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( ^ω^)はミュージカルをするようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:18:30.79 ID:Ya6CFvx3O

開幕・僕



深夜の街を歩いていた。
昼間よりは格段に涼しいが、真夏の暑さは僕に汗をかかせている。
ため息をつきながら、じっとりと濡れた額を手で拭った。

それにしてもこの先、どこに行けばいいのだろう?
行き先も帰る場所も失ってしまった。
彼女にだって……恐らくはもう会えない。

昨日のことなのに、僕の拳は今だに痛み続けている。
罪悪感も同じ様に感じ続けている。
そして床に広がった赤い血のことを思い出す。

その時どこからか、潮の香りがした。
いつの間にか港の近くに来たんだな、と気が付いた。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:19:43.76 ID:YgEaSABY0
そんなことより創聖のアクエリオンの英語版OPすげえええええええええええええええ

http://www.youtube.com/watch?v=h4JiZSNV3dQ

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:20:13.23 ID:wkJZsq400
wktk

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:20:22.27 ID:Ya6CFvx3O

僕はその香りに誘われるように、港の方へと足を向けた。
海を見て、少しだけ眠り、それから出頭しようと決心したのだ。
然るべき罰は受けなければならない。

だから僕は海に向かった。
暫定的だが目的地が見付かって、
心のどこかでほっとした。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:22:44.19 ID:Ya6CFvx3O

一曲目・ドクオ




面接官「特技を聞かせてもらいますか?」

('A`)(…こ、これはアピール・チャンス!!)

('A`)「面接に不合格になることでぶしっ」

しまった、噛んだ。
取り返しのつかないミスにドクオの背筋が凍った。

面接官「………」

だが、相手は自分をじっと見ながら無言だった。
これは笑いを堪えているのだろうか?

('A`)(……よし)

きっとそうに違いない。
就職の面接に来といて不採用になるのが得意と誇る。
これは笑いのツボをダイレクトに押さえたに決まっている。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:25:06.53 ID:Ya6CFvx3O

そう思ったドクオは胸を張り、
更なるユーモアを発揮するために口を開いた。

('A`)「将来の夢はニートです!
    御社でその夢が実現出来ることを確信しております!!」

出た!伝家の宝刀、ジョーク二連発!!
働くための就活で、働きたくないのが夢とはこれ如何に?
この矛盾には笑いで腹がよじ切れるはずだ。

間違いない。

('A`)(……もらった!!)

緊張を強いられる面接会場でこの軽妙なフットワーク。
相手は自分を採用したくて涎が止まらないはずだ。
だが、ここで手を緩めては二流三流の人間だ。

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:25:55.11 ID:zxJwb69JO
もしやこれは……

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:26:10.36 ID:Ya6CFvx3O

ドクオは駄目押しの一手を放つことにした。

('A`)「いつから来ればいいですか?」

見よ!この現実的な問いを!
先ほどまでの愉快な人物像を裏切るかのような鋭い質問。
俺は……働かせられるのではない、自ら働くのだ!

そんな固い決意をにじませる、実に堂々とした態度だった。

―――――


その発言から14秒後、その場でドクオの不採用が決まった。


―――――


(#'A`)「ぬぉぉぉぉ!!」

納得がいかなかった。
自分は完璧だったはずだ。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:27:40.18 ID:dI54UJE0O
こwwwwれwwwwはwwww

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:27:54.77 ID:Ya6CFvx3O

(#'A`)「ぐわぁぁぁぁ!!」

怒りが治まらなかった。
あの見る目のない面接官に。

(#'A`)「ちくしょぉぉぉぉっ!うわぁぁぁぁぁ!」

(;A;)「……あっ…あああ………あ……」

また駄目だった。
そう気が付いたドクオは涙が止まらなかった。
道の真ん中でヤケクソ気味に暴れていたが、今は地面に倒れ込んで号泣していた。

季節は夏を向かえ、同い年はとっくのとうの数年前に就職している。
それなのに自分は一向に仕事が決まらない。
本当に嫌気が差す。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:29:06.90 ID:YCLrtKOc0
支援

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:29:25.06 ID:Ya6CFvx3O

俺は暗い。俺はつまらない。俺は駄目人間。
俺はゴミだ。俺はクソだ。俺のクソは凄く臭い。

(;A;)「…ちくしょう……ちくしょぉ……」

鼻水と涙で息が出来なかった。
だが、もういい。
このまま窒息して死んでしまおう。
どうせ自分は社会のゴミだ。
最後ぐらい誰にも迷惑をかけないよう、自分でケリをつけよう。

(;A;)「ブゴッ……ブビ……ボゴッ……ブッ……」

次第に辺りが白く光り、お迎えが近いことが分かった。
もう俺は死ぬ。
そう思うと少しだけ怖かった。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:30:27.03 ID:UEMNZCJ40
あれかwwwwwwwwww

