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('A`)ドクオは方舟に乗るようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:18:41.58 ID:jgTDfzYo0
代理でs

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:19:24.34 ID:/nlSLNDRO
でそ?

3 : ◆ph2O.JlUMw :2007/08/11(土) 21:20:25.19 ID:zUOw04I8O
丘の上から小さな村を見下ろす二人の男がいる。

一人は顔に笑みを浮かべている。
体型はよく肥えていて、白いスーツを暑苦しそうに来ている男。

もう一人は鬱蒼とした表情で、赤い蝶ネクタイを首にしめ高そうな黒いスーツを来ている。


(´・ω・`)「どうですか……あの村は?」


( ^ω^)「うん。気候もいいし、中々生きのいい若者がいそうだお。ブヒヒ」


外界から遮断されたように周りを山に囲まれ、ひっそりと太陽に照らされているその村をみながら肥えた男は満足そうに笑う。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:21:25.26 ID:zUOw04I8O
(´・ω・`)「…………」


( ^ω^)「ブヒヒヒ……」

( ^ω^)「ここに決まりだお」


(´・ω・`)「……でわ、早速宿の手配をしましょう」


蝶ネクタイの男はポケットから携帯を取り出しどこかへ電話をかける。




( ^ω^)「さて……アダムとイブは誰になるのかお……」




───('A`)は方舟に乗るようです────




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:22:25.26 ID:zUOw04I8O
川 ゚ -゚)「ドクオー!」


煉瓦造りの家の二階に向けて、少女が呼び掛ける。
少女は端正な顔立ちでその表情に抑揚はない。


川 ゚ -゚)「ドクオー!!」


彼女の視線の先にはカーテンを閉めきった窓にある。


('A`)「なんだ……クーか……」


少年はおそるおそるカーテンの隙間から声の主を見下ろし溜め息をつく。
そして窓を開けて「待ってろ」と一言いい放ち、玄関まで降りていく。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:23:32.90 ID:zUOw04I8O
('A`)「なんのようだよ……」


川 ゚ -゚)「料理を持ってきたぞ」


('A`)「またかよ……いらないって言ってるだろ」


川 ゚ -゚)「そんな事言わずに食え。私の手料理だぞ」


少女は無理矢理少年の手に風呂敷で包んだ箱を握らす。
少年はそれを渋々受取り、また家の中へ入っていこうとする。


川 ゚ -゚)「………」

(;'A`)「………お前も中で一緒に食べるか?」


川 ゚ -゚)「……うむ」

彼女の顔はほんの少しの変化だがほころんだように見えた。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:24:44.30 ID:6QfonEeY0
支援

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:24:47.94 ID:zUOw04I8O
少年には家族はいない。
父親は物心つく前に出稼ぎに行ったきり帰ってこず、三年前に母親が亡くなったことにより元々内気だった少年はほとんど家に閉じ籠っている。

村の学校もやめ自宅の畑で食糧となる農作物を育て、週に四度この少女の父親の仕事の手伝いをして日銭を稼いでいる。

そこで知り合ったこの少女が時々こうして様子を見にくるのである。


川 ゚ -゚)「うまいか?」

('A`)「うめぇ」

川 ゚ -゚)「ほら、口についてるぞ」


少女は少年の口についたご飯粒をつまんで自分の口に入れる。


(*'A`)「な、なにしてるんだよ!」


川 ゚ -゚)「?」



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:25:44.23 ID:qBDgBJIB0
きたきた支援

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:29:01.38 ID:zUOw04I8O
川 ゚ -゚)「ところでちゃんとご飯は食べているのか?」

('A`)「まぁな……疲れてる時はめんどくさくて食わない時もあるけど」


川 ゚ -゚)「なんなわら毎日私が作ってやろうか?」


(;'A`)「!!!ゲホッゲホッ!」

川 ゚ -゚)「大丈夫か?」


('A`)「そんな無表情で冗談は不意打ちだぞ!」

川 ゚ -゚)「…………」

食事を終えて少年はコップの一杯の水を飲み干し、何かを思い出したかのように立ち上がる。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:30:51.04 ID:zUOw04I8O
あ、


