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('A`)はダークヒーローのようです

1 :代理:2007/06/23(土) 00:30:14.09 ID:m/gK/MK00
この前のは地雷だったな…

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:30:31.18 ID:Ql7d1Yay0
>>2なら終了

3 :3:2007/06/23(土) 00:30:51.48 ID:v/60LMW90
 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
      +    。  |  |
   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
      ,-     f
      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +        このスレッドは2を超えました。
     〈_} )   |                                次スレも…VIPクオリティ!!
        /    ! +    。     +    +     *         http://ex16.2ch.net/news4vip/
       ./  ,ヘ  |
 ガタン ||| j  / |  | |||
――――――――――――  

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:34:27.52 ID:YtVpvPgAO
>>2-3
この流れwwwww

5 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:35:09.84 ID:fp6ZTK6pO
これはヒドいwww

悪ふざけも大概にしないといかん、という事を思い知らされた。

今日は真面目に本編2話分投下。
( ^ω^)の外伝、もうちょいで完成です。御披露目ターイム♪まで今しばらくご歓談を。

まとめ
http://vip.main.jp/279-top.html

オムライスさん、まとめ有難うございます。

さぁ、シアトルまで飛んでいけぇ!

6 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:36:40.18 ID:fp6ZTK6pO
第十八話 謝肉祭

( ゚∀゚)「今回は二人一組になって、手当たり次第奴らを無力化する!ヒートとぃよう、兄者と弟者、オレとギコの組に別れるんだ!ドクオは一人でも大丈夫だな!?」

ジョルジュが口速に隊列を叫ぶ。

('A`)「問題ない」

ノパ听)「まっかせろぉぉぉ!」

(=゚ω゚)「了解!」

(,,゚Д゚)「りょ、了解!」

( ´_ゝ`)(´<_` )「イエス、サー」

各自、了解の返事をし自分のパートナーと組んで、邪教徒のカーニバルに突進していく。
邪教徒達は、突然路地裏から現れたギア部隊に、些か同様したのだろう。
手にしたマシンガンや散弾銃を、ジョルジュ小隊の面々に向けて奇声を上げながら乱射する。

(=゚ω゚)「バーロー、そんなん利くかよ!」

飛び交う銃弾を意にも介さず、ぃようは一人の邪教徒の懐に飛び込むとスタンバトンを振り上げ、その首筋に打ち下ろした。

(邪〇ゝ〇)「ギィヤァァァ!?」

強力な電流を体に流され、邪教徒は身を脈打たせその場に倒れた。
彼らが着用する強化装甲服「ギア」は、対魔物用に製造されたもので、民間人が手に入れられる程度の銃では大した傷をつけられないのだ。

7 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:37:45.63 ID:fp6ZTK6pO
ギアの装甲に穴を開けようと思ったら、軍用の対物弾を装填した対物ライフルが必要である。
彼らが安心してテロリストの武装解除任務に付けるのも、ひとえにこのギアの強固さに裏付けされていると言えよう。

ノパ听)「おらおらぁぁ!この腐れ外道共が!観念しろぉい!」

ヒートが麻酔銃を手近の邪教徒達に、手当たり次第に乱射する。
乱戦や白兵戦を最も得意とする彼女は、右手に麻酔銃、左手にスタンバトンを握り、小刻みに立ち位置を変えながら邪教徒達の振るう斧や鎚をかわしつつ、次々と邪教徒達を無力化していく。
この場合一番に恐れるべきは、邪教徒達の振るう斧や鎚といった打撃目的の武装である。
一撃食らっただけでギアが破壊されることは無いが、続けざまに食らえば装甲を持って行かれる。
だから、通常ギアを着用した戦闘では、相手から極力離れた位置から銃器による攻撃が一番望ましい。
だが、ヒートは敢えて敵陣に突っ込んでの乱戦を選択するだけの実力の持ち主なのだ。
それは彼女だけでなく、ジョルジュ小隊の全員が━━ギコを除く━━それだけの実力を持つ手錬なのだから、この小隊がいかにエース揃いかは伺える。

8 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:38:46.09 ID:fp6ZTK6pO
( ´_ゝ`)「こいつはなかなかに面白い」

兄者が、背中に背負った樽から伸びるノズル状の発射機構を、邪教徒達に向けてそのトリガーを引く。
ノズルから無色透明の液体が勢いよく噴射され、邪教徒達の体に絡む。
すると、邪教徒達はその勢いに押し倒され、アスファルトに這いつくばる。
邪教徒達の体に浴びせられた液体は、更にその身の自由を奪うように粘着質を発揮し、彼らを地面へと縛り付けるのだ。

(´<_` )「液体とりもちとは、これまた変態チックな面白装備だな。おk、兄者、段々楽しくなってきた」

弟者も兄者と同様に、ノズルから液体とりもちを噴射し、邪教徒達の体の自由を奪っていく。
互いの背中を守るよう、背中合わせに立った双子は邪教徒達と一定の距離を保ち、近づく邪教徒達に片っ端からその粘着く新兵器を噴射する。

( ´_ゝ`)「だろう?面白すぎて、下の筒からもとりもちを噴射しないように注意しろよ」

いつものジョークとシニカルな笑いを発し、双子は安全に、確実に、邪教徒達を鎮圧していくのだった。

9 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:39:49.13 ID:fp6ZTK6pO
兄者、弟者達から少し離れた位置で、ジョルジュとギコはラバーマシンガンを邪教徒達へと連射していた。
寸断無く速射されるゴムの弾丸は、殺傷能力は無いまでも被弾すれば強烈な痛みを伴う。
苦痛による屈服を相手に促す為製造された、なんとも非人道的な装備であるが、邪教徒達にそのような道徳を用いる程ジョルジュは生易しくなかった。

