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('A`)はダークヒーローのようです

1 :代理:2007/07/01(日) 22:37:07.44 ID:CXaYL8+t0
そんな事より瑞穂お姉さまの話しようぜ

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:37:47.18 ID:hhsf9/Vw0
瑞穂お姉さまって誰?

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:42:55.65 ID:CXaYL8+t0
このままdat落ちwwwwww
俺涙目wwwwwwwwwwwwww

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:48:00.50 ID:9IGYhE6y0
ちょw

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:48:34.01 ID:bSOPx5iS0
あの人立てても気づくの遅いからなぁ

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:48:34.34 ID:5HCAMUPg0
今携帯つながりにくくなってるのかね?

7 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:49:04.54 ID:xtb4jr6sO
>>1
dat落ちなどさせるかぁぁぁaaaa!!

ローゼンメイデンとか二重螺旋の悪魔とか読んでたら、気付くの遅くなってしまった。スマソ

まとめ
http://vip.main.jp/279-top.html

( ^ω^)系小説と言ったらオムライス!現行作品から過去の名作を手広くカバーしているのはオムライス氏だけ!

さぁて今日も張り切って投下すっぜ!

8 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:50:41.40 ID:xtb4jr6sO
第二十二話 禁忌

遠くで響く爆音に、ツン達はびくりと肩を震わせた。

ξ;゚听)ξ「何、今の…」

( ;^ω^)「何かが爆発した音みたいだったおけど…」

二人は顔を見合わせ、資料保管庫唯一の窓へと視線を向ける。
そこからは、何が伺えるわけでも無い。
ただ、遠くに見えるVIP山の輪郭がなだらかな稜線を描いているだけ。
爆音はそのVIP山の方でした気がする。確かあそこには、まだ邪神の侵攻にあってない集落が一つあった筈だ、とツンは思い出した。

ξ゚听)ξ「それより、早く解読作業を続けましょう。これだけじゃ、まだ…」

はっとなり、窓からクリプテリアの原本へと視線を戻すツン。
今は、この原本から新しい知識を吸い上げるのが最優先だ。

( ^ω^)「そうだおね。それじゃあ、僕は引き続き解読をしてみるお。ツンも手伝ってくれるかお?
こういうのは、個人のインスピレーションよりも、数人によるディスカッションが重要だお」

そう言うと、ブーンはデスクにつき煤だらけの洋皮紙とにらめっこを開始した。
ツンもブーンの言葉に頷き、彼の傍らに立ち洋皮紙に綴られた奇々怪々な象形文字に込められた意味に挑む。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:51:11.44 ID:bSOPx5iS0
やっと来たか支援

10 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:52:04.90 ID:xtb4jr6sO
度々、ここはこうではないかとか、いや違うなどと自分の意見を言い合いながらも、クリプテリアの解読は進んで行く。
二人が解読に取りかかっしばらくして、部屋の扉が乱暴に開け放たれた。

/ ,'3「内藤…ツン…今、帰ったよ…」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「荒巻教授!」

扉を開けた主は、疲れきったような、憔悴した顔でよろよろと保管庫内に一歩を踏み出すと、そのまま壁にもたれかかり、ずるずるとへたり込んでしまう。
それを見た二人は、何があったのかと慌てて荒巻の元へと駆け寄った。

( ;^ω^)「教授、シベリアでの調査活動はどうしたんですかお?」

ブーンが、恩師の突然の帰還に驚きながら口を開く。
荒巻は、三日ほど前から邪神の起源を探るために単身シベリアへと飛んでいたのだ。

ξ;゚听)ξ「邪神に関係する遺跡を発見したって、聞いていますけど…」

ツンもやはり、ブーン同様に驚いていた。
荒巻が、遺跡の調査をこんなに早く切り上げて戻って来ることなど、前例が無かったのだ。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:52:58.71 ID:+3CBLszRO
支援するぜ

12 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:53:01.49 ID:xtb4jr6sO
/ ,'3「……これを、見てくれ。話しはそれからじゃ」

