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( ^ω^)ブーンと妖怪の住まう町のようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:02:38.46 ID:P7NEoBof0
第一話

  ―内藤生活相談事務所だお!―

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:03:31.95 ID:P7NEoBof0
('A`)「アイツ何処で油売ってんだよ…」

などとボヤキながら買い物袋を下げ、商店街を練り歩く男。
頭上にあった太陽はすでに傾き、人々の顔をオレンジに染め上げる。
商店街の人々の笑顔をより一層素晴らしい物にしているのがドクオは大好きだ。

そんな素晴らしい人々の揃うここVIP町。
名物はリンゴジュースと『VIP桜』と言われるとてつもなく大きな桜の木。
また海と隣接した町で漁業が盛んな町でもある。
釣りを楽しむ人も多い。
比較的小さな町だが退屈はしない。
住んでる人の人柄の良さもその理由。

定食屋に入れば恰幅の良いおばさんが世間話と共に白米を盛り、
八百屋に立ち寄れば威勢の良いおじさんが愚痴をこぼしながらスイカをサービス。
それが見知らぬ人であってもだ。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:04:00.15 ID:P7NEoBof0
人々は恩を着せようなんて事は考えていない。
むしろ逆だ。
人々は恩を返しているだけなのだ。

(‘_L’)「おうドク坊! 今日は良いイワシが入ってんだ!」

白い鉢巻きと白い歯がトレードマーク。
いつも新鮮な魚介類が揃う魚屋のおっちゃんが笑いながら言った。
ドクオは今日は要らないんだ、と申し訳なさそうに返す。
そしてこう付け足した。

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:04:25.73 ID:P7NEoBof0
('A`)「あのさ。ツン何処行ったか知ってる?」

(‘_L’)「ツンちゃん? あぁ知ってるよ!」

('A`)「教えて下さい」

(‘_L’)「どうしようかな〜。最近ドクオ君ここで買ってくれないからな〜」

('A`)「……明日買うから」

(‘_L’)「ハハハ! 毎度あり! 確かツンちゃんなら……」

ξ゚听)ξ「何? 私が可愛いって? やだもう!」

('A`)「ツン! お前ドコ行ってたんだよ」

ξ゚听)ξ「ちょっとねー」

(‘_L’)「そっかー、ツンちゃんも男が出来たかー」

ξ゚听)ξ「ちっ…違うわよもう!」

いつのまにか彼らの話に割り込んだ彼女がツン。
ドクオは探す時間が省けたと思うのだが内心うんざりしていた。

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:04:39.87 ID:zPHIa04D0
(‘_L’)

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:04:47.28 ID:P7NEoBof0
(‘_L’)「ドク坊無念!」

('A`)「良い加減にしろ!」

ξ゚听)ξ「あらもうこんな時間。じゃあねおじさん!」

('A`)「おい待てツン。明日必ず来ます。んじゃ」

(‘_L’)「おう! またな!」

魚屋のおじさんは笑いながら若い男女を見送った。
夕陽で染まった道路を並んで走る二人はさながらカップルのようにも見えた。

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:05:09.74 ID:P7NEoBof0
ドクオとツンが向かう先は貧相な小屋。
一応『内藤生活相談事務所』と言う名前は付いているが、
そんなお堅いイメージなぞ最初から霞んでいる。
ドクオとツンはそこの所員だ。

ξ゚听)ξ「たっだいま〜!」

(;'A`)「悪い。遅くなった」

大きな音をたて勢いよくドアは開かれた。
ロケットの如く飛び込んだツンの後に疲れた顔をしたドクオが入ってきた。

(;^ω^)「ツン! ドアが外れちゃうっていつも言ってるお!」

一番奥の机に座りこの事務所が崩壊するが先か、
ハンター×ハンターの再開が先かで頭一杯な彼は内藤ホライゾン。
笑顔が絶えないこの事務所の所長。
皆は愛を込めてブーンと呼ぶ。

川 ゚ -゚)「お帰り二人とも。今お茶を淹れよう」

どこから貰って来たのかわからないソファーに寝転がりながら雑誌を読んでいた彼女はクー。
グラマラスな体型で凛とした顔付きの彼女。
クー目当てで事務所で来る人は男のみならず女性も多い。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:05:21.21 ID:2aYFJscM0
(‘_L’)


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:05:30.95 ID:OU3hNGWK0
(‘_L’)