( ゚∀゚)「どうだギコ、初戦闘は?やっていけそうか?」

ゴム弾を十数発、倒れた邪教徒に浴びせると、ジョルジュが顔を上げてギコに尋ねた。

(,;゚Д゚)「な、なんとか…」

まだまだ銃口を人に向ける事に躊躇いがあるのか、ギコのラバーマシンガンは銃身が微かに震えている。

( ゚∀゚)「まぁ初戦はそんなもんだ。誰だって、相手が人間ならトリガーを引く事は躊躇うさ。
だが、こいつらは完全なる外道だ。畜生道に落ちた、けだもの。人類の汚物だ。情けなんかかけてやるな」

そう言い、ジョルジュは近付いてきた邪教徒の頭部に、ゴム弾をありったけ連射した。
ゴムの弾ける乾いた音が立て続けに響き、邪教徒が顔を覆いながら絶叫した。

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:40:16.53 ID:m/gK/MK00
sienn

11 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:40:58.17 ID:fp6ZTK6pO
( ゚∀゚)「こいつらには、糞程も価値が無い。同朋を八つ裂きにして、蹂躙し、略奪する…最早人間じゃあねぇんだ。化け物なんだ。そう思って、撃て」

(,;゚Д゚)「隊長は、本当にそう思っているんですか…?」

ギコが、震える銃身を引きながらジョルジュに尋ねた。

( ゚∀゚)「……とにかく、オレ達の任務は、これ以上奴らに住民を殺させ無いことだ。
今は、考えるな。撃て。そうしなきゃ、お前の隣人の命が奪われる事になるぞ。何も、オレ達はこいつらを殺してるわけじゃあないんだからな」

ジョルジュの顔は、平坦だった。少なくとも、ギコの目にはそう映った。

(,,゚Д゚)「…はい」

ギコはジョルジュの言葉に顔を引き締めると、祈るように、囁くように、呟いた。

(,,゚Д゚)「これは…殺しじゃ、ない」

トリガーを一気に振り絞る。軽い反動と共にゴム弾が連射され、目の前の邪教徒達が痛みに悶えながら仰け反る。

( ゚∀゚)「まだ甘いぞ」

(,;゚Д゚)「うぉぉぉ!」

追い討ちのゴム弾を、倒れ込む邪教徒一人一人に浴びせ、徐々に屈服させていく。

( ゚∀゚)「…それで、いい」

感情を押し殺したジョルジュの声が、ギコの耳に入り込んだ。

12 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:42:13.22 ID:fp6ZTK6pO
一人、小隊の面々から離れた場所でドクオは、淡々と邪教徒達を無力化していた。
マシンガンや散弾銃が、度々彼の体を貫くが、さして気にも止めずに両手のラバーマシンガンを乱射する。
実際、彼は痛みなど感じていなかった。
足や腹に、何発か大きな傷を負ってはいるが、彼の俊敏な動きには何ら支障は無さそうだ。

('A`)「面倒だな…」

後から後から押し寄せてくる邪教徒達を睥睨して呟き、後ろに大きく跳躍すると、彼は街頭看板の上に飛び乗った。
ここからなら、反撃を受けずにゆっくり魔術が使える。

('A`)「目的、対象の意識喪失。前方10メートルを支点に半径15メートルに展開。開始」

詠唱が終わると、邪教徒達の立つ空間に紫色のガスが湧き出、次々と彼らは地に崩おれ始めた。
一人、また一人とガスを吸い込んでは糸が切れた操り人形のように倒れる。

('A`)「殺さずに無力化するなんて、オレの性分に合わん…が、此処は大人しく眠ってもらおう」

そう吐き捨てると、ドクオはまだ意識がある邪教徒達の群集の中へ目掛け跳躍し、飛び込んでいった。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:42:51.14 ID:2bezFanwO
支援

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:42:55.03 ID:P1+0cUet0
支援

15 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:43:27.03 ID:fp6ZTK6pO
ミセ ;_;)リ「酷い…酷すぎる…」

物陰に隠れて、目抜き通りの惨状を見つめていたミセリは、邪教徒達が逃げ惑う民衆を捕まえては虐殺していく光景を、嗚咽と吐き気を堪えながら見つめていた。
まるで家畜を屠殺するかのように、手にした斧や鋸で犠牲者の手足を切断する邪教徒達の姿は、見るものの精神を狂気に駆り立てる程に凄惨で、汚らわしかった。

ミセ うー;)リ「なんで、なんでこんな事が…許されるの?」

溢れる苦痛と嫌悪の涙を拭いながら、ミセリは物陰から立ち上がる。
ふと、その目に驚くべき人物を発見したミセリは、思わず声を上げてその人物の名前を叫んだ。

ミセ;゚ー゚)リ「オ、オリジン様!」

16 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:44:41.37 ID:fp6ZTK6pO
邪教徒達の群集の中でラバーマシンガンを振るっていたドクオの耳に、聞き覚えのあるような、無いような、深層心理の琴線に触れる声が響いた。

('A`)「この感覚…まさか、クーか!?」

焦り、マシンガンを邪教徒の一人に投げつけると、両足に力を溜めて一気に群集の中から声の聞こえた方へと飛び出す。

('A`)「遂に…遂に、オレが何者なのか、分かる時がきたのか?」

呟き、加速する。襲い来る邪教徒達を紙一重でかわしながら、ドクオは自分の全てを知るであろう人物の声を目指して、駆け抜けた。
とにかく、自分が何であるのかを知りたい。その一心で、ドクオは走る。

━━━━━

(,,゚Д゚)「わぁぁぁ!」

邪教徒達を、背徳者達を、裏切り者を、許すな。
そう自分に言い聞かせながら、ギコはラバーマシンガンのトリガーを引き絞る。
迫る背教者をスタンバトンの一撃で薙ぎ倒し、ラバーマシンガンの弾装を交換する。
ガシリと、ギコの決意を代弁するかのようにマガジンが頼もしい音を立ててはまる。

