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( ^ω^)は綺麗な街に住んでいるようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:16:03.18 ID:bQkYlKah0
http://vip.main.jp/284-top.html



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:17:12.89 ID:eNe9Uo7DO
wktk

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:17:58.92 ID:RBnhx6ny0
>>1d。 まとめ、オムライスさんです。

投下遅れてごめんなさい
今日で第2章終了です

4 : ◆t5ow9etV52 :2007/08/16(木) 23:19:19.84 ID:RBnhx6ny0
第13話

(´・ω・`)「ふう。今日も13時からか……」

自室のベランダから空を見上げれば、空の青色と日差しが襲ってくる。
少し顔を顰めてから、今度はマンションの下を覗き込んでみた。

この2番館と4番館の間にある、
こじんまりとした小さな公園にはアンバランスな程の、沢山の子供達が遊んでいた。
遊具と言えば、砂場とブランコくらいしか無いのに、よくもこんなに集まっているものだ。

水鉄砲を撃つ少年、それに本気で怒りだす少年、笑いながらその水の弾を浴びる少年、
過去に戻りたい、公園で屈託なくはしゃぎたい、と思わせる程に遊ぶ子供達は輝いていた。
昔の夏を、思い出させる。

太陽の光が楠を、少年を、空飛ぶ水鉄砲の水を、何もかも照らしていた。
ツツジが色鮮やかに公園をぐるりと囲んでおり、そこを特別な領域と思わせる。
 照らされた者、物は全て眩しく、美しかった。

(´・ω・`)「はぁ……」

光に当たることが、こうも素晴らしいことだなんて。
今更ながら、そんな当たり前なことに気付かされる。


感傷的な気分だ。
こんな気持ちになるのは、やはり……カウントダウンの期日が迫っているからだろう。

5 : ◆t5ow9etV52 :2007/08/16(木) 23:20:18.67 ID:RBnhx6ny0
ちょっと酉が可笑しい
>>4修正します

6 : ◆t5ow9etV52 :2007/08/16(木) 23:20:59.60 ID:RBnhx6ny0


7 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:22:10.85 ID:RBnhx6ny0
第13話

(´・ω・`)「ふう。今日も13時からか……」

自室のベランダから空を見上げれば、空の青色と日差しが襲ってくる。
少し顔を顰めてから、今度はマンションの下を覗き込んでみた。

この2番館と4番館の間にある、
こじんまりとした小さな公園にはアンバランスな程の、沢山の子供達が遊んでいた。
遊具と言えば、砂場とブランコくらいしか無いのに、よくもこんなに集まっているものだ。

水鉄砲を撃つ少年、それに本気で怒りだす少年、笑いながらその水の弾を浴びる少年、
過去に戻りたい、公園で屈託なくはしゃぎたい、と思わせる程に遊ぶ子供達は輝いていた。
昔の夏を、思い出させる。

太陽の光が楠を、少年を、空飛ぶ水鉄砲の水を、何もかも照らしていた。
ツツジが色鮮やかに公園をぐるりと囲んでおり、そこを特別な領域と思わせる。
 照らされた者、物は全て眩しく、美しかった。

(´・ω・`)「はぁ……」

光に当たることが、こうも素晴らしいことだなんて。
今更ながら、そんな当たり前なことに気付かされる。


感傷的な気分だ。
こんな気持ちになるのは、やはり……カウントダウンの期日が迫っているからだろう。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:23:15.42 ID:bQkYlKah0
支援

9 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:23:29.42 ID:RBnhx6ny0
カウントダウン。CPは何のつもりでこの名を付けたのかは知らないが、
「何とかせねば」と焦る僕達を嘲るように、確かにその名の通り計画は時間を刻み、迫っていく。

どうすればいいんだ……?
もう、後4日だぞ………。

「ファイア」の日から今日まで授業も無ければ、ドクオは外出で連絡が取れなかった。
ジョルジュと連絡は取り合っているものの、具体的な計画は決まっていない。

ジョルジュの話によれば、カウントダウンの具体的な方法はまだ解明出来ていないらしい。
どうやって住民を地下へ押し込むか……。
CPは確かに銃火器を仕入れては居るらしいが、住民を虐殺する量ではないらしい。
それよりも、製薬会社の本社からの輸送のが遥かに多いそうだ。

更に、町長モララー・シティーポリスマン。
彼は役場には代理を立てており、いつもは自らの屋敷にて仕事を行っているようだ。
そんな人間にアポを取ろうと考えるのは、はっきり言って絶望的だ。

何か……何か、ないのだろうか?
あと、たったの4日だ…………。

(´・ω・`)「……。 ん? もう20分か」

気がつけば12時20分だ。急がねば。
女神像公園へは10分も掛からずに着くが、今日は違う。
ドクオを早めに、呼びつけていた。

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:23:37.71 ID:3dr3omMrO
支援

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:24:33.45 ID:qQ0aS4kSO
湯葉?

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:24:59.24 ID:qQ0aS4kSO
あ、違うか

13 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:25:08.55 ID:RBnhx6ny0
女神像公園。
町長自らがデザインに拘ったこの公園は、ヴィップでも特に"綺麗な"場所であった。

例の入り口付近には、人影が1つ。

(´・ω・`)「……ブーン。 ドクオは……」

(;^ω^)「まだだお……」

(´・ω・`)「そうか。 ま、あいつは遅刻魔だしな……」

そう言うと僕は植え込みの手すりに腰掛ける。
ブーンはやはり緊張というか、そわそわしていた。

何せあのドクオを呼び戻すのだ、しょうがない。
"CPを調べたくない"と言った人間を説得して、"CPに喧嘩売ろう"だなんて
交渉人でも骨を折るに違いない。

照りつく太陽のせいで段々汗が滲みだしてきた辺りで、
ようやくドクオは姿を現した。
時刻は12時35分。 やはり遅かった。


('A`)「……あ……」

(;^ω^)「……お…」

(´・ω・`)「(単語話せよ)」

14 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:26:17.83 ID:RBnhx6ny0
ブーンとドクオ、炎天下のこの中を2人はモジモジとしていた。
お互い話を切り出せずに困っている辺り、まるでベタな恋愛漫画を連想させる。

(;^ω^)「あ、あぁドクオ?」

(;'A`)「お、ぉおぅ?」

(´・ω・`)「(何だそりゃ)」

(;^ω^)「お……う、おは……ようだぉ」

(;'A`)「あ、ああ……もはよう……」

(´・ω・`)「おはよう(何じゃこりゃ)」

そう言うと再び凍り付いてしまった。今は5分でアイスも完全に溶けるのでは、と思う程暑いというのに。
時間もあまり無いので、さっさと助け舟を出すことにした。

(´・ω・`)「ドクオ。君の今の考えを聞かせて貰おう」

(;'A`)「え……?」

(´・ω・`)「つまりだ。 君は今でもCPを調べたくない、て気持ちか?」

(;'A`)「…………」

(;^ω^)「ドクオ、今僕らは……CPを止めるつもりなんだお!!」

(;'A`)「は、はァ!?」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:26:55.62 ID:3dr3omMrO
支援

16 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:27:41.70 ID:RBnhx6ny0
これは予想外、て顔をしていた。
明らかに狼狽えており、仕草は更に挙動不審となっていく。

(´・ω・`)「ま、要するに"カウントダウンを阻止する"てことなんだけれど……」

(;'A`)「そ、それは……本気か?」

( ^ω^)「うん。阻止しなきゃ、ヴィップは潰されるんだお!」

(;'A`)「はァ!? つ、潰され……るゥ!? な、何!?」

( ^ω^)「カウントダウンは……住民を抹消する計画だお……」

(;'A`)「なっ……!  ま、マジかよ……!?」

(´・ω・`)「本当だ」

僕のダメ押しの一言でドクオは完全に押し黙り、下を向いてしまう。
流石に、この街が終わるかもしれない という話には相当なショックを受けているようだ。


(;'A`)「…………」

その沈黙は長かった。
無理もない。まさか、知りたくも無かった真実がこうも邪悪で満ち溢れているだなんて。

時間は40分を超えた辺りとなった。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:28:53.68 ID:3dr3omMrO
支援

18 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:29:35.21 ID:RBnhx6ny0
ドクオは顔を上げた。
その表情では、真意を読み取れない。
何かを決断したようだが、賛同するのか断るのか……
そこまでは分からない。

('A`)「……お前達と別れてからさ、ずっと思ってたことがある」

( ^ω^)「…………」

(´・ω・`)「…………」

('A`)「……俺、これからどうなんだろ? とか、これからどうしよう。とか」

自分のことばっかだな、とドクオは力なく笑って見せた。
僕とブーンは話を聞くことに徹する。

('A`)「……でさ、そんなことになった原因……逃げてばっかだよなァ、て笑ってみたりよ」

('A`)「何から逃げてるのか、て言ったら……現実だな」

('A`)「CPが何やってるのか知りたくないから………てさ
    本当は、知らなきゃいけないことってのは、分かってたんだけどなぁ……」

( ^ω^)「…………ドクオ」

19 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:30:44.40 ID:RBnhx6ny0
('A`)「まるで通知表を怖くって中を覗けない、みたいなもんだよな。
    覗こうが覗くまいが……もう、成績は決定してるっつーのにさぁ……」

ここで一旦口を噤むと、僕とブーンへ眼差しを送る。
その眼差しは、希望に満ち溢れていた。

(*^ω^)「…………ドクオ!」

('A`)「……もう、サイコロは投げられてんだよな。
    後は、踏み出すだけ。 ……そんなことに、気付けなくって……俺」

ドクオは頭を下げた。

('A`)「……ごめん。 ごめん……ほんとー……ごめん……!」

それは懺悔だった。

( ^ω^)「…………ド」

(;^ω^)「ドド……ド……ドォ!」


(;^ω^)「そ……それじゃ……ドドドォ……!」

( ;ω;)「ドクオォ―――!!!」

('A`)「ブーン!!!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:31:10.53 ID:3dr3omMrO
支援