『第一話 アダムとイブ』


です。




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:31:39.12 ID:zUOw04I8O
('A`)「そうだ…畑に水やらなきゃ」

川 ゚ -゚)「私も手伝おう」


少年はばつの悪そうな顔をするが少女はそんなことを意に介す様子はなく、勝手知ったように畑に続く裏口の戸を開ける。


(*'A`)「……しょうがないやつだな……」


本心では彼は喜んでいたが、いつしか表面上では嫌がる少年にかまうことなくお節介を焼く少女というのが彼らの決まった図式のようになっていた。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:32:38.40 ID:6QfonEeY0
支援

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:32:56.88 ID:zUOw04I8O
畑を見れば少年が如何に一生懸命に手入れしている姿が容易く想像できる程作物は健やかに育っている。


川 ゚ -゚)「相変わらずドクオは農家が天職だと思うよ」


('A`)「そうか……?」

彼は間の抜けた返事をして、桶にたまっている水を畑に振り撒く。
少女はその桶の水が無くなる前にせっせと井戸から水を汲みあげて代え置きをこしらえていく。


この村には水も電気もガスも通っていない。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:33:04.13 ID:qBDgBJIB0
支援

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:34:36.21 ID:zUOw04I8O
文明においてけぼりされたような所だが、この村に住む者は誰一人としてこの環境に不満をもらす者はいない。

それもそのはず、彼等はこの村以外の世界を知らないからである。
遠く離れた太陽がこの村を見守るかのように日を照らしつける。

風が吹けば草木はざわめき、雨が降れば大地は静かにそれを吸い込む。

小鳥が数羽ドクオの周りをはしゃぐように飛び回る。
クーは小川のせせらぎを聞きながらそれを見てクスリと笑う。


それが彼等の日常。彼らの世界だった。



第一話 終

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:36:56.56 ID:XrIxu4Bj0
sienn

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:38:56.05 ID:zUOw04I8O




『第二話  飛んで火にいる夏の虫』






19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:39:14.42 ID:6QfonEeY0
支援

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:40:14.52 ID:pi5Ea4230
オッケィ来てたぜ支援

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:40:56.48 ID:zUOw04I8O
畑仕事を終えて二人は家に戻り水を飲む。

川 ゚ -゚)「あ、そうだ……ここに来たもう一つの目的を忘れる所だった」


('A`)「ん?」


川 ゚ -゚)「今日、日が落ちてから三度目の鐘が鳴ったら広場に来るんだ」


('A`)「なんでだ……?」


川 ゚ -゚)「詳しくは知らないが村人全員が集まるそうだ」


('A`)「村人全員!?祭でもあんのかよ」


川 ゚ -゚)「行けば分かるだろう……私は確に伝えたからな。それじゃあまた後で」




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:41:43.84 ID:qBDgBJIB0
支援

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:42:09.29 ID:zUOw04I8O
少女はそう伝えると帰っていった。
少年は一人椅子に座って考える。


('A`)(別に……俺がいく必要はないよな………家族もいないし、ほとんど世間から離れて暮らしているし………)


少年は不意に視線の先の弁当箱に気付く。
二人分の食事は裕に入る大きさだ。

('A`)「あいつ忘れて帰ったのか……」


少年は大きく深呼吸をして弁当箱を台所へと持っていく。

('A`)「しゃうがないな……あいつに夜ご飯でも作ってやるついでに……集会に行くか…」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:43:05.50 ID:zUOw04I8O
またミスってた……


『しょうがない』です

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:45:09.02 ID:zUOw04I8O
太陽が東へ落ちてから三度鐘がなった。

少年はランタンを灯もし手に取り上げ、もう片方の手で弁当を抱えて家を出た。


外に出るとほとんどの民家から明かりは消えていて、それが妙に静けさと暗さを増していた。



足音が一つ一つ辺りに響く中彼は広場へと向かった




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:45:52.77 ID:zUOw04I8O
彼が広場につくと真ん中に何本かの松明が火柱をあげていて、それを囲むようにして村民が集まっている。


('A`)(ほとんど集まっているな……)


