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【ゲリラ】( ^ω^)ブーンがマジ切れしたようです【しません?】

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:09:59.90 ID:7ZQLWs4S0
マジ切れ合作ゲリラスレです
立ててみました

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:10:39.47 ID:Qdl+Y2dx0
wktk氏

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:10:48.68 ID:+B0jD5Ez0
KTKR

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:11:23.77 ID:7ZQLWs4S0
えーと他に投下するかたがいなければ、今日のトップバッターいってみたいなと思うのですが
いかがいたしましょう?

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:12:18.68 ID:+B0jD5Ez0
どうぞ! wktk

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:12:29.20 ID:OyetP49b0
うおおおおおおおおおしえんだああああああああああああよおおおおおお

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:12:33.05 ID:Qdl+Y2dx0
どうぞどうぞ。投下してくださいまし。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:12:58.02 ID:7ZQLWs4S0
じゃあいってみます

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:13:24.53 ID:7ZQLWs4S0

マジ切れ合作ゲリラ


『(´・ω・`)ショボンが悲しい夏を振りかえるようです』










IN 『( ^ω^)と夏の日のようです』


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:13:43.98 ID:K7fQOT9Q0
え・・・Bの共通ってもう終わったの?

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:14:06.00 ID:+B0jD5Ez0
これは超wktk

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:14:30.57 ID:7ZQLWs4S0

注意
◎他のかたが祭り用にかいたゲリラに対して、これは思いっきりオナニー用です
◎これは(´・ω・`)ショボンが悲しい夏を振りかえるようですのサイドストーリーとなっています
◎夏の日さんの作品とのイメージの違いが出るかもしれません
◎けっこう長いです

以上の項目で「耐えられん!俺は自分の部屋に戻るぞ!」って人はスルーしてください。本当にごめんなさい。

残りわずかですが、合作盛り上げていきましょう!


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:15:29.21 ID:+B0jD5Ez0
>>10
まだだったと思う

支援!!

14 :本編:2007/10/10(水) 00:16:13.53 ID:7ZQLWs4S0

君は寡黙な人間だね――
俺はしばしばそんなことを言われることがある。

けど、違うんだ。理由があるんだ。

俺は特別な人間だ。
みんなを見下し、騙し、そして――恐れる。

俺は道化なのだ。
いつでも仮面を被っている。その仮面はいつ剥がれるのだろう。
周りの人間も仮面を被っている。俺の前では無意味だと言うのに。

俺の本当の顔は――どれなんだ?

マジ切れ合作ゲリラ 『( ゚∀゚) ジョルジュと夏の日のようです』


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:16:54.79 ID:+B0jD5Ez0
支援

16 :本編:2007/10/10(水) 00:17:48.30 ID:7ZQLWs4S0

夏。

人の気持ちを自然と高揚させ、心も体も開放的になる季節。
もちろんだが、誰もがそうであるとは言い切れない。
だって少なくとも俺は、夏という季節に気だるさしか感じないから。

( ゚∀゚) 「だるい……」

あまりのだるさに思わず独り言を呟いてしまう。
そんな俺の独り言に、周りにいる奴らが反応する。

「だるいよな」と一言。

沢山の人が押し込められた体育館。
連日更新される、真夏日記録。校長の無駄に長くてすべる話。
そりゃあ、誰もがだるく感じるだろう。

でも、俺が感じているだるさは周りの人間とは違う。
俺だけが感じることの出来るだるさ。いや、このさい苦痛と言ったほうが正しいだろう。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:17:57.46 ID:Qd5Poan+0
超支援

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:19:18.14 ID:+B0jD5Ez0
支援!

19 :本編:2007/10/10(水) 00:19:21.67 ID:7ZQLWs4S0

周りの人間の感情が、心が常に流れ込んでくる――その苦しさをこいつらが理解できるはずがない。

一学期の終業式を終えた後は、教室でのHRだ。
今は教卓の前で、担任の教師が話しをしている。

ミ,,゚Д゚彡 「いいか! 君たちは今年の夏が大事な時期なんだ。今更高校受験の基礎をやってるようではダメなんだぞ!」

張りのある声。毅然とした態度。スラッと伸びた長身で、話にユーモアもある。
そんなもんだから、この若手の教師は生徒から人気があったりする。

それはきっと――こいつの醜い心の中身をみんなが覗いたことが無いからだろう。
俺はついつい奴の本心を、心の中で復唱してしまう。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:19:41.24 ID:OyetP49b0
支援したいけどねむてぇ。

お休み支援だよー^^

21 :本編:2007/10/10(水) 00:20:53.33 ID:7ZQLWs4S0

ミ,,゚Д゚彡 「みんな苦しいと思うけどな!俺は絶対お前らを助けるからな!」

( ゚∀゚) (明日から夏休みで、やっとガキどもから離れられるぜ ……だとさ)

ミ,,゚Д゚彡 「いいか! なにかあったらいつでも連絡してこいよ!」

( ゚∀゚) (夏休み中は彼女とヤリまくるから、電話かけてきても拒否るけどな……最悪)

ミ,,゚Д゚彡 「それじゃあみんな! 楽しい夏休みを過ごせよ!」

( ゚∀゚) (問題だけは起こすんじゃねぇぞ、頼むから!……もう、いいよ)

俺は自分のやっていることの馬鹿さに呆れ、ため息をついた。
こんなことをしてなにになるんだ。
周りの人間に伝える事だって出来やしない、自分の中にストレスと虚無感を積み重ねるだけだ。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:22:23.48 ID:+B0jD5Ez0
支援

23 :本編:2007/10/10(水) 00:23:13.41 ID:7ZQLWs4S0

解散の号令とともに、みな一斉に声をあげる。

「明日から夏休みだ!」 「どこに遊びに行く!?」

歓喜の声ばかり。まじで下らない。
受験の夏だというのに、お前らはなにをするんだと。

こいつらと馴れ合うのは嫌なので、俺はすぐさま支度を済ませ教室を出る。
足早に下駄箱へと向かうが――やっぱり、捕まった。

(@^0^@) 「よお、ジョルジュ! 帰るのはえーよwwww」

( `・−・´) 「俺らを置いてくなよな」

川*^∀^) 「ほんと! ひどくな〜い?」

( ゚∀゚) 「……」

せっかく誰とも関わらずに帰れると思ったのに。
こいつらはいつも俺のこと追い掛け回しやがって。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:24:18.97 ID:AXRrsjESO
支援

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:24:31.00 ID:+B0jD5Ez0
支援

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:24:35.73 ID:Qdl+Y2dx0
支援

27 :本編:2007/10/10(水) 00:25:13.88 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「ごめん……。早く帰りたいんだ」

(@^0^@) 「付き合い悪いんだよーwww」

( `・−・´) 「相変わらず冷たいな。 だがそれがいい」

川*^∀^) 「あはは! やっぱジョルジュってくらい〜」


どうせ俺は道化。みんなの前では本当の自分を出さないようにしてしまう。
まるで体に染み付いた習慣のように。人の匂いを感じると、俺という人間はすばやく隠れる。

( ゚∀゚) 「……帰ろうか。しかし、なんでついてくるかな」

理由なんて聞かずともわかるさ。
こいつらは孤独なんだ。道化を演じてる俺とは違う、孤独。

俺の質問に答える三人。言葉と同時に感情も流れてくるっていうのに。


28 :本編:2007/10/10(水) 00:26:56.46 ID:7ZQLWs4S0

(@^0^@) 「自意識過剰だなwwwwたまたまだからwwww (ジョルジュについていかないと、俺友達いなくなっちゃうしなぁ)」

( `・−・´) 「ふん、そんなこと言うと置いてくぞ?(従順な友達ほど扱いやすいものはないだろうに)」

川*^∀^) 「あはは!おいてこ〜か!(あわよくばクールなジョルジュの彼女に、なんてね。うひひひひひ)」

汚い。やっぱり汚い。
純粋な心の持ち主なんて、都市伝説に違いないだろう。人間は常に建前で動いているに違いない。

こいつらといると吐き気がする。この場からきれいさっぱりいなくなりたい。
しかし、こうして道化を演じ続けるからこそ、俺の普通の日常は保たれていくのだ。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:27:02.29 ID:+B0jD5Ez0
支援

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:28:26.10 ID:S0FbQJpoO
支援

31 : ◆YhrftnhMQI :2007/10/10(水) 00:28:39.69 ID:Lq8NE0mG0
>>10 ごめんなさい、終わってないです。

ゲリラもはじまってしまいましたし、共通後編は明後日木曜24時からスレ立てて投下する予定です。

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:28:40.18 ID:k+hw3hgM0
http://rubyurl.com/yWk

33 :本編:2007/10/10(水) 00:28:40.50 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「あー、疲れた」

俺は着替えもろくにせず、勢いよくベッドに倒れこんだ。
午前中しか学校へ行ってないというのに、なんたる疲れ様。
俺は間違いなくストレスで死ぬ。

家にいる時だけが安息の時間だ。
いや、正確に言うと母が仕事から帰ってくるまで、だな。
父親は……。

また下らないことを考えてしまった。
この時間だけしか安息の時はないというのに。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:30:07.94 ID:AXRrsjESO
支援