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:05:36.16 ID:P7NEoBof0
ξ゚ー゚)ξ「ゴメンお兄ちゃん! 乙女心はクラッシャーなのよ!」

(;^ω^)「相変わらずワケわからんお…」

ツンはいつのまにかブーンの隣で回転椅子に乗り、はしゃいでいる。
仲睦まじい兄妹だ、とドクオは漏らした。

(;'A`)「ふぅ……疲れた…」

川 ゚ -゚)「大方ツンに走らされたんだろう?」

('A`)「ご名答」

ドクオは愚痴をこぼしながら事務所の中で一番大きい会議用のテーブルの近くに腰かけた。
腰かけた椅子はパイプ椅子。
ゴツゴツとして座り心地は良いとは言えないが妙な安定感がある。
クーはいつものようにお茶を淹れ、いつものようにテーブルに4つ湯呑みを置いた。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:06:12.26 ID:P7NEoBof0
それを確認するとブーンは立ち上がりながら、

( ^ω^)「じゃあ会議始めるおー」

鶴の一声。

全員テーブルを囲むように座る。
準備完了。

( ^ω^)「じゃあ各自報告お願いしますお」

はい!と勢いよく手を上げるツン。
勢い余ってテーブルに足をぶつけ、お茶が溢れたがお構い無しだ。

ξ゚听)ξ「今日変な人に遭遇しました!」

川 ゚ -゚)「よし。逮捕」

('A`)「どうしたの?」

ξ゚听)ξ「えっと……なんか『あなたは妖怪や鬼の存在を信じますか?』って言われた」

( ^ω^)「…」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:06:33.25 ID:P7NEoBof0
一同の間にしばしの静けさが訪れた。
カラスの鳴き声がハッキリ耳に入る。
そんな沈黙を破ったのはドクオだった。

('A`)「で、なんて答えたんだ?」

ξ゚听)ξ「居るんじゃないのって。まぁ多分相手は気付いてたわ。私が鬼だって事に」

ツンはそう言いながら髪の生え際から数センチ上、
髪の間を分けるように生えたツノを撫でた。
それはよくよく見なければ気付かない程小さな鬼の証。
兄、ブーンの頭には2つ。

( ^ω^)「…現段階では何も出来ないお」

川 ゚ -゚)「だな。だが私逹の生活を脅かすのなら…」

少々不気味な笑みを浮かべながらお茶を啜る。

('A`)「おー恐っ」

川 ゚ -゚)「む。今のは傷ついたぞ」

少し眉間にしわを寄せ睨んだ。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:06:50.27 ID:P7NEoBof0
( ^ω^)「おっおっお。まぁ良いお。次の人お願いだお」

('A`)「じゃおr川 ゚ -゚)「とうとうお茶っ葉が切れた」

('A`)(そんなの今言う事かなぁ)

ξ゚听)ξ「私買ってくる!」

川 ゚ -゚)「明日私が買ってくるから良いぞ。ありがとなツン」

ξ///)ξ「わ…私が飲みたいだけだもんっ!」

川 ゚ー゚)「はは。そうか」

( ^ω^)「じゃ次、ドクオかお?」

('A`)(さっき超絶スルーされたんだけど…)

('A`)「俺からは特にないな」

川 ゚ -゚)「ふん」

ξ゚听)ξ「ふん」

(;'A`)「何だよ!」

(;^ω^)「まぁ何も無いのは良い事だお」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:07:22.67 ID:P7NEoBof0
川 ゚ -゚)「じゃあ最後にブーンどうぞ」

( ^ω^)「えー最近は新規にこの町にくる妖怪さんや、妙な憑かれ方をする人がいないお」

( ^ω^)「だからといって気を緩めないようにだお」

('A`)「あぁ」

ξ゚听)ξ「オッケー!」

ガタン。

川 ゚ -゚)「わかった」

皆が口々に応答する。
そんな頼もしい姿を見てブーンは大きく頷いた。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:08:07.91 ID:P7NEoBof0
( ^ω^)「もしその時は皆、よろしくだお」

川 ゚ -゚)「では今日の会議終了。解散!」

ξ゚听)ξ「お兄ちゃん帰ろー!」

( ^ω^)「外でクーと待っててくれお」

ξ゚听)ξ「待ってる!」

( ^ω^)「ドクオ、ちょっと…」

('A`)「ん?」

ちょいちょいと指でドクオを呼ぶブーン。
それを察したのか、クーはツンの手を引き、早々に外へ出る。

川 ゚ -゚)「行こうか、ツン」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:08:45.91 ID:P7NEoBof0
静かに音をたてドアは開閉する。
クーが開けたのでドアの寿命は縮まる事はないのが幸いだ。
一方事務所内ではただならぬ空気が流れていた。