そう精一杯に言うと、荒巻は傍らのスーツケースから深緑色の表紙の分厚い古書を取り出し、二人に手渡す。

( ;^ω^)「これは…」

/ ,'3「『ブラインドガーディアン』…盲目の守護者…わしが、シベリア遺跡で見つけた古文書じゃよ。早く、捲ってみろ」

荒巻にせき立てられて、ブーンは慌てて古書のページを捲る。
所々が破れてはいるが、シベリア文字で書かれたそれは、横でブーンの手元を覗き込んでいるツンにも理解できた。

/ ,'3「それの、第六章、一節を読んでみてくれ…」

ブーンは荒巻の指定したページを開くと、そこに書いてある事に目を通す。
シベリア文字は、現在もシベリア国で使われている文字だ。
解読の必要は無い。語学に精通しているブーンは、同時翻訳でそのページに記されている内容を吸収していく。
最初は、普通に小説でも読んでいるような顔だったブーンだったが、次第にその顔が畏怖とも嫌悪ともつかないような形に歪んでいった。

13 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:54:03.07 ID:xtb4jr6sO
( ;^ω^)「…ここに書いてある事は、本当なんですかお?」

ゆっくりとブラインドガーディアンのページを閉じると、ブーンは掠れるような声で荒巻に問いかけた。
いや、すがりついたと言った方が語弊が無い。

/ ,'3「……本当じゃ。わしは、シベリア遺跡で、今まさに進化を終えようとするそれを見てきたのじゃからな…」

荒巻の顔は、三日ほど前よりも大分やつれて、目に輝いていた探求心は、その光を失ってしまっていた。

ξ;゚听)ξ「!」

( ;^ω^)「なっ!じゃあ…これは…」

ブーンとツンが、閉じられたブラインドガーディアンから一歩後ずさる。
書物自体に、何をそんなに恐れる事があろうか。
だが、彼らがこの書物から見知った知識を知れば、誰もがこの書物に触れるのを躊躇うだろう。

何故なら、

/ ,'3「あぁ…わしらは、あの化け物によって…あの忌むべき邪神によって創造されたんじゃよ。奴らは、やはり我々の『神』なのじゃよ…
創造神に、わしらは戦争を挑んでおるんじゃ…
『盲目の守護者』では無い。『盲目は守護者』だ。あれは、人間が見ていいものでは…無い」

荒巻は力無く呟くと、そのまま意識を失った。

14 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:56:40.51 ID:xtb4jr6sO
━━VIP基地。前回の邪神とその配下達の急襲によって、基地の至る所が破壊され、軍人達はその修理に駆り出され、あちらこちらで修理活動が行われていた。
金槌や、電動ネジ回しの音が青く乾いた空に響き渡り、現場指揮の上官達の怒鳴り声や、土方仕事に精を出す鉄砲屋の怠惰な愚痴が、基地のあちらこちらで零れる。
モララーは、そんな現場の様子を自室の窓から眺めながら、隣の部屋で何やら電話の相手をしているらしい我らが御大将の声に、聞き耳を立てていた。

(´・ω・`)「…ああ、相変わらずこちらは、何も無いよ。…うんうん。そうか。…何だって?……わかった。急がせよう」

「上役」と何かあったのだろうか。
ショボンの声は、途中から急に切迫した響きを帯びた。

( ・∀・)「…にしても、あの方には秘密が多いな。あの歳で、軍の大将。たまにかかってくる電話も、何か僕たちには計り知れないような内容ばかりだ」

初めは、ただの好奇心だった。
大将の部屋が隣で、その部屋と部屋を隔てる壁が薄い。
必然的に、望まざるとも隣の部屋の声は聞こえてくる。
モララーに言わせれば、彼はそれに耳を傾けてみただけだ。

15 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:57:41.10 ID:xtb4jr6sO
もともと、一人部屋に籠もりタバコをふかしながら物思いにふけるのが、モララーの趣味だった。
その怠惰な時間に偶然聞こえてきた、隣人の声。
最早日常の一風景と化したその一コマに、違和感が紛れ込んできたのはいつからだっただろうか。
その違和感に気付いたきっかけは、ある日の早朝に隣の彼にかかってきた電話だった気がする。
睡魔と格闘しながら、何とはなしに隣の声に耳を傾けてみたモララーは、そこにある気がかりな単語を確認して耳を疑った。