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:30:21.02 ID:ZDb6SVVFO
支援

36 :本編:2007/10/10(水) 00:30:22.99 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「こんなときは……」

俺は一旦、自分の部屋を見渡す。
部屋中に敷き詰められたサッカー選手のポスター。
色んな大会の賞状に、長年愛用してるサッカーボール。
やはりこの空間は落ち着く。

( ゚∀゚) 「そんでやっぱり」

さっきから独り言が多いな、と気にしつつ俺は机に向かう。
そして、机に幾つか取り付けられている引き出しの中の一つを開けた。
そこに入ってるもの。唯一の癒しである、俺の宝物。

( ゚∀゚) 「やっぱカカの直筆サインは輝いてるぜ……」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:31:33.15 ID:Lq8NE0mG0
支援

38 :本編:2007/10/10(水) 00:32:28.13 ID:7ZQLWs4S0

色紙に書かれたそれは、ある日突然父親が持ってきたもの……らしい。
らしい、と不確かなのには理由がある。
俺が物心ついた頃には、すでに父親はこの世からいなくなっていたからだ。

( ゚∀゚) 「でもかえって良かったかもしれんね」

俺は再びベッドに倒れこみ、深いため息をつく。

今でも父親がいたら、悪い部分ばっか見ることになっていただろう。
俺の憎たらしい力によって。
そうなるくらいならば、父親は良き思い出として生きてくれていたほうが俺としても助かる。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:32:30.84 ID:GQ132AWbO
支援

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:33:09.57 ID:Qdl+Y2dx0
ミラン今テラヤバスだよね支援。

41 :本編:2007/10/10(水) 00:33:43.33 ID:7ZQLWs4S0

幼いサッカー好き坊やだった俺に、カカの直筆サインを持ってきてくれた親父。

俺にとっては、その思い出でだけで充分だ。
人に言ったら気持ち悪がられるだろうが、俺は父親なんてほしいと思ったことはない。
それはもちろん、物心ついた頃から。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:33:47.35 ID:+B0jD5Ez0
この作品のジョルジュはやっぱ好きだ

43 :本編:2007/10/10(水) 00:35:24.47 ID:7ZQLWs4S0

気づけば寝ていたらしい。
制服のままだったので、Yシャツとズボンに皴ができてしまっている。

( ゚∀゚) 「今、何時だ……?」

ゆっくりと上体を起こし、壁に取り付けられたサッカーボール型の時計を見る。
長針は十二を、短針は七を指していた。

( ゚∀゚) 「七時か。……七時!?」

やばい。やばい。やばい。
そろそろ母が仕事から帰ってきてしまう。
早くいつもの準備をしないと。


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:35:30.09 ID:Qd5Poan+0
支援

45 :本編:2007/10/10(水) 00:37:01.25 ID:7ZQLWs4S0

俺は急いで階下に行き、居間に駆け込む。
それからの俺は神の速さで物事を済ませていった。

居間を整頓し、ご飯を炊き、食器類を洗って食卓に並べる。
これらはいつも俺がやらなくてはいけない仕事。いや、やらなくてはいけないと『思っている』仕事だ。

全ての準備が済んだ頃に、玄関のチャイムが鳴った。
母が帰ってきたのだ。

( ゚∀゚) 「今出るよ〜!」

俺は玄関先に向かって大きな声で呼びかける。
そして、玄関の扉を急いで開けた。


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:37:22.32 ID:+B0jD5Ez0
支援

47 :本編:2007/10/10(水) 00:38:34.26 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「お帰り、カーチャン」

川 'ー`) 「ただいま。ジョルジュ、お出迎えありがとうね」

( ゚∀゚) 「いいの、いいの。 荷物重いでしょ? 冷蔵庫まで運んでおくよ」

俺はそう言うと、母の両手からコンモリとぶら下がっているスーパーの袋を受け取る。
そして、それを冷蔵庫まで運んでいく。

「本当にジョルジュは良い子だねぇ」

思わず返事をしそうになった。母の心の声に。
俺が振り向くと、母はゆっくりと靴を脱いでいるところだった。もちろん口など動かしていない。

俺は小さく溜め息をつくと、母が買ってきたお惣菜を食卓に並べ始めた。


48 :本編:2007/10/10(水) 00:40:05.32 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「いっただきま〜す!」

川 'ー`) 「いただきます。よく噛んで食べるのよ」

( ゚∀゚) 「はむっ、はふはふ、はむっ!」

川 'ー`) 「あらあら、この子ったら……」

母はガツガツと飯に喰らいつく俺を見て、微笑んでいる。
そして俺は成長期の子供らしく、すぐに二杯目のご飯を盛る。
はたから見れば、微笑ましい普通の家庭の食卓風景だろう。
それでいい、それでいいんだ。

しかし、ここからが大変なところ。
母との対話が始まる。それは日常的で、どこにでもあるものだ。
そう、あくまで表面上は。


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:40:19.77 ID:+B0jD5Ez0
支援

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:41:17.45 ID:pqvyetkR0
支援

51 :本編:2007/10/10(水) 00:41:39.44 ID:7ZQLWs4S0

川 'ー`) 「ジョルジュ、受験はどう?(この子は勉強もできるからねぇ、色々考えているんだろうね)」

ここで、俺がなにもやっていないし志望校も考えてないと白状したらどうなるんだろう。
母は……俺に期待しているから。俺はそれを裏切るわけにはいかない。

( ゚∀゚) 「うん、大体のことは考えてあるよ。あとは夏休みの受験勉強を頑張るだけかな」

嘘。
母に対して、俺の口からは嘘ばかり出る。
しかし、だいたいの嘘は真実になるのだけど。

川 'ー`) 「そう、さすがねぇ。高校は勉強を頑張るの?それともサッカーかな?(将来のことを考えると、進学校に進んでほしいわねぇ)」

( ゚∀゚) 「……」


52 :本編:2007/10/10(水) 00:43:42.55 ID:7ZQLWs4S0

これはいつも母が気にしていること。
俺がサッカーを選ぶか、勉強を選ぶか。
今の現状、俺の成績ならば県内のほとんどの高校に合格できるだろう。公立に限るが。
しかし、俺がサッカーを選んだ場合、だいぶ偏差値を下げた高校を選ぶことになってしまう。
県内の上位公立校では、まともにサッカーの活動をしている高校はあまり無いのだ。

サッカーは俺の唯一の希望。
それを奪われたらたまったもんじゃない。今すぐにでも死にたくなる。
だけど――母にとっての唯一の希望は、俺という存在なんだ。
母に心配をかけるようなことがあってはいけない。


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:44:01.59 ID:+B0jD5Ez0
支援

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:44:38.47 ID:Qd5Poan+0
支援

55 :本編:2007/10/10(水) 00:45:32.39 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「まだはっきりとはしてないけどね。俺の希望としては、県内の上位の高校を受けてみようかな」

川 'ー`) 「そうかい、まだ時間はあるから急がなくてもいいんだよ(この子はやっぱり良くできた子だねぇ)」

( ゚∀゚) 「わかってるよ。さ、そろそろ勉強始めるから。ご馳走様でした」

川 'ー`) 「はい、後でおいしいお茶を持ってくからね(この子なら、絶対受かってくれるわ)」

( ゚∀゚) 「……ふぅ」

溜め息にワンテンポ遅れて、バタン、と扉の閉まる音がした。
自分の部屋に戻ったのはいいが、どうせ勉強などしないというのに。

( ゚∀゚) 「なんであんな事ばかり言うかね……」

さきほどの母親との会話を思い出し、苦悩する。
昔からそうなのだ。母親を安心させようといつも嘘ばかりつく。
どのくらい昔かというと――父親が死んだ頃から。


56 :本編:2007/10/10(水) 00:47:14.34 ID:7ZQLWs4S0

ある日、突然父親がいなくなった。
幼い自分には父の死を認識することなど出来ないし、今でもその時のことはあまり覚えていない。
ただ、幼い自分がひたすら感じていたこと。

このままだと母親もいなくなってしまう。

今思うと、その頃からすでに人の感情が自分の中に流れ込んできていたのだろう。
父親が死んで、絶望していた母の感情をなんとか理解した幼き俺。
そして考えた。母親を死なせてはいけない。
そのためには――俺が母親の希望となり、支えていかねければならない。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:48:22.59 ID:+B0jD5Ez0
支援

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:48:34.15 ID:87S9s6xGO
支援してやんよ

59 :本編:2007/10/10(水) 00:49:02.12 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「それが結果として、今の形になったのか」

俺が成長していくにつれ、俺は母の希望となるために色々なことを頑張るようになった。
勉強、サッカー、母への労わり。
それらを頑張るたびに、母の感情が温かくなっていくのが嬉しかった。
だがそのぶん――母につく嘘も増えていった。