( ゚∀゚)「いいぞギコ、兵士の顔になってきた!その意気だ!」

(,,゚Д゚)「はいっ!」

ジョルジュの賞賛に、ギコは強く返事を返す。

17 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:46:11.06 ID:fp6ZTK6pO
( ゚∀゚)「……」

ジョルジュは、内心複雑だった。
戦えない兵士はただの重荷だ。そんなものはいないに限る。
だが、同族を痛めつける事に毛ほども感慨を抱かないキリングマシンも、出来る事なら自分の小隊には要らない。
ギコが、そのような戦闘機械になるようには見えない。だが、この男には、この男だけにはそうなって欲しくない。

( ゚∀゚)「もう…あいつのような人間は…奴一人で充分だ…」

胸中の古傷が鈍い痛みを発するのに、ジョルジュは無理矢理蓋をした。

( ゚∀゚)「さぁ、そろそろ数も少なくなってきたぞ!だが油断はするな!」

そう、ジョルジュが叫んだ時である。
戦闘の外に居た邪教徒の一人が、胸を抑えてその場に崩おれた。
その挙動に不吉な違和感を覚え、ジョルジュはその邪教徒に釘付けになった。
悶えながら、苦痛と歓喜の混じった身の毛もよだつ唸り声を上げて、その邪教徒は立ち上がった。
ふらつきながら、ジョルジュ達へと一歩一歩歩み出す。
━━突如、その邪教徒の体が弾けるように爆散すると、人間の皮を突き破って異形の化け物が、その湿気を纏った粘着質の皮膚を外気に晒した。

18 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:47:25.84 ID:fp6ZTK6pO
その頭部には、顔一面にぽっかりと穴のように空いた口腔だけが餌食を求め蠢き、後頭部から尾のように一本突き出した触手が、歓喜と渇きのダンスを踊っている。
黒く、湿り気と粘着質を持った皮膚が覆う体躯は、拒食症患者のように節くれだって痩せ痩けて、見るからに貧弱そうだった。
だが、その残忍に研ぎ澄まされた爪を備えた手が、道路標識を掴み根こそぎ引き抜いた事により、この化け物が常軌を遥かに逸した怪力の持ち主である事を証明された。
化け物は、空を仰ぎ、その後頭部から生えた尾のような触手を天に向けて指すように伸ばすと、汚らわしい口腔をいっぱいに開いて聞くものを狂気に駆り立てるような咆哮を上げた。

( ゚∀゚)「…ナイトメア…だと…ちっ、ついに墜落者がでやがった」

目の前の狂気の光景を見つめ、ジョルジュは吐き捨てた。

( ゚∀゚)「おいギコ!お待ちかねの化け物だ!すぐに指揮車に戻って武装を変更するぞ!奴が一般人を襲わないように、気を引きつけるのも忘れるな!」

(,;゚Д゚)「イ、イエスサー!」

二人はラバーマシンガンを気休めに件の化け物へ向けて連射すると、化け物がこっちを見たのを確認して走り出した。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:48:23.06 ID:m/gK/MK00
sienn

20 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:48:42.45 ID:fp6ZTK6pO
('A`)「クー!?クーなのか!?」

邪教徒の振り下ろした斧の柄を、裏拳で砕き、ドクオはビルの角を曲がる。
路地裏に入り辺りを確認すると、前方約に30メートルに女性のシルエットが立ちすくんでいた。
目を凝らし、それが探し人であるかを確かめようとする。

ミセ;゚ー゚)リ「オリジン様!オリジン様なのですね!?」

その人物が声を張り上げる。

違う。クーじゃない。

だが、何故その名で、「オリジン」の名で、自分を呼ぶのか。
ドクオは少々の落胆をも気にせず、その女の元へと駆け出した。

(;'A`)「お前は誰なんだ!?オレの記憶について、何か知っているのか!?」

ふいに、頭上に空気の揺らめきを感じ、反射的にドクオは立ち止まった。
直後、ドクオの目前を鋭い銀光がほとばしり、ドクオが踏みしめる筈だった地面を大きく抉った。

(’e’)「やれやれ…ダイオードが、邪教徒達のカーニバルを手引きすれば、『鍵』も『力』も引き寄せられて来ると言っていましたが…
飛んだ計算違いですね。まさか『ザ・アルバム』の方が引っかかるとは…」

21 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:49:57.26 ID:fp6ZTK6pO
銀光と共に目の前に降り立った、白を基調として青と黒を織り込んだ奇怪な形のローブを着込んだ男は、溜め息をつきながら肩をすくめた。

('A`)「貴様…」

目の前の男から微かに感じられる魔力の片鱗に、ドクオの双眸は細められた。

('A`)「お前が、『魔術師の末裔』か?」

ドクオの言葉にローブの男は、手にした巨大な銀の輪環を頭上で一回転させると、それを腕に通し構えた。

(’e’)「いいえ、と答えておきましょう。おしいですがね。しかし、今はあなたのお相手をしている場合では、有りません。
あなたに死なれては、私達も困りますから」

最も、と付け加え、男は何の前触れも無く輪環を振るった。

(;'A`)「ちっ!」

予備動作無しに両足目掛けて振るわれた輪環を、紙一重でかわした。

少なくとも、ドクオはそう思ったし、事実傍目から見てもドクオの両足に輪環が触れたようには見えなかった。
だが、実際にはそうでなかったようである。
ドクオの両臑は、かまいたちに切り裂かれたようにぱっくりと裂け、そこから少し遅れて滝のように血が流れ出した。

22 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:51:25.95 ID:fp6ZTK6pO
(’e’)「動けなくする事ぐらいならば、我々の崇高なる目的にもなんら支障は出ないでしょう」