(´・ω・`)『ああ。彼らには、対魔処理を施したローブの他にも、僕があなた達に提供した技術の結晶があるだろう。大丈夫だ。
だから、あまり頻繁には連絡を寄越さないでくれないか。……あぁ、それじゃあ切るよ』

( ・∀・)「対魔処理…だって?」

耳慣れない単語に、モララーの好奇心は一気に沸き立った。
一体彼は誰と何を話していたのか。
それが気になって仕方なかった。
自分でも、盗み聞きなんて恥ずべき行為だとはわかっている。
だが、そこは人間の情。わかっていても、好奇心は抑えようがなかった。

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:58:37.03 ID:YeXanfVb0
支援

17 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 22:58:46.70 ID:xtb4jr6sO
それからというもの、彼は事あるごとに部屋に籠もっては、隣のショボンの声に聞き耳を立てた。
やはり彼も大将なのだろう、大抵は軍のお偉いさんからかかってくる作戦や基地運営に関する、退屈な内容だった。
だが、極稀に彼は誰とも知れない人物から、モララーや他の人間には知りようも無い不可解な電話が掛かってくる。
ショボンのその相手への態度から、モララーはその電話の相手を「上役」と呼んでいた。
しかし残念な事に、今まで掛かってきた電話の内容を繋げてみても、彼にはショボンが何を話しているのかはさっぱりわからなかい。

( ・∀・)「もう少し、詳しい話しが聞ければな…」

そう呟くと、彼は壁に押し付けた耳を離し立ち上がる。
一応は現場にも顔を出しておかないと、小将として示しがつかない。
そう思ってドアを開けた所で、彼は隣の部屋から出て来た、件の謎多き貴公子殿と鉢合わせした。

(´・ω・`)「やぁ、モララー小将。君も現場に顔見せかい?」

( ・∀・)「えぇ、まぁそんなとこです」

お互い、素知らぬ顔で挨拶を交わす。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 22:59:04.08 ID:bSOPx5iS0
支援

19 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:00:01.34 ID:xtb4jr6sO
このまま、表面上は何もなく上官同士当たり障りの無い会話が続くかと思われていた。

だが。

(´・ω・`)「ところでモララー小将。さっき『上役』から電話があってね」

( ;・∀・)「!」

その何気ない一言に、モララーは背筋が凍る感触がはっきりとわかった。
まさか、自分が盗み聞きしていたのがバレたのか。
そんな筈は、と内心で動揺するモララーを置き去りにし、ショボンは言葉を続けた。

(´・ω・`)「どうも…ここ最近、邪神の活動が活発になってきているらしい。近隣の辺境警備軍の報告によると、奴らは一斉にニーソクへ向かって侵略を開始する動きがあるとか」

しかし、モララーが恐れていたような内容では無かった事で、彼は内心で胸をなで下ろす。
そうだ、自分とショボンの間には壁という目隠しがあるのだ。
万が一にも、自分の行動が彼に気づかれる事などありえない。
安心しつつ、彼は適当に相づちを打った。

(´・ω・`)「これは、また近い内に一山ありそうだよ。まったく、こっちはまだ基地の修理も終わって無いというのに…
まぁ、戦争で自分達の事情を相手方がくんでくれるのを期待するのが、間違いなんだけどね」

20 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:01:05.50 ID:xtb4jr6sO
そう言って、ショボンは苦笑混じりの溜め息をつく。

( ・∀・)「えぇ。特にジョルジュ小隊の兵士達は、他の兵士達よりも出撃回数が多い。彼らが、疲弊しきらなければいいんだが…」

モララーも同じように、溜め息をついてみせる。
できれば、一刻も早くこの場から立ち去りたいと彼は思っていた。

(´・ω・`)「うん。だか彼らは、我が基地の主力部隊だからね。彼等に安易に休暇を出す訳にもいかないんだ。
だからせめて、僕の口から普段から体を休めるよう、言っておくよ」