そんなことを考えていると、階段を上ってくる足音が聞こえた。
母が飲み物を持ってきたのだ。まずい、急いで勉強道具を出さなくては。
俺はすぐに、机の引き出しからテキストを二、三冊引っ張り出す。
そして、筆箱からシャープペンシルを取り出し……準備完了。

川 'ー`) 「ジョルジュ、入ってもいいかしら?」

( ゚∀゚) 「……いいよー」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:50:24.97 ID:YQ2i1nVpO
支援

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:50:45.94 ID:Qdl+Y2dx0
支援

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:51:08.88 ID:98MNL7IWO
支援

63 :本編:2007/10/10(水) 00:51:23.18 ID:7ZQLWs4S0

俺の返事とともに、部屋のドアが開く。
母が入ってきたのを見計らって、あたかも今まで一生懸命勉強していたかのように俺は大きく伸びをした。

川 'ー`) 「お疲れ様。ここらで一旦一息つけば?」

( ゚∀゚) 「そうするよ。お、煎餅まであるんだ!」

俺はそう言うと、母の持ってきたお盆の上に乗っている煎餅に手をつけた。
俺が昔から好んでいる、ぬれ煎餅だ。母は、俺の好きなものをなんでも把握している……つもりなんだろう。

( ゚∀゚) (今はクッキーのほうが好きなんだけどな……)

俺はそんな感情をおくびにも出さず、煎餅とお茶に手をつけていく。
母はそんな俺を見て微笑みながら、ゆっくりと口を開いた。

川 'ー`) 「ジョルジュ、ちょっと話があるんだけどね」

( ゚∀゚) 「なに?」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:51:52.25 ID:GQ132AWbO
支援

65 :本編:2007/10/10(水) 00:53:13.82 ID:7ZQLWs4S0

母はあきらかに何かを躊躇っている。
まあ、今の母の感情を読めばすぐにわかる。やはり、俺にとって嫌なことなんだろう。
面倒くさいので、俺は母に先を促す。

( ゚∀゚) 「なんだよ。なんでも言いなよ」

川 'ー`) 「うん、実は……母ちゃんのお兄さん、つまりあなたの伯父さんがね」

( ゚∀゚) 「うん」

川 'ー`) 「明日から、あなたを自分の家によこさないかと言ってるの」

( ゚∀゚) 「なんで?」

川 'ー`) 「ジョルジュが受験生と聞いて、面倒を見るって言い出したの。ほら、伯父さんは教師をやってるから」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:54:26.32 ID:gy7pPk4kO
支援

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:54:37.00 ID:+B0jD5Ez0
支援

68 :本編:2007/10/10(水) 00:54:51.51 ID:7ZQLWs4S0

そんな話をしている間の母の感情は、非常に沈んだものだった。
どうやらその伯父というのは、よくいるスパルタ系の教師らしい。
俺をそこに行かせたくないから、話すのを躊躇っていたんだろう。
けど母も兄の圧力には逆らうことができず、今回の話も断りきれなかったと。

( ゚∀゚) 「……わかった。明日から行けばいいんだね?」

川 'ー`) 「!! そ、それはそうなんだけど……」

( ゚∀゚) 「ダイジョーブ。受験に備えてのちょっと合宿だと思って行って来るよ」

川 'ー`) 「そ、そう。それじゃあ伯父さんに連絡を入れてくるからね」

母はそう言うと、俺の部屋から出て行った。
片方には安心の感情を抱き、もう片方には不安の感情を抱きながら。

( ゚∀゚) 「スパルタ教師か……サイアク」

俺は明日から始まる下らない日々に絶望しながら、ベッドに潜り込む。


69 :本編:2007/10/10(水) 00:56:31.86 ID:7ZQLWs4S0

断ればいいのに。母の顔なんて立てなくてもいいのに。
そう思いつつ、俺はそれを否定する。
俺が母を安心させないと、母はこの世からいなくなってしまうかもしれない。
俺の母だ。いなくなったら、俺だってもちろん悲しい。
そうなるくらいだったら、俺はいつだって道化を演じてやる。たとえ母の前だって。

俺の人生は――死ぬまで道化を演じ続ける、まるで犯罪者のような人生。

俺の頬を一筋の涙が伝う。
その涙が唇に触れると、俺は乾いた眠りへと落ちていった。


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:57:51.22 ID:98MNL7IWO
支援

71 :本編:2007/10/10(水) 00:58:23.29 ID:7ZQLWs4S0

翌朝、俺は家を出た。
けっこう遠くの田舎に伯父の家はあるから、と母は俺に見たこともないような大金を握らさた。
そのお金を含め、荷物は勉強道具とある程度の生活必需品。

( ゚∀゚) 「本日も精一杯仮面をかぶりましょう、と」

俺は自分を皮肉り、無理やり元気を出そうとする。
こうでもしないと毎日なんて生きていけない。サラリーマンみたいだな。
俺は自分を精一杯励ましながら、駅へと向かった。

( ゚∀゚) 「あー……やっぱ疲れてんのかな」

ちょこちょこと電車を乗り換え、目的の駅まで乗り換えなし(まだかなり時間はかかるが)となった途端、眠りに落ちていたらしい。
この線に乗ってからの記憶が全く無い。そうとう重症だ。


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 00:58:55.35 ID:GQ132AWbO
支援

73 :本編:2007/10/10(水) 01:00:13.59 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「眠気を覚ますために、一旦ホームに下りてみるか」

このままだとまた寝てしまいそうなので、ホームに下りて風に吹かれてみることにした。
けどホームには風なんて吹いていなかった。そのかわり、違うものがそこにいた。

( ゚∀゚) 「……ねこ」

(=▼ェ▼) ニャー

(;゚∀゚) 「ねこ?」

果たして猫と呼んでもいいのだろうか。あまりにブサイクすぎる。
どうしたものか……と頭を悩ませていたが、ある人の感情が俺に興味を向けていることに気づいた。
40代半ばと思われる男性。なにやら制服のようなものを着ている。

( ^^ω) 「……」

( ゚∀゚) (あんまり他人の前で動物を邪険にするのもな……)

そう考え、俺はそのブサイクな猫に手を差し伸べた。
あたかも可愛がるように、動物相手にさえ仮面をつけながら――


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:00:58.89 ID:+B0jD5Ez0
支援

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:01:06.64 ID:gy7pPk4kO
支援

76 :本編:2007/10/10(水) 01:01:55.41 ID:7ZQLWs4S0

(=▼ェ▼) ニャッ!

(;゚∀゚) 「うおっ!!」

その瞬間、猫は俺の手に鋭い爪を食い込ませてきた。
なんという凶暴な猫。間違いなく誰も飼いません。本当に(ry

俺が傷跡を抑えながら苦しんでいると、さきほどから俺を見ていた男が近づいてきた。
そしていきなり笑い出す。

( ^^ω) 「ホマホマホマw」

( ゚∀゚) 「な、なんすか……」

( ^^ω) 「おっと失礼ホマ。ついつい笑いが堪えられなかったホマ」

( ゚∀゚) 「……」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:02:53.53 ID:Qdl+Y2dx0
支援

78 :本編:2007/10/10(水) 01:03:18.37 ID:7ZQLWs4S0

自分の失態を見られて笑われる。これほど不愉快なことは無い。
だが、この男はそれが原因で笑っているわけではないようだった。
彼からは、とても懐かしんでるような感情が感じられる。

俺はそれを不思議に思い、質問を投げかけた。

( ゚∀゚) 「……なにが面白かったんですか?」

( ^^ω) 「いやいや、気にしないでほしいホマ」

(=▼ェ▼) ニャッニャッ

( ゚∀゚) 「お前は黙ってろ」

( ^^ω) 「そうそう、静かにするホマ」

なんだか納得がいかない。さっきからこの男に弄ばれてるようだ。
この男の感情は、俺とこの猫を交互に意識しているようだ。やはり、この猫になにかがあるのか。


79 :本編:2007/10/10(水) 01:04:42.17 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「この猫、人なつこくないみたいですね」

( ^^ω) 「そう感じたホマか。それは半分正解で、半分外れだホマ」

(=▼ェ▼) ニャー

( ゚∀゚) 「……どういう意味ですか?」

( ^^ω) 「この猫はとてもおかしなやつだホマ。こいつは正直な人間にしか好意を示さないホマ」

「あ、別に君が嘘つきと言ってるわけではないよ」と付け足して、その男は猫とじゃれ始めた。
その猫に懐かれているこの男は、正直な人間だとでも言うのか。しかし……

( ゚∀゚) (確かにこの人からは、俺の周りにいるような荒んだ感情は見られねえな)

だとしたら……この猫に好かれなかったことはもの凄くショックである。
自分が正直な人間でないと言われたことにではない。自分の道化が見抜かれたのがショックなのだ。


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:05:27.03 ID:+B0jD5Ez0
支援だぜ

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:05:46.27 ID:98MNL7IWO
支援

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:05:55.00 ID:H2keWctMO
支援

83 :本編:2007/10/10(水) 01:06:46.01 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (動物っていうのは恐ろしいな)