21 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:31:42.54 ID:RBnhx6ny0
まさに抱き合うかと思うほどの熱気だ。
そして自分がまるで傍観者のような立場で居ることに、ほんのちょっぴり後悔する。

(;A;)「俺お前らと一緒じゃねえと寂しくて死んじまうよォーッ!!!」

( ;ω;)「ばかやろォー!! 同意だおー!!」

(´・ω・`)「は、はは……ははは」

笑いが込み上げてくる。 何故だろう、止まらない。
でも分かる。  
 これは、喜びの笑いだ。

(;A;)「結局、俺が強くなればよかったんだよな」

(´・ω・`)「そーの通りだ」

僕は腰掛けるのを止め、地面に足を置く。

(´・ω・`)「もう、現実から逃げるなんてしないこったね。
       それと……よっぽど興奮してたのか? なんか話がごっちゃだったよ」

(;A;)「へへ! 言いてぇことが山ほどあってな! じゃ、まず宣言するっぜ」

( ^ω^)「おぉー」

ブーンが涙を拭ったように、同じくドクオもその動作を行う。

('A`)「まず! 俺はCPなんぞに頼る気は無くなった! 大っ嫌いだぜ!!」

22 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:32:39.41 ID:RBnhx6ny0
(´・ω・`)「なんかあったのかい?」

('A`)「ん。 まーな……。へへ、旅に出たり、……色々な」

更にドクオは立て続けに宣言する。

('A`)「俺はお前らと一緒にいねえと死んじまう!」

( ^ω^)「さすがに二度目のそれはキモいお」

(´・ω・`)「同意」

('A`)「水差すな差すな。 だーまれって」

空気が完全に弛緩し、昔のような活気が3人の間に満ち溢れている。

('A`)「それだけじゃねえ。 俺は……俺も。
    カ ウ ン ト ダ ウ ン を 止 め て み せ る ! ! 」

( ^ω^)「おっおっおっおっお!」

(´・ω・`)「……は、は、は……!」

は、は、は……。
良かった。良かった。。。
今ここで、僕達は進んだんだ。

23 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:33:36.65 ID:RBnhx6ny0
積もる話でもしたいところだが、直にバンが来る。
あのCPの輸送用バンが………。

(´・ω・`)「あぁ〜噂をすれば……」

( ^ω^)「お?」

('A`)「例の白バン……だろ」

ドクオの言うとおり、白バンが視界に現れる。
やがて、いつも通りに僕達の目の前で停まった。

('A`)「ブーン! 例のアレ、やろうぜ!!」

( ^ω^)「YEAAAH!!」

( ^ω^)b ピシ d('A` )

( ^ω^)b ガシ d('A` )

( ^ω^)b グッ d('A` )

( ^ω^)b グッ d('A` )

(´・ω・`)「バンが来てるってのに、くだらんことやっとらんで行くぞ!!」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:33:48.43 ID:3dr3omMrO
ドドドドドドドドドドドドドドドド支援

25 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:34:46.84 ID:RBnhx6ny0
いつもと同じようにバンへ乗り込み、
渡されるアイマスクを装着し、腰掛ける。

もう慣れてしまっている。
発車するバン。

移動するその感覚で、地下への入り口を特定出来そうな程に。慣れてる。


大体20分から30分ほど、走っている。
でも、それぞれコースや時間が違うので、入り口を特定出来ないように
回り道をしたり、工夫しているのだろう。


そして、あのバルコニーエリアに停車すれば、すぐに授業が始まる。。。


・・・  ・・・・





26 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:36:42.60 ID:RBnhx6ny0
・・・ ・・・・

資料室で、今は勉強をしている。
フーはいつもと同じメンバーのスペシャル4人に教鞭を執っていた。

( ^ω^)「…………」

ミ,,゚Д゚彡「比速度Nrは回転速度Nsに、有効落差Hの5/4乗分のランナノズル1個当たりの……」

(;^ω^)「…………?」

ミ,,゚Д゚彡「……よってペルトン水車は少なく、対しカプランは……」

(;^ω^)「(わ、分からんお………)」

フーが何を言っているのかまるで理解出来ない。
とりあえず、教科書とその言葉を照らし合わせるも、やはりよく分からない。
何を書くのか、
どうすればいいのか分からなくなり、段々と混乱していく。

(;^ω^)「(あぅあぅあぅあぅあぅ………)」

ど、どうしよう……。

ドクオ達はちゃんと理解しているのだろうか、と覗き込みたくなる。
が、他人の勉強を邪魔する……と言われているため、それは禁則事項であった。
しかし、見たい……でも……。と、
そわそわした、挙動不審な動きはフーの目を留まらせたようだった。

ミ,,゚Д゚彡「おい、ブーン」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:37:38.11 ID:3dr3omMrO
ピシガシグッグッwwwwwww

28 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:38:37.50 ID:RBnhx6ny0
突然、フーがドスの利いた声を放つ。
地の底からの唸りのようなその低音の声は、僕を震え上がらせるには充分過ぎる程であった。
思わず立ち上がる。

(;^ω^)「は、はい!」

ミ,,゚Д゚彡「何だァ……? お前……」

その視線が僕の目と合う。
上目遣いの、眉に皺を蓄えた、何とも恐ろしい視線だった。
合った瞬間、思わず息を呑んでしまった。
肩がすくみ上がり、頭が真っ白になってしまう程だ。

(;^ω^)「え、えと……その……」

ミ,,゚Д゚彡「何だよ……お前は、さぁ。  授業が気に入らねぇってか?」


(;^ω^)「あ……あぅ、あ、いえ……」

ただでさえ静まり返ってるこの部屋が、更なる静寂に包まれた。
ペンを走らせる音はおろか、息遣いすら聞こえはしない。
しかし僕は、自分の鼓動と息遣い。 そしてフーの言葉のせいで
静寂などどうでもよくなっていた。


ミ,,゚Д゚彡「なぁ…… おい…… なぁ……?」

完璧な脅しだ。
絶対に逆らってはならない、というCPの意思を代弁してるかのようだった。

29 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:40:04.37 ID:RBnhx6ny0
ミ,,゚Д゚彡「フザけるんも大概にしろや……こら」

(;^ω^)「は……あぅ……は、はい……!」


もう僕は居た堪れなくなり、頭を下げた。
フーの姿をこれ以上見たくは無かった。


(;^ω^)「す、すいませんでした……」

頭を下げたまま謝罪した。
もう、早くこの場を収めたかった。


しかし、フーからの言葉はない。
2分、3分……5分頃経って、やっと発した言葉は「クズが」であった。
僕はその言葉を頭を下げたまま受け取り、
無言で着席した。

その後は、何事も無かったかのように授業が再開された。
勿論、僕はその内容が分からなかったので、フーの言葉など
そっちのけで、教科書の内容をひたすらノートに書き写すことに専念した。

落ち着いてからは、怒りが込み上げてきた。
挙動不審な行動をした理由、「授業が理解出来ない」を口に出せなかった
自分への怒りもあるが、大部分はフーとCPへの怒りだった。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:40:16.92 ID:9yEXp+LP0
しえーん

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:40:46.86 ID:3dr3omMrO
支援

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:41:09.68 ID:hMKGxmSvO
草加ktkr支援

33 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:41:12.62 ID:RBnhx6ny0
ほぼ強制的にこの授業を受けさせている上に、
授業が分からなければカス扱い。

ジョルジュはそれが原因で雑用まで格下げされてしまったらしい。

無理矢理手に入れて、必要でないと思ったら捨てる。
まるで人間を道具のように考えているようであった。

(#^ω^)「(僕たちを道具のように使うなお!)」


ノートに文を書きなぐる。
幸いなことに、フーは僕がヤケになっていることに気付いておらず
いつも通りの口調で授業を進め、休憩時間を迎えた。

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:42:08.22 ID:3dr3omMrO
支援

35 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:43:00.72 ID:RBnhx6ny0
チャイム代わりの、振り子時計の"ボォーン ボォーン"という音が鳴り響く。
休憩時間となった途端、思わず溜息が漏れる。
肺の中にあった悪しき空気を余す事なく吐き出した。

すると、扉が開きスーツ姿の男が部屋の中に入ってきた。
どこかで見たことのある顔だな、と思いつつも
少し観察してみることにした。

( ´ー`)「フーさん。それではそろそろ…………」

ミ,,゚Д゚彡「うむ、そろそろ配置の締めか」

軽く咳をした後、フーは振り向きもせずさっさと部屋を出る。
挨拶をする気にもならず、ふて腐れたような目で僕はその後ろ姿を追っていた。

( ^ω^)「(なーにがナンバー2だお……ただの傲慢チキだお!)」

視線の意味は違うものの、同じくフーの後ろ姿を目で追っていた
スーツ姿の男は、次に僕達の方へ向かう。

( ´ー`)「今日の後半の授業は私が持つ。フーさんは仕事があるのでな」

それだけ言うと、男は手近にあった椅子に腰掛けて手にしてたレザーの書類鞄から
文庫本を取り出し、読み耽る。 休憩時間はそれで過ごすつもりのようだ。
題名はちらちらとしか見えないが、どうやら「ノルウェイの森」というらしい。
フーに怒られたショックが抜けきれておらず、
ぼおっとしていたが、 突然渡辺さんに声を掛けられた。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:44:31.63 ID:3dr3omMrO
支援

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:45:00.89 ID:4dLu9hK80
ば、バイオ?

