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【マジ切れ】( ^ω^)ゲリラのようです【フリーダム】

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:15:18.46 ID:EziKmTvg0
これまでのあらすじ

マジ切れ合作か……大変だなぁ色々と
  ↓
ゲリラやんのか。よっしゃ、ここは一つ俺も参加すんべや
  ↓
うわぁぁああぁぁああぁ、間に合わないぃぃぃ
  ↓
期限過ぎちゃったよ……どうすっぺかなぁ
  ↓
あれ? でも、そもそもゲリラに日時が決まってるのっておかしくね?
  ↓
………………
  ↓
特技はぁ〜、リアルゲリラ〜♪ ←今ここ


BGM:ttp://203.131.199.131:8000/realtime.mp3
※Winampとかメディアプレイヤーとかにぶち込んでチェケラ

BGM聴こえるかどうかリアクションプリーズ

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:19:29.64 ID:EziKmTvg0
駄目だ気付かれないwwwww

とにかく投下開始wwwwwww

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:20:56.48 ID:EziKmTvg0
銀河に浮かぶ、無数の天体。

燃え上がる太陽、様々に姿を変える月、輪を侍らす土星……。
漆黒の空間の中で、その存在を示すかのようにそれぞれ星は個性を持つ。

そして、その中にはともすれば宇宙に反するような、真白なる星があった。

だが、白き星が他の天体と一線を画すのはそれだけではない。
この星は意思を持ち、自らの思考を持つ。
ただ、その息吹に生命らしさは感じられず……。

「……人類の……探査を……開始する……」

どこかで響いた声と共に、星の表面から何かが切り離される。
それはある程度進んだ後、速度を上げて一直線に地球へと向かう。

白き星はその様子を見届け、そしてその果てにある青き星をただじっと見つめていた。

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:21:00.22 ID:U1JnVHXXO
な…何ぃっ!?

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:23:07.62 ID:EziKmTvg0
統一2ch暦八年……人々は未だ、争いの歴史を繰り返そうとしていた。

北半球に位置するν帝国の、起こるべくして起こった宣戦布告。

VIP、ラウンジ、ニーソク各国は様々な応対で戦争へと参加し、戦火は大陸全土へと広がっていった。

列国の軍事強化が進み、その中心には駆動兵器と呼ばれる人型の兵器の存在があった。

人型兵器――ロボットによる軍需産業は戦争の中で進歩し、より効率的、より強力な兵器としてのロボットが生み出されていく。

しかし、戦火から離れた場所に、純粋なロボット工学の進歩を続ける一つの島国が存在していた。

技術大国、日本。

その国内だけでなく、世界でもトップクラスの大企業である、荒巻コーポレーション。

企業を統べる荒巻社長は、若き頃に偶然にもネット上で地球に迫る危機を知り得ていた。

そして、その脅威に対抗するため、秘密裏に計画されたDプロジェクト。

超古代文明の遺産を得て、計画は順調に進められていく。

だが、それを隠すにも限界があった。

物語は、VIP国の基地にある組織から一つの情報が届けられるところから始まる……

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:25:51.71 ID:EziKmTvg0
      ____ __    ___ __      __   __   _ __
     /     /::/  ,rー 、:::/   /:/ /7了:::::::/  /::::/  イT7 ,.イ /
     /      |::::/  /_!_゚_ ノ:/   /:::/ /ー┴ ':::::::/ /::::::::/ /__:7 /::/ /了
    ――i  /:::/  / イ__:/_ /7 / ̄   ̄了::::::::/ /::/_ ̄   / ̄了 /二
        /  / 了 /|  | / // /__,  ___/::::::::::/   ̄∠  、__/ ' ' /  i´
    / 、イ__/ /:::!  L」 // / 了  /了77 ァ  ___/:ノ  /::/_' '_/7 l 7__
   /  ,   了′/:::::|  |:/ // / /  | |::7' /′ /:::/    了  ーァ  /
   /  イ  /:/  l:::::::|  l/   / /  /| |/ //  /:::/  /!  l7 r/  /
  // ヽ |:/__l:::::::|_|__┬::::l_/::::7___//_/:::/ / ヽ |l__// 人/
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                                ┃┏┓┃┃┏┓┃┏┓┃┏┓┃┃┃
                                ┃┗┛┗┫┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
                                ┃┏━┓┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃┃
                                ┃┗━┛┃┗┛┃┗┛┃┃┃┗┛┃
                                ┗━━━┻━━┻━━┻┛┗━━┻



                ―――  S T A R T  ―――
                     R O A D
                     C O N T I N U E

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:27:39.05 ID:EziKmTvg0
――VIP国南部指令基地。

VIP国の主力兵器である駆動兵器を保有するその基地に、本国より一つの暗号伝聞が入ってきた。
状況が状況なだけに、基地もそれ相応の覚悟で閲覧したが、意外にもグレードは最低のCランク。
暗号の仕方も、一番簡単な縦読み方式であった。