( ゚∀゚) 「あの、ちょっと」

( ^^ω) 「ん? なんだホマ?」

さきほどまで猫とじゃれていた男がこっちを向く。

( ゚∀゚) 「……俺って猫を被ってるように見えますか?」

( ^^ω) 「は?」

(;゚∀゚) 「あ、い、いや! なんでもないです!」

なにを質問しているんだ俺は。
今さっき会ったばかりの見ず知らずの人にする質問ではないだろう。
それにしても……

( ゚∀゚) (普段の俺なら、こんな側面おくびにも出さないんだがな……)


84 :本編:2007/10/10(水) 01:08:15.83 ID:7ZQLWs4S0

田舎パワーのせいだろうか。
自分に素直になりつつあるようだ。いや、それとも自分に不安になっているだけか……。
俺がしばし下らない葛藤をしていると、突如その男は口を開いた。

( ^^ω) 「君、悩んでいるホマね」

( ゚∀゚) 「え?」

( ^^ω) 「なにか悩みを抱えているホマね?」

突然の質問に俺は焦った。
いや、質問されたこと事体は予測できた。
俺を焦らせているのはその内容……こいつ俺と同じ能力でもあるのだろうか。
しかし、次の瞬間その考えは打ち消された。


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:10:05.04 ID:+B0jD5Ez0
曝け出しちまいなYO

86 :本編:2007/10/10(水) 01:10:05.71 ID:7ZQLWs4S0

( ^^ω) 「多いんだホマ。ここに悩みを抱えてやってくる人たちは」

( ゚∀゚) 「……」

( ^^ω) 「悩みを抱えてる人は、必ずこの猫に冷たくされるホマ。そしてその後に何かを仄めかすような言動をするホマ」

……ずばり俺だ。
俺はさきほどまでの自分の行動を振り返り、赤面する。
そんな俺を見て、再びニヤニヤしながらその男は続ける。

( ^^ω) 「そんな君にちょっとした話があるんだホマ」

( ゚∀゚) 「……なんですか?」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:10:26.28 ID:H2keWctMO
支援

88 :本編:2007/10/10(水) 01:11:27.67 ID:7ZQLWs4S0

( ^^ω) 「この路線に、時々フラッと陰鬱そうな表情の人たちが乗り込んでくるホマ」

( ゚∀゚) 「……」

( ^^ω) 「その人たちは、必ずある駅で降りるホマ。そして数日後戻ってきたときには……その表情はスッキリしていたホマ」

( ゚∀゚) 「ほぅ……」

この男の言わんとすることは大体把握した。
俺にもそこへ寄れというわけか。

( ゚∀゚) (しかし、伯父のところへ行かなければ……)

この男の話にはすごく興味がある。
しかも感情を見る限りは嘘をついているようではない。
そしてなにより……自分の道化が初めて見抜かれたこの地に興味がある。

俺は決意した。


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:12:32.22 ID:+B0jD5Ez0
支援

90 :本編:2007/10/10(水) 01:13:12.28 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (伯父さん、ごめんなさい。母ちゃん、ごめんね)

( ゚∀゚) 「その駅は、なんという駅ですか?」

( ^^ω) 「ここだホマ」

( ゚∀゚) 「え?」

( ^^ω) 「ここ」

( ゚∀゚) 「……」

( ^^ω) 「ご都合主義、とか余計な心配はいらんホマ。ようは君がどうしたいか、だけホマ」

( ゚∀゚) 「俺はもちろん……行きますよ」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:14:46.49 ID:1JHt1K8EO
支援

92 :本編:2007/10/10(水) 01:14:48.29 ID:7ZQLWs4S0

俺はここで一つの道化を捨てた。
母ちゃんの顔を立てる、よくできた息子という道化を。
俺は母ちゃんの言いつけを無視して、新たなる地へと向かう。

( ゚∀゚) (そこで一体なにを得られるのかね……)

俺を取り囲む苦しい現状から救ってくれるのだろうか?
俺の道化を捨て去り、本当の自分を見つけ出してくれるのだろうか?
それとも単なる気休めにすぎないのか――

俺は気の迷いを打ち消すために、目を瞑りながら駅を出た。


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:15:17.71 ID:98MNL7IWO
支援

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:15:42.77 ID:H2keWctMO
支援

95 :本編:2007/10/10(水) 01:16:07.13 ID:7ZQLWs4S0

旅は道連れ、とはよく言ったもんだが現実になるとは誰が思ったことか。
まあ、たまには感情の流れ込んでこない生き物との生活もいいかもしれない。

( ゚∀゚) 「ほれ! お手!」

(=▼ェ▼) ニャーン?

( ゚∀゚) 「お手だよ、お手。こうやって俺の手にお前の前足を乗せるの」

そういって、俺は猫の前足をつかみ俺の手の上に乗せる。
こちゃんと理解してるのかどうかはわからないが、猫は「ニャー」と一声鳴いた。

( ゚∀゚) 「よし、じゃあもう一回やるぞ! お手!」

(=▼ェ▼) ニャー!

( ゚∀゚) 「おお!」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:16:50.91 ID:87S9s6xGO
支援

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:17:08.92 ID:+B0jD5Ez0
支援

98 :本編:2007/10/10(水) 01:17:49.95 ID:7ZQLWs4S0

旅は道連れ、とはよく言ったもんだが現実になるとは誰が思ったことか。
まあ、たまには感情の流れ込んでこない生き物との生活もいいかもしれない。

( ゚∀゚) 「ほれ! お手!」

(=▼ェ▼) ニャーン?

( ゚∀゚) 「お手だよ、お手。こうやって俺の手にお前の前足を乗せるの」

そういって、俺は猫の前足をつかみ俺の手の上に乗せる。
こちゃんと理解してるのかどうかはわからないが、猫は「ニャー」と一声鳴いた。

( ゚∀゚) 「よし、じゃあもう一回やるぞ! お手!」

(=▼ェ▼) ニャー!

( ゚∀゚) 「おお!」


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:19:09.69 ID:+B0jD5Ez0
おお

100 :>>98誤爆:2007/10/10(水) 01:19:16.80 ID:7ZQLWs4S0

見れば、俺の手の上にちゃんと猫の前足が乗っていた。
賢いんだな。そう思い、猫の頭をなでてやった。

( ゚∀゚) (素直な生き物ってのはいいねぇ)

こいつは俺を和ませてくれる。時には、生傷を増やしてくれたりもするが。
それでもここまで心安らぐ時を過ごせたのは久しぶりだった。

普段からこんな気持ちで過ごせればいいのにな。
こうやってリラックスできていると、いつもの自分を見直すことが出来る。
だけど現実問題、無理な話だろう。

――俺にこの忌々しい力がある限りは。


101 :本編:2007/10/10(水) 01:21:06.95 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (しかし……ここに人はいるのか?)

かれこれ二十分ほど歩いたが、人は愚か、民家さえ目にしてない。
ここにあるのは澄んだ自然ばかり。
鮮やかな緑に、どこまでも広がる青空。そしてなにより空気が違う。

あの男が言っていたことは、この自然を指していたんだろうか?
それとも他のなにかなんだろうか?けど――

( ゚∀゚) 「いい気分だ……」

久しぶりに自分の本当の気持ちを口に出来た気がする。
そしてその行為も、とても気持ちがいい。


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:21:14.24 ID:H2keWctMO
支援

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:21:15.79 ID:+B0jD5Ez0
支援

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:22:10.85 ID:Qdl+Y2dx0
支援

105 :本編:2007/10/10(水) 01:22:41.86 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「ありゃ?」

自然に夢中になりすぎて、気づけばだいぶ距離を歩いていた。
舗装されてない田舎道をただひたすら歩く。それだけで一時間ほど経っていた。

( ゚∀゚) 「そういえば……」

あの猫がいなくなってる。多分この自然に浮かれて、どっかへいってしまったのだろう。
きっとそのうち戻ってくるだろうから……俺はまだまだ自然を堪能するか。

俺は再び歩き始める。
周りの景色を見て、感動し、癒されながら。


106 :本編:2007/10/10(水) 01:24:36.63 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (ここはいい……)

自然に触れることによって、毒が抜けていくかのように俺の心が澄んでいくのわかる。
だけど……それじゃあまり意味がない気もする。
俺は人と人との関わりを避けていることで、気休めをしているだけじゃないだろうか?

( ゚∀゚) 「……ん?」

俺の鼻を、まったりとした風がくすぐる。まったりとした潮の匂いだ。
海が近いんだろうか。

( ゚∀゚) (それとも汗っかきの多い村なのかね。グルグル乙)

そしてまた風がやってきて、ツンとした潮の匂いを運んでくる。

( ゚∀゚) (……ツンとした匂い?)


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:25:04.49 ID:+B0jD5Ez0
支援

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:25:28.65 ID:gy7pPk4kO
支援

109 :本編:2007/10/10(水) 01:26:26.92 ID:7ZQLWs4S0

何故だろうか、さっきの匂いとは違う感じがする。
もわわんとして、ちょっとすっぱくて……

( ゚∀゚) (ペロッ……これは間違いなく汗の匂い!!)