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:30:37.08 ID:Ya6CFvx3O

(;A;)(……でも……いいんだ……きっと空の上は暖かい……)

ふわふわと軽くなる体。
遠くなる意識。
さようなら人生……。

するとそこに人影が現れた。
天使か?
そう思ったドクオは人影に手を伸ばす。

( ^ω^)「どうしたんですかお?」

触れた手に体温を感じると勘違いに気付いた。
残念ながら人間のようだ。

(;A;)「……どうもしない……死なせてくれ……」

ドクオは流れる涙をそのままに、天使と見間違えた青年にそう言った。

( ^ω^)「駄目ですお、死んでは」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:32:34.05 ID:Ya6CFvx3O

微笑みながら自分に語りかける青年を眩しく思い、直視出来なかった。
ドクオは道路に突っ伏しながら泣き叫ぶ。

(;A;)「俺なんていなくて当然の人間なんだぁぁぁぁ!」

(;A;)「死なせてくれぇぇぇぇっ!」

ドクオの悲痛な叫びを聞いた青年は、
ドンッドンッ、とリズミカルに足音を鳴らした。

( ^ω^)「……死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

歌う様にそう言ってから次は、
パンッパンッと手拍子をする。

(;A;)「………?」

ドクオは困惑した。
なぜ、死にそうな男を前にこの人は楽しそうにしてるのだろう、と。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:33:58.78 ID:Ya6CFvx3O

( ^ω^)「君が死んだら悲しいお♪きっと寂しい♪泣いちゃうお♪」

青年は歌を続け、足を踏み鳴らし、手拍子を続ける。

( ^ω^)「だ・か・ら♪死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

踊る様に尻を振り、手拍子、足拍子をリズムに乗せ、彼は歌っていた。

( ^ω^)「君が死んだら悲しいお♪きっと寂しい♪泣いちゃうお♪」

( ^ω^)「だからダメお♪ダメダメお♪」

( ^ω^)「死んじゃダメお♪ダメダメお♪」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:34:53.94 ID:Ya6CFvx3O

脳天気に歌う青年を見て、ドクオは怒りがこみあげた。
ふざけるな……俺が絶望に抱かれ、死を覚悟したこの時に……
貴様の様なふざけた奴が邪魔するなんて………ふざけるな、ふざけるんじゃ……

(;A;)「ふざけんな♪お前に何が分かるんだ♪死にたい俺は放っといて♪」

怒鳴りつけようと心に決めたドクオは、何故か歌いながら立ち上がってしまった。
なんだこれは……どうしたんだ俺は……?

尻を振っている青年は、ドクオの歌声に呼応するように、歌い続けた。


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:35:46.43 ID:Ya6CFvx3O

( ^ω^)「ほっとけないお心配だ♪だって僕らは皆兄弟♪」

ドクオは無意識に、そして強制的に歌ってしまう。

(;A;)「そんなの嘘に決まってる♪燃えるゴミとは俺のこと♪」

( ^ω^)「全然ないお♪そんなのないお♪皆が君を見ているお♪」

(;A;)「ライアーライアーもう止めて♪ダメだーダメだーもう死のう♪」

泣きながら踊り、歌っているドクオ。

そこに、スライディングしながら八百屋の主人が歌に参加してきた。

(,,゚Д゚)「俺が見てるよ♪そう、見てる♪」



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:37:13.51 ID:Ya6CFvx3O

歩道に乗り上げた原付からジャンプしてきたスーツの男も歌に参加した。

( ゚∀゚)「私も見てる♪いつだって♪」

すると辺りにいた、
郵便局員、大工さん、主婦、学生、幼稚園児達が次々と声を揃えて歌い出した。

『みんな君を見ているよ♪君のために歌いたい♪』

(;A;)「エブリバディ・サンキュー♪ピープル・サンキュー♪」

(;A;)「アイ・アイ・アイ・アイ・アイラブユー♪」

近所にいた犬達も、リズムに合わせてワンワンワンと鳴き出した。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:38:33.86 ID:Ya6CFvx3O

( ^ω^)「だ・か・ら♪」

( ^ω^)「死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

(,,゚Д゚)「君が死んだら悲しいお♪」

皆さん『きっと寂しい♪泣いちゃうお♪』

( ^ω^)「だからダメお♪ダメダメお♪」

犬「ワン!」

( ^ω^)「死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

( ゚∀゚)「君が死んだら悲しいお♪」

皆さん『きっと寂しい♪泣いちゃうお♪』

( ^ω^)「だからダメお♪ダメダメお♪」

('A`)「ワン!」

尻を振り続ける青年を先頭に、大勢の人が歌い、踊っていた。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:40:07.55 ID:Ya6CFvx3O