それでも最初に閲覧したのは基地を担当する立場のフサギコだったが、その内容に彼自身も眉をひそめる。
本国から届けられたその情報は、一触即発の戦時下において、いささか場違いとも取れるような内容だったからだ。

( ,'3 )「未確認兵器の偵察……ですか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ」

基地内の司令室にて、バルケンは少し前のフサギコと同じように眉をひそめた。
フサギコも若干訝しげな表情を作り、話を続ける。

ミ,,゚Д゚彡「なんでも、日本においてその……未確認兵器の開発が進められているそうだ」
( ,'3 )「未確認……と言いますと?」
ミ,,゚Д゚彡「知らん。だから未確認なんだろうよ」

フサギコはふう、と溜め息を吐きながら情報が書かれた文書をデスクの上に放る。
バルケンがちらりとその書面上を覗き見ると、余白をたっぷりと使った文面が確認できた。

( ,'3 )「つまり、何かを造っている、という情報だけなのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「らしいぞ。どう考えても場末の仕事だな……全く」

フサギコは憎々しげにそう呟く。
それもそのはず、この南部指令基地は、もはやVIP国戦力の主力とも言っていい場所だからだ。
理由は駆動兵器を有している点であるが、フサギコ自身のキャリアにおいても、このような命令は遺憾であった。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:27:55.71 ID:w88RCSRyO
これ合作始まるまでに終わんのか?

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:29:34.79 ID:EziKmTvg0
( ,'3 )「それで、如何様に?」
ミ,,゚Д゚彡「もちろん作戦は遂行する。本国からの命令だからな。それに……」

そう言って、フサギコは顎に手を当て、何かを考えるような仕草を取った。

ミ,,゚Д゚彡「恐らくだが、何か……裏がありそうな気がするんでな」

先ほどは無碍に不満を発したようなフサギコだったが、その考えは別のところにもあった。
このような不確定な情報を、何故この南部基地に発信したのか、ということである。

ミ,,゚Д゚彡「この南部基地と他の基地との違いはなんだ?」
( ,'3 )「……駆動兵器、でありますか」

バルケンの答えを、フサギコはわかっていて頷く。
何故、このような指令がこの南部基地に届いたのか。どうして、このような戦時中に届けられたのか。
書面には作戦内容しか書かれていないものの、そこに存在する何らかの意図を、フサギコは感じ取っていた。

ミ,,゚Д゚彡「……今回の作戦には駆動兵器隊を使う」
( ,'3 )「!」

言葉には発しなかったものの、バルケンはその表情に明らかな驚愕を見せていた。
このような作戦に、基地の主力である駆動兵器を使うなどと、決してまともだとは言えない。
戦火が拡大し、いつ攻撃を受けるやも知れないこの基地にとって、もはや丸腰になるようなものであった。

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:31:04.64 ID:EziKmTvg0
( ,'3 )「恐れながら、この基地の戦力はどうするので?」
ミ,,゚Д゚彡「……この前の作戦で鹵獲した兵器はまだ解析中か?」
( ,'3 )「はい」

一週間ほど前の作戦において、クーが鹵獲したν帝国の新型兵器は未だ解析を続けられていた。
操縦者の死亡や、核を動力とすることなどの理由で、扱いに細心の注意が必要とされていたからだ。

ミ,,゚Д゚彡「なら、戦力はあるんだな」
( ,'3 )「は……?」

バルケンはフサギコの言動に、当惑の表情で応えた。
しかし、その表情はすぐに驚愕のものに変わる。
直前の会話の内容から、自ずとその意味が把握できてしまったからだ。

(;,'3 )「ま、まさか核ですか!?」
ミ,,゚Д゚彡「使えはせずとも、相手は簡単にこの基地に手は出せんということさ……」

裏返ったバルケンの言葉に、フサギコはにやりと笑う。
その表情に、バルケンは背筋にぞくりと冷たい感覚を通らせた。

ミ,,゚Д゚彡「作戦は予定通りに行う。各員への伝達を急げ」
(;,'3 )「ハ……ハッ!」

体に染み付いているおかげで、バルケンの敬礼は咄嗟でも見事なものだった。
だが、やはりそのおぼつかない足取りに、隠し切れない動揺が含まれていた。

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:32:45.50 ID:EziKmTvg0


 第00話 

  極めて近く、限りなく遠い世界に

     -Deus ex machina-



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:33:24.44 ID:EziKmTvg0
――太平洋上空。

世界で最も広大な海の上に、VIP国が誇る高性能輸送機、NRPの姿があった。
ステルス機能を存分に発揮し、幾多の雲を掻い潜るその姿は、まさに飛燕のようである。
今回の潜入という任務において、これほど向いている機体もなかった。