38 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:46:12.46 ID:RBnhx6ny0
从'ー'从「大丈夫?」

( ^ω^)「え? あ、……ぁあうん。大丈夫だお」

テンションは低い。何とかして上げたいが、脱力感が漂ってしまう。

从'ー'从「あんま気にしない方がいいよ〜。授業、難しいもんね」

( ^ω^)「うん……全然分かんなかったお……」

从'ー'从「あ、じゃあノート見したげるよ」

そう言うとノートを僕に手渡した。
中をパラパラと捲ると、色つきの蛍光ペンを数多く使いつつも
要点はしっかりとまとめられていた。 更にその字の綺麗さと言ったら……
僕は思わず唖然としてしまう。

( ^ω^)「凄いお…………」

(´・ω・`)「あ、渡辺さん。僕にも貸してくれるかい? 水車効率についての理解を深めたくって……」

('A`)「ん? ショボンお前さっき、今日の水車関係は完璧って……」

从'ー'从「いいよ〜」

(´・ω・`)「いやぁ、ありがとう渡辺さん。   ………おいドクオ、ぶち殺すぞ」

('A`)「 ? ? ? 」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:47:01.09 ID:zBX3Edoo0
支援。どっくん相変わらずww

40 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:47:32.46 ID:RBnhx6ny0
僕は2人のその掛け合いを見て、思わず笑ってしまった。

そして、ゆっくり自分に活気が戻っていくのを感じ取った。

(´・ω・`)「ほぅ……。ま、ブーン 怒られても気にしちゃいかんよ。 身がもたないよ」

('A`)「慣れろ。 怒られても、右から左へ受け流すのだ。 よいか?」

( ^ω^)「慣れる程怒られたくねーおwwwwwww」

从'ー'从「ふふふ……」

僕は完全に元気を取り戻し、ドクオ、ショボン、渡辺さんと談笑した。
ドクオが完全に空気を読めなくて、でもそれがまた面白くて…………
気がつけば休憩時間は終わり、スーツ姿の男が本をしまい、立ち上がる。


( ´ー`)「それじゃ、講義始めるぞ。 経済だったな、教科書出せ」

・・・ ・・・・

フーのような分かり易さは無いものの、補足を重点的に教えてくれる辺り、
多少の人間らしさを感じ取った。

また、経済は今は簡単な内容であったので、授業は苦にならずに
進めることが出来た。

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:48:24.45 ID:3dr3omMrO
支援

42 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:49:08.92 ID:RBnhx6ny0
・・・ ・・・・

振り子時計が鐘を鳴らす。男は授業を終了させる。

( ´ー`)「それじゃ、講義終わるぞ。 これで今日は終了だったな、教科書しまえ」

('A`)「まるでテンプレだな……」

ドクオが授業終了したにも関わらず、変なぼやきをしたのが気になったが
気にせず自分のファイルを棚にしまう。
4人全員がしまい終えると、男は口を開いた。

( ´ー`)「それじゃ、いつも通り外のバンへ乗れ」

それだけ言うと、男はそそくさと部屋を出て行く。
あの様子だとトイレだろうか、まぁどうでもいいや……。

(´・ω・`)「書類鞄を残して……ね」

( ^ω^)「え?」

(´・ω・`)「ここからトイレは確か、第八通路の方を歩いて5分じゃなかったかな」

('A`)「お前……まさか……!」

从'ー'从「ショボン……君?」

('A`)「せっかく帰れるってのにトイレ行くつもりか……! 30分くらい我慢しろよ!」

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:50:09.49 ID:3dr3omMrO
ムーディwww
支援

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:51:27.42 ID:bQkYlKah0
sien

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:51:48.69 ID:3dr3omMrO
ドクオ空気嫁wwwwww

46 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:51:54.43 ID:RBnhx6ny0
ドクオが"空気読めない"を通り越して、何か勘違いをしていたが、気にせず話を進めた。
しかしショボンは放っておけないようで、「ぶち殺すぞ」視線をドクオへ送り続けていた。

(;^ω^)「まさか……ショボン」

(´・ω・`)「もたもたしてると運転手が来るかもしれない! 急げ、その鞄はロック式ではない!」

1番、鞄に近い僕がそれを取る役目だと気付いたので、
僕は椅子に立て掛けてあるレザーの書類鞄をさっと引っ手繰るとロックを外し、中を覗き込んだ。
中にはクリアファイル、文庫本、スチールのペンケースと小物入れが入っていた。
僕は躊躇わずクリアファイルを取り出す。
しかし思わず、透明な表紙に写り込んだ書類の題名に魅入られてしまった。

【化学薬品・追加発注特別報告書】


(;^ω^)「薬品……?   え!!!?」

反射的に振り向く。
突然、ガチャという扉を閉める音が部屋内に響き渡ったからだ。
戻ってきたか、とゾっとしながら見ると、それはドクオだった。
何処までも空気読めない奴だな、と心の中で罵倒したが、
大方ショボンが閉めろ、と指示を出したのだろう。すまんドクオ。

(´・ω・`)「どれどれ……」

ショボンが近づき、同じく薬品の発注書をまじまじと眺める。
しかし、すぐさま顔を顰めてしまう。
確かに、ここに書いてある薬品の名が専門用語のせいか理解出来ない。
ショボンにもそれは分からないようであった。

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 23:53:41.25 ID:3dr3omMrO
支援

48 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:55:37.27 ID:RBnhx6ny0
あ、ロック式でないと言ったのにロックを開けるて言っちまった。

>>46
僕は椅子に立て掛けてあるレザーの書類鞄をさっと引っ手繰るとロックを外し〜は
ロック→留め具に変更お願いします。

49 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:57:41.81 ID:RBnhx6ny0
从'ー'从「このPMIてのは何なのかな? 凄い量だけど……」

(;^ω^)「え!? うぃおぉぉおぉ……」

渡辺さんも覗き込んでいた。
あまりに至近距離過ぎて、ふんわりとした髪の毛が目と鼻の先だったのかもしれないが、
とにかく恥ずかしいやら、ビックリやらで思わず後ずさりしてしまい、
本棚と背中が激突してしまう。革表紙の高級感ある辞書と直撃したようで、痛い。

从'ー'从「だ、大丈夫?」

(;^ω^)「う、あ……大丈夫だお」

突然間近に迫られたせいか、異性として急激に意識してしまい、しどろもどろになる。
小振りの鼻につぶらな瞳は幼さを感じさせ、罪悪感すら湧いてしまいそうだ。

(´・ω・`)「…………」

ショボンは無言で僕の方を見ていたが、やがては視線をファイルに落とした。
用紙をファイルから取り出し、パラパラと流しながらも、真剣に見ている。
さて僕はどうしようか、迷っている所にドクオの声が部屋中に響いた。

('A`)「おいッ! 足音が聞こえるぞ!!」

その声に反応し、ささっと姿勢を直した。
ショボンも手際よくクリアファイルに書類をしまい、それを鞄に入れ留め具を掛けた。
渡辺さんも本棚の近くに寄り、いかにも「本を選んでる」という空気を作り出していた。

50 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/16(木) 23:59:42.69 ID:RBnhx6ny0
ガチャ――……。

(;^ω^)「………!」

扉を開いたのは、いつものバンの運転手だった。

(=゚ω゚)「おめーら……何してんだぃよう? さっさとバンに乗れや」

いつも通りのガラの悪さを発揮させると、さっさと運転手は車へ戻った。
僕達も習い、おとなしく資料室を後にする。

扉を閉める直前、僕はもう一度資料室を眺めた。
天井と足場以外はほとんど本棚で埋め尽くされている、この部屋。
裏側にあるため、ここからは見えないが
勉強スペース近くの椅子に男の鞄が立て掛けてあるはずだ。


もう少し……あと少しで、何かを掴めたかもしれないのに…………。

そんな未練を残しつつも、僕は資料室の電源を消し扉を閉めて、
バンへ小走りで向かった。

・・・ ・・・・

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:00:40.58 ID:CVUorAeJ0
支援

52 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:01:40.82 ID:owcfrzT20
帰り道の最中、アイマスクをしつつ、僕は考えに耽っていた。
というよりは、それ以外やることが無かった。

やはり、あの化学薬品群はカウントダウンと関係があるのだろうか。
しかし……もし関係があるのなら、少し奇妙な違和感がある。
あの薬品群の発注書には、「病院への考慮も含め〜」等々書かれてあった。
医療で使うのか? よく分からない。

ショボンだ、
パラパラと書類を眺めたショボンに聞こう。
帰りに、バーボンハウスでも行って…………。
久しぶりにドクオも居るんだし、たっぷりと話す時間が欲しかった。

あぁ……それと、渡辺さんとの誤解? も解かないといけないな…………。


バンが女神像公園に着くまで、僕はショボンへの言葉を考えていた。

・・・ ・・・・・

53 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:03:20.58 ID:owcfrzT20
(=゚ω゚)「さっさと降りろ」

運転手に促され、僕たち3人はバンから降りた。
渡辺さんは別の所で降ろすので、ここでお別れだ。

アイマスクをしながらも、渡辺さんは僕たちに向かって手を振っていた。

(;^ω^)「…………」

何だか物凄く甘酸っぱい気持ちになりながらも、
見えないはずの渡辺さんへ向かって、僕も手を振った。

やがて扉は閉まり、無感情にバンは夕日の差すオレンジ色の道路を走っていった―――

(´・ω・`)「羨ましいものだね」

('A`)「かえろーぜ」

(;^ω^)「あ、いやちょっと待つおドクオ。ショボン、資料内容について詳しく教えて欲しいお」

(´・ω・`)「ん、ああ……」

やけに気乗りしていない様子だった。
渡辺さんの件を引きずっているのだろうか。

( ^ω^)「僕に渡辺さんが手を振るわけねーおw」

(´・ω・`)「そうかな」

ぶっきらぼうに聞こえたが、多少語尾が軽くなったような気がした。

54 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:05:30.51 ID:owcfrzT20
(´・ω・`)「まあ、パラパラ読んだ限りじゃ、あの男は平社員ってことが分かったくらいかな」