('A`)「何だ?」

( ^ω^)「その……ドクオは『お役目』を継いだんだお?」

('A`)「あぁ、7年前にな」

もうすでに冷えきったお茶の残滓を飲み干し答えた。
ブーンの方がこの先の言葉を言いたくなさそうにしているのがドクオには分かった。

('A`)「分かってるよ。調律して欲しい人が居るんだろ?」

( ^ω^)「だお…」

('∀`)「今更誰が調律して欲しいだろうが何も思わないさ」

ドクオは悲しそうに、自嘲してみせた。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:09:14.51 ID:P7NEoBof0
( ^ω^)「でも……ドクオはヒートって娘の事g…」

(#'A`)「ブーン!!」

まるで引き裂くかのような叫び。
ビリビリと辺りを震わせる。
硬く握られた拳はブーンに振るわれる事はなく、ただただ震えるのみだった。

( ^ω^)「ごめんだお…」

ドクオは大きく息を吐き、

('A`)「……謝るのはこっちだ。いつまでも後悔してさ」

( ^ω^)「『お役目』の存在は突き詰めたらキリが無いんだお。
       ドクオだけに非があるわけじゃないんだお」

('A`)「だからこそ今やる事をやるんだろ?」

( ^ω^)「そうだお」

今までの狼狽えていた様子はドコへ行ったのか。
ドクオを真っ直ぐ見つめ、答えた。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:09:42.24 ID:P7NEoBof0
('A`)「じゃあ明日には手続き出しておくようにな」

( ^ω^)「ドクオ…ありがとうだお」

('A`)「んじゃ」

ドクオは背中で別れを告げた。
だが彼はもう張り裂けそうだったのだ。
口を開くとブーンに泣きつきそうな気がして。

ドクオは天を仰ぎ呟いた。

(;A;)「ヒート……そっちは楽しいか?」

その呟きはただひたすらに、闇に溶けていくのみ。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:10:51.88 ID:P7NEoBof0
一話終了
とりあえず二話いきます

壮大なミスをやらかしたのは死にたい

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:10:57.91 ID:q/OdlmIeO


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:11:24.15 ID:P7NEoBof0
第二話

  ―妖狐クーと鬼の子ツン―

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:12:02.54 ID:P7NEoBof0
まだ日は昇りきっていない朝ぼらけの中。
彼、ドクオは目を覚ました。
開ききっていない瞼をこすり、むくりと起き上がる。

目が少し赤い。

('A`)「んあ……今何時だ…」

彼の家は純和風な佇まいで、寝ている場所もきっちりと畳を敷き詰められた部屋だ。
一人で寝るには少々広すぎる。
その部屋の角に布団を敷いて寝ている所がドクオらしい。

('A`)「11時…?」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:13:17.93 ID:P7NEoBof0
ちなみにあの事務所に集まり、仕事を始めるのは遅くても9時。
朝の準備の時間と移動時間を含めると3時間の遅刻になる事が予想された。
青白い顔で引きつるドクオ。

('A`)「ハ…ハハ……安月給なのに…ますます……」

もしかして電話がたくさん来てるかも。
と思いバッと携帯を見る、が。

('A`)「あれ? 一つも電話来てない」

安心するべきか否か。
急ぐにこした事はない。
一通りの準備を終え、ツン並の勢いでドアを開け放った。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:13:41.84 ID:P7NEoBof0
一方、ツン。

ξ゚听)ξ「もう! 実は私が買ってくるって言うサプライズだったのに!」

川 ゚ -゚)(だと思って買って来なかったのにな)

川 ゚ -゚)「だったら事務所に来る前に買ってくれば良いじゃないか」

ξ゚听)ξ「だってお兄ちゃんがー!」

まるで姉妹のように仲良くクーと歩いている。
ビルの合間を縫うように照り付ける日が少し暑く感じられた。
彼女らはお茶を買いに来たのだ。

それは目的の物とその他諸々を買い付け、事務所に戻る途中だった。

轟音。
それは爆発音だった。
腹に響く音を聞き、何事かと辺りを見回す。

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:14:41.96 ID:P7NEoBof0
ξ゚听)ξ「クー!」