機内の貨物室で、三機の駆動兵器が静かにその時を待ち構える。
目的地の日本までは残すところ約四百キロ、到着は日本時間の午後二時ほどであった。

川 ゚ -゚)「それでは、作戦事項を確認する」
( ^ω^)('A`)「了解」

客室より大分開けたミーティングルームにて、機体に搭乗する三人の姿があった。
後ろ手に組んだクーが電光掲示板を操作すると、たちまち画面に文字が羅列される。

川 ゚ -゚)「今回の作戦は日本へ潜入し、未確認の兵器を偵察すること。行動は秘密裏に行われる」

クーの操作で画面表示が切り替わり、今度は日本国内の地図が映し出された。

川 ゚ -゚)「ここが潜入する場所となる荒巻コーポレーションのビルだ。
     これだけの大会社なら、当然セキュリティも充実しているだろう。そこで……」

そう言うと、クーは懐から何かを取り出し、二人に見えるようにそれを掲げる。
取り出したのは、一片のマイクロデータチップだった。

川 ゚ -゚)「これを使って一時的にあちらのデータを改竄し、内部での行動を可能にする」

クーはチップを懐に戻し、再び掲示板の操作を行う。
すると、今度はビル内部の詳細なデータが表示された。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:34:35.86 ID:U1JnVHXXO
一応支援

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:35:33.19 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「国内でも有数の高さに広大な敷地面積、階数も五十を優に超える。公式ではな」

クーはわざと最後を強調して言う。
席に座ってそれを聞く二人も、当然その意味は理解していた。

川 ゚ -゚)「情報が事実ならば、恐らくは地下か、別の場所に大規模な施設を有していると思われる。
     作戦は以上だが、何か質問はあるか?」

そう言って、クーは二人へと向き直る。すると、すぐにドクオが手を挙げた。

('A`)「チップを使うにも、その使う機会はどう作るんですか?」
川 ゚ -゚)「そこは多少実力行使となるだろう。装備に腕時計型麻酔銃も加えられている」
('A`)「……なるほど、了解しました」

偵察任務ということで、比較的“そういったこと”はしないと思っていたドクオだが、彼とて軍人である。
クーの言葉によって任務に対する覚悟が緩むことはない。
それは、もちろん隣で聞いていたブーンにも当てはまることだ。

ドクオの質問が終わると、今度はブーンの方が手を挙げた。

( ^ω^)「万が一見つかった場合は、どのような対処をするんですかお?」
川 ゚ -゚)「……必要な場合、射殺も許可されている」

クーの言葉を聞いて、ブーンとドクオは体に若干の緊張を走らせる。
もちろん二人がそれを想像しなかったわけではない。任務を遂行するためならば、当然のことと認識もしていた。
だが、相手は武装した軍人ではなく、民間人なのだ。やはり、相応の覚悟が必要だった。

('A`)「……外交問題になりかねないのでは?」
川 ゚ -゚)「そうならないように細心の注意を払えということだ。だが、情報では相手は兵器を極秘裏に扱っていると聞く。
     そう簡単に大事にはしないはずだ」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:37:25.99 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「質問は以上か?」
( ^ω^)('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「よし、それでは装備の説明に移る」

再び電光掲示板を用いて、クーが説明を始める。
しかし、その時ドクオの思惑は別のところにあった。

('A`)(……やっぱ、それだけじゃないんだろうな、今回の任務は……)

今回の任務について、ドクオには気がかりな点がいくつか存在していた。
まず、VIP国が戦争中とはいえ、公式な外交もなく、いきなり潜入を行うということである。

日本という国は他国の戦争には常に中立を保っており、難民救助などはあっても決して軍事介入を行おうとはしない。
そんな国に、何故いきなり潜入などということを行うのか。
更には、そんな国がどうして未確認の兵器を造っているなどという情報が流れるのか。

次に、その情報はどこから得たものなのか。
現在も任務は遂行中だが、今回の情報はあまりに突然過ぎるのである。
一体どのようにして、この情報がVIP国に伝えられたというのか。

今までずっと中立だった国が、いきなり兵器を造っているなどと、にわかに信じられる話でもない。
VIP国が独自に調査を続けていたのだとしても、ドクオはそんな話を聞いたこともなかった。

('A`)(一番気になるのは……何故、俺達かってことだ……)

そして、最も気がかりな点。それは、「何故、駆動兵器を持ち出す必要があるのか」ということだった。
潜入、及び偵察が目的なら、今回の任務にこのようなものは過剰だと言える。
これではまるで、駆動兵器を用いるのが前提になっているようなものだ。

('A`)(……もしかして、既に上層部は知ってるんじゃないか? その“未確認の兵器”が何なのか……)

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:39:27.48 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「……以上で装備の説明を終了する。それでは、各自のコードネームを確認するぞ」
( ^ω^)('A`)「了解」