それではこれでと付け足し、ショボンは廊下の奥へと向かう。
その後ろ姿を見送りながら、彼は肩の荷が降りるのを感じた。

( ;・∀・)「ふぅ…同僚に、圧迫感を覚えるなど…嫌な職場に来てしまったものだな」

力無く呟き、彼もまたショボンとは反対方向へと歩き出す。

その彼の後ろ姿を、ショボンが冷たい眼差しで見つめていた事など、彼には知る由も無かったのだった。

(´・ω・`)「……いけない趣味を、お持ちのようだね。まぁ、聞かれたところで、彼には理解できないものだろうけど…」

ショボンの小さな呟きは、誰にも聞こえる事は無いだろう。
その血のように赤い双眸を細めると、彼はまた歩き出した。

21 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:02:25.25 ID:xtb4jr6sO
第二十三話 化け物

煙りを上げて横たわる、いびつな形状の昆虫を見つめながら、クーと渡辺は周囲に気を配っていた。
ゴーストヴィレッジと化したこの集落には、生き物の気配は無く、ここだけ時が止まったかのような錯覚を受ける。

ふと、その静寂を破って陰鬱な呟きが彼女達の耳に入ってきた。

「あーあ、可哀想に…僕の蠱…痛かったろうに…」

川 ゚ -゚)「!」

その声は、どこから聞こえてくるかも定かでないような、不確かな響きで、二人の居る藁葺き屋根の下に木霊した。

「可哀想だよねぇ、可哀想だよねぇ。痛かったろうねぇ。だから、今僕がお前の為に復讐して上げるからね」

その声が止むのと同時に、何の前触れも無く家屋の天井を突き破って、何かがクー達目掛けて襲いかかって来た。

川;゚ -゚)「ちぃっ!」

舌打ちし、クーはその場から跳びすさる。
一瞬遅れて、彼女が居た空間に飛び魚のような形状をした、昆虫が突き刺さった。

川;゚ -゚)「シャンだと!?」

从'ー'从「これはまずいですねぇ」

この地上にいてはならない筈のその昆虫を凝視し、クーは慌てて藁葺き屋根の家屋から走り出す。

22 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:03:29.23 ID:xtb4jr6sO
渡辺もその後に続き、二人がヘッドスライディングの形で家屋から飛び出した次の瞬間には、家屋は嵐ともとれる異形の昆虫の群れの突撃を受けて、数秒でその形を無くした。

「あーあ、失敗失敗。次は、もっといっぱいいこっかな」

どこから聞こえるとも知れない声の主は、まるでイタズラ小僧のような声音でぼやく。
見渡せば、辺りには先程の昆虫以外にも多種多様な姿をした、禍々しい形状の昆虫が群れを組み、耳障りな羽音を立てて舞っている。
拳大の大きさのものから、人の胴体ほどもある巨大なものまで、魔界の昆虫図鑑から飛び出してきたような、それら異形の昆虫達をクーは知識の上だけで知っていた。

川;゚ -゚)「シャッガイよりの者…何故ここに…」

こことは違う別の惑星。シャッガイと呼ばれるそこに暮らす彼等が、この星にやってきたという記述は過去に数えるほどしか無い。
高等な知能を持ち、独自の文化を持つと言われる彼等は、栄養摂取の必要が無く、戦い等で死なない限り永遠に生き続ける半不死の存在だ。

23 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:04:39.58 ID:xtb4jr6sO
「大いなる母」と呼ばれる女王蟻のような個体によって、数年に一度大量に出産される以外には生殖の手段が他に無いにも関わらず、自然死の無い彼等の個体数は増える一方だ。

その異常な生態が影響したのか、彼等の文化は異常なまでにサディスティックで、同族同士の殺し合いを娯楽とし強者のみが生き残るという社会構造が出来上がった。
その生き残った個体は、彼等が暮らす星に生息する他の種族達の領土を侵略し、自分達の植民地にするのだ。
殺し合いこそが、最大にして最高の至福である彼等は、やがて自分達の住む次元の全種族を滅ぼし、それでも飽きたらずに残った同族同士で殺し合ったと彼女は伝え聞いていた。