後ろからは歌いながら歩く自分達に続き、
楽器を持った人達がメロディーを奏でながらついてきている。

楽器を持たない通行人達もそれぞれ工夫をしながら音を出していた。
バケツを叩いたり、シェイカーを振ったり、
生きの良い魚を叩いたり、銃を発砲したりしている。

( ^ω^)「死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

(,,゚Д゚)「君が死んだら悲しいお♪」(゚∀゚ )

皆さん『きっと寂しい♪泣いちゃうお♪』

( ^ω^)「だからダメお♪ダメダメお♪」

犬「ワン!」('A`)



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:43:24.92 ID:Ya6CFvx3O
ドクオの顔を濡らしていた涙はとっくに渇き、代わりに汗が流れていた。
踊り、歩き、歌いながら彼は思った。

('A`)(死んじゃダメお♪)

( ^ω^)「ダメダメお♪」

―――――

後日。

面接官「……つまり、歌って踊れるというのが特技ということですか?」

('A`)「はいっ!」

面接官「……」

('A`)「……」

面接官「……」

('A`)「……なんなら、実演しましょうか?」

面接官は机を、ドンッドンッと二回叩き、立ち上がりながら手拍子を一度した。

面接官「是非♪」



一曲目・完

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:43:36.18 ID:+kaYmMZ/O
支援

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:43:53.20 ID:XeypJJRd0
これは和む

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:44:48.09 ID:md1sUK6YO
wktk


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:47:24.65 ID:zxJwb69JO
発砲www

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:47:37.64 ID:YhS8RvWS0
なんか・・・いいな・・・

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:47:52.77 ID:aqcz5iSJO
支援

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:47:56.91 ID:Ya6CFvx3O
引き続き投下しますが、少し準備がいるので待っててください。
もしスレが落ちても、後日改めて立てますのでOKです。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:49:14.15 ID:ljo59NB9O
前の総合の人かwwwww
期待

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:49:36.22 ID:V4Re0E470
なんか惹かれるな

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:49:54.90 ID:JW0GEUtw0
続きができたのか…期待支援

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:51:08.03 ID:aqcz5iSJO
作者待ち保守

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:53:45.51 ID:wkJZsq400
あれかいwwwwww

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:56:07.48 ID:YCLrtKOc0
ほす

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/25(月) 23:56:15.95 ID:oA2Y+WMlO
こうゆうの好き

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:01:14.82 ID:9e0KBy1o0
hosyu

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:10:35.78 ID:KtmTFVF40


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:20:17.77 ID:2FFeKxqw0


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:20:40.97 ID:5h7Z+Z+KO
なんかの続きなの?

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:27:19.88 ID:JSLFqDLTO
まだー

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:32:08.73 ID:N5bPwnepO
保守ありがとうございます!
お待たせしてすいませんでした。
今から投下します

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:33:26.79 ID:N5bPwnepO

二曲目・高岡



空を赤く染める夏の夕暮れ。
ハインリッヒ高岡は中年男性と繁華街を歩いていた。

(,,゚Д゚)「そ……それじゃあ、ホテルにでも、行くか、ゴルァ?」

从#゚∀从「んだとコラァァァッ!!!」

高岡は怒声を上げながら、男の股間を蹴り上げた。

(,,;゚Д゚)「ふぎぃっ!?」

从#゚∀从「つけあがんのも、大概にしとけよな!
     エロいことはしねぇって最初から言ってあっただろ!?」

(,,*;Д;)「………」

男は局部を押さえながら涙目になっていたが、
若干頬が赤く染まっていた。


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:33:29.94 ID:JSLFqDLTO
ktkr

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:34:22.63 ID:N5bPwnepO

もしかしたら高岡の様な十代後半の少女に
蹴られたことが快感だったのかもしれない。

(,,゚Д゚)「ちが……違う!
     俺はただ、ホテルでオナニーを見てもらいたいだけ――」

高岡は男の後頭部を両手で持ち、顔面に膝蹴りをした。

(,,゚Д゚)「ぼぎゃ!」

男は派手に鼻血を吹き出しながら尻餅をつく。

从 ゚∀从「少し黙れ。耳が腐んだろ」

(,,゚Д゚)「見てもらう!見てもらうだけだから!!」

(,,゚Д゚)「プリーズ!プリーズ!!お願いだゴルァァァッ!!」

从#゚∀从「だから、うっせぇぇぇって!!」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:36:11.77 ID:tHc+/5he0
ギコ変態過ぎwwwwww