そう言い、ローブの男は腕を支点に回転している輪環の動きを止めると、女の方に向き直った。

(’e’)「本命はあなたでは無いのですがね。あなたと救世主殿が接触するのは、極力避けたい。今ここで、その下らない虚像を無に帰させてあげます」

そう言い、ローブの男は女の元へと歩き出した。

('A`)「くそっ…」

ドクオは立ち上がろとするが、思うように足に力が入らない。
腱を切られたのか?
しかし、アキレス腱は踝の裏側にあるのだ。切られたのは臑だけの筈。そう思い、アキレス腱に指を伸ばしたドクオは、驚愕した。
見事にアキレス腱も断ち切られ、そこからも血が流れていたのだ。

(;'A`)「なんなんだ…あの、輪環は…」

常識の遥か外側に位置するローブの男の力に、ドクオは内心の焦りを隠せなかった。
そうしている間にも、ローブの男は女へと迫る。銀の輪環が、死を呼ぶ宝石のごとく鋭い光を反射する。
迫り来る死の使者から後退りながら、女がドクオへ向けて声を張り上げた。

23 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:52:42.69 ID:fp6ZTK6pO
ミセ;゚ー゚)リ「オリジン様!聞こえますか!私は、ミセリと言います!あなたにとって、とても大切なn」

女が最後まで言い切らぬ内、男の輪環が彼女を射程距離内に捉えた。
閃く銀光が、高速で回転する輪環の上と女の衣服の上を駆け抜ける。

ミセ;>ー<)リ「キャッ!」

('A`)「!」

女は悲鳴を上げて、尻餅をついたようだ。ドクオの位置からは遠くてよく見えないが、彼女の衣服が真っ赤な血で染まっているのがちらと、見えた。

(’e’)「お喋りはいけませんよ。死人にくちなし。潔く消えなさい」

男が、もう一度、今度は止めのつもりか大きく輪環を振りかざした。

('A`)「させるか…!目的、対象の爆裂。前方25メートルを支点に2メートル×2メートル×2メートルの空間に展開、開始」

ドクオが早口に唱えた詠唱が終わるのと、男が輪環を振り下ろしたのは同時だった。
強烈な爆発音が路地裏に響き、男の姿が見えなくなる。
立方体の形に不自然に塞がれた空間の中で、ドクオの魔術により発生した爆炎は荒れ狂い、外には一切被害を出さないままにその勢いを沈めた。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:54:00.83 ID:m/gK/MK00
支援

25 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:54:09.74 ID:fp6ZTK6pO
(’e’)「くっ…まだ『力』を取り戻していないとはいえ、物凄い魔力です…危うく消し炭になるところでした」

爆炎が残した煙の中から、爆発でボロボロになったローブを脱ぎ捨てつつ、男が立ち上がった。
右手には、輪環が握られ、左手には今まで付けられていなかった、白いグローブが装着されていた。

(’e’)「やれやれ、逃げられましたか」

そう呟く男の視線の先には、先程まで女がへたり込んでいた空間。今そこには血溜まりが生々しく残るばかりだ。

(’e’)「どうしてこうも上手く行きませんかね…少し、自信が無くなりそうですよ」

ローブの下に着込んでいた、黒いボディスーツをはたきながら、男はドクオを振り返った。

(’e’)「一つ、あなたに御進言させていただきます、救世主殿。
人間の下で戦うのが、本来のあなたの姿ではありません。完全なる力を取り戻したいのでしたら、この女をお探しになって下さい」

そう言って、男はポケットから一葉の写真を取り出し、ドクオへ向けて投げた。

('A`)「これは?」

目前に舞い落ちた写真を、ドクオは手に取り見つめる。
写真に写っていたのは、金髪褐色肌に、黄金の瞳を輝かせた、エキゾチックな魅力のある女だった。

26 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:55:44.62 ID:fp6ZTK6pO
(’e’)「その女が、あなたの力を完全に取り戻させ、同時にあなたの記憶も埋めてくれるでしょう。
あなたが、完全に力と記憶を取り戻した暁には、私どもがお迎えにあがります。我々と一緒に、新しい時代を築こうではありませんか」

('A`)「……それは、本当なのか?」

訝しげに、ドクオが尋ねた。

(’e’)「えぇ、真実です。今はあまり多くを語る事は出来ません。ですが、我々と共に歩んでくれるのならば、あなたがお探しの『自分が何者であるのか』という疑問の答えも、自ずと見つかるでしょう」

そこで言葉を切ると、男は後ろを向き、グローブを握りしめた。

(’e’)「とにかく、その写真の女をお探し下さい。私どもも聖騎士団の全勢力を持って捜索にあたっているのですが、ようとして見つかりません」

首だけドクオへとめぐらし、男はまた口を開いた。

(’e’)「先程の女とは、逆に接触しないようにお願いします。彼女は、あなたのアイデンティティを侵そうとする悪魔です。あなたに『死』を呼ぶ女です」

27 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:57:00.36 ID:fp6ZTK6pO
しばらくドクオは思案するように押し黙った。
この男の言葉を、鵜呑みにしていいのだろうか。
しかし、この男とその仲間━━聖騎士団と言ったか━━も、この写真の女を探していると言う。
男は本当に、自分に敵対するつもりは無いように見える。
ならば、何の手掛かりも無い今はこの男の言葉を、信じてみてもいいのではないか。

('A`)「……わかった」

ドクオは頷くと、力の入らない足に鞭打ってなんとか壁伝いに立ち上がった。
自己治癒能力とも言おうか、ドクオの切れた腱は徐々にその傷口を塞ぎつつあった。

(’e’)「その言葉が聞けて光栄です。最後になりますが、私はセントジョーンズと申します。あなたにお仕えする、聖騎士団の一柱です。以後、お見知りおきを。
それでは、私はこれで失礼させていただきます。旅人に、祝福あれ」