('A`)「情報そんだけかよ」

(´・ω・`)「……うん。労働者の食料の発注とか、お酒とか……発注専門なんかな」

(;^ω^)「のーん」

カウントダウンに関係する資料は何一つ無かったのか……。
そういえば、幹部以上にしか全貌は知らされていない、て話だけど
期日の迫った今ではもう、一般構成員にもう教えているのだろうか。

(´・ω・`)「よく分かんない表記とかが気になったくらいかな、メスとか」

('A`)「労働者にメスって……雌じゃねえの、性欲とか」

( ^ω^)「メス? 手術用の……かお? まぁ、ジョルジュに聞けば分かることだお」

僕は何気なくケータイを取り出し、電源を入れてからメール問い合わせを行ってみる。
授業中は切らなくてはならないので、地上へ帰還する際のクセとなっていた。
バルコニーエリアを除く全ての地下は圏外らしいが、あまり関係の無い話だ。

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:06:11.11 ID:mQNiQXdHO
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56 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:06:18.85 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「……お?」

メールが一件、着ていた。
開いてみる。 
その送り主はジョルジュだった。



from ジョルジュ
sub 計画

カウントダウンを止める計画を思いついた
というより、これ以外に手が無いんだ。

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:08:13.37 ID:mQNiQXdHO
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58 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:08:13.91 ID:owcfrzT20
(;^ω^)「つ、ついに……これは……!」

僕の驚愕を見たショボンは、僕のケータイを手に取り画面を覗き込む。
そして、フゥと溜息をつくと今度はドクオへ手渡した。

(´・ω・`)「とうとう……か……」

(;'A`)「………やってやんよ」

夕日の差す中、僕たちは静かに 訪れる現実を受け止めようとする。
伸びた3つの影が、オレンジ色に染まる道路に突き刺さっていた。


とうとう、カウントダウンを止める計画の基盤が。生まれた。

ドクオからケータイを返して貰うと、急いでジョルジュに返信した。
内容は「kwsk。具体的に あと、ドクオ参加ktkr!」だった。
送り届けたのを確認すると、フリッパを閉じてズボンのポケットにしまい込んだ。
そして、「うーん」と背伸びをして、2人に笑いかける。

( ^ω^)「がんばるお!!」

(´・ω・`)「うん」

(;'A`)「お、おうとも!」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:09:12.13 ID:mQNiQXdHO
支援

60 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:09:41.03 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「なんかショボン元気無いお」

(´・ω・`)「そんなことないよ」

('A`)「渡辺がブーンのことを好きになる わ け が な いwwww」

突然、ドクオが意外なことを言う。
あれ? お前ショボンが渡辺さんのことを好きなのを気付いていたのか?
僕たちと離れ、1人で過ごしているうちに、人の恋心に気付く能力を手に入れたのだろうか。
まあいいや。
一見空気を読めていないように聞こえるこのドクオの発言は
今に限ってのみ、この上なく空気を読んでいたと言える。

(´・ω・`)「そうだな」

変に嬉しそうな声色だった。
ポーカーフェイスと相まって、それはアンバランスに聞こえた。

(;^ω^)「そ、そうだお! 決まってるお!!」

少し気に食わない部分もあるが、スルーして賛同した。

('A`)「さー帰ろーぜ、暑くってしょうがねーよ」

確かに僕も早く家に帰って冷たい麦茶でも喉に流し込みたい。
そう考えていると、3人でまったり寛ぎたいという気持ちが失せていくのが分かった。
たっぷり何か話したいという願望は僅かに残っているものの、
「また今度」で済ませたくなっていった。

(´・ω・`)「うーん、ここから見るヒルズは圧巻の一言だな」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:10:00.52 ID:mQNiQXdHO
支援

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:10:05.04 ID:DCYgUIKj0
支援

63 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:12:41.68 ID:owcfrzT20
ショボンは夕日色に染まるヒルズを眺め呟いた。
確かに、ここヴィップで最も高い建物が優雅に聳え立つこの光景は素晴らしかった。
15階建ての1〜4番館は四方に配置しており、巨大な柱が十字に裂けたような印象を与える。

更に、この"裂けた柱"はちょうどヴィップの中央に位置しており、
ここにも街の景観に拘る町長の意思を感じさせた。
しかし、ヒルズの屋上から眺めることの出来るヴィップの景色は
絶景であるため、その部分については感謝しなくてはならない。

ちなみにドクオの住んでいる5番館と6番館は後に増設されたものであり、
全5階建てと、高さが違う。
そのせいかそこに住んでいる人達は1〜4番館に住んでいる人達が羨ましいそうだ。
ただ、ドクオにとっては景観などどうでもいいらしく、そんな愚痴を聞いたことは無かった。

帰り道を3人で歩きながら、ヒルズについて考える。
周りを山々で囲まれたベッドタウン"ヴィップ"の象徴的な建物について。

(´・ω・`)「なあブーン」

( ^ω^)「お、おぉ!?」

突然賛同を求めるかのような言葉を送られ、当惑した。

(´・ω・`)「君はツンを守るためにこの街を守る、て気持ちもあるんだろう?」

(;^ω^)「あ、……うん……まぁ……」

はっきり返答するのが恥ずかしかったので、曖昧に返した。

64 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:14:51.08 ID:owcfrzT20
改めて反芻すると、おそらくツンのことも頭にあったと思う。
ただ、ツンに対する罪悪感のせいか それが考えの表に出ることは無かった。
「カウントダウンを止める」計画に参加した際の不思議な高揚感は
これの反動だったのかもしれない。

('A`)「愛する人のため、戦場に赴くって奴か〜? ケっ! くだんねー」

(´・ω・`)「お前に分かるはずがない」

途中まで話を聞いていなかったので、内容は完全に把握出来ていないが
おそらく「恋という感情について」とか、そんなのだろう。
この3人組で恋愛とか、そんな話題が出るのは珍しいため、すこし意外だった。
僕は2人の話を聞きながら歩いた。
ドクオは終始恋愛について馬鹿にしたような態度を取っていた。

・・・ ・・・・

( ^ω^)「ただいまだお〜」

帰宅。玄関を開けて中に入った。台所から「おかえり」というかーちゃんの声が聞こえた。
靴を脱ぐとすぐさま冷蔵庫に直行し、麦茶を取り出し
コップに注いでから、一気に飲む。

( ^ω^)「かあ〜〜〜〜!!!」

頭に響く程の心地良さだった。
もう一杯飲もうと再びコップに注いでいるとき、ケータイがメールを受信した。
ジョルジュだろうか、と期待し確認する。 やはり、ジョルジュだった。

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:15:21.79 ID:F4+9SLMXO
誤爆(・∀・)ニヤニヤ

66 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:16:26.19 ID:owcfrzT20
from ジョルジュ
sub 把握

カウントダウンを止める計画、まず29日の昼頃に
中央集会所の近くで集合だ
その日だけ、その日だけ地下内の警備が薄くなる
そこからホール・ロビーの奥にある黒いエレベーターに乗り込み、
町長の屋敷に侵入する
そこで町長を脅すか、拉致するか こんな感じだ

とにかく、こんな大雑把かつ時間の迫った計画だが
これ以外の手は俺達には存在しないんだ
この計画に賭けてくれ

ホール・ロビーへは資料室の向かいの扉の奥から行けるんだが
詳しい行き方については当日に話す
2人にも回しといてくれ
ドクオによろしくな。

(;^ω^)「…………!」

やはり、成功確率の低そうな計画だった。
この計画は昼頃から開始されるが、
もたもたしていると夜中となり、"カウントダウン"が開始される……!
しかし、これ以外に手は存在しそうに無いのも事実。
僕は今の時点で沸き起こる焦りを必死で抑え、2人にメールを転送した。

67 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:18:41.37 ID:owcfrzT20
ミ,,゚Д゚彡「うむ……やはりそうか。 よし、引き続き奴を追え」

渉外室。フーは自分のデスクに座っている。
フーは一旦電話を切ると、再び今度は別の所へ掛ける。
3、4度コール音が鳴り響いた辺りで、電話先の人間が取り次いだ。

(  )「……フーか」

ミ,,゚Д゚彡「はい。フーです。シティーポリスマン様、確保完全に完了致しました。
      後は調整と設置のみです。カウントダウンはもうすぐでございます」

電話先の男は抑えた笑い声を出す。

(  )「クックックッ……カウントダウン……か……」

ミ,,゚Д゚彡「……申し訳御座いません……正式名称は"カウントアップ12"でしたね」

(  )「いやいや……中々洒落た俗名だと私は思うよ……。
    カウントアップの期日が迫っていることから、誰かが言い出したのだろう」

ミ,,゚Д゚彡「仰る通りで御座います」

(  )「……面白いな、人間味を感じずには居られんな、のう?」

ミ,,゚Д゚彡「はい、感じずには居られません」

CPナンバー2であるフーが敬語を使う相手、
その男は上機嫌であったがやがて、口調が真面目な物へ変わっていった。

68 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:20:55.99 ID:owcfrzT20
(  )「写真は? 抜かりは無いな?」