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:36:50.23 ID:N5bPwnepO

勢いよく腰をひねった回し蹴りを男の側頭部に叩き付けた。

(,,゚Д゚)「あふんっ!」

蹴り飛ばされた男は、地面に激しく頭を打ち付けて失神してしまう。

从 ゚∀从「……今日はこのぐらいで勘弁してやるよ。金もたっぷり貰ったしな」

从 ゚∀从「言っとくけど次はこうもいかねーぞ?
     なぜならよ、私に触れていいのは一人だけだからだ」

从*゚∀从「ねーっ!ドッくん?」

从//Д/从「とかなんとか言っちゃったりしてなぁ!!」

独り言を喋りながらに盛大に照れる高岡。

从*゚∀从「ふひひひぃ!」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:38:40.78 ID:N5bPwnepO

彼女の収入は主に援助交際だ。
だがそうはいっても、性行為は(例えキスだって)しないし、するつもりも無い。
それは愛しい彼に対する裏切りになるからだ。

あくまで女に縁の無い男を相手に食事やお喋りをして小遣いをもらうだけだ。
そう彼女は決めている。

从 ゚∀从「よっし!目標金額達成!
    これで最新式の盗聴機もゲットだぜぇっ!!」

高岡は手提げ鞄から、
愛する彼の現在位置を教えてくれる受信機を取り出した。

从 ゚∀从「買い物にも行きてーけど……やっぱドッくんも気になるしなぁ……」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:39:27.60 ID:tHc+/5he0
支援

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:40:24.78 ID:N5bPwnepO

思案する高岡。
でも長い時間は用さない。

从*゚∀从「やっぱ会いに行こっと!」

いつもこうだった。
迷ったら彼。
いつもそう決めていた。

しかし彼女の言葉には些細な語弊がある。
正確に言うと、会いに行くのではなく、覗きに行くのだ。

彼女はストーカーだ。
ドクオという名の男をストーキングしていたのだ。
彼が住むアパートの隣に部屋を借り、
一挙一動をチェックするぐらいの、筋金入りの変態なのだ。


―――――


从 ;∀从「ウグッ……エグゥッ………」

ドクオに付けた発信機が示した場所は喫茶店だった。


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:41:26.18 ID:tHc+/5he0
しえんしえん

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:42:14.52 ID:N5bPwnepO

彼はさっきまで就職活動のため、ある会社に面接に行っていたはずだ。
だがいまは暗い表情でコーヒーを飲んでいた。

从 ;∀从「……ドッくん……ドッくん……」

喫茶店の外からドクオを見つめる高岡は、顔をクシャクシャにして泣いていた。
彼の様子から面接が上手くいかなかったのが推測出来たからだ。

彼が悲しい時は自分も悲しい。
自分達は一心同体なのだ。

从 ;∀从(また落ちちまったのか……でも安心しろよ……
     後でその会社に火をつけといてやるから……)



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:43:14.89 ID:tHc+/5he0
((((;゚д゚)))

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:43:16.20 ID:N5bPwnepO

高岡が放火の決意を固めたその瞬間、ドクオは力無く椅子から転げ落ちた。

从;゚∀从(っ!!?)

外から覗き込んでいる高岡には、喫茶店の中で何が起きているか分からない。

从;゚∀从(どうしたんだよ!?)

ドクオは倒れたまま動かない。

从;゚∀从(ドッくん!どうしたんだ!?ドッくん!!)

心配で胸が張り裂けそうだった。
すぐに彼の元へ駆け寄りたかった。
だが、出来ない。

――怖い。

从 ∀从(………)

高岡は人間が怖かった。
人とどう接すれば良いのか分からない。
何を話せば良いのかが分からない。


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:44:11.56 ID:tHc+/5he0
一人でも支援

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:45:29.53 ID:N5bPwnepO

从; ∀从(…………)

初対面の人や自分が優位に立てる相手なら平気だ。
強気に出て怒鳴り散らせばそれですむ。
だが一歩踏み込もうとするともう駄目だ。

例えばコミュニケーションのために自分に話しかけてくる人がいるとする。
するとすぐに、喋りたい言葉や言わなければならない言葉が口から出てこなくなる。
その結果、子供の癇癪の様に、感情を爆発させるだけになってしまう。

从; ∀从(………ドッくん)

生涯で初めて好きになり、強く愛する相手でも、きっとそれは変わらない。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:46:28.38 ID:N5bPwnepO

だからストーカーなんてしていた。
付け回すことでしか自分の気持ちを満たせなかったのだ。

从 ∀从(……私は……)

やがてドクオが卒倒した理由が判明する。
店内に居たカップルが原因のようだった。
彼が床に倒れたまま、その方向を凝視して震えているのでそれが分かった。
――自分には分かるだけだ。

从 ;∀从「……ドッくん……」

ドクオには恋人がいたことが無い。探偵を使って過去を洗ったので、確かな情報だ。


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:46:47.93 ID:tHc+/5he0
支援

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:47:21.66 ID:s4lwxyubO
俺もいる支援