ドクオの到着に気付いた一人が彼に向かって歩いてくる。


('A`)「…………」


( ゚∀゚)「よお〜ドクオ君じゃないか〜」


('A`)(チッ………やな奴にみつかったな)


( ゚∀゚)「久しぶりじゃないの〜、どうしたんだよこんなとこに顔出して?お前はお呼びじゃないぞ」


('A`)「………」



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:46:36.75 ID:zUOw04I8O
ドクオに声をかけた男はジョルジュといい、ドクオとクーと同い年でいわば村の学校のガキ大将である。

ドクオは明らかに不機嫌な顔を浮かべて押し黙る。
そしてジョルジュを素通りしようとすると彼に肩を掴まれた。


( ゚∀゚)「お前学校やめてクーの家で働いているんだってな?」


('A`)「………」


(♯゚∀゚)「何黙ってやがんだ!気分悪い面しやがって!」


('A`)「殴れよ…そうすりゃ気がすむんだろ大将?」


ドクオは嘲笑しながらジョルジュを挑発する。



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:48:18.17 ID:pi5Ea4230
支援支援

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:48:41.48 ID:6QfonEeY0
支援

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:50:36.49 ID:qBDgBJIB0
またしゃうがないktkr支援

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:51:46.20 ID:zUOw04I8O
(♯゚∀゚)「ケッ、そりゃあお前みたいな子供は親も捨てたくなるよなあ」


そのジョルジュの一言でドクオの顔色が変わる。
カッと顔を赤らめ、ジョルジュに拳を振り上げる。

(#゚A゚)「!!!」


しかしドクオの拳はジョルジュに当たることなく空を切り、同時にジョルジュはドクオの足を払いドクオは地に伏す。

ジョルジュがドクオに馬乗りになり拳を振り落とそうとする。


川 ゚ -゚)「何をしている!!」



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:52:16.25 ID:zUOw04I8O
ちょっと待っててください

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 21:55:36.82 ID:6QfonEeY0
あいよー。保守

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:00:25.50 ID:qBDgBJIB0
ほし

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:07:44.91 ID:qBDgBJIB0


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:13:08.52 ID:qBDgBJIB0
保守

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:16:15.74 ID:6QfonEeY0
もひとつ保守

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:23:49.07 ID:qBDgBJIB0
保守

39 : ◆ph2O.JlUMw :2007/08/11(土) 22:24:14.12 ID:zUOw04I8O
おまたせしました

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:24:16.55 ID:5YBIKhDgO
もいっちょ保守

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:25:05.67 ID:zUOw04I8O
拳はドクオの顔に当たる前に勢いを無くす。


( ゚∀゚)「く、クー!」

('A`)「…………」


川 ゚ -゚)「………」


彼女は無言でジョルジュを睨みつけ、ドクオを抱き起こす。


(;゚∀゚)「はは…そんなに怒らないでよ……元はコイツが俺に殴りかかってきたんだぜ?」


川 ゚ -゚)「暴力は嫌いだといつもいっている」


(;゚∀゚)「わ、わかった!俺が悪かったよ!」

ジョルジュはしつこい程クーに頭をさげて集団の方へ消えていった。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:26:00.03 ID:zUOw04I8O
川 ゚ -゚)「全く……ドクオに謝れというのに。一体何があったんだ?」


('A`)「………」


ドクオはふてくされた顔をしてクーに一言「これ」と、弁当箱を渡した。
クーは何かを言おうとしたがその前に彼は走って人だかりへ消えていった。

川 ゚ -゚)「………」

村人達が集まる中心には村長と、例のスーツの男達が立っていた。蝶ネクタイの男は夜だというのにサングラスをかけている。


/ ,' 3「皆の者……よく聞け。この方達は遥か彼方この王国の首都より遣わされたものだ」


村長の言葉に村人がざわめく。
彼等にとって王国……つまり国王からの遣いは神の遣いにも等しかった。


/ ,' 3「さあ、彼等が承った詔を心して聞け」





43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:30:15.77 ID:zUOw04I8O
('A`)(変わった服だな……王国………小さい時に母ちゃんに聞いた事がある……王国の国王様のおかげで俺達は平和に暮らしていると……)



( ^ω^)「我々は王国の使者だお。今から言うことをよく聞くお」


一斉に村民全員静まり帰る。
固唾を飲んで肥えた男の声に耳を傾ける。


('A`)(何百年とこの村に人はきてないらしいのに、それも王国の使者だって?……今頃なぜ……?)