俺の考えがそこに行き着いた瞬間、突如俺の中に見知らぬ感情が流れ込んできた。

(;゚∀゚) 「っ!」

他の人間がいる。
そう察知した瞬間、さきほどまで開放的だった俺の心は――閉ざされた。

俺は息を荒げて、遠くを見やる。
見えるは小さな人影。フラフラと蛇行しながら歩いている。


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:26:52.92 ID:JJRTmuoC0
私怨

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:27:04.68 ID:H2keWctMO
支援

112 :本編:2007/10/10(水) 01:27:59.21 ID:7ZQLWs4S0

('A`) (あ〜、疲れた!! すげぇ汗かいちまったな!!)

段々とその人間の風貌が露わになってくる。
捻り鉢巻、無精髭、汚れたシャツにダボダボズボン。

そしてその男が近づいてくるにつれ、段々と周りの空気が茶色くなっていく気がする。
どうやらさっきの匂いはこの男から放たれていたようだ。

(;゚∀゚) (とんでもねぇ臭さだ……)

俺が鼻を覆い、パッと顔をあげた瞬間――

('A`) 「お……?」

( ゚∀゚) 「……」

目があってしまった。
そしてその男の感情は、すぐさま俺に対する好奇心で埋め尽くされていった。


113 :本編:2007/10/10(水) 01:30:08.37 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (絶対話しかけられるよな……)

俺の予想通り、その汗臭い男がこっちに近づいてきた。

('A`) 「お前ここのもんじゃないよな? 旅行かなにかかい?」

( ゚∀゚) 「……一人旅です」

('A`) 「へぇー、見たところかなり若いようだけど。しっかりしてんだな。いくつ?」

( ゚∀゚) 「……15です」

('A`) 「若いのに陰気臭いぜ! ほれ、もっとシャキッといこうや」

こーゆータイプは間違いなく苦手だ。
人のことにやたらと首を突っ込む。いわゆるお節介。


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:30:34.60 ID:+B0jD5Ez0
支援

115 :本編:2007/10/10(水) 01:31:43.60 ID:7ZQLWs4S0

この男の感情が俺に対する興味で溢れているのに対して、俺はひたすら心を閉ざす。
どうせ知らない人間に関わったところでいいことはない。
知らない人の汚い感情を見るのは、余計に心苦しくなる。

( ゚∀゚) (早めに逃げるか……)

これ以上関わらないほうがいいだろう。
そう判断した瞬間、その男の感情が楽しげなものに変わった。
やべ――なにか来る。
もともと近かった男が、更に距離を縮めてきた。

('A`) 「なあお前さ」

( ゚∀゚) 「……なんですか」

('A`) 「俺の家に泊まるか!?」

( ゚∀゚) (そう来るか……)


116 :本編:2007/10/10(水) 01:32:54.13 ID:7ZQLWs4S0

正直関わりたくない。
丁重に断ろう。そう考えた俺はサッと手をあげて拒否の意を示そうとする。
しかし、その手は男によって叩き落とされた。

('A`) 「遠慮しなくていいぜ! 海の幸も食わしてやるからよ!」

(;゚∀゚) 「いや……」

('A`) 「よし、じゃあいくか! まずはシャワー浴びるか! 俺すげー汗かいちゃってさ……」

抵抗むなしく、俺は無理やり引っ張られていってしまった。


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:32:59.39 ID:+B0jD5Ez0
支援だぜ

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:33:10.50 ID:H2keWctMO
支援

119 :本編:2007/10/10(水) 01:34:14.68 ID:7ZQLWs4S0

途中から抵抗するのもむなしくなってしまった俺は、道中「ドクオ」と名乗ったこの男に並んで歩くことにした。
ドクオさんはお喋りというわけではないが、俺に気をつかってかやたらと話題をふってくる。
俺はだいたいを適当に答え、ドクオさんとの距離を置いていった。

それにしても……どうしてドクオさんは急に俺を誘ったりしたのだろうか。
感情で判断するからに、親切心がまんま働いているからのようだ。
そんなこと、俺の住んでいるところじゃありえない。
親切されたとしても、それはなにかしら下心をもった上でのものしかない。
田舎`sソウル。立派だねぇ。

( ゚∀゚) (出会った人には親切にする、か)

どんだけ気楽な生活をしてきたんだろうな……。
物思いに耽っていると、ドクオさんが俺の肩を叩いてきた。


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:35:04.94 ID:+B0jD5Ez0
アッーを想像した俺はオワットル

121 :本編:2007/10/10(水) 01:35:46.55 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「ついたぜ」

( ゚∀゚) 「え?」

顔をあげると、ここにきてから初めて見る……家。
けっこう大きな家で、和風テイストな雰囲気を醸し出している。

ドクオさんはズカズカと玄関に向かっていき、ドンドンと横開きの玄関を叩く。
そして家に向かって大声を張り上げた。

('A`) 「おい、クー! 着替えとタオル持ってきてくれねぇか!!」

( ゚∀゚) (奥さんいるのか……?)

ドクオさんの呼びかけに応答はなかった。
なんかちょっと可哀想な人だな、と哀れみの視線をドクオさんに投げかけてしまう。
そしてそれから十分ほどして、突然勢い良く玄関が開かれた。


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:35:55.50 ID:98MNL7IWO
支援

123 :本編:2007/10/10(水) 01:37:33.85 ID:7ZQLWs4S0

川 ゚ -゚) 「着替え、もってきたぞ」

姿を見せたのは、女性。おそらく「クー」という名だろう。
そしてとても――

(*゚∀゚) (綺麗だなー)

黒髪の映える、日本美人。
第一の感想は、まずそれだった。

('A`) 「おい、クー。この子は旅の少年で……そういや名前聞いてなかったな」

( ゚∀゚) 「あ、長岡ジョルジュです」


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:38:10.13 ID:+B0jD5Ez0
支援

125 :本編:2007/10/10(水) 01:39:06.72 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「ジョルジュか。……ジョルジュ? あー……そういやなんとなく似てるな。眉毛以外」

川 ゚ -゚) 「ドクオ。名前が一緒でも親戚にはならないぞ。まあ確かに似てるがな。眉毛以外」

( ゚∀゚) 「?」

二人とも俺の顔を見てニヤニヤしている。
どうたら俺にすごく似てる人がいるらしいが……あまり良い気分ではない。

('A`) 「そんでさ、泊まるところないらしいから家で泊めてあげることになった」

川 ゚ -゚) 「なるほどな。じゃあ、今夜はいつもより腕を揮わないと」

驚いたことに、いきなり見知らぬ人を泊めることにクーさんは一切難色を示さない。
それどころか、クーさんの感情はウキウキとしているようだ。


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:40:22.63 ID:H2keWctMO
支援

127 :本編:2007/10/10(水) 01:41:00.13 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (こっちじゃ、人を家にあげるのさえ抵抗するやつもいるのにな)

川 ゚ -゚) 「ところでその猫ちゃんもお泊りかな?」

( ゚∀゚) 「え?」

クーさんの目線の先を追う。
するとそこには、先程まで姿を消していたあの猫がいた。

(=▼ェ▼) ニャー

( ゚∀゚) 「いつの間に戻ってきたんだよ……」

('A`) 「猫を連れて旅に出るっていうのもおかしなやつだな。よし、その猫も泊めちゃる」

( ゚∀゚) 「はあ……」

田舎の人はサービス精神が旺盛なのかね。
かくして俺と猫は、ドクオさんの家でお世話になることになった。


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:42:16.33 ID:+B0jD5Ez0
支援

129 :本編:2007/10/10(水) 01:42:30.00 ID:7ZQLWs4S0

* * * *

('A`) 「へぇ、あそこの駅長にそんなことをね」

( ゚∀゚) (あのおっさん駅長だったんだ……)

俺はドクオさんと茶を飲みながら、ここにくるまでの経緯を話した。
それを隣で聞いていたクーさんが、不安げな表情で口を開く。

川 ゚ -゚) 「その伯父さんには連絡入れなくていいのか?」

( ゚∀゚) 「あっ、そうだ……。電話借りてもいいですか?」

('A`) 「いいよ。勝手に使いな」

俺は行きがけに母からもらったメモを取り出す。
そこには伯父の家の住所と電話番号が載っている。
俺はそれに従ってダイヤルを回した。


130 :本編:2007/10/10(水) 01:43:30.58 ID:7ZQLWs4S0

『もしもし?』

( ゚∀゚) 「もしもし? えーと長岡のところのジョルジュです」

『ああ、ジョルジュ君か。どうしたんだい? 予定よりだいぶ遅れているようだが』

( ゚∀゚) 「えーと……すいません。やっぱりそっちには迎えません」

『どういうことだね?』

( ゚∀゚) 「ちょっと、別の目的ができてしまいまして――」

その瞬間、伯父の怒声が耳中に鳴り響いた。
俺に反論する隙を与えず、マンシンガンのように怒鳴り続けている。


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:44:51.28 ID:+B0jD5Ez0
支援

132 :本編:2007/10/10(水) 01:45:00.59 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (あーこれ絶対漏れてるよ……)