そう言い残し、男はビルの壁面目掛けて跳躍した。
壁面に着地すると、そのまま壁を蹴って三角跳びの要領で、ビルの頂上を目指す。
ドクオがその姿を見守る中、セントジョーンズと名乗った男は、ビルの頂上に到達し、ドクオの視界から消えた。

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:57:41.72 ID:m/gK/MK00
支援

29 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:58:20.60 ID:fp6ZTK6pO
第十九話 悪夢

( ゚∀゚)「こちらジョルジュ、墜落者が、ナイトメアが出た!我が小隊は、これを非常事態と判断、武装変更を実行する!繰り返す…」

ジョルジュが、小隊員全員と指揮車にいるしぃに聞こえるよう、ヘルメットの通信機に怒鳴る。

━━ナイトメア。畜生道に墜ちた、人間の末路。
邪神を崇拝し、その異形たる血をその身に取り込んだ人間が、ある一定の期間を経て変化する悪夢の怪物。
邪神の血は、人間の理性を食い荒らし、脳の奥底に眠る狂暴なる獣の本能を目覚めさせる。
やがてはその肉体までも、狂暴なる本能に相応しく、汚らわしいけだもののそれにまで変えて。
軍では、この特異なる「墜落者」と呼ばれる魔物が出現した際、「墜落」の危険性がある攻撃的な人間を、現場指揮官の判断で射殺する許可がおりている。

(;゚ー゚)『りょ、了解。対魔物用の装備を揃えてお待ちしています!』

通信機から、しぃの切迫感漂う声が聞こえる。このような事態を予想できなかったのだろう。
ジョルジュの通信機から響く小隊の面々の声は、どれも意表をつかれたような響きを帯びていた。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 00:58:52.95 ID:P1+0cUet0
支援

31 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 00:59:34.00 ID:fp6ZTK6pO
(;=゚ω゚)『畜生が!いかれた奴らだぜ!了解、すぐに指揮車へ引き返す!』

( ;´_ゝ`)『洗礼を受けたという事か…了解、指揮車へ向かう』

(´<_`; )『右に同じ』

ノハ;#゚听)『……了解』

口々に、怒りや罵り、驚きが込められた声で応答する隊員達。だが、その中にドクオの声は無かった。

( ゚∀゚)「おい、ドクオ!聞こえるか!ナイトメアが出た!装備の変更を開始するから、指揮車へ一旦戻れ!」

しかし、通信機からドクオの応答は無い。

( ゚∀゚)「やれやれ…あいつのことだ、武装など変えずとも、魔術でなんとかするだろう」

そう結論付け、ジョルジュは通信機に怒鳴るのを止めた。
曲がり角を曲がると、しぃが待機する指揮車が見えた。
やはりというか、ジョルジュ達が一番のりだった。

(;゚ー゚)「二人とも、早く!」

( ゚∀゚)「よし、直ぐに武装の変更を行うぞ!」

(,,゚Д゚)「はい!」

二人は、指揮車で対魔物用の装備をしぃから受け取ると、軽く動作チェックを行い、再び目抜き通りへと駆け出して行った。

32 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:00:31.62 ID:fp6ZTK6pO
('A`)「……」

ヘッドセットから、ジョルジュ達の声が聞こえたような気がするが、ドクオはそんな事など構っていられない程に頭の中が混乱していた。

セントジョーンズと名乗った男が言った言葉を、思い返す。

(’e’)『人間の下で戦うのは、本来のあなたの姿ではありません』

(’e’)『その女が、あなたの力を完全に取り戻させ、同時にあなたの記憶も埋めてくれるでしょう』

それが、真実なのだろうか。
本当に、彼の言葉を信じていいのか?

('A`)「クー…」

無意識のうちに、彼女の名前が口からこぼれていた。

('A`)「教えてくれ…オレは…」

━━━━━

通りを練り歩いていた邪教徒達は、かつて同士であった者の成れの果てに引き裂かれ、蹂躙され、その生皮を剥がれて地面に転がっていた。
墜落した邪教徒達はかなりの数に上るようで、不浄なるけだものは、目抜き通りのあちこちで虐殺を超えた狩りを繰り広げていた。

ノパ听)「待たせたな、隊長!」

(=゚ω゚)「おれっちもいるぜ!」

ヒートとぃようが、それぞれ両手に対物アサルトライフルを構えてジョルジュ達に合流した。

33 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:01:48.12 ID:fp6ZTK6pO
( ´_ゝ`)(´<_` )「オレ達も、準備万端だ」

背中に背負った樽は大して変わらず、そこから伸びるノズルをガトリング砲に変えて、兄者と弟者も現れた。

( ゚∀゚)「よし、ドクオ以外は揃ったな。いいか、相手は最早敵味方見境なしだ。
奴らは異常なまでに攻撃的で、立体的な動きをする。下手に奴らの中に紛れると、お前らの首でバスケットの試合を始められるぞ。皆、一点に固まって壁を背にして戦え。いいな?」

ジョルジュの言葉に、皆が皆、真剣な表情で武器を構える。

( ゚∀゚)「よし、オープンコンバット!」

その一声で、小隊の面々は銃器のトリガーを一斉に目の前で狩りを楽しむ墜落者達に向けて、引き絞った。
マズルフラッシュが瞬き、余所見をしていたナイトメアが電信柱から弾き落とされる。
初撃は順調に墜落者達を捕捉し、彼らの肉に穴を空けていく。

ナイトメアの一匹が、怒りとも狂喜ともとれる雄叫びを上げ、自分たちに攻撃を加える小隊の面々を発見した。
その雄叫びにつられるように、他のナイトメア達もジョルジュ達の方を振り返った。

( ゚∀゚)「まずい、奴らの攻撃が始まるぞ!各自、回避の準備は怠るな!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:02:15.65 ID:m/gK/MK00
支援