クーは使う必要のなくなった掲示板の電源を切り、二人の方へと近付いていく。
それに合わせて、二人の方もいそいそと机から立ち上がった。

川 ゚ -゚)「ブーン、お前のコードネームは?」
( ^ω^)「はっ! どうも、本田太郎ですお!」
川 ゚ -゚)「うむ」

見事な角度の敬礼が決まった後、クーはドクオへと視線を向ける。そして、同様の質問を繰り返した。

川 ゚ -゚)「ドクオ、お前のコードネームは?」
('A`)「はっ! こんにちは、松田一郎です!」
川 ゚ -゚)「うむ」

二人の姿勢が揃ったのを見て、クーは満足そうに頷く。
そうして、クーが軽く手を挙げ、二人は緊張させた腕を降ろした。

川 ゚ -゚)「私のコードネームは豊田花子だ。ゆめゆめ忘れぬようにな」
( ^ω^)('A`)「了解」

それぞれのコードネームは上層部より伝えられたものだが、流石に三人も由来までは聞かなかった。
上からの命令は絶対、そのような意識が働いたのである。
それでも一応、「日本で最もポピュラーな名前」だと説明はされていた。

川 ゚ -゚)「よし、それではそれぞれ日本について学んだことを述べてみろ。まずはブーン」
( ^ω^)「はっ! ブーンは日本の民俗学について学びましたお」

軽くおほん、と咳払いをした後、ブーンは自慢げに何かを取り出した。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:41:23.64 ID:EziKmTvg0
( ○ω○)「まじかるちぇ〜んじ!」

ブーンが取り出したのは眼鏡、バンダナ、リュックサック、そして穴空きグローブであった。
装着する時に何やら裏声で叫んだブーンだったが、クーとドクオは至って冷静にそれを受け止めた。

( ○ω○)「……」
川 ゚ -゚)「……?」
( ○ω○)「……ハァ……ハァハァ……」
川 ゚ -゚)「どうしたブーン、どこか苦しいのか?」
(* ○ω○)「……ぐ、軍服……女上官……萌え〜」

頬を染め、目元が垂れ下がり、熱い吐息を漏らしたブーンがクーに生温かい視線を送る。
表情にさえ出なかったが、クーは本能的にその場から二、三歩下がった。

川 ゚ -゚)「よし、ブーンもういい」
( ○ω○)「はっ!」
川 ゚ -゚)「では、次はドクオ」
('A`)「はっ!」

すると、ドクオは上半身を少し猫背気味に曲げ、何やら気だるそうな表情でどかっと椅子に腰を下ろした。

('A`)「……マンドクセ」
川 ゚ -゚)「……?」

無気力状態のままただ座り尽くすドクオに、クーは訝しげな目線を送る。

すると、ドクオはその視線に気付いた途端、急に落ち着きがなくなっていった。
汗をかき、きょろきょろと周りを見渡し、時折ちらちらとクーへと横目で覗く。
当然ながら、彼女にはその行動が何を意味するのか理解できなかった。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:42:43.03 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「……?」
('A`)(ビ、ビジンニ、ミツメラレテイル、ダト……)
川 ゚ -゚)「……」
(*'∀`)(モシカシテ……オレニキガアル、トカ……)

そうして、ドクオは突然「フヒヒヒ」と薄気味悪い笑顔をクーへと向ける。
クーは先ほどのブーンとはまた違った、おぞましいような悪寒を感じていた。

(*'∀`)「ア、アノ……」
川 ゚ -゚)「よし、ドクオもういいぞ」
('A`)(ウツダシノウ)

果たしてクーは何かを感じ取ったのか、少々強引にドクオの言葉を遮った。

川 ゚ -゚)「では、これにて終了する。各自、解散!」
( ○ω○)('A`)「了解!」
川 ゚ -゚)「ブーン、それはもう脱げ」

少々の疑問を残しつつも、ミーティングは終わりを迎える。
その後、ブーンとドクオは自室へ、クーは機体の点検で貨物室へと散っていった。

NRPは速度を落とすことなく、白雲を越しながら進んでいく。
日本本土への到着まで、もう間もなくというところであった。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:44:06.86 ID:EziKmTvg0
――荒巻コーポレーション地下格納庫。

そびえ立つ近代的な都市郡の真下、そこに荒巻コーポレーションが有する地下格納庫は存在する。
スペシャリストとして各分野から選出された作業員、NA○A顔負けの技術力、何重にもされた防音壁、耐衝撃隔壁……。
優秀な人材と最先端技術の融合した、まさに奇跡とも呼べるような設備である。

その存在は一般市民の間では都市伝説として流布しているが、確証にまで至った者はいない。
だが、時折茶色のロングコートに帽子という、いかにもな風貌をした探偵が調査していたりもする。

「おーい! ここの部分にくっつけるのはこれでいいんだっけー!」
「違いますよ先輩ー! そこはまだ作業しなくていいんですってー!」

(´・ω・`)「……」

格納庫の一角にて、一人のしょぼくれた顔の男がじっと作業を見つめていた。
その視線は鋭いようで、奥に愛おしさを秘めるような、独特のものである。

彼の名はショボン=バーボン。
着ているものはここの作業服だが、この荒巻コーポレーション専属のテストパイロットだった。
  _  
( ゚∀゚)「おいショボン、おいおいショボン」
(´・ω・`)「なんで二回言うんだい」