伯父の雑音とは別に、ドクオさんとクーさんの不安げな感情も流れ込んでくる。
ドクオさんとクーさんを心配させるのもあれなので、一言だけ謝って受話器を置いた。

( ゚∀゚) 「電話、お借りしました」

('A`) 「ああ。……大丈夫なのか?」

( ゚∀゚) 「多分もう伯父のとこに顔を見せるわけにはいかないですね」

川 ゚ -゚) 「……大変なんだな」

それからは長い沈黙が続いた。
例の猫はクーさんになついていて、クーさんの膝の上でスヤスヤと寝ている。気楽なもんだ。
一方のドクオさんは……気難しげな表情をしている。


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:45:31.25 ID:87S9s6xGO
支援

134 :本編:2007/10/10(水) 01:46:16.27 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (なにか提案してくんな……)

ドクオさんの心からは、俺をどこかへ連れて行こうと画策してる様子が伺える。
正直どうでもいいが、泊まらせてもらう以上従ったほうが良いだろう。
結局、ドクオさんが俺を誘ったのは三十分ほど経ってからだった。

('A`) 「ついてくるか?」

( ゚∀゚) 「はい」

たった一言。余計な言葉はいらない。
俺とドクオさんは手ぶらのまま家を出た。


135 :本編:2007/10/10(水) 01:47:47.45 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「……」

( ゚∀゚) 「……」

ただひたすら黙って歩く。
周りを見渡す。海がとても綺麗だ。
ただ今は、その景色さえ堪能できない雰囲気だった。

('A`) (どうやらこいつは大きな悩みを抱えてるらしい。どうにかしてやれないものか)

( ゚∀゚) 「……」

田舎の人はどこまで親切なんだろう。
フラリと一人旅をしているやつなんて、放っておけばいいのに。
少なくとも俺が住んでいるところじゃ、男の一人旅なんてしたら後ろ指を指されるだろう。

ふとドクオさんが立ち止まる。
当然ながら俺もそれに従い、ドクオさんの次の言葉を待った。


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:48:41.13 ID:+B0jD5Ez0
親身だよなぁ

137 :本編:2007/10/10(水) 01:49:21.96 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「なあ、ジョルジュ」

( ゚∀゚) 「なんですか?」

('A`) 「せっかくこんな田舎に来たんだ。なにか吐き出したいことがあったら吐き出していいんだぞ」

( ゚∀゚) 「……」

結局、ドクオさんの考え付いた言葉はそれだったらしい。
ドクオさんの感情からは、俺の助けになれたならという気持ちがひしひしと伝わってくる。
それは嬉しい。嬉しいんだけど――きっと俺の苦悩を晴らすことなんてできないに決まってる。

俺は三っつ歩みを進め、ドクオさんを振り返った。


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:50:14.84 ID:+B0jD5Ez0
支援

139 :本編:2007/10/10(水) 01:50:23.05 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「せっかくですが、自分で解決するようにします。それでは、一足先に家に戻ってます」

('A`) 「……」

早足でドクオさんの家に向かう俺。
そんな俺の背中を、ドクオさんの悲しそうな感情が追いかけてくるような気がした。

やっぱり人間と関わるのは――息苦しい。


140 :本編:2007/10/10(水) 01:52:00.52 ID:7ZQLWs4S0

ドクオさんの家に戻ると、クーさんが台所で夕飯の準備をしていた。
見たところ海の幸が満載のようである。さすが海が近いだけある。

( ゚∀゚) (手伝ったほうがいいのかな……)

しかし、さきほどのドクオさんとのやりとりを思い出すと……やはり余計なことはしないほうがいいかもしれない。
俺はなにも考えずに猫と遊ぶことにした。

じゃれたり、お手をさせたり、寝転がったり。
しかし、どの行為も猫に冷たくあしらわれた。

( ゚∀゚) 「……」

そのとき、俺は駅長の言葉を思い出した。


141 :本編:2007/10/10(水) 01:53:05.97 ID:7ZQLWs4S0

「悩みを抱えてる人は、必ずこの猫に冷たくされるホマ。そしてその後に何かを仄めかすような言動をするホマ」

……。
この猫は、やはり俺の感情を読めるのだろうか。
意味がないとわかっていながらも、俺は猫に話しかける。

( ゚∀゚) 「おい」

(=▼ェ▼) ニャー?

( ゚∀゚) 「お前、なんで俺に悩みがあるってわかったんだ?」

(=▼ェ▼) ニャー……

( ゚∀゚) 「悩みというか、苦悩に近いものだけどな」

(=▼ェ▼) ニャー!

( ゚∀゚) 「はは、元気出してってか――」

川 ゚ -゚) 「誰と話しているんだ?」

(;゚∀゚) 「わっ!」


142 :本編:2007/10/10(水) 01:54:35.44 ID:7ZQLWs4S0

いつの間にか、クーさんが俺のすぐ近くまでに来ていた。
その魅力的な姿は、思春期真っ盛りの俺にはきついものがある。

川 ゚ ー゚) 「ふっ、猫と話していたのか。とことん変な子だな」

( ゚∀゚) 「は、はあ」

今日一日を過ごしてきてわかったのだが、クーさんは感情のままに言葉を発する。
そのせいか、クーさんと二人きりになっても息苦しいものはない。

俺はふと考える。
この人はこんなに素直に生きていて、気持ちよく生きていられるのだろうか。
素直に生きるということは、周りの人間を傷つけることも多いだろう。不快に思われることも多いだろう。
あまりに俺とは正反対すぎて――疑問を口にせずにはいられなかった。


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:54:36.51 ID:+B0jD5Ez0
支援

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:55:09.66 ID:87S9s6xGO
支援

145 :本編:2007/10/10(水) 01:56:09.67 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「クーさんは……裏表を使い分けることはないんですか?」

川 ゚ -゚) 「それは……性格のことか?」

( ゚∀゚) 「まあ性格というか、普段過ごしている中で」

川 ゚ -゚) 「無いな」

( ゚∀゚) 「……」

川 ゚ -゚) 「人間生きていれば、裏表を使い分けることもあるだろう」

川 ゚ -゚) 「だけどここで生まれ、ここで育った私にはそんなものは必要なかった」


146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:56:36.22 ID:+B0jD5Ez0
支援

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:58:30.38 ID:87S9s6xGO
支援

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 01:58:59.35 ID:H2keWctMO
支援

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:03:03.90 ID:87S9s6xGO
さるか?

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:04:44.75 ID:98MNL7IWO
深夜は人少ないからな
支援

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:10:07.15 ID:+B0jD5Ez0
支援

152 :さるくらってました:2007/10/10(水) 02:13:03.12 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「……」

川 ゚ -゚) 「ただ私にだって仮面を被ろうと思うことはある。だがやったことはない」

川 ゚ -゚) 「一生仮面を被って生きていけば、自分が苦しくなるだろうからな」

( ゚∀゚) 「そうですか」

クーさんの言っていることは真実だった。
父が死んで以来、仮面を被り続けている俺。
全ての気持ちを吐き出せば――苦しくて、叫びたくてしょうがない。


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:14:59.97 ID:H2keWctMO
支援

154 :本編:2007/10/10(水) 02:15:11.75 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「やっぱり環境なんですかね」

川 ゚ -゚) 「なにがだ?」

( ゚∀゚) 「俺もここに生まれてれば、クーさんのように生きられたのかな」

川 ゚ -゚) 「それは違うと思うぞ」

( ゚∀゚) 「それはどういう……?」

そのとき、玄関の開く音が聞こえた。
それと同時に飛び込んでくるドクオさんの声。

('A`) 「おーい! ビール買ってきたぞ!」

ドクオさんの片手にぶらさがっている袋に入っているのは、三本のビール瓶。
誰がこんなに飲むんだろう。

('A`) ニヤッ

( ゚∀゚) 「……へ?」


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:15:34.56 ID:87S9s6xGO
支援

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:15:51.33 ID:+B0jD5Ez0
支援

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:15:55.08 ID:Qd5Poan+0
支援

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:16:36.78 ID:YQ2i1nVpO
支援

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:16:37.16 ID:Qdl+Y2dx0
支援

160 :本編:2007/10/10(水) 02:17:22.50 ID:7ZQLWs4S0

('A`*) 「ひゃっひゃっひゃ! ほれ、お前も飲め!」

(;゚∀゚) 「いや、遠慮しておきます」

案の定、こんな状況になってしまった。

食卓には様々な海の幸が並び、俺はドクオさんを避けるようにそれをセッセと食べる。
とてもおいしい。隣では猫も、ドクオさんが釣ってきたというアジに舌鼓をうっている。

( ゚∀゚) 「うまいなー」

(=▼ェ▼) ニャー!