川 ゚ -゚)「あぁ分かってる! 久々だからちょいとうろたえただけだ!」

ツンが指差した先はビルだった。
すでに割れて大きな口を開ける窓からは火がメラメラと燃える。
割れ落ちたガラスでケガをした人は居なさそうなのが幸いか。

逃げ惑う人々の上をクーは飛翔した。
彼女はスカートを履いていたのだがおかまいなしだ。
それよりも彼女のお尻から生える金色の尻尾に人々は気を取られた。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:15:05.03 ID:P7NEoBof0
川 ゚ -゚)「まず火だな…」

クーはキョロキョロと辺りを見回す。
それでも見つからないので高度を上げ、燃えているビルの真上に。

川 ゚ -゚)「あった!」

彼女が発見したのは少し薄汚れた一般的な貯水タンク。
それを見つけると高度を下げ、燃えている階を真っ直ぐ見つめる。
そして人差し指を上に振り上げ、

川 ゚ -゚)「しゅくち!」

下げた。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:16:05.16 ID:P7NEoBof0
すると急に燃えていたはずの階から勢いよく水が溢れ出る。
離れて一部始終を見ていた人々からは歓声が上がった。

ぷすぷすと蒸発する水。熱気がすさまじい。
安堵する暇なく、中に残った人々を迎えにいく。

しかし中に入っていったクーは気づかなかった。
急に中の水を抜かれ、気圧が下がり、ボコボコとへこみながら跳ねる貯水タンクを。
それは狂気じみた道化師のようにも見えた。
それが幾重にも跳ね、屋上の柵を飛び越え、まさに人々の上に落下しようとしていた。

「おい! あれ!」

誰かが叫んだ。
蜘蛛の弧のように散る人々。
だがその少女は逆に向かって行くのだった。

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:17:05.76 ID:P7NEoBof0
ξ゚听)ξ「クーの馬鹿やろーーー!!!」

叫びながら膝を曲げ、勢いよくジャンプ。
額には鬼の証。人ならざる者の証。
それが煌いた気がした。

ツンは落ちてきた貯水タンクを軽々と押し返す。
彼女の数十倍もある貯水タンクをだ。
水が無くとも重たいだろう。
だが彼女は跳躍した勢いを止めることなく、そのまま屋上まで上っていった。

ξ゚听)ξ「ふぅ」

あー軽い運動だったわ、と言わんばかりにスタリと屋上に降りた。
か細い腕一本で持ち上げられた貯水タンクを適当な場所に置く。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:17:54.67 ID:P7NEoBof0
その頃下では。

「おい、あの娘達なんなんだよ!?」

「あれ? お前新参者?」

「そうだよ! あの娘達、絶対人じゃないって!」

「人じゃない、か。全くその通りだな。あっはっは」

「え!? 何だよもったいぶらずに教えてくれよ!」

「……この街の名物だよ」

「はぁ?」

そんな笑いながら説明する青年もまた、赤い目をし、背中には黒い羽がついていたのだが。
気づかずに質問をぶつける人。
長年この町に住む人は彼女らの存在に慣れていたが、流石に初めて見る人は驚きだろう。

ここは日本で唯一の『妖怪が住まう町』、VIP町。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:18:14.29 ID:P7NEoBof0
川 ゚ -゚)「おーい! 誰かいないか?」

爆発が起きたわけだがそれほど阿鼻叫喚の図が広がるわけでもなかった。
クーはあの手の爆発には見慣れていたのだ。
霊力を凝縮し、それを一気に解き放つ。
炎が上がったのも発火物に引火した結果。
せいぜい音と光で気絶する程度だ。

ただ妙に引っかかるのは、この爆発を起こした奴はクーと同じで霊気を扱える奴という事。
クーの心に怒りがこみ上げて来た。

犯人を捜しつつも人々を全員一箇所に集める事が出来た。

川 ゚ -゚)「これで全員だな?」

「はい。あの、本当にありがとうございます」

川 ゚ -゚)「ただ恩を返しているだけだ。こんな事をする妖怪が居るのに、嫌っていないのだからな」

「まぁアンタみたいな良い奴の方が多いしな。なぁ皆!」

口々に同意の声が上がる。
クーはそれを神妙な面持ちで聞いていた。

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:18:47.18 ID:P7NEoBof0
川 ゚ -゚)「さっき見たところエレベーターは止まっていた。
     なので窓から降りるぞ」

