´・ω・`)b

             サービス て き ー な 物だから

(;゚A゚)『…その一言を言いたいが為に…こんなふざけた舞台を用意したってのか…?』

d(´・ω・`)b

                  テ キ ー ラ

ξ;゚听)ξ『そ…そんな…ありえないわ…』

\(´・ω・`)/

                  て き ー な

ミセ;゚ー゚)リ『さ…さすが天下に名の知れた【天智星】様…考える事が違う』

从#(*´・ω・)v





( ;^ω^);'A`);゚听)ξセ;゚ー゚)リ『…あ』

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:58:11.10 ID:lW7PJZn20
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +



213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:58:17.09 ID:u4VgV6C20
し、しえん

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:58:47.75 ID:nxS3NvDbO
\(´・ω・`)/

215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:59:32.75 ID:6cSOB08l0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下は、【アルキュ王国正史・第二次統一革命の章・ショボン伝】よりの抜粋になる。

〜(中略)壁一面に陳列されていた書物は今や床に山積みになり、部屋の主の体を覆い隠していた。
飛び散った血は庭の梅の木を赤く染め、それでも動じずに鳴く鶯の声が
惨劇から目を背けようとしていた一同を正気に戻した(中略)〜

若干誇大表現が混ざっているであろうが、
【天智星】の行動が給士ハインを激怒させたであろう事は想像に難くない。

私としてはショボンが茶と偽って強い酒を飲ませた程度の出来事であったと考えているのだが、
この男に纏わる数多くの奇言奇行がこの話に妙なリアリティを持たせている。

長々と私見を述べて諸兄らを退屈させる訳にもいくまい。
話を書斎に戻そう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

从#゚∀从『…バーボン領の恥晒し野郎が』

ニーソックスに包まれた太股の奥まで顕わになるのも構わず、
ハインは書籍の山から覗いている主の頭部を踏みにじった。
その背後には当然の如くヒートが控えている。

从#゚∀从『ヒート!! 縄持って来い!! この馬鹿縛り上げてバーボン河に捨ててやる!!』

ノハ*゚听)。oO(殺気立った御姉様も素敵…好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

どこからか取り出した荒縄をハインに手渡す。
部屋の主がグルグル巻きにされかけたところで、ようやく一同は慌てて我に還りそれを止めにかかった。

216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 02:59:33.19 ID:lW7PJZn20
  *'``・* 。
  |     `*。
 ,。∩      *  もうどうにでも
+ (´・ω・`) *。+゚  な〜れ
`*。 ヽ、  つ *゚*
 `・+。*・' ゚⊃ +゚
 ☆   ∪~ 。*゚
  `・+。*・ ゚



217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:01:33.91 ID:u4VgV6C20
しえん

218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:01:59.85 ID:lW7PJZn20
  *'``・* 。
  |     `*。
 ,。∩ Ω     *  もうどうにでも
+ (´・ω・`) *。+゚  な〜れ
`*。 ヽ、  つ *゚*
 `・+。*・' ゚⊃ +゚
 ☆   ∪~ 。*゚
  `・+。*・ ゚



219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:02:10.44 ID:6cSOB08l0
(;´・ω・)『やれやれ。ちょっとした歓迎のつもりだったんだけど…酷い目にあったよ』

散乱した書物を避けるように、床に直接胡坐をかいて座り込むショボン。
その横ではハインが腫れあがった彼の頬に濡らした布を押し当てている。

从 ゚∀从『歓迎は昨夜したって言っただろ!! 馬鹿なことしやがって…。
     だから軟禁されたって事くらい気付けよな』

八重歯が丸見えになるほどの大口を開けて抗議する。
そんな、この邸宅では日常的な風景をナイトウ達は呆れて眺めていた。

(;'A`)『…なぁ、【天智星】ってあの有名な【天智星】だよな?
    本当にコレが本物の【天智星】なのか?』

( ;^ω^)『……僕に聞かれても…困るお』

ミセ*゚ー゚)リ『いいえ!! 常人には思いつかないであろう素晴らしい言葉遊びのセンス!!
     ボクは【天智星】様こそ本当の天才だと確信しました!!』

('A`)『…黙れ子猿』

囁きあう一同。
彼らが心の底から【天智星】=天才の方程式を疑い始めたのを横目に
ハインがショボンの耳に口を近づけ、何やら言伝た。

それを聞き終えたショボンは真剣な表情に変わり、服の埃を払って立ち上がる。
そして、嫌味なほど優雅に一礼してみせた。


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:03:21.93 ID:u4VgV6C20
しえん

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:03:41.22 ID:6cSOB08l0
それで十分だった。
あまりにも落ち着き払ったその礼だけで風に飛ばされるように部屋の空気が変わる。
まるで珍奇な言動など最初から無かったかのような彼の行動に、
一同は慌ててテンデバラバラな仕草で礼を返した。

それに対して軽く微笑みかけるショボン。

(´・ω・`)『挨拶が遅くなって申し訳ない。
      我が名はショボン。【天智星】なる大袈裟な異名を得ておりますが…単なる凡人にございます。
      いきなりで申し訳ないけど、御令嬢達は今後の行動方針は何か決まっているのかな?』

ξ゚听)ξ『あ…え…ううん、まさかあんな事が起こるなんて思ってなかったから…。
     最初は南を目指そうと思っていたんだけど、【急先鋒】将軍が北へ向かえって言うから…』