川 ゚ -゚) 「そう言ってもらえると、作った甲斐があるってもんだ」

('A`*) 「全部獲ったのは俺だけどなぁ! ほれ、クーも飲め!」

(;゚∀゚) 「……」


161 :本編:2007/10/10(水) 02:19:09.54 ID:7ZQLWs4S0

数十分後、そこには見事にできあがった二人がいた。

('A`*) 「あ〜、今日は本当に良き日でございます」

川* ゚ -゚) 「ジョルジュ、私がまだ中学生だった頃はな……」

(;゚∀゚) 「……」

一方は独り言を呟き続け、また一方は自分語りをしてくる。
とてもじゃないが俺にはこの状況は耐えられない。

( ゚∀゚) 「ちょっと夜風にあたってきます」

('A`*) 「まんまるお月様が素敵でございます〜」

川* ゚ -゚) 「おい、ジョルジュ! まだ話は途中だぞ……」

俺はすばやくこの酒臭い空間から脱出した。


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:19:13.06 ID:+B0jD5Ez0
支援

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:19:57.91 ID:Qd5Poan+0
支援

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:20:04.63 ID:87S9s6xGO
支援

165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:20:17.57 ID:H2keWctMO
支援

166 :本編:2007/10/10(水) 02:20:41.86 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「はー……」

俺は玄関先に座り込み、溜め息をつく。
結局ここに来ても、なにかを得られたということは未だにない。
唯一、来てよかったと思えることは……この自然くらいだろうか。

( ゚∀゚) (結局ここでも俺の苦悩は晴らされないんだろうな)

明日にでもここを出よう。
あまり長居すると、逆に現実から逃げ出したくなる。
それに母にも心配はかけたくない。母は俺がいないと生きていけないのだから。

ザッ、と後ろから誰かがやってくる音がした。
俺が後ろを振り向くと、そこには相変わらずの捻りタオルのドクオさんがいた。


167 :本編:2007/10/10(水) 02:22:54.29 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「おーい」

( ゚∀゚) 「あ、どうも」

('A`) 「ちょっくら酒を抜きにきたぜ」

( ゚∀゚) 「そうですか……」

明日ここを出るんだ。
それは今の内に伝えておいたほうが良いだろう。
俺はそれを言葉にしようとする。が、ドクオさんに先手を取られてしまった。

('A`) 「地元での生活は苦しいか?」

( ゚∀゚) 「え? いや、別にそんなことは……」

('A`) 「そうか……。なら――裏表を使い分けることは苦しいか?」

( ゚∀゚) 「……」


168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:23:31.40 ID:+B0jD5Ez0
支援

169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:23:31.72 ID:87S9s6xGO
支援

170 :本編:2007/10/10(水) 02:25:11.60 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「クーからさっきの話を聞いたよ。やっぱりお前は苦しんでいるんだろうなって」

( ゚∀゚) 「……」

('A`) 「見ろよ、この空を」

ドクオさんは空を見上げる。
俺もそれに従い、空を見上げた。
そこには、都会では見られない満天の星空があった。

('A`) 「こんな景色を見てるとさ、やっぱりここはいいなって思っちゃうよ」

( ゚∀゚) 「……」


171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:26:00.16 ID:+B0jD5Ez0
眠い、ラスト支援

172 :本編:2007/10/10(水) 02:27:23.19 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「ジョルジュの言う通り、ここで生まれ育っていれば……なにか変わっているのかもしれない」

( ゚∀゚) 「……」

('A`) 「でもな、現実はもっと厳しいんだ」

( ゚∀゚) 「……?」

ドクオさんは頭に巻いているタオルを取り、ハラリと地面に落とした。
ドクオさんはそれを拾うことなく、淡々と話を続ける。

('A`) 「こういう田舎ってな。段々と人が少なくなっていくんだ」

( ゚∀゚) 「どうしてですか?」

('A`) 「若者はみんな、ここを捨てて出て行くんだよ。この自然を、空気を」

( ゚∀゚) 「……」


173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:28:31.18 ID:dhFdvTCq0
支援

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:28:56.58 ID:87S9s6xGO
お疲れ
支援

175 :本編:2007/10/10(水) 02:29:13.91 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「迫り来る都会の文明に憧れて、光に吸い寄せられる虫のように上京していっちまう」

('A`) 「ここで一生を過ごすことを退屈だと感じるんだろうな。まあ、実際俺もそんな時期はあったよ」

チラっと見たドクオさんの横顔は、少し寂しさが滲んでいた。
しかし、その表情はすぐに引っ込められ、すぐに精悍な顔つきにもどる。

('A`) 「その中で都会に馴染むやつもいれば、リタイアして戻ってくるやつもいる」

('A`) 「結局は自分しだいなんだ。ここで生きるのも、都会で生きるのも、自分に素直に生きるのも」

('A`) 「ここの環境のおかげなんていうのはな。所詮、自分の境遇を不幸と決め付けているやつの言い訳なんだよ」

( ゚∀゚) 「……」

('A`;) 「って、クーは言いたかったんじゃないのかなぁ? あははははは」

言い訳、か。
確かにそうかもしれない。俺が俺自身を崩さないための言い訳。


176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:29:54.55 ID:Qd5Poan+0
支援

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:30:31.73 ID:dhFdvTCq0
支援

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:31:17.13 ID:Qdl+Y2dx0
俺の作品より長いwwww

支援

179 :本編:2007/10/10(水) 02:31:20.54 ID:7ZQLWs4S0

('A`) 「なあ、お前がどんな悩みを抱えているのかは知らないけどさ」

( ゚∀゚) 「はい」

('A`) 「自分が苦しくなるように生きるなんておかしいんじゃないか?」

( ゚∀゚) 「……」

('A`) 「自分らしく生きることが大切なんじゃねーの?」  

( ゚∀゚) 「……」

今わかった。
普段から道化を演じている俺。
それは周りに嫌気を感じているのでは無く、俺自身を守るためにやっているのだなと。

俺の特殊な力。
それのせいで自分が不幸になっているのだと『思い込むために』、道化を演じていたんだ。
環境なんて自分しだいの努力で、いとも簡単に素敵なものに変えられるんじゃないだろうか。

俺は久しぶりに――本気で泣いた。


180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:31:51.98 ID:98MNL7IWO
支援

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:32:22.82 ID:87S9s6xGO
支援

182 :本編:2007/10/10(水) 02:33:21.15 ID:7ZQLWs4S0

( ;∀;) 「ひっぐ、えっぐ、……うっ」

('A`;) 「ど、どーした!?」

( ;∀;) 「なんでもないれ゛ず……」

そう、たいしたことじゃない。
ただ悲しくなっただけ。今までの自分に。
周りの環境を打開しようとせず、自分自身を閉じ込めるような生き方をしてきた自分に。
そんな自分に――ただマジ切れしただけ。


183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:34:52.67 ID:dhFdvTCq0
支援

184 :本編:2007/10/10(水) 02:35:34.62 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「……もう大丈夫です」

('A`) 「そうか……」

( ゚∀゚) 「ところで、ドクオさん」

('A`) 「ん?」

( ゚∀゚) 「本当の俺ってどんなのですかね?」

('A`) 「自分らしいと思ったら、それが自分なんじゃねーの?」

(;゚∀゚) 「……」

('A`) 「他人に迷惑をかけない範囲で、自分が苦しくならない生き方」

('A`) 「それができているときが、本当の自分なんじゃないかな」

( ゚∀゚) 「……そうですね」

俺はドクオさんに一言礼を言い、再び空を見上げた。
そこには先ほどとは見え方の違う星空があった。


185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:35:51.28 ID:H2keWctMO
支援

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:37:14.37 ID:Qd5Poan+0
支援

187 :本編:2007/10/10(水) 02:38:12.20 ID:7ZQLWs4S0

* * * * * 

('A`) 「もう行くんだな」

( ゚∀゚) 「はい」

次の日の朝、俺はやっぱりここを出ることした。
大事なものは見つけた。だからもうここにいる必要は無い。
……というわけではなく、これ以上いるとここから離れられなくなってしまうからだ。

川 ゚ -゚) 「もうちょっと泊まっていってもいいんだがな」

( ゚∀゚) 「これ以上クーさんと一緒にいると、俺が耐えられそうにないんで」

川 ゚ -゚) 「ふ、また一人私に惚れてしまったか」

('A`) 「クーの自分語りに耐えられないだけだろ」

( ゚∀゚) 「ですねー」

川# ゚ -゚) 「ふんっ!」


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:38:59.40 ID:87S9s6xGO
支援

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:40:46.49 ID:Qd5Poan+0
支援

190 :本編:2007/10/10(水) 02:40:47.42 ID:7ZQLWs4S0

クーさんの鉄拳が、ドクオさんの鳩尾にめり込む。
苦しそうにもがくドクオさんを見て、俺とクーさんは大笑いした。

川 ゚ -゚) 「それにしても、なんか明るくなったな」

( ゚∀゚) 「俺がですか?」

('A`) 「うんうん。来たときはすごい暗かったもんな」

川 ゚ -゚) 「そうだな」

( ゚∀゚) 「まじっすか……」

もちろん、そのときは意識的にそうしていた。
そのときは苦しかった。話しているのさえ面倒くさかった。
でも今、ドクオさんとクーさんと話している俺は――とても楽しく感じられる。