ミ,,゚Д゚彡「はい。抜かりなどございません。 余すこと無く、
      このヴィップの風景を撮らさせました」

(  )「うむ……では、ゴミも、何もかも一つ残らず掃除、補強したな?」

ミ,,゚Д゚彡「勿論でございます」

(  )「この街は美しく……綺麗でなくては為らぬ。私のために」

ミ,,゚Д゚彡「その通りでございます。 この街とCPは、貴方様の思うがままに……」

(  )「分かった。カウントアップ……いや、ダウンを楽しみにしておるぞ、ではな」

男が電話を切り、そこで会話は終了した。

フーはデスクの引き出しから赤色の缶を取り出し、
更に中から煙草を取り出すと、それを口に咥え火を点ける。
その煙草特有の独特の匂いが部屋に充満される。
煙草から発せられる「パチパチ」という火花の音、それとフーの煙を吐き出す声が部屋を支配する。
今、渉外室は完全にフーという男の所有物と為っていた。

ミ,,゚Д゚彡「…………」

やがてその煙草、ガラムスーリアを吸い終えると灰皿に吸殻を捨て天井を見上げた。
カウントダウンという計画の残虐さを、咀嚼するように味わった。(第13話終)

69 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:23:01.19 ID:owcfrzT20
以上で13話を終えます。
レビュースレに誤爆してすみませんでした。でも朗読は止めて欲しかったです。

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:24:04.94 ID:DCYgUIKj0


71 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:24:13.18 ID:owcfrzT20
ちょっと顔洗ってきてから14話投下します。
この14話で第2章終了です。

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:26:13.45 ID:cI9e05dW0


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:28:28.41 ID:5MLNyypUO


>煙草から発せられる「パチパチ」という火花の音
>その煙草、ガラムスーリアを吸い終え

芸が細けぇぇぇぇぇぇぇぇェェッ!
確かにパチパチ弾けるような音はガラムの特徴だなw

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:32:05.10 ID:mQNiQXdHO

作者はジョジョ3部が好きなのか?

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:32:36.57 ID:Dg6zMNx10


76 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:33:43.91 ID:owcfrzT20
皆さんどうもです、今から投下します。
>>73
びっくりしましたw
>>74
一番は5部ですが、好きです

77 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:35:04.14 ID:owcfrzT20
第14話

( ^ω^)「う〜ん」

今日は不思議なことに、朝の4時半に起床した。
二度寝しようか、とだらけた考えをしていると、唐突にオレンジジュースが飲みたくなってきた。
朝は喉が渇く。30%程の濃度のオレンジジュースが欲しい。

それを喉に流し込むのを想像しただけで、居ても立っても居られなくなってしまい、
気がつけば財布片手に玄関を後にしていた。
寝巻きのままだったがパジャマではなくTシャツと短パン姿だったので、特に気にすることはなかった。

・・・ ・・・・

エレベーターのを経由して、1階エントランスに辿り着く。
暖色のライトが大理石の床を照らしている。
4時45分現在はどうやら"深夜"の扱いらしい。

自動ドアを潜り、外に出れば空を仰いで見る。
薄い黒に青が混じった、どこか硬さを感じさせる紫の色をしていた。
東へ向かうにつれ、それは薄くなり、白になり、やがて赤になっていく。
一日の変化の到来を予感させるかのような空だった。

( ^ω^)「コンビニにでも行くかお」

しかし、すぐ近くにあるコンビニよりも、少し離れた場所にある方へ行こう。
夜で適度に空気は冷やされて、歩くのが気持ちいい。
散歩をしたい、と思ったのは久々だった。

78 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:36:40.74 ID:owcfrzT20
道の脇には、きっちりと綺麗に刈り込まれた植え込み。
歩いて気付いたのだが、道路にはゴミはおろか落ち葉の一つも見当たらない。
雑草すら、抜き取られている。道路の白線も塗り直されていた。



まるで巨大なジオラマの中を歩き回っているかのような感覚だ。

そんな気分に陥るのは、この街を歩いているのもあるが、
今日が8月29日……

カウントダウンの決行日であり、
それを止める計画の決行日でもあるからだろう。


今日の深夜に始まるカウントダウンを塞き止める。
それが僕たちの、行わねばならないことだ。

79 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:38:27.19 ID:owcfrzT20
居心地の悪さを感じつつも、僕は歩みを止めることは無い。
しかし、"止める"計画が自分のすぐ近くに迫っているという事実。

(;^ω^)「…………」

足に震えが走り、肩もヒクつく。 僕は怯えてしまっている。
しかし、やらねばならない!
 ヒクつく肩を奮い立たせて!
刀を振るうような気概が無ければならない!

カウントダウンという、おぞましい計画を思い出す。
そして、それを止めてみせるという
誇り……矜持……。僕にはそれを持つ"権利"がある。
腹は既に括った。今更怯えるなんて、馬鹿らしいことだ。 そう考える。

目を強く瞑り、両手に握り拳を作り上げる。
少し前屈みになり、精神統一に努めた。
そのまま叫びたい気分だったが今は早朝だ、近隣住宅に迷惑が掛かってしまうので、止めておく。

( ^ω^)「……よし!」

うん。
力強く頷き、目をカッと見開く。
肩を怒らせながら、
大道狭しと闊歩する。

恐れる必要なんか無い。
僕はそれを止めるのだから、 仲間達と。

80 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:41:11.26 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「お?」

横目に「ガーデンスクエアVIP」という表札の入った垣が映った。
ここは、確か…… ヴィップでも特に家柄の良い人達が住む、優良住宅地だ。

( ^ω^)「…………」

入ってみたくなった。 いくら高級であっても、
ここはあくまで住宅地。入っていけないことは無いだろう。

「ガーデンスクエア」という名に相応しい、ロマネスク建築を思わせる入り口を潜り、
中に侵入してみる。

レンガを組み込んで作ってある地面、穹窿形の屋根の下にある洗礼されたデザインの水場があり、
それを取り囲むかのように可愛らしいベンチが置かれている。
家も、まるで童話に出てきそうな雰囲気の物が多く、正直住み心地が悪そうである。
その配置は噴水を中心にぐるりと取り囲むような形で、
家と家の間には、仕切りとして小洒落た壁があった。
その壁には小窓ほどの穴が開いていて、半球状の花瓶が置かれている。
それぞれの花瓶には鮮やかな花が在り、またも「ガーデンスクエア」の名に相応しい、と思わせた。

すると居心地の悪さを覚えたので、僕はそこから立ち去った。
高貴なこの地にこんな僕が足を踏み入れてしまった……という後悔ではない。
唐突にシティーポリスマン町長の思惑、欲望を感じ取ってしまったからだった。

……気持ち悪い。
この「ガーデンスクエアVIP」という美しい住宅街を見ていると、ふいにそんな感想が沸き起こり、
やがては蓮コラを見てしまったかのような、ぞわぞわした感覚に陥ってしまった。

81 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:43:37.02 ID:owcfrzT20
この街……ヴィップは、確かに"綺麗な街"だ。 それは否定のしようもない。
しかし、あまりにも"綺麗過ぎ"る。 街の息遣いが聞こえて来ないのだ。
本当に、芸術作品のようだ。
ぐるりと山に囲まれたベッドタウン"ヴィップ"は、その空間内で生み出されたアートのようだ。

だから僕は……いつも、息苦しさを覚えていた。
その作品の中を、壊さない程度に動き回らねばならないという義務感が無意識に生まれていて……。
いや、それどころか"この作品の一部"として
僕は、動かされていたのかもしれない。

僕だけじゃない。ドクオもショボンもツンも……皆、この街の人間、皆は、CPの
作り出す"作品"の枠に嵌められているんだ。


狂っている。
"綺麗な街"はある1人の人間のエゴによって生み出された、美しくもおぞましい"作品"だった。
製作者の感情が、この"綺麗な街"に蠢いているのがよく分かる。
狂っている。


その人間は……作品をとうとう、完成させる。
今までの"綺麗な街"は、まだ単なる粘土細工。
これをその人間は、とうとう彫像仕上げして、完成させる。

それこそがカウントダウン。
これを僕達は止めてみせる。

82 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:45:23.65 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「……見てろお町長」

僕は目の前のガーデンスクエアへ宣戦布告する。

( ^ω^)「作品なんて……完成させないお。人間は、街は、芸術品じゃないんだお!」

啖呵を切ってみせた後、再び歩きだす。
そうそう、オレンジジュースが飲みたいんだった。
コンビニへ行かなくては――――

・・・ ・・・・

(-_-)「……158円になります……ちょうどお預かりします……ありがとうございました……」

やる気のないというか、もはや生きる気の無さそうな店員から
オレンジジュースを買い、コンビニを後にした。

( ^ω^)「空が明るいお……」

ヒルズへ戻る途中にも、空を見上げた。
東にあった赤色が、いつの間にか全ての空を染め上げようとしていた。
真珠のような白色も東から勢力を伸ばしており、柔らかな紫が西へと追い遣られて行く。
先程まではカラスが鳴いていたのだが、今や雀の鳴き声が音世界を支配している。

日は昇り始める。
昼を告げようと。
僕は眺め続けた。

今の時間は5時15分だろうか。 ヒルズ前の並木通りのことだった。

83 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:46:44.27 ID:owcfrzT20
ξ゚听)ξ「あ……!」

( ^ω^)「なっ……!」

エントランス前にて、ツンと鉢合わせした。
僕も驚いたが、ツンも相当驚いていた。
「何故この時間に……?」という疑問が、ツンにもあったのだろうか。

ξ゚听)ξ「あ……は、は……」

(;^ω^)「はは……」

何故か笑ってしまう。
大笑いというほどではないが、遠慮笑いでもない。 発作的な笑いだった。
僕はツンに罪悪感があるはずなんだけど、それでも笑ってしまう。

ξ゚听)ξ「げ、元気?」

(;^ω^)「あ、あぁ…ぅん。 ツンは?」

なんて遠慮した会話なんだろうか。

ξ゚听)ξ「う、うん……げんき」

(;^ω^)「それは、あの……よかったお」

ξ゚听)ξ「…………あ、うん」

84 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:48:02.96 ID:owcfrzT20
(;^ω^)「ええっと……ツンはなんでこんな時間に?」