(´・ω・`)『うん、その判断は正解だろうね。
      南には我が父もいるけど、そこに辿り着くまでに相当な数の追っ手を撒く必要があった筈だよ』

( ;^ω^)(;'A`)『?????』

一人納得した表情のショボンと、全くワケが分からないと言った風の一同。
天才と言われる人間にありがちなのだが、周囲の人間にまで己と同じ頭脳の回転を求める為
最終的に話が全く噛みあわずに終わってしまう事が多い。
ショボンにもこの悪癖は幾度も見られ、彼の言動を完全に理解できるのは
付き合いの長いハインくらいなものであった。

(´・ω・`)『それならば……まずは一緒に更に北にあるバーボン城に向かってほしい。
      外に馬車を用意させてある。
      事は急を要する。説明は馬車の中でさせてもらうよ。
      出来れば護衛の2人にも一緒に来てもらえればありがたい。
      報酬はちゃんと払うからさ』

222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:04:07.60 ID:lW7PJZn20
∧_∧
( ´・ω・) >>1と支援している皆さん、お茶が入りましたよ・・・・。
( つ旦O
と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦



223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:05:54.03 ID:HWzv24G60
>>222
貰っとくぜ(´・ω・)つ旦

支援

224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:06:24.05 ID:Cn7ayb3AO
支援

225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:07:10.47 ID:J9ZuEgWq0
(:::::::::::::::)ども
( つ旦O
と_)_)

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:07:14.25 ID:u4VgV6C20
    ∧,,∧  ∧,,∧<旨そうな料理・・・
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧<姫様・・・
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )<カコイイ軍人・・・
| U (  ´・) (・`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u<お茶・・・
     `u-u'. `u-u'<よしお茶で行くか

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:07:15.48 ID:ADN4nX+y0
>>222
ありがd つ旦

支援

228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:08:44.13 ID:Cn7ayb3AO
支援

229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:09:23.65 ID:nxS3NvDbO
お茶をいただきつつ支援

230 : ◆.B2lcGiYSA :2007/05/26(土) 03:12:02.62 ID:6cSOB08l0
以上、第4章でした。

深夜遅くまでの支援ありがとうございます。

一つだけ。
某所で私の前作について述べている方がいらっしゃるようですが、
前作『料理人』は自分にとって『完結できそうな作品』と言う位置づけでした。
今作は『書きたくても書けなかった挑戦作』になります。

自分としては前作に胡坐をかかず新人の気持ちで書いていけたらと思っています。

次回投下は未定と言う事で。
ありがとうございました。


231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:12:41.12 ID:2LLxFtQF0
乙さんです。

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:12:56.68 ID:ADN4nX+y0
>>230
乙でした

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:13:29.27 ID:lW7PJZn20
                 /,..-:::::::::::/i::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                ,イ/ /:::::::::::/ i/ 〃::::/}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
         ┼     ,':/  〃::::::::::iー+=7≠' i::::::ヽ::ヤ、:::::::::::::::::::::: 
               〃  /  i::∧{ 、、i / i  i:/ヘ::i::i ヘマ::::::::::::::::
               |  /  i/  i おミ、 i  i{ ヘハj 从\:::::::::::: 
                        ii   `''‐ミ     ヽ  おミミ \:::::::
             -┼       ii              ゙''ミズ   `゛`''‐-  >>1さんっ・・・!
                     ii      /              入::
                      ii      i                ハ::::
                       ヾ                     / .}::::
          ┼            ヘ   t、‐- 、          / ノ:::::
                     ハ    、 ̄ ヽ      / ̄::::::::::
                   / ∧     ̄      〃::::::::::::::::::::::
     / ̄ `゛`''‐-、_,,. - ''"´   / ヘ     _,,..- 彳:::::::::::::::::〃::ハ::
    /               /    ー    人:::ト、::::ヘ::::/ }::/
  /  /             /        / i.ヾ \ハ/ }/
 ./    {             {            /   〉


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:13:30.55 ID:HWzv24G60
乙〜!

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:14:14.87 ID:u4VgV6C20


トサカが美味いのかについてそのうちかkwsk教えてくだせえ

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:16:45.96 ID:ADN4nX+y0
>>235
ヒアルロンサンがいっぱい

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:17:22.09 ID:GMAMjovQO
乙!


238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:20:21.30 ID:UGq7jGdSO
…給士=メイド
メイドハインか!!!!!!!!!!!!!!!!!!

相変わらずキャラ作り上手いな
楽しみが増えた乙

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:24:38.22 ID:u4VgV6C20
>>236
お肌ツヤツヤになるのか

240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:34:25.70 ID:ADN4nX+y0
>>239
ひざ関節が痛くならなくなる
肌にいいのはコラーゲン

241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:34:44.40 ID:UKJkzVGwO
料理人書いてた作者か


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:35:34.50 ID:u4VgV6C20
>>240
つまり兵士向けの健康食か
どこ行けば食えるんだぁ

243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:36:05.84 ID:CaDEeV4s0
作者乙だぜ

244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:44:44.64 ID:UGq7jGdSO
次回投下予定は教えて欲しいな
絵の投下させてもらいたい

245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 03:47:21.29 ID:ADN4nX+y0
>>242
どちらかというと高齢者向け

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/26(土) 04:46:45.47 ID:qKlLl/CQO


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