35 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:02:56.26 ID:fp6ZTK6pO
ジョルジュが言うが早いか、街頭看板の上で犠牲者の頭蓋骨をむしゃぶっていたナイトメアが、手にしたご馳走を放り投げ、ヒート目掛けて飛びかかって来た。

ノハ;゚听)「ぬおっ!」

凄まじい跳躍力で一気にヒートの頭上、斜め上まで迫ると、ナイトメアはその鋭利な爪を伸ばし、ヒートの顔面に突き立てようと目一杯に広げた。

ノハ#゚听)「こなくそぉぉぉ!!」

とっさに腰からカスタムデザートイーグルを抜き、コンマ一秒の早撃ちでナイトメアの開いた口腔に撃ち込む。
その一撃にナイトメアは頭を仰け反らせ、ヒートに向けた爪は紙一重で逸れ、後ろのビルの壁面に突き刺さった。

ノハ;゚听)「危ねぇぇぇ…」

ほっと胸をなで下ろしたのも束の間、今度は地を這うように進んで来たナイトメアの爪が、ヒートに迫る。

ノハ;゚听)「!」

ヒートが死を覚悟したその瞬間、セミオートショットガンの発する轟音が、彼女の目前のナイトメアの頭を、粉々に噛み砕いた。

( ゚∀゚)「余所見するな。敵は四方八方からやってくるぞ」

ジョルジュはそうヒートを一喝すると、手近なナイトメアに向けてセミオートショットガンを放つ。

36 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:04:34.52 ID:fp6ZTK6pO
ノハ;゚听)「お、おう…サンキュー」

呆然と自分の命が助かった事に安堵すると、ハッとなりヒートは銃を構え直した。

( ´_ゝ`)「くっ…凄い反動だ!だが、それが心地いい」

兄者が恍惚とした顔でガトリングのレバーを握る。
八つの砲頭から、休みなく吐き出される8ミリ弾は、小隊の面々に飛びかかってくるナイトメア達を悉く蜂の巣に変えていく。

(´<_` )「この快感は…新しい!どうしよう兄者、あたし開発されちゃった…」

弟者のジョークは、この窮地にあって逆に乗って来たようだ。くだらない下ネタを飛ばしながら、銃弾も飛ばす彼らはまさに歴然の強者だった。

(;=゚ω゚)「ぃよう、隊長!ドクオの野郎はまだ来ねぇのか!?」

手榴弾を投げながら、ぃようがぶっきらぼうに叫んだ。

( ゚∀゚)「あいつの分の戦力は期待するな!もう少しすれば、他の小隊も到着する筈だ!それまで気張れ!」

ジョルジュは怒鳴り、弾切れになったセミオートショットガンを投げ捨て、肩から吊した対物アサルトライフルに持ち替える。

(´<_` )「まったく、英雄気取りの独断行動は謹んでいただきたいな」

37 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:05:53.90 ID:fp6ZTK6pO
弟者が、呟くように毒づいた。

( ´_ゝ`)「……」

兄者にはそれが聞こえたのだろうか。
ただ、兄者は黙ってガトリング砲の砲頭を水平に往復させ、並み居るナイトメア達を銃弾の嵐で薙ぎ倒すだけだった。

(,;゚Д゚)「うわぁぁぁぁあ!!」

ギコは、初めて相対する怪物に恐怖の叫びを上げながらも、対物アサルトライフルのトリガーを引く。
乾いた連射音と、反動が腕を伝い肩を刺激する。
ギコが放った銃弾を浴びたナイトメアは、それでも前進を止めない。
殺意を宿した爪を研ぎ澄まし、ギコの首を狙う。

(,;゚Д゚)「オレだってぇぇぇ!!」

雄叫びと言うには、あまりにも不甲斐ない叫びを上げ、ギコは弾装全部の弾をありったけナイトメアの胴体に叩き込んだ。
その全力射撃に、ナイトメアは奇声を上げながら倒れ伏す。

(,;゚Д゚)「はぁ…はぁ…!やった!やったぞ!」

初めての戦果に勢い付いたギコは、空になった弾装を交換すると、目の前に迫るナイトメアに向かってその荒削りな牙を剥き出しにした。
がむしゃらに近い勢いで、ナイトメアの胴体に狙いをつけトリガーを引く。

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:07:04.34 ID:P1+0cUet0
支援

39 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:07:07.89 ID:fp6ZTK6pO
弾丸が墜落者の肉を削り取り、汚らわしい血を流させる。
腰に下げた手榴弾を投げる。
爆音が響き、大量のナイトメアが吹き飛ぶ様は、ギコに自信と勇気を与えた。

(,;゚Д゚)「オレも、オレでもいける!」

途端、今まで震えていた銃身がピタリと止まった。その銃口は、ナイトメアの頭部を捉える。

(,,゚Д゚)「そこだぁ!」

叫び、トリガーを短く引く。ナイトメアの頭は、十数発の弾丸に食い荒らされ、その形を無くした。

( ´_ゝ`)「いいぞギコ!その調子だ!」

兄者が、賞賛の声を上げる。
それに鼓舞され、次の標的に狙いを定めようとしたギコは、視界の端に今まで姿を眩ましていた人物を見つけた。

(,,゚Д゚)「あれは…ドクオさん…!」

ドクオは、どこか上の空な様子で目抜き通りの端を歩いている。その後ろに、狂気の影が迫った。

(,;゚Д゚)「まずい!」

考えるより先に体が動いていた、とよく言うが、まさに今のギコはその言葉通りだった。
ドクオへ向かって、全力で駆け出す。体の限界を超えて、トッブスピードのその上を出して彼の元へ駆ける。

40 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:08:26.56 ID:fp6ZTK6pO
('A`)「…」