川;゚ -゚)「だが、奴ら自身が宇宙空間を渡る技術を持っているとは、聞いていない…という事は…」

从'ー'从「『招待主』が、いるんでしょうねー」

焦るクーなど気にもせず、渡辺は起き上がりながら服の前を払う。
改めて見ると、彼女はフリルのついた水色のワンピースに、サンダルというなんとも荒事には不向きな服装をしている。

24 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:05:53.66 ID:xtb4jr6sO
从'ー'从「シャッガイまでとは言え、招待状を届けれる程の方です。それなりに覚悟した方がいいと思いますよぉ」

そう言うが言うまいかの刹那には既に、彼女の周囲につぶてほどの氷の塊が無数に出現していた。

川 ゚ -゚)「うむ。おそらくは聖騎士団の奴だろうが…まさか、既にシャンを招待しているとは思いもしなかった」

「お喋りはそこまでにしてくれないかな。僕、五月蝿い女は嫌いなんだよね」

姿無き声を合図とするかのように、彼女達の周囲を取り囲んでいたシャッガイよりの者達が、せきを切ったように押し寄せて来た。
角や爪、全身が凶器である戦闘種族達は、雄叫びともとれる鳴き声を上げながら、二人に迫る。

从'ー'从「取り敢えず、『招待主』さんを見つけないと、どこまでもシャンを呼ばれてしまいます。私はこの人達の相手をしますから、クー様は『招待主』さんの方をお願いしますねぇ」

そう言うと、渡辺は右手を高く掲げた。
その右手の動きに呼応するかのように、彼女の周囲の氷塊がその鋭利な切っ先を、押し寄せるシャッガイよりの者達に向けられる。

从'ー'从「久し振りの魔術ですからぁ、少し加減がわかりません。ちょっと痛いかもしれませんけどぉ、許して下さいねぇ」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:06:22.37 ID:+3CBLszRO
早漏すぎるが、オムさんに更新のお知らせした
支援

26 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:07:07.33 ID:xtb4jr6sO
━━倉庫内に、紫炎以外の光源から光が差し込んだ。
崩れた壁から差し込むそれは、その壁を破壊した主を後光のように照らし出す。

从゚∀从「ちっ、またお前らか」

ハインリッヒは、振り下ろした腕を戻しながらぼやいた。
彼女の右腕によって、完膚なきまでに玉砕された床のアスファルトは、凄まじい高熱と衝撃で砕け、熔解している。

ミセ;゚ー゚)リ「生きて…る?」

紫炎の放った高熱によって、側頭部の髪は所々が焼け焦げていたが、ミセリの体はいまだ動ける事を主張していた。

从゚∀从「…邪魔が入りやがった。お前の前に、あそこの童貞共を殺すのが先だ」

そう吐き捨てるハインリッヒの表情からは、彼女が今どのような心境なのかを推し量る事は出来ない。
その無表情な黄金の瞳は、壁を破壊して現れた二人組の男達を真っ直ぐに直視していた。

ミ,,゚Д゚彡「ダイオード、あなたの読みは外れましたが、結果的に『力』だけでも見つかったので良しとしましょう」

フサギコが、傍らに佇む壁のような巨漢に振り向きもせず口を動かす。
彼の視線は一点、禍々しい紫炎をその身に纏ったハインリッヒに注がれている。

27 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:08:12.90 ID:xtb4jr6sO
/ ゚、。 /「……」