ξ゚听)ξ「えっとね、最近バイト始めてね、今日研修なの」

格好を見ると、髪は地味な色のゴムで縛っており
飾りっ気の無いジーンズと無地のYシャツという質素なものだった。
なるほど、確かにバイトへ行くような出で立ちだ。


( ^ω^)「ほほぉ〜」

ξ゚听)ξ「そうなの」

そこで区切られてしまい、またもや沈黙が覆う。

( ^ω^)「ええっと……じゃぁ、早く行かないと……」

言葉を口にした後、後悔してしまう。
どことなく、嫌悪を含ませているかのように捉えられても可笑しくない言葉だったからだ。


ξ゚听)ξ「うん……」

どうしたのか、朝だから元気がないのか、覇気の無い様子だ。

85 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:49:20.57 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「あ、うん、どうかしたのかお……」

頷いたにも関わらず、ツンは動こうとしなかった。
まるで身体は凍りついたかのようで、ただ地面の一点を眺めていた。

どうかしたのか、どうかしたのか……

ξ゚听)ξ「うん……あの、その……変だけどさ……何ていうか」

たどたどしく、ぽつりぽつりと話しだす。

ξ゚听)ξ「いや、やっぱいいや……」

( ^ω^)「何だお?」

気になった。

ξ゚听)ξ「えっとさ……こんなこと言うの変だけど……」

ξ゚听)ξ「……ありがとう」

(;^ω^)「え!?」

ξ゚听)ξ「何だか最近ね……ブーンに感謝しなくっちゃぁってさ……」

86 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:50:12.76 ID:owcfrzT20
( ^ω^)「え……」

ξ;゚听)ξ「あ、いや本当にね! 何故かなんだけどさ……」

口調から推察するに、その"何故"を解明しきれていないようだ。
でも、何にしても、感謝されるというのは嬉しいことだった。

(*^ω^)「そ、そうかお……」

ξ゚听)ξ「でも、ウザいってのもあって……」

( ^ω^)「…………」

ξ゚听)ξ「ほんとに何だろう……」

それはこっちが聞きたいよ。
曖昧模糊な話の内容に、段々心配を覚えていった。
これからバイトらしいのに、動く気配は無い。


ξ゚听)ξ「あのね……」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「怖い……」

87 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:51:15.36 ID:owcfrzT20
その声色は今までのものとは違い、緊迫性を幾分か増していた。

( ^ω^)「な、何が……だお」

ξ゚听)ξ「こんなこと言うと……バカに聞こえるかもだけど……」

グっ……とツンは息を飲み込んでから、
とうとう僕に話す決心がついたように、語る。

ξ゚听)ξ「明日全てが終わってしまいそうで……」

(;^ω^)「お……!?」

ξ゚听)ξ「だって……だって…… 何か、空気が違うし、それに……」

虫の知らせという奴だろうか。

ξ゚听)ξ「段々とこの街に生きることに息苦しく……なっていってって……」

(;^ω^)「……!」

ツンも、息苦しさを覚えていたのか……。
そして、ツンのその虫の知らせは的確であった。 心底驚かされた。

この纏わりつくようなジメジメとした、狂気に塗れた空気をツンも感じ取っていたのだ。
息苦しさを感じながら、不安をこの"綺麗な街"に覚えながら……
とうとう、今日がカウントダウンの日ということすら、心のどこかで理解してしまっていた。

88 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:52:19.69 ID:owcfrzT20
そうか……そうか。
僕だけじゃないのか、この街に淀む悪を見出してしまったのは。

挙句、カウントダウンによりここの住民達は どうなってしまうのか。

明日には、この街はどうなってしまうのか。

"明日全てが終わってしまいそうで……"

ツンのこの言葉を、咀嚼するように反芻する。
僕がやらねば為らないこと……それは……

( ^ω^)「ツン……明日全てを終わりには……させないお」

ξ゚听)ξ「え?」

( ^ω^)「あいつらは確信してる。明日は全て自分らの思い通りだって……
       僕達は不安を覚えてる。明日どうなってしまうのだろうって……
       明日のことなんて、誰にも分かんないのに」

ツンに、男らしい所を見せたかった。

(;^ω^)「僕は……僕は明日なんて信じないお。終わるのか、生き残るかなんて……
       だけど……自分達は信じるんだお。だから……だから」

( ^ω^)「ツン、明日が終わりなんて信じないでお」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 00:54:35.82 ID:k9hEioAo0
かっこよすぐる・・・・
支援

90 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 00:55:03.47 ID:owcfrzT20
ξ゚听)ξ「……」

"あいつら"だとか、"生存"だとか思わず口走ってしまったが
ツンはそれを気にすることなく、僕の話に耳を傾けてくれた。

( ^ω^)「僕を信じてくれお」

ξ゚听)ξ「……うん。  でも……何をするつもりなの?」

( ^ω^)「それは……」

どうしようか、でも 今全てを言うわけにはいかない。

( ^ω^)「明日教えるお」

ξ゚听)ξ「……ふっふふ……ふ 分かった」

ツンは堪えきれず笑ってしまったが、大分緊張が解けたようだ。
良かった良かったと僕も笑顔を返すと
慌てたようなツンの顔が飛び込んできた。

ξ;゚听)ξ「い、いい加減バイト先行かないと!!」

(;^ω^)「い、今頃かお!」

ξ;゚听)ξ「い、一応余裕持って出てきたんだけど、やばいやばい!!」

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:00:31.86 ID:eY0OtiDv0
支援

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:00:51.92 ID:Sv39VP9OO
さるった

93 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:06:49.25 ID:owcfrzT20
(;^ω^)「じゃ、じゃあまた!」

ξ;゚听)ξ「う、うん……! それと、ちゃんと教えなさいよね!!」

(;^ω^)「うん、絶対教えるお!!」

ツンは駆け足で去っていったが、途中くるりと振り向いて僕に向かって
「また明日」と声を掛けた。そしてすぐさま駆け足でバイト先へと進んでいった。
僕も大手を振って、ツンのバイトを精一杯応援した。
やがて、姿が見えなくなる。


( ^ω^)「また明日だお」

エントランスに入り、自分の家へと向かうためエレベーターに乗り込む。
着いた先から家へと戻る際の廊下の窓から見た風景。
それは、空だった。
完全に白が青と融合し、清々しい色を作り出していた。

そうか、
もう……朝だ。
そして少し時間が経てば、とうとう昼になる。
とうとうだ、とうとう……。

94 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:10:28.13 ID:owcfrzT20
・・・ ・・・・

昼。
本来なら、僕達は12時からCPの授業だった。
更に、それは泊り込み授業だ。 

全く僕達に知らせないまま、カウントダウンを進めるつもりだったのだろう。
僕達が文句を言ったり暴れるという可能性について、何か対処はあるのだろうか。
……おそらく、精神安定剤だとかそこら辺の薬剤で強制的にリラックスさせるのだろう。

心底、腐っていると思わずには居られない。


高まる気持ちを抑え、僕は扉の前に立ち、そして、開ける。
普段は深夜営業の「バーボンハウス」へ、特別入店した。


(´・ω・`)「やあ」

( ^ω^)「おはようだお」

(`・ω・´)「やあブーン君」

( ^ω^)「シャキンさんお久しぶりですお」

(´・ω・`)「2人はまだ来てないよ」

( ^ω^)「把握だお」

95 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:14:14.49 ID:owcfrzT20
集合場所は、ここ「バーボンハウス」となった。
いつもなら閉店時間なので、客が来る心配も無い上に
全員が来たら鍵を掛ける。 安心できる。

(`・ω・´)「しかし、大変なことになってるね……」

( ^ω^)「シャキンさん」

(`・ω・´)「私も、微力ながら手伝わせて貰うよ」

(´・ω・`)「ってわけだ」

( ^ω^)「シャキンさんなら頼もしいお」


ガチャ
玄関の開く音がした。
そして、ここへ向かう2つの足音。

(´・ω・`)「こいつは……意外」

( ゚∀゚)('A`)「おっくれってすっまねー♪!!」

96 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:17:00.71 ID:owcfrzT20
(;^ω^)「一体何が……この2人は……」

( ゚∀゚)「いやー実はここのエントランスで会って意気投合しちゃってさぁ」

('A`)「まさかこの人もエロゲ使いだとはね!!」

(*'A`)「"乳首をアルファベットで責めてどこまでも果てるようです"初回限定版を持ってるとは!」

( ゚∀゚)「ククク……ネットオークションで掘り出したんだよ。信者が沸く前によ〜」

(´・ω・`)「バカじゃねーの、何そのエロゲ」

共通の趣味で意気投合したのか、意外だった。
ドクオとジョルジュはあまり合いそうでないタイプだったので
心配していたのだが、杞憂だったようだ。

( ^ω^)「まあ、2人が仲良くなって良かったお」

(`・ω・´)「ははは、元気のいい人じゃないか」

そう言うとシャキンさんはジョルジュに挨拶した。
ジョルジュもそれに応え、畏まったようなポーズを取った。

( ゚∀゚)「どうも。この計画の首謀者のジョルジュです」

(`・ω・´)「どうも、ここのマスターのシャキンです」

97 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:18:44.83 ID:owcfrzT20
2人は握手を交わした。
その後に僕達はスツールへ腰掛け、シャキンさんはバースペースへと入り
グラスを白い布で綺麗に拭く作業に入った。