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:48:30.51 ID:JSLFqDLTO
わくてか

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:48:52.15 ID:N5bPwnepO

彼にはそれが激しいコンプレックスで、
強いストレスを感じることを知っている。
――自分はただ、知っているだけだ。

あの二人は制服を着ているので高校生のカップルだろうか?
もしそうなら同年代だ。
高岡は羨ましかった。
自主退学したので学生生活が羨ましいわけではない。

从 ;∀从(ああなりたいな……なりてぇよなぁ……)

彼女はドクオと、あの恋人達みたいに振る舞いたかったのだ。

憧れの二人の顔は視界がぼやけてよく見えない。
でも幸せそうなのは伝わった。
女の子は彼氏の元へとゆっくり歩き、膝の上に座ったからだ。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:49:27.16 ID:Xgpx4IRFO
wktk

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:50:12.26 ID:N5bPwnepO

そして微笑んでから優しく頬にキスをした。

世間の人から見れば腹がたつだけのこの行為も、高岡には羨ましくて仕方なかった。
体中から力が抜けるぐらい。

从 ;∀从「……うぅ」

彼女は悲哀と羨望で激しく揺れる心の動きについていけなくなった。
そのせいで立っていられなくなってしまう。

堪えるのは無理だった。
体が言うことを聞かなかった。

最後に見えたドクオの姿。

それはテーブルにあったタバスコを飲み干そうとしているところだ。
きっとあれで命を絶つつもりなのだろう。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:51:22.51 ID:N5bPwnepO

ドクオは些細な理由で無茶な方法の自殺を試みるのだ。

彼はいつもそうだった。
そしていつだって止められない。
いつだって、自分じゃない誰かが、なんとかしてくれる。

――なんとか、してしまう。

―――――

从 ∀从「………」

泣き崩れてしまった高岡は這う様にしてその場から離れ、
残る力を振り絞りながら自宅まで帰ってきていた。

援交で家賃を稼ぐ、一人暮らしの我が家。
今は部屋の明かりもつけずにぼんやりとしていた。

从 ∀从「………」

いつもならドクオを尾行する時間帯だったが、今日はしなかった。

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:51:54.19 ID:tHc+/5he0
何回死ぬきだwwwww

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:52:38.62 ID:N5bPwnepO

だからいま現在の彼の行動は分からない。
こんなことは初めてだった。

从 ∀从「はぁ……」

方法が無いわけではない。
ドクオの靴の中に仕掛けた発信機は、
いまも変わらずに信号を送り続けている。
それを確認すれば良いのだ。
でもしない。

从 ∀从「……私は何がしたいんだ?」

いまは暗くてよく見えないが、
部屋の中にはドクオに関するコレクションが山の様にある。
盗撮した姿、盗聴した声、拝借したゴミ等、様々だ。

从 ゚∀从「……そりゃ決まってるよ」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:54:17.58 ID:N5bPwnepO

从*゚∀从「付き合いたいんだ、ドクオと」

从*゚∀从「いや、まずは友達……知り合いからでもいいな!」

高岡は暗い部屋の中で立ち上がる。

从*゚∀从「それならよ、朝にでもさ、声を掛けりゃあ良い!」

从*゚∀从「よう!おはよー!いい朝だな!」

高岡は笑顔を作り、手を振り上げながら言った。

从*゚∀从「ドクオは言うよ『うん、おはよー!』ってな」

从*゚∀从「それを聞いた私はこう答える!」

胸を張る高岡。
だが口篭る。

从;゚∀从「………」

从;゚∀从「い、いい天気だなーって!」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:55:25.86 ID:tHc+/5he0
支援

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:56:08.11 ID:N5bPwnepO


从;゚∀从「そんでドクオも言うよ!……『いい天気だね』……って」

从;゚∀从「そして私は……私は………」

徐々に高岡の顔は不安気になり、目が泳いでいた。

从;゚д从「………」

从#゚∀从「わ、私は言うよ!メシでもどーかって!!」

怒鳴りつけて部屋の荷物を蹴り崩す。

从#゚∀从「あいつは言うよ!『いいよー!行こう!』ってさ!!」

物を手に取り、次々と壁に投げつける。

从#゚∀从「ほらみろ!簡単じゃねぇか!!そう言えばいいんだよ!
     簡単だ!簡単だよ!誰にでも出来んだろ!!」

从#゚∀从「そんな簡単なことをなんでテメーは出来ねぇんだよ!!!」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:56:15.99 ID:s4lwxyubO
支援

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:56:25.82 ID:tHc+/5he0
支援

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:57:25.59 ID:N5bPwnepO

荒い呼吸をつきながら、拳を握りしめていた。
暑さのせいか、それとも感情の高ぶりのせいなのか分からないが、
全身を汗が濡らしていた。

从 ;∀从「………やれよ……やれって……なあ?」

高岡は倒れ込むように腰を下ろした。

从 ;д从「バーカ……根性無し……アホ……カス……クズ」

腕で顔を被いながら声を上げて泣いた。
いつまでも嗚咽は止まらなかった。

―――――


翌朝。
家に居たくなかった高岡は、泣き張らした顔であてもなく歩いていた。


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:57:55.94 ID:tHc+/5he0
支援

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:59:03.49 ID:fegFSBmp0
くるぞー!