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:31:36.49 ID:zUOw04I8O
いいかお。


いまこの国は大きな災厄に見舞われて滅びの運命を向かえようとしているお。
そこで王国は総力をあげ新天地『エデン』を見つけたお。


国王の願いは若い一組の男女がノヴィス・ノア……箱舟に乗って『エデン』に向かいそこで暮らし、滅びゆく王国を救う手段を見付けてきて欲しい。
ということだお。


そこでその名誉あるクルーの選出に選ばれたのがこの村というわけだお。

我々は救世主を探しにきたお。




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:32:20.19 ID:zUOw04I8O
肥えた男が話したそのオトギ噺のような信じられない話に村人達は騒然とする。

国の災厄を憂れう者、名誉ある選出に喜ぶ者。
あちらこちらで声が飛び交う。


( ^ω^)「………」

(´●ω●`)「………」



/ ,' 3「それではその名誉ある乗り組み員に志願する勇気ある者はいないか!」


鶴の一声のように村長の問掛けにまた一同は沈黙する。

村の子供達の親が考えている事は一つ。
我が子の心配、内の子供は出したくないという願いだった。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:33:14.06 ID:XrIxu4Bj0
支援

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:33:32.84 ID:zUOw04I8O
('A`)「……………」


そこで村人の視線がドクオの方へ向くのは自然且つ必然であった。

('A`)「………」


村人は心中を言葉には現さないもドクオには手にとるようにわかっている。

オマエガイケ

残酷な沈黙が広場を支配する。

松明の火に夏虫達が飛込んでは灰になる。
ドクオは悲しいといった表情でもなく、憤慨している様子もない。
ただ力なく口をあけ、

('A`)「俺……行きます」


と、

村人達の耳に言葉が飲み込まれていった。



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:33:38.83 ID:qBDgBJIB0
支援

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:35:31.50 ID:/6qrhbXj0
支援

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:37:49.52 ID:zUOw04I8O
第二話 終

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:38:44.97 ID:zUOw04I8O
第三話 飛んで火を消す夏の虫


(´●ω●`)「…………!!」

( ^ω^)「…………」



('A`)「………俺が志願します」


ドクオが真ん中にいる使者の元へ歩いていくと、モーゼが開いた海の様に村人達は左右に別れ道を作る。




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:39:05.15 ID:qBDgBJIB0
支援

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:39:55.13 ID:pi5Ea4230
ここからだな支援

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:40:29.01 ID:zUOw04I8O
彼等の目はもうほとんど安堵の色に染まっている。


( ^ω^)「君が志願するのかお?」

(´●ω●`)「………」


ドクオはサングラスをかけて表情が分からない蝶ネクタイの男より、自分に笑顔を振り撒く肥えた男の方に萎縮した。
肥えた男は口元は緩んで笑っているように見えるが、目は笑ってはいない。
その瞳を黒く光らせてドクオをじっくりと吟味している。


('A`)(………どうせ俺には家族もいない。村の皆も俺を必要としていない……)





55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:41:41.94 ID:/6qrhbXj0
支援

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:42:04.41 ID:zUOw04I8O
( ^ω^)「もう一度聞くお。君が志願者かお?」


('A`)(俺みたいな奴がいった方がいいんだ。
俺はどこにいても孤独……。どこにいても一緒ならせめて皆の記憶に残るような英雄としてエデンで生きても……)


('A`)「はい」


肥えた男はその言葉を聞き、ドクオに手を差し出した。


( ^ω^)「君の名誉ある勇気を尊敬するお」


ドクオが彼の手を握りかえした時、拍手が一つおきた。
するとまた一つ二つと連鎖反応のように広場は拍手で埋め尽される。



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:42:37.41 ID:/6qrhbXj0
支援

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:43:11.76 ID:zUOw04I8O
皮肉な事に少年がこれほどの拍手と浴び、注目を集めた事はこれが初めてのことだった。

('A`)(………これは俺に対する拍手か?
笑わせるよ……自分達の子供に被害がなかったことにを歓喜する拍手だろう?)