しかし、ドクオはギコにも、背後に迫る墜落者の気配にも気付いた様子は無い。
その目は、焦点が定まっていないかのように見えた。
ギコは対物アサルトライフルを構えたが、ここからではドクオに当ててしまう危険性がある。
歯噛みし、今一度足に力を入れる。

(,;゚Д゚)「くそっ!間に合え!」

ドクオの手前、最後の一歩で地面を力強く蹴ると、ギコはドクオを庇うべく飛び込んだ。

('A`)「……!」

自分に向かって飛び込んでくるギコにやっと気付いたのか、ドクオが意表をつかれたような顔をする。

(,;゚Д゚)「ドクオさぁぁぁん!」

ドクオに飛びつき、そのまま押し倒したギコの背中に、違和感が走る。

(,;゚Д゚)「がっ…!」

声にならない呻きを上げ、背中の違和感がその身を貫かれた痛みだという事に気付いたギコは、血反吐を吐いた。
灼熱したように、背中が熱い。血流が異常で、心臓が不気味なリズムを立てている。

(,;゚Д゚)「っ…あぁっ……がっ…ふっ…」

ドクオに覆い被さりながらも、ギコの口は彼の体内の血液を吐き出す事を止めない。
次から次へと流れ出す生命の奔流は、止まる事を知らないかのように、ギコの口から吐き出される。

41 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:09:38.75 ID:fp6ZTK6pO
ギコの背に、その残忍なる爪を突き立てたナイトメアは、歓喜の咆哮を上げて刺さったままの爪を、ギコの体内で何度も抉るように捻った。

(,;゚Д゚)「…ァガッ!…ぐぎ…」

( ;゚∀゚)「ギコォォォ!!」

ジョルジュが叫び声を上げ、対物アサルトライフルをギコに覆い被さるように重なったナイトメアに向けて、トリガーを引いた。
乾いた連射音が響き、ギコの上のナイトメアが仰け反る。

( #゚∀゚)「おおぉぉぉ!!」

それでもジョルジュは連射を止めずに、弾装全部を憎むべき墜落者の全身に、怒りと共に叩き込んだ。
断末魔の絶叫を上げ、ギコの背中にへばりついていたナイトメアは、後ろに向けてゆっくりと倒れ込んだ。

( ;゚∀゚)「ギコ!」

その姿を確認し、ジョルジュはギコの元へと走り寄った。
ギコに押し倒されたドクオが、のっそりとした動作でギコの下から這い出して来る。

('A`)「…致命傷、だな」

ポツリと呟くドクオの言葉を振り払うように、ジョルジュはギコのギアを脱がせていく。

42 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:10:59.74 ID:fp6ZTK6pO
( ;゚∀゚)「おい、ギコ!聞こえるか!?」

メットを取り、胴体部分の装甲服を排除し、仰向けにするとギコの頬を叩く。

(,,メД゚)「ジョ…ジュ隊…長」

ギコは、喉から込み上げる血反吐にむせながら、途切れ途切れにジョルジュの名を口にした。

( ;゚∀゚)「大丈夫だ、お前は助かる。オレ達が助ける」

ギコの目を見て、ジョルジュはそう言い聞かせると、通信機に向かって口早にまくし立てた。

( ;゚∀゚)「しぃ、聞こえるか?ギコが負傷した!ギコの体は動かせん!医術道具を持って、今すぐこっちに向かってくれ!」

(;゚ー゚)『え!?』

しぃの声は明らかに狼狽していた。

( #゚∀゚)「いいから早く医術道具を持ってこっちに来い!ギコを死なせたいのか!」

ジョルジュの怒声は、通りで戦う小隊員の耳にも届いた。

( ´_ゝ`)(´<_` )ノパ听)(=゚ω゚)「!」

だが、彼らはその声にも冷静さを失わずに、それぞれが出来うる最善の行動として、とにかく目の前のナイトメアを攻撃し続ける。
ここで焦って取り乱したら、負傷者が増える。そう、分かっているからであった。

43 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:12:06.72 ID:fp6ZTK6pO
( ;゚∀゚)「大丈夫だからな。お前は助かる。今、しぃが医術道具を持ってこっちに向かってる。だから安心しろ」

ジョルジュがギコに呼びかけるのを、ドクオはただ呆然と眺めていた。
通りでは相変わらず、ナイトメアと小隊員が死闘を繰り広げている。
血糊と硝煙の臭いが、鼻をつく。

死の影が、迫る。後ろから。

('A`)「……」

無言で、後ろから振り下ろされたナイトメアの爪をかわし、腰に下げたナイフで墜落者の脳天を突き刺す。
ナイトメアは、唸り声も上げずにその生命を終えた。

('A`)「死…」

こんなに簡単に、生命は終わる。
こんなに簡単に、心臓は脈打つのを止める。
それは、この目の前で倒れている男にも言える事では無いのか。
だが自分は?

('A`)「オレは、死なない」

ドクオは、朧気ながら自分が簡単には死なない事を、自覚していた。
銃弾や、鉈で切り裂かれた傷口が塞がりつつあるのが、ドクオにはわかった。
おそらく、ギコが自分を庇わずとも、ナイトメアの爪で自分が死ぬことは無かったであろう。

('A`)「馬鹿な…男だ…」

誰にも聞き取れない程の声で、ドクオは呟いた。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:12:59.85 ID:m/gK/MK00
支援

45 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:13:25.10 ID:fp6ZTK6pO
(;゚ー゚)「ギコ君!」