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:59:14.74 ID:N5bPwnepO

良く晴れた夏の午前。
少し暑いが絶好の散歩日和のはずだ。
でも高岡の心は暗雲が立ち込め続けている。

从 ∀从「………」

ドクオの事を考えると頭が割れそうな程に混乱した。
どうすればいいのか全く分からない。

陽炎のようにゆらゆらと歩きながら、ドクオを思い続ける高岡。
やがて彼女は商店街に辿りつく。
そこに、彼がいた。

从 ゚∀从「っ!!?」

(#'A`)「ぬぉぉぉぉ!!」

自分の目が信じられなかった。
道の真ん中でヤケクソ気味に暴れている彼を見て。

(#'A`)「ぐわぁぁぁぁ!!」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 00:59:35.84 ID:JSLFqDLTO
支援

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:00:39.78 ID:tHc+/5he0
しえん支援

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:02:05.65 ID:N5bPwnepO

有り得ない偶然に動揺した。
まさか会えるとは思っていなかったからだ。

(#'A`)「ちくしょぉぉぉぉっ!うわぁぁぁぁぁ!」

从 ゚∀从「………」

(;A;)「……あっ…あああ………あ……」

从;゚∀从「っ!!」

暴れていた彼は、地面に倒れ込んで号泣した。
昨夜の自分みたいに。

从;゚∀从(ドッくん……!)

慰めなくてはならない。
今こそ踏み出す時だ。

从;゚∀从(……行け!行けよハインリッヒ!!
    いま行かなくてどーすんだよ!?)

(;A;)「…ちくしょう……ちくしょぉ……」


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:03:43.07 ID:N5bPwnepO

从;゚∀从(行けよぉぉぉ!クソォォォッ!!)

彼は泣いている。
でも自分の体は動かない。
まだ怖いのか?

从 ;д从(…ちくしょう……)

昨日あれほど流した涙が枯れてなかったことに驚いた。
無駄なことには活発に反応する体に怒りを覚える。
そのせいでつい、目の前を通り過ぎようとする
柔和な表情の青年に絡んでしまった。

从# ;∀从「おいテメー!!」

(;^ω^)「はっ、はいですお!!」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:05:20.12 ID:N5bPwnepO

从#;∀从「ニヤついてんじゃねぇよっ!何がそんなに楽しいんだ!?」

(;^ω^)「いえ!この顔はこれは生まれつきのなんですお!!」

从#;Д从「うっせぇ!!テメーの意見なんざ聞いちゃいねーんだっ!!」

(;^ω^)「すいませんでしたお!!」

脅える青年の顔を見て、妙案を思い付いた。
どうせ自分には無理なんだ、もうどうにでもなっちまえとヤケになる。

从 ;∀从「……悪りぃーと思うならよ、誠意を見せろよな」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:05:20.89 ID:JSLFqDLTO
支援

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:05:21.95 ID:tHc+/5he0
支援

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:06:47.24 ID:N5bPwnepO

(;^ω^)「生憎、現金は持ち合わせてございませんおっ!
       この服で良ければお納めくださいおっ!!」

青年は大急ぎで洋服を脱ごうとした。

从#;Д从「誰がテメーの小汚い裸を見たいって言ったんだよ!!
     このクソカスがっ!!」

((((;^ω^))))「はわわわ……申し訳ありませんお……」

从 ;∀从「……罰として、あの人を慰めてこい」

(;^ω^)「……お?」

从 ;∀从「あの人だっ!!」

高岡は道で横になっているドクオを指差した。

(;A;)「ブゴッ……ブビ……ボゴッ……ブッ……」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:07:32.11 ID:tHc+/5he0
クルー?支援


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:08:10.24 ID:JSLFqDLTO
ドクオ…

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:08:14.52 ID:N5bPwnepO

( ^ω^)「………」

青年はドクオを見て、何度かうなずくと、高岡に顔を向けた。

( ^ω^)「わかりましたお。
       そうすれば……貴方の涙も止まるんですおね?」

从 ;д从「えっ……?」

大きく深呼吸をし、背筋を伸ばしてから、ドクオの方へ歩いて行く青年。
高岡はそれを目で追った。

( ^ω^)「どうしたんですかお?」

青年がドクオに声をかけた。

(;A;)「……どうもしない……死なせてくれ……」

ドクオは答える。

( ^ω^)「駄目ですお、死んでは」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:09:18.45 ID:N5bPwnepO