すると、ショボンの背後より眉毛に特徴のある男が近付いて来た。

使い古された作業服を着て、油の臭いを感じさせる彼の名はジョルジュ長岡。
三度の飯よりおっぱいが好きそうな容姿をしているが、これでもここの整備技術主任である。
  _  
( ゚∀゚)「またぼーっと突っ立ってんのか、お前は」
(´・ω・`)「いいじゃないか別に。邪魔をするわけじゃないんだから」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:44:26.49 ID:U1JnVHXXO
さるったら色んな意味でやばそう支援

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:46:05.89 ID:EziKmTvg0
  _  
( ゚∀゚)「正規のパイロットに選ばれたんだろ? 何をそんなしけた面してんだよ」
(´・ω・`)「……正規、か」

長岡の発した言葉を自らも呟き、そのままショボンはうつむく。
元々下がった眉が、さらに沈んでいるように見えた。

(´・ω・`)「……名前だけさ、正規パイロットなんて」

そう言ってショボンはポケットに手を入れると、そこから一枚の折り畳まれた紙を取り出した。
綺麗に折れ線が付けられたそれをショボンは広げ、そして虚ろな瞳で見つめる。
その後ろから、長岡が興味深そうに覗いていた。
  _  
( ゚∀゚)「……なんだそれ?」
(´・ω・`)「今までのテストの結果さ。……ひどいもんだよ」

紙に表れていたのは、ショボンの言う「テスト」の結果のグラフであった。
全部で六回分のデータが記されていたが、そのどれもが素人目の長岡が見ても良いとは言えないものである。
一番成果の高いものでも、最高値の半分に達するぐらいだった。
  _  
( ゚∀゚)「ふーん。でもよ、数字が悪くても動かせるんだろ?」
(´・ω・`)「ふーん、って……まあ動かせることは動かせるけど……」
( ゚∀゚)「じゃあいいじゃん。愛があればラブイズオーケー」
(´・ω・`)「……はぁ」

ショボンは呆れと疲れが入り混じった息を吐き、紙をまた折り畳んでポケットにしまう。
並び立つ二人の表情は、見事なまでに対照的だった。
  _  
( ゚∀゚)「大丈夫だーって! 俺の作った頼れる兵器の数々がお前にはついてるぞ!」
(´・ω・`)「頼れる兵器?」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:47:45.44 ID:EziKmTvg0
  _  
( ゚∀゚)「よくぞ聞いてくれたな!」

瞬間、ショボンは「しまった」と後悔した。
これから起こる事態を容易に想像できたショボンは辟易し、再び溜め息を漏らす。
既に彼の目の前には、喜色満面とした長岡の表情、そして、どこからか取り出された分厚い企画書の束があった。
  _  
( ゚∀゚)「まずはこれだ!」
(´・ω・`)「これは……銃かい?」

長岡が提示した企画書の一枚には、シンプルなデザインの銃が描かれていた。
しかし、どこかデザインが乱調で、ところどころ絵としての出来上がりがよろしくない。
専門的な言葉を使うならば、作画崩壊を起こしていた。
  _  
( ゚∀゚)「ただの銃じゃねえぞ! 撃った瞬間、まぶしい光で相手の目をくらませるんだぜ!」
(´・ω・`)「うおっまぶしっ……目くらましはともかく、威力はどうなんだい」
(;゚∀゚)「えっ!」
(;´・ω・`)「いや、えっ、じゃなくて……」

すると、長岡はいきなり言葉を濁し始めた。
どうやらまぶしい光を出すことしか頭になかったせいで、肝心の武器としては何の効果もないらしい。
ショボンもそれに気付いたのを知ると、長岡はさっさと次の企画書を差し出した。

(´・ω・`)「ちゃんと使えるものにしてくれよ……」
( ゚∀゚)「まあ見ろよ、こっちこそ本命だぜ! その名も“レーザービーム”だ!」
(´・ω・`)「ん、名前は強そうじゃないか」

ショボンはわずかな期待を胸に企画書を覗く。
だが、目を通した時点でそこにあるのが彼の想像とは全く違うことに気が付いた。

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:49:50.33 ID:EziKmTvg0
(´・ω・`)「なんだいこれ……野球の道具じゃないか」

企画書の紙面上には、適当に描かれた野球道具一式と、その名称として確かに「レーザービーム」と記載されていた。
ショボンはそういう形の武器なのかと思ったが、どこにもそれらしいことは書かれていない。
むしろ、説明の部分にはただ一言、「バックホーム」とだけしかなかった。
  _  
( ゚∀゚)「これでお前も安打製造機!」
(´・ω・`)「敵と野球で戦えとでも言うのか君は……アイ○ンリーガーじゃあるまいし」
( ゚∀゚)「でも、オ○マだって野球ロボットとして育ったんだぜ?」
(´・ω・`)「そういう問題じゃない」