( ゚∀゚)「さて、と。お前ら……今は何時だ?」

(´・ω・`)「13時半だね」

( ゚∀゚)「そうだ。お前達も……俺も、CPとの約束をスっぽかしてる。
     つまり、もう後には引けねえぜ」

「ファイア」でも吸っていた、オレンジパッケージの煙草を取り出すと
ライターで火をつけ、口に咥える。
よく見るとその煙草、相当短い。

('A`)「エコーか……」

( ゚∀゚)「お、知ってんのかドクオ!?」

('A`)「いいパッケージだな、て」

またも意気投合を果たす。 もっと早くからこの2人は会うべきだったかもしれない。

( ゚∀゚)「ふふ……。それで、だ」

ジョルジュは話を続けた。

98 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:20:41.55 ID:owcfrzT20
( ゚∀゚)「具体的な方法……だな。 俺達はまずこれから、ガーデンスクエア近くにある
     入り口へ向かう。 これは普段お前達が授業に行く際に使ってる道じゃねえぜ。
     だから、バルコニーエリアからは長い」

僕は頷いた。

( ゚∀゚)「今日の地下通路は人がまるで居ない。更に下にある大部屋に殆どの構成員が集まってるからだ。
     そこで、地下内を車パクってさっさとバルコニーエリアへ向かうんだ」

ショボンは頷いた。

( ゚∀゚)「そっから第8通路に向かうと、更に奥に巨大な階段があるから
     B8まで下っていって、その先の扉を行くとホール・ロビーだ」

ドクオは頷いた。

( ゚∀゚)「そこの奥にある黒いエレベーター。そこはそのまま町長の家と繋がってる。
     ご丁寧にも、奴の仕事部屋の目の前にだ!!
     そこに殴りこみに行って、無理矢理脅しつけっぞ」

やはり、ラストが曖昧な計画だ。
だが、これしか道はない。
ジョルジュは背負っていた巨大なリュックサックから何かを取り出した。
野球のバットのグリップが飛び出ている。
その中からは、更に数点の小さなバッグが入っていた。

( ゚∀゚)「これをお前らに渡す。 地下内には倉庫がある。 物を補充すんのさ」

僕、ショボン、ドクオに配り、そして……

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:22:10.02 ID:iyTFWwBWO
支援

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:24:04.51 ID:3nejq/IdO
支援

101 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:24:23.94 ID:owcfrzT20
( ゚∀゚)「シャキンさん……あんたは、どうだい」

シャキンさんを誘う。彼のグラスを拭く手がキュ…と止まった。

(`・ω・´)「と、言いますと?」

( ゚∀゚)「あんたも一緒に地下で暴れてくれないか? 人手が欲しい」

シャキンさんは熟考するかのように顎鬚を触りながら、シェイカーを奥の棚から取り出す。
水洗いしながら、ジョルジュと目を合わせる。

(`・ω・´)「ジョルジュさん……当然じゃないですか。私も行きましょう」

( ^ω^)「や、やったお!!」

この計画は人手が多ければ成功するだろう。
だからシャキンさんの加入は嬉しいことだった。

(´・ω・`)「親父あんま無理しないでよ」

(`・ω・´)「働き盛りの年頃に小童が何を言う?」

( ゚∀゚)「アッハッハ! そりゃそうだ、そうだ!!」

手を叩きジョルジュは大笑いした後に、
シャキンさんにカンパリソーダを注文した。
よく見るとドクオもニタニタと笑っていた。

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:26:39.44 ID:3nejq/IdO
支援

103 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:26:45.79 ID:owcfrzT20
('A`)「ショボン涙目wwwwwwww」

(´・ω・`)「黙れ、ぶち殺すぞ」

いつになくムキになっているショボンを見て笑った後、
とあることを思い出したのでジョルジュに聞いてみる。

( ^ω^)「ジョルジュ……メスって何だお?」

( ゚∀゚)「メス……。何でお前がそんな言葉知ってんだ? 労働者関係は手付かずだろお前ら」

(´・ω・`)「とある発注書を見て……」

( ゚∀゚)「ふーん。ま、いいや。メスってのはメスカリンって言ってな。 労働者への褒美だ」

('A`)「へー褒美。いいとこあんじゃん」

( ゚∀゚)「ま、クスリだよ。麻薬だ麻薬」

その言葉を受け、場は凍りついた。

(;'A`)「ま、ま……麻薬を褒美に!?」

( ゚∀゚)「ああ。後は安酒だな。 メスカリンでイイ気持ちにさせて、無理に働かせんのさ」

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:27:22.21 ID:UE8UIB5OO
支援

105 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:29:26.65 ID:owcfrzT20
(;^ω^)「…………」

奴隷のようにコキ扱い、与える褒美は安酒と麻薬。
どれだけ、奴らは人を道具扱いしているのか。
血の通っているとは、とても思えない所業だ。
その調子ならば、カウントダウンも本気で行うのだろう。

絶対に止めなければいけない。

( ゚∀゚)「俺達が戦うのはそんなコトを平気なツラで行ってる奴らだ。いいな……」

ジョルジュは更に、確認させるかのように言葉を押す。
弛緩していた空気はいつの間にか失せて
緊張感が何処となく漂い始める。

( ゚∀゚)「よし……そろそろ行くか……」

ジョルジュはスツールから腰を上げ、開始の宣言をした。
僕達も頷き、立ち上がった。

('A`)「ここは3階だから、すぐに行けるな……」

全員、真剣な目つきで、身体を動き出す。

いよいよだ。

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:29:51.42 ID:3nejq/IdO
支援

107 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:30:59.09 ID:owcfrzT20










            ガチャリ











108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:32:18.36 ID:3nejq/IdO
支援

109 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:34:10.10 ID:owcfrzT20
え?
突然、玄関から扉の開いた音がした。
あれ、確かジョルジュが……

(;゚∀゚)「お……い、ドクオ。俺達、鍵閉めたよな? ちゃんと……」

('A`)「あ、ああ……確かに、鍵掛けた」

(;^ω^)「じゃ、じゃぁ……」

ここからはまだ見えないが、雰囲気からして5人、6人近くの大人達が
廊下を躊躇なく歩き、ここへ向かおうとしているのが分かる。
こ、こいつらは………

(´・ω・`)「 CP……!!」

(`・ω・´)「こっちだ皆!!」

シャキンさんがベランダの錠を開け、引き戸をスライドさせた。
ベランダへ行けということだ。

(`・ω・´)「下は茂みだから安全だ、飛び降りるんだ!」

(;゚∀゚)「おう!」

ジョルジュが僕達を無理矢理引っ掴み、ベランダへ押しやった。
しかし、何故かシャキンさんは動かない。
一点を見つめていた。 その先は、玄関からのドア。
ドアが、開いた。

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:39:47.77 ID:3nejq/IdO
支援

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:45:56.56 ID:c91iCNwG0
これは…くらったか?

112 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:46:28.62 ID:owcfrzT20
(´<_` )「これはこれは……閉店時間なのにすまないな、マスター」

(`・ω・´)「……! 流石、弟者……!!」

弟者は4、5人ほどの構成員を引き連れて、
ここバーボンハウスに強引に侵入してきた。
シャキンさんはベランダを振り向くことなく、弟者を睨みつけたまま大声を上げる。

(`・ω・´)「さっさと行け!!」

(#`Д´)「生言ってんじゃねえぞ!!」

構成員の1人が手にした拳銃を放った。
サイレンサーをしてあるのか、銃声はあまり出なかったが
銃弾がシャキンさんの腕に、
直撃してしまったようだ。

(`・ω・´)「く……!」

(;´・ω・`)「父さん!!」

(`・ω・´)「行けと言ってるだろう!!」

その言葉と同時にジョルジュが引き戸を閉め、僕達を無理矢理下へ落とした。

(;^ω^)「シャ、シャキンさん……!」

落下しながらも、シャキンさんのことが心配になる。
ドサ、と柔らかな植え込みの上に着地に成功しても、心配でしょうがなかった。

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:48:59.60 ID:9ipBavWdO
これはwktk

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:49:00.65 ID:3nejq/IdO
支援

115 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:49:24.05 ID:owcfrzT20
(;゚∀゚)「く……行くぞ! ガーデンスクエアに走れ!!」

(´・ω・`)「……!」

('A`)「う、あぁ……!」

僕達は無我夢中でガーデンスクエアに向けて、走り出した。
でも……最悪な状況だ。
何故、弟者にバレてしまったのか?
ただでさえ、成功確率の低い
計画だというのに……! それに、シャキンさんは……!

(;^ω^)「くそっ……!」

ひたすら走る、走る、走る。
4人の男が必死で何処かへ走り去っていく姿は
子供の目に滑稽に映るのか、時々笑い声が聞こえる……
そんなのに構ってられない! 
ヒルズを抜けた。
後はこの並木通りを、そのまま前進していけば……!