路地裏から、医術道具が入ったショルダーバッグを下げて、しぃが走り出て来た。

( ;゚∀゚)「こっちだ!」

ジョルジュの声に、しぃは息を切らせながら全力でジョルジュ達の元へと駆けて来る。

(;゚ー゚)「ギコ君は!ギコ君は!?」

パニックに陥っているのだろう。
取り乱していて、しぃはただおろおろとするばかりだ。

( #゚∀゚)「落ち着け!今、応急手当てを行うから、そのショルダーバッグを寄越すんだ!」

ジョルジュの言葉に、やっと気付いたのか、しぃはたどたどしい手つきでショルダーバッグを下ろすと、ジョルジュに手渡した。
ジョルジュは、ショルダーバッグを開け、中から医術道具を取り出す。

(;゚ー゚)「ギコ君!ギコ君!」

しぃは、相変わらずギコに問い掛けている。

46 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:14:20.10 ID:fp6ZTK6pO
(,,メД゚)「し…ぃ」

ギコはしぃの言葉に、閉じかけていた目を開けると、震える手で彼の顔を覗き込むしぃの頬に触れた。

(,,メД゚)「ごめ…な……オレ…」

震える唇。

(;゚ー゚)「なんで謝るの!?イヤだよ!そんな…」

滲む瞳。

(,,メД゚)「…しぃに…何も…してや…れなか…」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:15:01.48 ID:m/gK/MK00
支援

48 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:15:21.90 ID:fp6ZTK6pO
霞む瞳。

(;゚ー゚)「イヤだよ!そんな、最後みたいな事、言わないでよ!」

嗚咽を堪える悲痛な声。

(,,メД-)「本、当に…ごめ……ん」

(;゚ー゚)「ギコ君!」

無意味な呼びかけ。

(,,メД-)「」


止まった時。途切れた声。力無く垂れる手。閉じられた瞳。

止まる心臓。

(;゚ー゚)「ぃ…ゃ…」

終わった命。

(*;ー;)「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

銃声と絶叫が木霊す目抜き通り。遠くから、他小隊到着の報告が、虚しく響く。

ギコは息絶えた。

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:16:13.35 ID:P1+0cUet0
支援

50 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:17:58.69 ID:fp6ZTK6pO
さぁ投下終了!

前回の謝罪と賠償
本当にすまんかった。調子に乗りすぎた。二度とあんな馬鹿な事はしない。

('A`)作者は自重するようです


ここがわかりにくい!
ちょっと言いたい事がある…
これ書いてー
質問があるですぅ

受付してます!

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:20:58.95 ID:m/gK/MK00
乙〜!
( ^ω^)の外伝wktkして待ってるわ

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:21:05.65 ID:+DduKLH6O
十七話見てないから作者が何しでかしたか分からないんだが

53 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:24:09.69 ID:fp6ZTK6pO
>>52
( ´_ゝ`)と
(´<_` )で
黒歴史

54 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 01:33:51.38 ID:fp6ZTK6pO
さて、質問も無いようですので、これから鋭意執筆といきますか。

めげずに支援して下さった読者の皆様には、頭が上がらないのです。

見てるかわからないけど、まとめさんがいらしたら、こないだの( ´_ゝ`)(´<_` )のお話しは是非とも載せないで下さいな!

では【+  】ゞ゚)

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:36:04.81 ID:32SVGsV00

土から肉体を再生するぐらいの力あるのに、アキレス腱を切られたとか血が出たとか気にしてるのが少し気になったかな

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:52:03.88 ID:8S6GDlPy0
よーしパパ悪魔と合体してカオスヒーローなるぞー
ほす

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:53:05.87 ID:fp6ZTK6pO
>>55
うーむ…これに答えると、ドクオの素性についてのネタバレになる為、答えられません><

本当にすまない!

つ@

バッヂ上げるから、内緒にして

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:55:52.54 ID:fp6ZTK6pO
>>56
不覚にもwww

つ*

マグネタイトあげる

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 01:59:57.01 ID:AYbENwJY0
どうみてもケt

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:08:11.13 ID:AEkF4g320
これ面白いね
作者さんは二重螺旋の悪魔とか知ってそうだなあ

61 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 02:16:28.17 ID:fp6ZTK6pO
>面白いね

この言葉に作者涙目wwww

二重螺旋の悪魔…スマソ、未見なんだ。
ちょっとアマゾンとかで探してみる。
よければあらすじプリーズ

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:20:18.84 ID:32SVGsV00
作者さんはティラムバラムってゲーム知ってる?

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:26:45.85 ID:fp6ZTK6pO
二重螺旋の悪魔、アマゾンで見てきたが…
こんな、世間に絶賛される程高尚な作品、漏れは見逃してたのかwwwww
今度古本屋で探してくるわ。

>>62
ググったら、クトゥルフを題材にしたゲームとのこと。
クトゥルフのクの字だけでやりたくなったが、アマゾンにも無かったorz

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:27:52.24 ID:AEkF4g320
>>61
あらすじ
人間の遺伝子から化け物復活、最初は主人公がホラー的にタイマンしてたが
後にそいつらが増殖して世界崩壊、人類サバイバルな感じの小説。
長さはS・キングのニードフルシングスやクリスティーン位。
あと作者はクトゥルフをリスペクトしてるみたい(小説内に関連する単語がこれでもかと登場する)。

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:29:17.16 ID:AEkF4g320
一手・・・遅かったな・・・orz

66 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 02:39:58.10 ID:fp6ZTK6pO
>>65
負けないで!

パンパンの文庫本が二冊分と脳内変換した。

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 02:47:17.70 ID:AEkF4g320
まったりとがんばって下さい>>作者さん
もう落ちます

68 :('A`):2007/06/23(土) 02:49:01.25 ID:fp6ZTK6pO
応援有難うなんだぜ!

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/23(土) 03:01:41.82 ID:m/gK/MK00
まだ居るか分からんが、総合で聞いてたから言う
【+  】ゞ゚) 棺桶死オサム な

70 : ◆/ckL6OYvQw :2007/06/23(土) 03:11:41.03 ID:fp6ZTK6pO
>>69
バレたか…dクス。

今度使うわ。多分

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