ドクオは心の中で毒づいたが、
しかし彼等を憎みきれなかった。
もし自分も同じ立場なら迷うことなく歓喜で我を忘れていただろうから。


( ^ω^)「さあ、他に志願者はいるかお!!」




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:43:28.45 ID:XrIxu4Bj0
支援

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:45:17.28 ID:/6qrhbXj0
支援

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:48:10.48 ID:1wHGQTSx0
支援

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:48:55.26 ID:vHpHnGt8O
4¥

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:50:59.50 ID:zUOw04I8O
男は左手をあげて村人を制止しつ次の志願者を求めた。
それから一拍程おいて二つの声が同時に響いた。


('A`)「………え」

一人は長い黒髪が美しい端正な顔の少女。


川 ゚ -゚)「………」


その事に村人誰一人として驚かぬ者はいなかった。
彼女の母は卒倒し父は母親を抱きかかえながら何やら怒鳴り声をあげている。


村一番の地主の娘。
誰もがまったく予想だにしないことだった。



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:51:30.38 ID:zUOw04I8O
そしつもう一人はブラウンの縦ロール髪が特徴的な少女。
唇を尖らせ芯の通った気の強そうな顔が伺える。
ツン・デーレ、村長の娘。


ξ゚听)ξ「………」


彼女の志願もまた村人全員が驚いたが村長がこの予期せぬ志願に一番の取り乱しを見せたのはいうまでもない。

/ ,' 3「ば、馬鹿な!?いかん!いかんぞ!!」


( ^ω^)「村長……若者の意思は絶対だお」


/ ,' 3「おお……」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:52:43.21 ID:pi5Ea4230
支援

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:53:20.37 ID:gTX7rSBE0
支援

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:53:27.72 ID:lqMuescCO
支援!

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:54:58.24 ID:1wHGQTSx0
支援

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:56:03.73 ID:/6qrhbXj0
支援

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:56:39.55 ID:zUOw04I8O
ツンはクーを一瞥して落胆する父親とスーツの男がいる広場の中心へ歩いていく。
クーもそれに続いた。
('A`)「クー……お前…」

川 ゚ -゚)「………」


クーはドクオを無言で見つめる。
ドクオには彼女の行動がまったく分からなかった。
金持ち、美人、人望もあるこの少女が志願する理由はどこにもない、と。





71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:57:39.62 ID:zUOw04I8O
( ゚∀゚)「…………」

そんなクーを見るもう一人の男はジョルジュであった。
クーが志願した、ならば自分も志願すれば未来永劫彼女と二人だけで過ごせる。
という思惑を彼は抱く。
その実に分かりやすい動機の他に、彼が志願しようとするもう一つの理由があった。


それは面子である。



今この場にいる大人達とは全く違う事情が子供達にはあった。
あのドクオが志願した今、ここで名乗りをあげない自分はガキ大将としての面子はまる潰れである。

その二つの理由が彼を志願させるのには充分だった。


( ゚∀゚)「俺も志願する」




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:59:38.03 ID:/6qrhbXj0
支援

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 22:59:59.91 ID:NP83EdJFO
ジョルジュ・・・・・・・・・私怨

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:02:07.23 ID:/6qrhbXj0
支援

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:02:17.08 ID:zUOw04I8O
从 ゚∀从「私も」

<ヽ`∀´>「ウリもニダ」


ジョルジュが志願した後また男女それぞれ一人ずつ志願した。
それ以降は誰一人として声はあがらない。


肥えた男は見計らって口を開く。




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:03:01.14 ID:zUOw04I8O
( ^ω^)「以上で志願者はなしかお?
ならここまでで終了だお。ただ思った以上に志願者が多いからこの六人の中から僕達がクルーを決めさせてもらうお」