191 :本編:2007/10/10(水) 02:43:15.47 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (これが本当の俺なのかも知れないな……)

やっぱりここに来て良かったと思う。
ドクオさん、クーさん。地元に帰ったら、あなたたちのような感情の持ち主と出会えたらいいな。
やっぱ気兼ねなく付き合えるだろう。そしてなにより――いつでもあなたたちを思い出すことが出来る。

本当に――

( ゚∀゚) 「ありがとうございました」

('A`) 「ああ」

川 ゚ -゚) 「またいつでも遊びに来い」

( ゚∀゚) 「そういや、猫のやろういないですね」

('A`) 「そういやいないな」

川 ゚ -゚) 「散歩にでも行ってるんだろう」


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:43:43.19 ID:87S9s6xGO
支援

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:44:39.24 ID:Qd5Poan+0
支援

194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:45:00.93 ID:H2keWctMO
支援

195 :本編:2007/10/10(水) 02:45:14.54 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) 「それじゃあ、また遊びにきます」

('A`) 「じゃあな」

川 ゚ -゚) 「待ってるぞ」

俺は駅に向かって歩いていく。
その間、決して二人のほうを振り返らなかった。


196 :本編:2007/10/10(水) 02:47:30.59 ID:7ZQLWs4S0

駅につくと、やはりあの男がいた。

( ゚∀゚) 「どうも」

( ^^ω) 「おー、少年。早いホマね」

( ゚∀゚) 「あれ?」

ここにも猫はいなかった。
てっきりここに帰ってきていると思ったのだが。

( ^^ω) 「いい表情をしてるホマ」

( ゚∀゚) 「そーですかぁ? そう言ってもらえるなら嬉しいっす!」

( ^^ω) 「ホマホマホマwww」

( ゚∀゚) 「猫はいないんですかね?」


197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:48:01.39 ID:87S9s6xGO
支援

198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:49:01.92 ID:Qd5Poan+0
支援

199 :本編:2007/10/10(水) 02:49:48.70 ID:7ZQLWs4S0

( ^^ω) 「あー、多分あの猫は二度と君の前に姿を見せないホマ」

(;゚∀゚) 「えっ!? なんでですか!?」

焦る俺に対して、駅長は再び独特な笑い声をあげる。
そして一言。

( ^^ω) 「本当の君が一番好きだホマ」

( ゚∀゚) 「……」

そういうことか。
あの猫は――あいつだったんだな。


200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:49:53.91 ID:H2keWctMO
支援

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:50:33.25 ID:Qd5Poan+0
支援

202 :サザソのトリヴィア:2007/10/10(水) 02:50:37.31 ID:VIwsg87y0
うはwwwミスったwww

203 :本編:2007/10/10(水) 02:51:51.52 ID:7ZQLWs4S0

俺は駅長にお礼を言い、電車を待った。
ホームには気持ちのいい風が流れ、自然と心に安らぎを与えてくれる。

もう一度ここに来れたらいいな。
ドクオさんとクーさんに、本当に変わった自分を見せたい。
そのためにはまず――地元に帰ってから、頑張らないとな。

気づけばいつの間にか電車がきていた。
俺はそれを確認すると、空を見上げてから車両に乗り込んだ。


204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:53:44.53 ID:dhFdvTCq0
支援

205 :本編:2007/10/10(水) 02:53:52.48 ID:7ZQLWs4S0

エピローグ

本当の自分を知るための日々は、まるで昔の思い出のようだった。
俺は帰ってきたのだ。自分の故郷に。
俺はここでこそ――本当の自分にならなければいけない。

自分の前に立ちふさがる家の玄関。
そこはいつもより大きくて、畏怖を感じさせた。

( ゚∀゚) 「ただいまー」

俺はハッキリとした声を出し、気合を入れる。
その俺の声に気づき、母ちゃんが顔を出した。


206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:54:27.84 ID:H2keWctMO
支援

207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:54:41.64 ID:87S9s6xGO
支援

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:55:46.96 ID:dhFdvTCq0
支援

209 :本編:2007/10/10(水) 02:55:53.76 ID:7ZQLWs4S0

川 'ー`) 「お帰りジョルジュ。伯父さんから色々と話は聞いたわ」

( ゚∀゚) 「うん……。とりあえず、明日話すよ。今は休みたいんだ。あ! はい、余ったお金」

俺はほとんど手をつけていないお金を母に手渡す。
母ちゃんはそれを見て、「あらまあ」と呟き財布にしまった。

( ゚∀゚) 「じゃあ俺は上で休んでるよ」

川 'ー`) 「わかったわ。後でお煎餅持っていってあげるわね」

( ゚∀゚) 「……ああ」

またか、と思いながら、俺は階段を上っていく。
そして自分の部屋に辿り着くと――すぐさまベッドに倒れこんだ。


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:56:12.07 ID:dhFdvTCq0
支援

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:56:17.34 ID:Qd5Poan+0
支援

212 :本編:2007/10/10(水) 02:57:56.07 ID:7ZQLWs4S0

   「自分らしく生きることが大切なんじゃねーの?」  

 「一生仮面を被って生きていけば、自分が苦しくなるだろうからな」

「自分らしいと思ったら、それが本当の自分さ」    「本当の君が一番好きだホマ」

俺の頭の中で、沢山の言葉が反芻する。
わかっている。わかっているのに。俺は俺でいたいのに。
本気で変わろう――そう思うには、まだ心の準備が足りない。

( ゚∀゚) 「でも……」

まずは、はじめの一歩ぐらい踏み出しておかなきゃな。
それじゃあいっちょ――いきますか。

俺は部屋から飛び出すと、リビングにいる母ちゃんに向かって叫んだ。

( ゚∀゚) 「母さん!! やっぱりクッキーにしてくれー!!」

俺はそれだけ言うと自室に戻り、ベッドの中に逃げるように潜り込んだ。


213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 02:58:18.20 ID:dhFdvTCq0
支援

214 :本編:2007/10/10(水) 02:59:57.86 ID:7ZQLWs4S0

――そしてそれから半年後

俺は県内で最高峰の学力を持つ高校の、合格発表にやってきていた。
母の気持ちに従ったわけじゃない。ただちょっと――生きるのを頑張りたいと思った結果だ。

( ゚∀゚) 「うー、さぶい」

俺の周りには沢山の受験生がいて、たくさんの感情が渦巻いている。
どれもこれも似通った感情。まあ、俺も同じ気持ちなんだけど。

そのとき、大きな白い紙をもった男の人がやってきた。
そしてそれを丁寧に――掲示板へと貼り付ける。
その途端、受験生が一気に掲示板に群がりはじめた。

俺は周りの受験生に揉みくちゃにされながら、必死に自分の番号を探す。


215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:00:04.66 ID:H2keWctMO
支援

216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:00:31.72 ID:Qd5Poan+0
支援

217 :本編:2007/10/10(水) 03:01:30.97 ID:7ZQLWs4S0

( ゚∀゚) (俺の番号は……)

――あ




(*゚∀゚) 「あったー!!」(´・ω・`*)

( ゚∀゚) 「ん?」

(´・ω・`) 「あ……」

俺はその男と顔を見合わせる。
垂れ下がった眉毛から、ショボンとした印象を受ける。


218 :本編:2007/10/10(水) 03:03:02.65 ID:7ZQLWs4S0

俺は思わずこの男の感情に触れてしまう。
その男の感情は見た目どおりショボンとしている部分もあるが――今は一生懸命輝いていた。
そしてそいつは俺に対してさえ、一生懸命喜びの感情を放っていた。

そうだな。こんな時くらい、お互いを認め合ってもいいじゃないか。

そして俺たちは――固い握手をした。

マジ切れ合作ゲリラ


『(´・ω・`)ショボンが悲しい夏を振りかえるようです』

IN 『( ^ω^)と夏の日のようです』




『( ゚∀゚) ジョルジュと夏の日のようです』 END


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:03:38.11 ID:87S9s6xGO
乙!
これがあの悲しい夏につながると思うと・・・・・・

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:04:40.03 ID:H2keWctMO
乙!

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:05:52.51 ID:Qd5Poan+0
乙!

222 : ◆bAt3E3sVXo :2007/10/10(水) 03:09:21.44 ID:7ZQLWs4S0
こんな時間まで付き合っていただきありがとうございました。
内容的にも実力的にも、あまり合作を盛り上げることができなくて大変不甲斐ないです。

マジ切れのしたらばで丁寧に質問に答えてくださったみなさん、それから作品を貸していただいた夏の日さん。
本当にありがとうございました。


この話は悲しい夏に続くので、見比べていただけたら幸いです。
さー、あとは合作支援と現行と新作を頑張りますわ。

この話でまだわからないところもあると思いますが、それを明かすのもスレチなのでここらで退散したいと思います。

それではマジ切れ合作に幸あれ!おやすみなさい!

223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/10(水) 03:17:42.05 ID:87S9s6xGO
おやすみ

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