(;A;)「俺なんていなくて当然の人間なんだぁぁぁぁ!」

彼にそんなことはないと言ってやりたかった。

(;A;)「死なせてくれぇぇぇぇっ!」

从 ;Д从(駄目!!死んじゃ嫌だよドッく――)

( ^ω^)「……死んじゃダメお♪ダメダメお♪」

从 ;∀从「?」

(;A;)「……?」

( ^ω^)「君が死んだら悲しいお♪きっと寂しい泣いちゃうお♪」

( ^ω^)「だからダメお♪ダメダメお♪」

从;゚∀从「………」

意味が分からなかった。
なぜ彼は歌っている?
自分は慰めてと頼んだはずなのに。


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:09:29.02 ID:s4lwxyubO
ブーンの歌う所に和んだ

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:10:09.29 ID:tHc+/5he0
支援

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:10:37.91 ID:LjVWbPnNO
みんな可愛いなwwww

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:10:46.70 ID:N5bPwnepO

从 ∀从「……そーかよ、そーいうことかよ」

きっと嫌がらせだろう、と推測した。
当たり前だ。あれだけ怖がらしたんだ。
やり返されても仕方ないかもしれない。

从 ;∀从(ごめんねドックン……こんなことになっちゃって)

从 ;∀从(あいつは私が責任持ってぶっ殺すからさ……ゴメン)

ドクオは歌い続ける青年を見て、怒りを露にしていた。
彼がこんなに怒ってるのは初めてだ。
そんな新たな一面を見れて、少しだけラッキーだなと思ってしまった。

从 ;∀从(……不謹慎だよな)

だが高岡には絶頂の幸運が待っていた。


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:11:59.78 ID:JSLFqDLTO
しょーたいむ

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:13:00.85 ID:N5bPwnepO

ドクオが立ち上がり、高らかに歌い出したのだ。

(;A;)「ふざけんな♪お前に俺の何が分かるんだ♪」

从//Д/从「シャッターチャァァァンスッ!!!」

全力で相棒を取り出した。
盗撮用のカメラのことだ。
踊るドクオを連写で撮った。

(;A;)「死にたい俺は放っといて♪」

从//Д/从「ドッくん、カッコイイィィィ!!!」

高岡はまるで豪雨が地面を叩く水しぶきのように、
バシャバシャといったシャター音を鳴らしている。


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:13:19.39 ID:AVutq2GfO
きたwwwwwwwwww

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:14:02.13 ID:tHc+/5he0
ちょwwwwwww

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:14:02.35 ID:N5bPwnepO

( ^ω^)「ほっとけないお心配だ♪だって僕らは皆兄弟♪」

从# ゚∀从「うっせぇぞ豚野郎!!引っ込んでろっ!!」

(;A;)「そんなの嘘に決まってる♪燃えるゴミとは俺のこと♪」

从//Д/从「イヤァァァッ!素敵過ぎるぅぅぅっ!!!」

一心不乱に撮り続ける高岡。
こんなに幸せでいいのだろうかと心配になった。

从;゚∀从「はっ!やべぇっ!声録らなきゃ!!せっかくの歌声がっ!!!」

从;゚∀从「いや違うよ!動いてんだよ!!それを記録しなきゃ!!」

从;゚∀从「なんかねーの!?クソ!!!」


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:15:30.28 ID:N5bPwnepO

高岡は必死で辺りを探してみる。
だが役にたちそうな物は見当たらない。

从#゚∀从「ちくしょぉぉぉっ!
     こうなりゃ脳だ!脳に焼き付けてやる!!!」

高岡は通行人を跳ねのけながら、
ドクオが見えるベスト・ポジションに正座した。

从 ゚∀从(家に帰ったら脳内とPCを繋いでやるぜ!!
     人間の壁を越えるんだハインリッヒ!!)

そこで辺りの人達に気が付いた。
大勢の人が次々と声を揃えて歌い出していたのだ。

『みんな君を見ているよ♪君のために歌いたい♪』

从 ゚∀从(はっ……!)

同じ失敗を繰り返すところだった。


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:16:50.34 ID:tHc+/5he0
しえんしえん

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:17:13.05 ID:JSLFqDLTO
支援

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:17:16.39 ID:N5bPwnepO

自分はまた傍観者を選択するところだった。
それでは駄目だ。

从 ゚∀从(脇役だって良い……バックコーラスだって良い!!)