ダイオードと呼ばれた巨漢は、黙ってその手に握った棒状の巨大な鉄塊を肩に担ぐ。

从゚∀从「しつこいんだよ、お前ら。聖騎士団だかなんだか知らねぇけどよ、何度も邪魔するようだったらお前ら、マジで生きて帰さねぇぞ」

先ほどミセリに見せた殺気とは、また異質なそれを発し、ハインリッヒは彼等奇怪なローブの二人組を睨み据えた。

从゚∀从「どうせお前らじゃ、何年かかったって私は捕まえられない。格が違うんだよ、消えな」

ミ,,゚Д゚彡「そうとわかっていても、私共は下がるわけにもいきません。世界救済の為、大人しく同行願います。これが、最後の忠告ですよ」

フサギコの言葉は重々しく響いた。
その左手には、純白のグローブ。

从゚∀从「あの世でマスでもかいてろ童貞野郎共」

ハインリッヒのその言葉を拒絶と受け取ったのだろう。
フサギコは、背中に背負う二対の刺又に手を伸ばし、両手に得物を構えた。

ミ,,゚Д゚彡「やれやれ…わかりました。もう何も言いますまい。ダイオード、準備はいいですか?」

フサギコの言葉に、隣のダイオードも担いだ鉄塊を無言で構える。

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:08:16.03 ID:bSOPx5iS0
支援

29 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:09:13.75 ID:xtb4jr6sO
ふいに、ハインリッヒの姿が消えた事が合図となったのだろう。

戦いの火蓋は切っておりた。

ハインリッヒが突然消失した事にも動じず、フサギコはグローブを握ると口を開く。

ミ,,゚Д゚彡「目的、真空空間の生成。自己を中心に半径1mに限定5秒間展開、開始」

フサギコの言葉と同時に、ハインリッヒが彼の背後から突如姿を表す。
彼女はそのまま燃え盛る紫炎を纏い、フサギコへ向けて突進するが、フサギコを飲み込むかと思われたその邪龍の焔は、彼の手前1mで唐突に鎮火してしまった。

从゚∀从「…!」

舌打ちするハインリッヒ。

ミ,,゚Д゚彡「炎は酸素が無いと燃えません。私も窒息死する危険性があるからあまり使いたく無いのですが、あなたの手数を減らすにはこれしかありませんからね」

予想外のフサギコの英断に戸惑い、一瞬その動きを止めたハインリッヒに向かって、振り返り様にフサギコはすかさず二対の刺又を突き出した。
三叉に別れたその二つの切っ先が、ハインリッヒの胴と右腿を鈍い音と共に貫く。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:09:44.78 ID:YeXanfVb0
支援

31 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:10:24.64 ID:xtb4jr6sO
ミ,,゚Д゚彡「我々が扱える魔術は、所詮はこのグローブによってもたらされた貧弱な量産魔術。あなたと戦う上では、防御ぐらいにしかなりません」

/ ゚、。 /「最も」

フサギコの言葉を代弁しながら、いつの間にかハインリッヒの背後に回り込んでいたダイオードが、その鉄塊をバッティングの要領で構える。

ミ,,゚Д゚彡「その貧弱な魔術でも、私達はその効果を十分に活かす術を知っていますがね」

ハインリッヒが目を見開いた時には、何もかもが手遅れだった。
ダイオードはその巨体に似た鉄塊をスイングした瞬間だし、彼女の胴と右腿にはフサギコの刺又が突き刺さり、彼女の身の自由を奪っている。
無詠唱で魔術を扱える彼女だが、転移魔術でこの場から退避するにも時間が足りない。
吸い着くように迫る鉄塊から、凄まじいまでの圧迫感。
最早、逃れる術は無い。

ミ,,゚Д゚彡「少し、己の力を過信し過ぎましたね。大人しく眠りなさい」

フサギコの言葉が終わると、倉庫内に肉と鉄の凄まじい衝突音が響いた。

32 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:11:35.62 ID:xtb4jr6sO
フサギコの突き刺した刺又から無理矢理解放されたハインリッヒの体は、ダイオードのスイングした鉄塊の暴風のような衝撃により、きりもみしながら燃え盛る倉庫の壁へと、放物線を描きながら飛んでいく。