冷たく言われ、長岡は「ちぇー」と不満そうに企画書をしまう。
ショボンは「どうしてこんな奴が主任なんだろう」と、何度目かもわからない疑問を抱いていた。
  _  
( ゚∀゚)「じゃあこれはどうだ? “瞬間固着トリモチガン”」
(´・ω・`)「なんかまたどっかの未来から来たのが言いそうな名前だね」

とりあえずショボンは企画書を受け取ると、さっさとその性能だけ目を通す。
何やら名前の通り、一瞬で固まる液体を発射するものらしい。
念のために隅々まで、それこそライトで紙を透かすまでに確認したが、特におかしな点は見られなかった。

(´・ω・`)「あれ、これ使えるんじゃないか」
( ゚∀゚)「そうだろ! ア○ンアルファなんて目じゃないぜ!」

ここぞとばかりに胸を張る長岡に、ショボンは少しだけ苛立ちを覚える。
しかし、その技術力は認めようと、自分の中で収めるに留まった。

(´・ω・`)「じゃあ、早速実用化に向けて進んでくれるかい」
( ゚∀゚)「うん、それ無理♪」
(;´・ω・`)「はあっ!?」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:50:08.30 ID:Lo7Q/jR20
ちょっとはやいんじゃないかーい

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:52:51.08 ID:EziKmTvg0
(´・ω・`)「なんだいこれ……野球の道具じゃないか」

企画書の紙面上には、適当に描かれた野球道具一式と、その名称として確かに「レーザービーム」と記載されていた。
ショボンはそういう形の武器なのかと思ったが、どこにもそれらしいことは書かれていない。
むしろ、説明の部分にはただ一言、「バックホーム」とだけしかなかった。
  _  
( ゚∀゚)「これでお前も安打製造機!」
(´・ω・`)「敵と野球で戦えとでも言うのか君は……アイ○ンリーガーじゃあるまいし」
( ゚∀゚)「でも、オ○マだって野球ロボットとして育ったんだぜ?」
(´・ω・`)「そういう問題じゃない」

冷たく言われ、長岡は「ちぇー」と不満そうに企画書をしまう。
ショボンは「どうしてこんな奴が主任なんだろう」と、何度目かもわからない疑問を抱いていた。
  _  
( ゚∀゚)「じゃあこれはどうだ? “瞬間固着トリモチガン”」
(´・ω・`)「なんかまたどっかの未来から来たのが言いそうな名前だね」

とりあえずショボンは企画書を受け取ると、さっさとその性能だけ目を通す。
何やら名前の通り、一瞬で固まる液体を発射するものらしい。
念のために隅々まで、それこそライトで紙を透かすまでに確認したが、特におかしな点は見られなかった。

(´・ω・`)「あれ、これ使えるんじゃないか」
( ゚∀゚)「そうだろ! ア○ンアルファなんて目じゃないぜ!」

ここぞとばかりに胸を張る長岡に、ショボンは少しだけ苛立ちを覚える。
しかし、その技術力は認めようと、自分の中で収めるに留まった。

(´・ω・`)「じゃあ、早速実用化に向けて進んでくれるかい」
( ゚∀゚)「うん、それ無理♪」
(;´・ω・`)「はあっ!?」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:53:41.38 ID:EziKmTvg0
油臭い作業着を着たいかつい男のキャラ声は、とても気味が悪い。

当然ながら、ショボンはこの言動に面食らう。
そして、その理由を問いただすが、長岡は全く悪びれる様子もなかった。
  _  
( ゚∀゚)「いやー、瞬間固着剤を作るまではいいんだけどさー。大量に作れるようなもんじゃないんだよねー」

当たり前のようにさらっと答える長岡に、ショボンは全身の力が抜けていくのを感じた。
どうやら長岡が言うには、固める固着剤はあるものの、戦闘に十分なほどの分量は確保できないらしい。
ショボンはだったら何故あれほど自信満々で薦めたのか聞きたくなったが、湧き出る疲労感の方が勝っていた。
  _  
( ゚∀゚)「あ、でも既に実用段階には入ってるんだぜ? 警備用のロボットが装備してるぞ」
(´・ω・`)「……もういい、熱意はわかったよ」

そう言ってショボンはその場を離れようと思ったが、長岡がそれを引き止めた。
どうやら、まだ自作の兵器自慢がし足りないらしい。
全く減っていない企画書を覗き、ショボンはどうやって逃げるか画策するが、果たしてそこに救いの手が差し伸べられた。

ξ ゚听)「長岡さーん! ちょっといいですかー!」

長い金髪を一つに束ね、汚れた作業着ではごまかせない可愛らしさを携えた少女がぱたぱたと、二人の元へ駆け寄ってくる。
その手には何かしらのファイルが持たれており、急いで来たのか、少し息が荒くなっていた。
  _  
( ゚∀゚)「おう、どうした嬢ちゃん」
ξ ゚听)「はい、ちょっと……あ、なんか話してました?」