(;'A`)「ヒィっハァっ……ひぃ…!」

ドクオは息切れが激しかった。
普段運動らしい運動をしていないドクオにとって
この移動作業は辛いものだろう。
僕も、辛い……。

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:50:07.72 ID:3nejq/IdO
支援

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:51:26.64 ID:3nejq/IdO
支援

118 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:52:17.12 ID:owcfrzT20
(;゚∀゚)「何で……なんで弟者にバレたんだ!?」

ジョルジュにもその疑問は分からないらしい。
ショボンは、暗い顔で走っている。
そして、後 半分という所だった。

(´<_` )「中々マスターは頑張ってくれたぞ? ん?」

前方に、弟者と 構成員が立っていた。
速い、車で先回りをしたのか。移動方向すら読まれている。
ん、よく見ると、構成員の半分は怪我をしていた。 シャキンさんの努力の跡なのだろう……。

(;゚∀゚)「弟者ァ……!」

全員立ち止まる。
背負ってたリュックからバットを手際良く取り出し、先を振り回しながら
ジョルジュは牽制した。

(メ`Д´)「はん! 俺らにそんなモノで対抗しようってのか!?」

構成員が笑う。確かに奴らは拳銃を持っている。
たった1人のバットでは勝ち目が無い。

(;゚∀゚)「お前ら、そのゴミ箱の近くに"寄れ"……」

少し後ろにある、通りの脇にあるゴミ箱へ僕達は後ずさりしながら向かっていく。

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:53:49.03 ID:9ipBavWdO
支援

120 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:55:07.64 ID:owcfrzT20
(´・ω・`)「1人で戦わせるわけには……」

ショボンが悲しそうに呻く。 ジョルジュ単身で弟者達に立ち向かうのは無謀だ。
 どうするのか……。
まだ弟者達は余裕あるのか、拳銃を出さずに距離をジリジリと詰めていた。

(´<_` )「どうしたどうした? ジョルジュ……果敢に向かって来るがよい」

(メ`Д´)「弟者さん、こんなカスが向かうわけないじゃないスかwwww」

( `Д´)「そうッスよ! こいつにそんな勇気、ないですよ!!」

構成員達は高笑いした。
ここは並木通りと言っても普段人の通らない場所だった。
廃校となった小学校と、こじんまりとした教会に挟まれている。
挙句その並木も鬱蒼と生い茂っており、ここでなら
高笑いしても他人に聞かれることは無いだろう。

(;゚∀゚)「っく……!」

ジョルジュも少し、ゴミ箱と僕達の居る方向へと後ずさる。
へっぴり腰になったその姿を見て、またも構成員が爆笑した。

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:55:49.75 ID:3nejq/IdO
支援

122 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 01:57:43.00 ID:owcfrzT20
(メ`Д´)「アッハッハッハッハ!! ほらコイツ、チキンじゃないっすか!!」

(1`Д´)「やっぱカスだカス!! 何たって候補生から雑用下がりだぜ!? ハハハハハっ!!!」

( `Д´)「クズの極みじゃないかwwwwwww」

ギリ…とジョルジュは歯軋りした。
よほど悔しいのだろうか。しかし、それでも後ずさりは止まらず、
とうとう僕達のすぐ前へと来てしまった。
僕達を庇うかのような形になった。

(´<_` )「どうしたどうした? 反乱したのならせめて潔く向かえばいいものを……」

( `Д´)「無理ですよ、こんなカスにはwwwww」

(;゚∀゚)「…………ぬぅ……!!」

踏ん切りがついたのか、ジョルジュのグリップを握る手に、力が一段と篭った。

(#゚∀゚)「うおぉおぉおぉぉおおぉおおおおお!!!!!」

雄叫びを上げ、バットを高々と持ち上げた。
構成員達もその剣幕に笑いを止め、少し距離を開けた。

(#゚∀゚)「うらぁッ!!!」

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 01:59:19.21 ID:9ipBavWdO
支援

124 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:00:42.72 ID:owcfrzT20
そして、そのままバットを 何を思ったか
……ゴミ箱に叩き付けた!

一撃でゴミ箱は無残な程、拉げてしまう。

更に今度はバットを思い切りゴルフのようにスイングさせ、
ゴミ箱を吹き飛ばした。
僕達も構成員も唖然としていた。

弟者だけはこの行動を理解したようで、

(´<_`;)「チッ!」

拳銃を素早く懐から取り出した。

サっ、とジョルジュは弟者の前に詰め寄り、銃弾の壁になってくれた。

( ゚∀゚)「中に入れェ!!」

ジョルジュは僕達へ叫んだ。

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:02:25.39 ID:3nejq/IdO
支援

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:02:54.99 ID:mQNiQXdHO
追い付いた支援

127 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:03:35.00 ID:owcfrzT20
真っ先に言葉の意味を理解したのはショボンだった。
素早く"ゴミ箱のあった場所"へ駆け込み、
そして、姿を消した。

(;^ω^)「そうか……ダストシュートのように地下に繋がってんだお」

ドクオを引っ張りながら僕も"あった場所"へ向かう。
そこは落とし穴のような2つ戸を持つ構造をしていて、大人1人入れる程の太さだった。

(;^ω^)「フン!」

中へ入った。その状態のままジョルジュの方向を見る。
バットを振り回しながら、牽制していたが
右腿に血がだらだらと溢れ、垂れていた。

撃たれたのか……。

助かってくれ、皆! そう願いながら
スライダーのようなゴミ箱からの穴を滑り下っていく。
いよいよ! 僕達は立ち向かう。
CPに。カウントダウンに。

明日にはこの街がどうなっているか……
それは誰にも分からないことだった。

明日は知らない。

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:04:52.65 ID:3nejq/IdO
支援

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:04:55.53 ID:9ipBavWdO
支援

130 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:06:53.37 ID:owcfrzT20
・・・ ・・・・

( ´_ゝ`)「それは……本当か?」

(´<_` )「真実だ兄者。ジョルジュはブーン達を引き連れ、裏切ろうとしている」

渉外室の前、まるで本社のような、コンクリート製の通路にて
俺は兄者と話していた。
既にフーさんにも、この事……ジョルジュの裏切りを伝えておいた。
数人ほど手配する、だそうだ。

( ´_ゝ`)「…………」

(´<_` )「何。心配する程ではない。 あんな奴らに何が出来る?
       私達とフーさんの兵。 これでお釣りが返ってくる程充分だぞ」

( ´_ゝ`)「だろうな……」

(´<_` )「なら、何故そう黙り込む?」

兄者に尋ねる。 いつの間にか、兄者はスタンガンを片手に持ち、
憎々しげに握り締めていた。
何をする気だ……? どうも、様子がおかしい。

( ´_ゝ`)「ブーンやドクオ……ショボンが、反乱とはな……」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:07:30.33 ID:9ipBavWdO
支援

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:08:39.51 ID:vxe8NVEO0
支援

133 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:08:54.65 ID:owcfrzT20
やっと俺は理解した。 そうだ、兄者はあの幹部候補生3人に期待していたのだった。
それを反乱という形で返されたから、か……。

(´<_` )「だから言ったろう……。あの3人なんかに期待するな、と……」

( ´_ゝ`)「……ふ」

カシャン。兄者はスタンガンを下に投げ捨てるようにして落とし、
更に右足で、荒々しく踏みつけた。

部品は飛び散り、砕けるような音や電流音が廊下に響いた。

(´<_`;)「あ、兄者……?」

( ´_ゝ`)「トカレフを取りに行くぞ」

兄者は愛用している拳銃を取りに、下の武器庫へと向かおうと足を進めた。
俺も急いで同行し、
共に階段を下りた。

歩みは止めず、兄者はぼやくように言う。

( ´_ゝ`)「13時になったら……ジョルジュをひっ捕らえて来い」

(´<_`;)「わ、分かった」

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:10:29.17 ID:9ipBavWdO
支援

135 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:11:00.82 ID:owcfrzT20
階段の下りを終え、再び廊下を歩き出す。
すぐ右手に存在する重厚なゴシック様式の扉の前に立ち、
鍵を差して、兄者は扉を開けた。

中は電気を点けていないため真っ暗だが、
まるで気にする様子も無く兄者は進んでいく。

( ´_ゝ`)「あぁ……そうだ」

思い出したような口ぶりだ。
ピタリと足を止め、くるりと俺の方向へ身体を向けた。
暗闇を背景にしたせいかもしれないが、心なしか顔に"陰"が滲み出ている。

(´<_` )「何だ?」

( ´_ゝ`)「"アレ"を使おう。まだ動けるはずだろう?」

その口ぶりの皮肉っぽさを感じ取り、
ようやく意味を理解した。

(´<_` )「あ、あぁ……まだ"使える"はずだ」

( ´_ゝ`)「使ってやろうじゃないか……くっくっく……」

兄者は含み笑いしたまま、煙草を取り出し火を点ける。
この武器庫は火気厳禁のはずだ……。やはり、兄者らしくない。

どうやら兄者は3人とジョルジュへ、深い怒りを燃やしているようだ……。(第14話終)

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:12:07.10 ID:9ipBavWdO


137 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:12:40.91 ID:owcfrzT20





         第2章「Now Here Man」終    (2章)




138 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:13:05.55 ID:owcfrzT20
あ、しまった。
(2章)は消しといてください。

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:13:16.82 ID:DCYgUIKj0
乙。
質問なんだがこの話1話書くのに何時間位かかるんだ?

140 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:14:51.10 ID:owcfrzT20
>>139
基本は数日掛けてダラダラ書いてます。
乗ってるときだと4時間くらいで終わらせます

141 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:16:39.02 ID:owcfrzT20
以上で第2章を終え、
次はインタールードみたいなものと
第3章「Tomorrow Never Knows」を投下させていただきます。

では皆さん、こんな夜更けまでありがとうございました!

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:17:24.22 ID:3nejq/IdO


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:17:37.17 ID:c91iCNwG0
乙〜

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:20:43.80 ID:DCYgUIKj0
4時間でこんなに量が書けるのか…すげぇな。

145 : ◆tOPTGOuTpU :2007/08/17(金) 02:23:30.73 ID:owcfrzT20
あー、最近はレス数伸びてきてるので、もう4時間は無理かもです
簡単なシーンの連続でレスもそう多くなかったら、それくらいです

146 : ◆9d9cVF02x2 :2007/08/17(金) 02:23:34.70 ID:tCkDpu6M0
今更だけど、乙

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:23:47.02 ID:mQNiQXdHO
自分も5部が好きだッ!
乙ッ!

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:25:37.42 ID:tCkDpu6M0
やべっ、酉つけっぱだった……orz
スレ汚しすみません。
4時間に驚愕しながらも、改めて乙です。

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:29:43.02 ID:owcfrzT20
ひぐらし読ませてもらってます、乙です!

では皆さんお疲れ様です。

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