从;゚∀从「ガッ…!」

嫌な音が響き、ハインリッヒの体は壁に打ち付けられその飛翔を止め、落下。
無様にくずおれ小さく痙攣すると、彼女はその動きを止めた。

ミ,;゚Д゚彡「ふう…なんとか、気絶させる事はできました。無詠唱での魔術行使。その上禁呪も扱う。本当に恐ろしい化け物ですよ、あなたは」

既に気を失っているであろうハインリッヒに向かって、フサギコは呟く。

ミ,,゚Д゚彡「ですが、体はやはり人間とさほど変わらないと見えます。痛みに耐えられたのも、魔術で痛覚を遮断していたと考えれば辻褄が合いますしね」

彼は首をめぐらし、ダイオードを振り返った。

ミ,,゚Д゚彡「さあ、無抵抗のうちに彼女を拘束しておきましょう。対魔用手錠を」

だが、ダイオードは対魔用手錠を出すどころか、再び鉄塊を構える。

ミ,,゚Д゚彡「ダイオード?」

その行動に怪訝な顔をするフサギコに向かって、ダイオードは叫んだ。

33 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:12:48.57 ID:xtb4jr6sO
/;゚、。 /「フサギコいけません!」

彼の叫びは、虚しいものだった。

ミ,;゚Д゚彡「……っ……がっ…ぼ…」

その虚しい叫びに、フサギコは飛び散る鮮血でもって返事を返した。
彼の胸からは、すらりとした血まみれの腕が生えている。
いや、背中から胸へと腕に貫かれているのだ。
フサギコは口からごぼごぼと溢れる血を、垂れ流しその場に膝をつく。
その目はもう、何ものも見つめてはいなかった。

/;゚、。 /「くっ……」

同士の殉教に、一人残ったダイオードは額に冷や汗を浮かべ、そのかたきである背後の影を睨み付けた。

从 ∀从「弱いのに調子乗るからこうなるんだよ、毛虱童貞が」

そんな筈は無い、とフサギコの本能が警報を鳴らす。
生身の人間なら、一瞬で意識が飛ぶほどの力で殴り飛ばしたのだ。
彼女が、ハインリッヒが立てる筈が無い。
だが、それでもダイオードの頭の中の理性は冷静だった。
フサギコの背中を一気に刺し貫いた右手の血を振り払い、今にも迫って来ようとする化け物から、じりじりと距離を開ける。

34 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:14:19.42 ID:xtb4jr6sO
从 ∀从「不思議だろう?どうして立ち上がれると思う?」

ゆったりとした動作で、ダイオードへと詰め寄るハインリッヒ。
傍らに転がる、フサギコだった物言わぬ肉塊。
ハインリッヒの顔は、反射の為かよくは見えない。
ただ、口元だけが無機質に嗜虐的に三日月をかたどっている。

从 ∀从「ガキの読む漫画によくあるだろ。怒ると強くなるってやつ。あんな感じだよ。私もキレたのさ」

まぁ、と付け加え、

从 ∀从「もともとあんな攻撃、大したダメージになってねぇんだよ。そりゃあお前らの言うとおり、体は人間のそれと大差無いさ。
だが、魔術の格が違うんだ。物理的な攻撃に対しての防御壁ぐらい、常に張ってある」

彼女の体を、再び紫炎が取り巻く。

从゚∀从「さぁ、次はお前の番だ。お前は、闇に喰い殺されて死ぬと予言しよう」

彼女の言葉に、倉庫内が深い闇に閉ざされる。
見渡す限り、一面が黒。光も何も無い、暗い、暗い、闇に閉ざされた世界。

/;゚、。 /「うっ、うわぁぁぁぁぁあ!ぎゃぁぁぁぁあ!」


何もかも、全てが消失してしまったかのような漆黒の世界に、ダイオードの断末魔の絶叫だけが不気味に響いた。

35 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:15:36.54 ID:xtb4jr6sO
从゚∀从「恐いか?恐いだろ?はははは!もっと泣き叫べ!鼻水と小便に濡れながら、命乞いをしろ!泣き喚いて逃げ惑え!
これが、化け物の力だ!」

ハインリッヒの高ぶった矯声に続き、肉が引き裂かれ、骨が砕ける音が響く。
そこで何が起こっているのかを知るものは、誰もいない。
慈悲深い闇が、その狂乱たる虐殺の宴の様子を覆い隠し、肉体が解体される音だけがグロテスクに響くのみ。