彼女の名は荒巻ツン。長岡は慣れた態度で話すが、何を隠そう彼女こそ荒巻コーポレーション社長、荒巻スカルチノフの一人娘である。
未だ高校生という若さながら、ロボット工学の分野で類まれない才能を発揮し、若き革命児とまで呼ばれている。
この秘密裏に進められているDプロジェクトにおいても、まさに中核を成す人物だった。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:56:09.04 ID:XhfdzFyt0
支援

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:56:57.86 ID:eo7VoJMwO
支援

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:57:13.83 ID:EziKmTvg0
(´・ω・`)「そういうことなら僕は退散するよ」
( ゚∀゚)「あっ、待てぇルパーン!」

良い口実ができたと、ショボンはすぐさま踵を返す。
長岡が捕まえようとするのもあっさりとかわし、その場を後にしていった。
  _  
( ゚∀゚)「ちっ、逃がしたか……」
ξ ゚听)「あのー?」
( ゚∀゚)「奴はとんでもないものを盗んでいきました……」
ξ ゚听)「あのー……」
( ゚∀゚)「……あなたの心です!」
ξ ゚听)「そうですか」
( ゚∀゚)「冷てえなぁ」

観念したジョルジュは企画書の束を脇にしまうと、ツンと共に格納庫の奥へと歩いていった。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 20:59:49.60 ID:EziKmTvg0
――奥多摩山中。

太陽はとうに沈み、月の光もおぼろげな時刻。
鬱蒼とする木々は闇夜を殊更に深め、辺りに人影などありはしない。
あったとしてもそれは人ならざるものとして扱われるであろうその場に、不釣合いな機影が存在していた。

着陸時の噴射で地面に空気の螺旋が形成され、NRPは三脚の車輪を外に出す。
数本の木が折れ、騒音が辺りに広がったが、それに気付くような者もいない。
人の住み着かない山奥であることと、少し離れた場所に自衛隊駐屯地があることが大きかった。

NRP格納部のハッチが徐々に開いていき、中に三機の駆動兵器の姿が確認できる。
クーの2CH-VR、ブーンの2CH-VG、そして、ドクオの2CH-VB。
闇夜に紛れるため、機体にはそれぞれ特注の迷彩コートが被せられていた。

川 ゚ -゚)「これより作戦を開始する。各機体、起動せよ」
( ^ω^)('A`)「了解」

クーの号令を受け、ブーンとドクオの両名は機体のメインエンジンを動かす。
その際にドクオはメインカメラを動かし、モニターで格納庫内の様子を確認した。

('A`)「……そういや、やけに修理器具や換えのパーツも多いんだよな……」

格納庫内には駆動兵器の他に、専用の部品が入ったコンテナが何個か搭載されていた。
何事かあった時のためのフォローだと好意的に受け取ることもできるが、ドクオの心中はそうではなかった。

偵察任務においてのその数はまるで、“何かあることを前提としている”ように受け取れるのだ。
しかも、その“何か”とは駆動兵器に損傷を起こすようなことである可能性が高い。
その内容も、既にドクオは検討が付いていた。

('A`)「……起こるな、戦闘が……」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:01:33.88 ID:XhfdzFyt0
支援

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:03:07.56 ID:EziKmTvg0
ドクオの脳裏に、駆動兵器での初めての出撃、初めての敗北が浮かび上がる。
あの時に感じた恐怖や絶望は何よりもリアルなものとしてドクオを捕らえ、そして今も離さない。
そんなものと向き合いながらも、ドクオは未だコックピットの中にいる。

( ^ω^)「うぅ、緊張してきたお。ドクオは平気かお?」
('A`)「……平気じゃねえよ、また下手こいたらたまんねえからな」

機体の通信機から、2CH-VGに搭乗したブーンの声がドクオに届けられる。
それは、いつもと全く同じ調子の言葉であった。
それによって、ドクオはわずかに感情の波を抑えることができた。

('A`)(ブーンは気付いてるのかね……)

ドクオにとって、共に戦火を潜り抜ける存在であるブーン。
かつては答えが出ないと知りつつも、戦争の意味を問いかけたこともあった。

ドクオにはそんな彼が子供に見えたり、はたまた憧れを抱くような人物に見えたこともある。
頼りにしているのも事実だが、同時に無駄に迷惑をかけたくないとも思っていた。

だから、今は疑問を己の中に留め、ドクオは物言わぬ兵士に徹する。

ハッチが限界まで開かれ、虚ろな月明かりの下にそれぞれのシルエットが浮かび上がった。

川 ゚ -゚)「迎えが来るのは明朝九時だ。それでは各機、発進」
( ^ω^)('A`)「了解!」

駆動音と共に、隊列を組んだ三機が格納庫を飛び出す。
木々の隙間を駆け抜けながら、目的地である首都――東京へと向かう。

――そして、そこに現地の協力者が待っているはずであった。

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:06:52.79 ID:EziKmTvg0
――東京。