「え!? どうやって?」

川 ゚ -゚)「こうやってだ!」

クーはくるりと振り返り、焼き焦げた窓から一回転して飛び降りた。
当然皆驚く。
一回転して降りればなんとかなるんだよ、きっと。
と言った本人も顔を引きつらせていた。

川 ゚ -゚)「悪い。驚かせてしまったかな?」

だが次の瞬間、金色の大きな狐が宙に浮いているのを見て皆安堵した。

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:20:46.67 ID:P7NEoBof0
ξ゚听)ξ「たっだいま〜!」

川 ゚ -゚)「お前にドアは開けさせん! とぅ!」

( ^ω^)「お帰りだお。仕事溜まってるお。早くやる夫」

二人は一騒動を終え、さんざんサインとか写真とか迫られたのだ。
だがそれを分け入るように逃げ、事務所に帰ってきた。

ξ゚听)ξ「あれ? お兄ちゃんいつになく真面目だね」

( ^ω^)「仕事は真面目にやむもんだお。ほら、ツンは帳簿をつけるお」

ξ゚听)ξ「は〜い!」

川 ゚ -゚)「その、ブーン」

クーは少しすすこけた顔で、パソコンで仕事をするブーンに話しかけた。
手には買い物をした雑品。
だが目的はそれじゃあない。

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:21:24.71 ID:P7NEoBof0
( ^ω^)「クー。ツン。お疲れだお。それでこそ『内藤生活相談事務所』の所員だお」

川 ゚ー゚)「なんだもう知っていたのか」

ξ゚听)ξ「わーい! ねぇ臨時ぼーなすは!?」

( ^ω^)「妖怪として当たり前の事をしたまでだお。だから無いに決まってるお」

川 ゚ー゚)「じゃあツン。私がなんか買ってあげよう」

ξ^ー^)ξ「やったー! じゃあね、大阪城のプラモデル!」

(;^ω^)(渋すぎるお…)

(;'A`)「あーーーごめんなさいごめんなさい!! とりあえず切腹ですかぁ!?」

急にバタンとドアが開かれ、ドクオが彗星のごとく飛び込んできた。
まともに入れお、ブーンはうなだれた。

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:22:20.75 ID:P7NEoBof0
( ^ω^)「まぁ落ち着くお。クー、これドクオに渡してくれお」

一番奥の机で雑務を行うブーンから一番遠いドアの前。
ドクオが土下座を超えた最上級の謝罪、土下寝をしていた。
その上にハラリと一枚の紙が舞い降りた。

川 ゚ -゚)「ほら、もう起きろドクオ。調律手続きだ」

その言葉を聞いたとたんに飛び起き、正座をし、よく読む。
これを見るのは3回目だとドクオは思った。
出来れば4回目が無い事を願う。

('A`)「そうか…おもちゃ屋のおばちゃんか…」

( ^ω^)「だお。先に行ったおじさんに会いたくなったそうだお」

('A`)「……」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:22:42.72 ID:P7NEoBof0
ξ゚听)ξ「ねーえー! あのおばちゃんがどーしたのー!?」

( ^ω^)「ツンにはまだ早いお」

ξ゚听)ξ「えー、ケチ!」

川 ゚ -゚)「ブーン、もう良いんじゃないか? ドクオもそう思うだろう」

('A`)「ん? あぁ…」

( ^ω^)「……この話やめだお! ほら皆仕事するお!」

その一言で皆はこれ以上追及しなくなった。
ツンは幼いながらもこの事務所のサイフを握っているし、クーは相談所のお姉さん。
ブーンはもちろん所長だし大きな仕事をする。
じゃあ俺は…?
ドクオは早々に雑務を終え、足早に帰っていった。

そして夜。
ドクオはあの時の事を夢として見た。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:24:35.78 ID:gmyBL+FSO
>>1頑張れ

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:24:40.40 ID:P7NEoBof0
これで第二話終了です
支援が全て漁師のフィレンクトなのは驚きです
今だ世界観が見えないのはこっちのせいです

疑問ありましたらどうぞ
無かったら落として頂いてもかまいませんので

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/04(土) 16:27:08.10 ID:P7NEoBof0
言い忘れていました

これ何かに似てない?
そうです。元ネタありです
しかし大幅な改悪があるので世界観しか残っておりません
ので元ネタ知らなくても大丈夫だと思っております

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