やがて、その闇が消えて薄暗い倉庫の光景が戻ると、そこには乱暴な子供が壊してしまった玩具の如き、ダイオードの残骸が打ち捨てられていた。
その眼球のはまっていた穴には、腸と思われる赤黒い臓物が無理矢理に詰め込まれ、引き裂かれた腹には、その下の股から引き抜かれたであろう両足が、無造作に折り畳まれ収納されている。
両肩は明後日の方角へと捻られ、右腕は主が大きく開いた口腔内から生えるようにして、突き込まれていた。
脳天は蓋を開けたように綺麗な穴が開いており、左腕がその中身を掻き回すように突っ込まれている。
皮膚という皮膚がずたずたに引き裂かれ、全身から体液を滴らせる、ある種前衛的なオブジェのような「それ」は、それでもまだピクピクと痙攣していた。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:16:29.07 ID:bSOPx5iS0
支援

37 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:16:58.37 ID:xtb4jr6sO
/ 、 /「あ……っ…お…ぶぇ…ぼほ…こ…こ…」

生理的な嫌悪を誘う、うめき声とも鳴き声ともとれる奇妙な音を立てながら、微かに蠢く「それ」に一瞥をくれると、ハインリッヒはその血まみれの瞳を動かし、倉庫内を見回した。

从゚∀从「あいつは、逃げたか」

ミセリの姿が無いのを確認すると、彼女はダイオードの体液で汚れた自身の体を見つめる。

从゚∀从「随分、汚しちまったなぁ。このままじゃ、オリジン様に会えないな。シャワー、浴びてこなきゃ」

凄惨な解体現場には似つかわしくない、呑気な声でぼやくと、歩き出す。
ちょうど、その進行方向にまだ痙攣する「それ」があったのは、「それ」にとってはたして幸か不幸か。

/ 、 /「……ぎっ……!」

気色の悪い音を立てて、ハインリッヒに踏み潰されたそれの頭部が砕ける。
「それ」の生き地獄は、そこで途切れた。
そんな事にも構わず、ハインリッヒは解体現場と化した倉庫を後にする。

从゚∀从「ミセリの始末は後回しだな。とにかく、オリジン様に会わないと……」

そう呟く彼女の顔は、血や体液にまみれても尚、恋する少女のように、美しく輝いていた。

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:18:43.04 ID:vZlzmUkF0
しえん

39 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:18:45.19 ID:xtb4jr6sO
今日の投下オワタ!\(^o^)/

質問、突っ込み、批評、リクエスト、どんどん来てくれ。

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:20:03.92 ID:bSOPx5iS0
乙〜
今日のはちょっとグロかったな

41 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:26:06.83 ID:xtb4jr6sO
>>40
ハインの力量を表現しようとしたら、クライブ・バーカーみたいになってしまった。スマソ。

グロ注意!とか書いた方がよかったかな。

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:27:38.48 ID:fFDtujbNO

ただ「幕が切って下りた」とか微妙に日本語間違えるよね

43 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:28:34.19 ID:xtb4jr6sO
>>25
dクス!
そして遅ればせながら、支援してくれた皆さんに有難うございましたを!

44 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:37:14.54 ID:xtb4jr6sO
>>42
うはwwwやはりwwww

「切って落とされた」のであってる?

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:38:31.98 ID:qGAMwcF90
>>42
日本語の間違え方が
海外翻訳物っぽいのは黙っててやれwwwwwwwwwwwww

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:40:45.15 ID:fFDtujbNO
>>44
たぶんそっちだと
オムさんで全部読んだけど、たびたび「あれ?」になる。
けど文意は伝わるから、あえて崩して使ってるのかと思ってた

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:42:42.78 ID:YeXanfVb0


48 : ◆/ckL6OYvQw :2007/07/01(日) 23:43:39.60 ID:xtb4jr6sO
ちょwww文法間違いとかはどんどん指摘してくれwww

エルリックとキングとクーンツで育ったオレは日本語慣れしてないんだwwwww

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/01(日) 23:45:21.84 ID:qGAMwcF90
>>48
おまwwwwwwwwwwwww
せっかく黙ってたのにwwwwwwwwwwwwww


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