从 ゚∀从「私だって混ざってやるよ!この大騒ぎにさ!!」

歌に自信の無い高岡の決断は早かった。
近くあった魚屋から活きの良いのを一匹強奪したのだ。

从 ゚∀从「そいやっ!ほいやっ!」

彼女は景気良く魚を叩いた。
掌で何度も何回も叩き続けた。
魚からはビシャンビシャン、と音が鳴っていた。

从 ゚∀从「そいやっ!ほいやっ!」


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:18:22.66 ID:LjVWbPnNO
こらwwww

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:19:14.86 ID:s4lwxyubO
いつになく高岡が可愛いな

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:19:17.04 ID:N5bPwnepO

愛するドクオのために、
情けない自分のために、
高岡は必死で魚を叩く。

从 ゚∀从「せいせーい!ほいほーいっ!!」

無理して声を上げる彼女は音痴だった。リズムもでたらめだ。
だが、今まで味わったことのない充実感をはっきりと感じていた。

( ^ω^)「死んじゃダメお♪」

( ゚∀゚)「ダメダメお♪」

从 ゚∀从「そい!ほほーいっ!!」

彼女は全く気付いていなかった。
いまこの時この瞬間、最初の一歩を踏み出せたことを。


―――――


歌が終った時には汗まみれになっていた。


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:21:13.36 ID:N5bPwnepO

手にした魚は尻尾しか残っていない。
恐らく、叩き過ぎて千切れてしまったのだろう。

从 ゚∀从「いまなら……なんか……いける気がする……」

高岡に不思議な勇気をくれた青年は、スーツ姿の男と話し合っていた。
きっとお互いの健闘を称え合っているに違いない。
彼女は心の中で青年に礼を言った。

('A`)「………」

道路に大の字になって放心しているドクオを見付けた。
なんだかスッキリした顔をしている。
決して美男子ではないが、自分はこの顔が好きだった。

从 ゚∀从(……そういえば、何がきっかけで惚れたんだっけか?)

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:22:30.44 ID:N5bPwnepO

思い出そうとしても、思い出せなかった。
まるで何年も前に埋めたタイムカプセルの中身のように。

从 ゚∀从(まあいっかぁ!好きっつー気持ちが大事なんだしさ!)

高岡はそこで思考を切り上げて、
持っていた魚の尻尾を放り投げた。

(,,;゚Д゚)「ぐはぁぁっ!」

誰かに当たったようだが気にしない。
早く彼に声を掛けなければならない。

从 ゚∀从「よう!」

('A`)「……?」

从 ゚∀从「……シカトしないでくれよなぁ」

(;'A`)「えっ!?お、俺ですかぁ!?」


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:23:28.52 ID:tHc+/5he0
しぇん

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:24:21.48 ID:N5bPwnepO

从 ゚∀从「そーだよ、そう。あんただよ」

从*゚∀从(――やっと言えた……)

(((((;'A`)))))「おおお女にょ方が、おおお俺になんにょ用でひょう???」

……まずはゆっくりお話して――その後はうちにでも来るか?
二万枚はあるあんたの写真を披露してやるよ。
どれぐらい好きかってのを証明してやるさ。

でもその前に――。

从 ゚∀从「良い天気だな……メシでも食いに行かねーか?」

高岡は練習の成果を発揮させた。家でやったやつだ。


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:25:05.50 ID:tHc+/5he0
支援

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:26:06.50 ID:Xgpx4IRFO
支援

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:26:11.52 ID:N5bPwnepO

('A`)「…………っ!!」

ドクオは自分の言葉を聞いて、泡を吹きながら倒れた。
満面の笑みを浮かべながら、彼女は彼を介抱することにした。


記念すべき変われた日。
それは凄く暑い夏の午後。




二曲目・完

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:26:52.04 ID:JSLFqDLTO
支援

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:27:17.27 ID:LjVWbPnNO
おつ

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:28:26.19 ID:zkvwAEQP0
乙。
ギコ編にも期待。

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:29:34.55 ID:tHc+/5he0
乙〜
これで寝れる…

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:29:53.79 ID:JSLFqDLTO
乙!

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:32:24.06 ID:s4lwxyubO


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:34:14.95 ID:N5bPwnepO
今日はこれで以上です。
こんな深夜まで保守や支援を本当にありがとうございました。

三曲目もほぼ書き上がっているので、近日中には投下します。

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:36:51.09 ID:Xgpx4IRFO
>>117
wktkして待ってますーノシ

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:36:55.60 ID:JSLFqDLTO
wktkして舞ってる

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:38:52.22 ID:KtmTFVF40
おっつ♪おっつ〜

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/26(火) 01:40:16.39 ID:N5bPwnepO
やっと書き込めた……
投下が終ったら急にエラーが連発して焦りました。
お礼を言うのが遅れてすみませんでした。

ではノシ

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