男は明るい調子で話を続ける。
その間蝶ネクタイの男は一切口を開かず、姿勢を正して立っている。

サングラスのため彼の視線がどこへ向いているかは分からない。


( ^ω^)「ノヴィスノアの出航は一週間後……正式なクルーの決定まで君達は僕らの監視の元におかれるお。
といっても外出は自由、勿論一時的に家に帰ることも許されるお」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:03:10.49 ID:gTX7rSBE0
支援

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:04:38.06 ID:zUOw04I8O
男は六人にむけて説明をする。
その口調は穏やかだ。
( ^ω^)「明日の午後の鐘一番に一週間分の衣服や生活品を持ってまたこの広場に集合だお。質問は?」


川 ゚ -゚)「どのようにして正式にクルーを決定するのですか?」


( ^ω^)「それは君達が知る必要はないお」


川 ゚ -゚)「………」





79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:05:44.13 ID:gTX7rSBE0
支援

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:06:49.09 ID:zUOw04I8O
男は他に質問がないのを確認すると「おやすみ」と言ってサングラスの男と広場を後にした。


('A`)「お、おいクー……一体──」


川 ゚ -゚)「じゃあまた明日な」


クーはドクオが言い終わらぬ内にそそくさと家に帰っていった。
残りの五人もこれ以上特にこの場にいる必要がないのでそれぞれの家路を辿る。


/ ,' 3「な、何故じゃあ………ツン……ツンよぉおお!!」





81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:07:06.13 ID:gTX7rSBE0
支援

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:08:27.29 ID:XrIxu4Bj0
支援

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:08:48.12 ID:zUOw04I8O
('A`)
川 ゚ -゚)
( ゚∀゚)
ξ゚听)ξ<ヽ`∀´>
从 ゚∀从



それぞれがそれぞれの思いを胸に、自分達の家での最後の晩を過ごした。




第三話 飛んで火を消す夏の虫。







84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:11:13.30 ID:zUOw04I8O
以上今日の投下終了です。

質問とか指摘あればどうぞ

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:11:16.77 ID:VRb8VD0t0
終わり?

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:11:58.35 ID:NP83EdJFO


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:12:37.42 ID:gTX7rSBE0
乙乙

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:12:49.43 ID:/6qrhbXj0
面白そうだ 乙

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:13:08.74 ID:1wHGQTSx0


>>4の(´・ω・`)「……でわ、早速宿の手配をしましょう」
が「では」じゃなくて「でわ」なのはわざと?

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:14:10.50 ID:zUOw04I8O
>>89
完全なる間違いです。すいません

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:14:14.21 ID:85Pu6co80
乙。どこかまとめてくれる人いないだろうか…

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:14:23.25 ID:vHpHnGt8O
どうも主人公がドクオの奴は好きでたまらん

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:14:34.13 ID:lqMuescCO
乙です。
ドクオ…ガンバレ!
面白かったです。

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:14:59.87 ID:XrIxu4Bj0
乙〜

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:15:42.24 ID:vHpHnGt8O
乙 オムライスに申請してみる

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:15:47.78 ID:qBDgBJIB0


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:16:34.44 ID:1wHGQTSx0
>>90
分かりました、ありがとう

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:18:03.89 ID:pi5Ea4230
>>25の太陽が東に落ちたってのは?


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:20:11.67 ID:zUOw04I8O
>>96
しまった!!!
それ書いてる時にバカボンの歌が脳ないに流れていて……



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:24:05.26 ID:T2AMZqZs0
オムライスです。まとめさせて下さい。

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:27:23.51 ID:zUOw04I8O
>>100
助かります。


読んでくれた人ありがとうございます。次からは誤字と脱字に更に気を付けます。




102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:28:54.14 ID:bJxMCDmY0
( ゚∀゚)o彡゜過去作品!過去作品!

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:29:24.42 ID:T2AMZqZs0
>>98 については修正しておきますか?

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:30:34.14 ID:zUOw04I8O
>>102
過去作品はありますがだいぶ作風が違いますよ?



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/11(土) 23:31:45.99 ID:zUOw04I8O
>>103
すいませんお願いします。

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