大規模なビル郡が立ち並ぶ都心から少し離れれば、緑化計画によって植えられた木々がぽつぽつと目立ち始める。
公園で遊ぶ家族連れ、ゲートボールに励む老人、リストラされて途方に暮れるサラリーマン。
慌しい都会の光景でなくとも、この街は様々な人間像が交差する場所で埋め尽くされている。

しかし、この日に限ってはそんなリアリティを根底から覆すような、悲惨な出来事が行われていた。

(’e’)1「オラオラ大人しくしやがれ! イー!」
(’e’)2「抵抗する奴は食っちまうぞ! イー!」

子供達の育成の場である幼稚園を、全身黒タイツの連中が占拠していた。
傍目から見るとただの変態にしか見えないが、集団なので怪しげな宗教団体にも見える。

建物の中にいた子供達や保母は恐怖に慄く――こともなく、その様子をわいわいと眺めていた。

「あはははは! ダセェ! 何その格好! ダッセェー!」
「あたしの方が絶対センスあるー!」

(’e’#)1「ダサい言うな! センスって、お前らみんな同じ服だろ!」

彼らもれっきとしたセントジョッカーという秘密結社の戦闘員なのだが、そのことごとくが子供達に舐められていた。

「ねえねえ! ビーム出せんの? てか出せ! ビーム! ビーム!」
「じゃあ俺にはアイス出せー!」
「あたしガツンとみかんがいいー!」

(’e’#)1「出ねえよ馬鹿! アイスは親に買ってもらえ!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:11:23.01 ID:EziKmTvg0
騒ぎを聞きつけた近隣の住人が何人か駆けつけてはいるものの、特に何もすることなくその場で終わっていた。
何せこの調子なので、幼稚園の方で用意された催しか何かだと勘違いするのである。
しかし、包囲はされているものの、特に幼稚園に何らかの被害が及んでいるわけでもなかった。

(’e’)1「おい! お前ここの保母だな! 子供の親に身代金を要求しろ! イー!」
从'ー'从「あれれ〜? 先生脅されちゃってるよ〜? こわいね〜みんな〜?」
(’e’;)1「いや、だから……」

リーダー格と思われる戦闘員の男が保母の女性を脅すものの、全く信じられる様子はなかった。
しかし、それ以前にこの女性がとてつもなくのんびり屋なのか、端から危機感を持つのかどうかも怪しい。
平気で子供に尻を触られたりしているものの、全くと言って困るような素振りも見せていなかった。

(’e’)1「俺達は本物なの! いいから親に連絡しろ! イー!」
从'ー'从「それじゃあ〜みんな〜? ヒ〜ロ〜を呼ぼうか〜?」
(’e’;)1「だから聞けよ!」

こういう時だけ子供達は声を合わせ、「助けてー!!」と大合唱を始める。
戦闘員はその様子に疲れ気味に肩を落とすが、次の瞬間、本当にヒーローがやってきた。

「そこまでだ!!」

(’e’)1「だ、誰だ! イー!」

いつの間にやら、子供達のいる建物の外に別の変態五人組の姿があった。

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:11:54.57 ID:XhfdzFyt0
支援だ

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:14:45.20 ID:EziKmTvg0
「どこかで誰かが呼んでいる!悪を倒せと叫んでる!」

( ,,゚Д゚)「ゴルァレッド!」

('A`)「喪男ブルー!」

ξ゚听)ξ「ツンデレイエロー!」

(*゚ー゚)「冴えないグリーン!」
  _  
( ゚∀゚)「おっぱいピンク!」

( ,,゚Д゚)('A`)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)「五人合わせてニュー速戦隊!ヴィップレンジャー!!!」
( ゚∀゚)「YES! プリキュ(ry」

テレビ番組でやっている戦隊物の如く、勇ましくヴィップレンジャーが悪を討つために参上した。

(’e’)1「またお前らか! イー!」
( ,,゚Д゚)「悪のあるところ、ヒーローありだぜ! ゴルァ!」

やたら叫ぶ赤い人が勇ましくポーズを決め、やはり叫ぶ。
そのやりとりを見た子供達は、やんややんやと歓声を飛ばし始めた。

('A`)「今のセリフ、結構カッコイイな」
(*,,゚Д゚)「そ、そうか? 照れるなゴルァ!」

「なんかヒーローの方も格好ダサいぞー!」
「そもそもヒーローには見えなーい!」

しかし、すぐに無邪気と言うにはあまりにも辛辣な言葉が、戦闘員だけでなくレンジャーの方にも飛び火していた。

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:16:14.97 ID:XhfdzFyt0
wwwwww

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:18:27.78 ID:EziKmTvg0
从'ー'从「みんな〜? ヒ〜ロ〜が来たから、座りましょうね〜?」

「はーい!」
「とっきゅーしれーいー! ○ルブレイーン!」
「かーけぬーけーろー♪ ソ○ブレーイン、いますーぐー♪」

のん気に歌を口ずさむ子供達はさておき、戦闘員は建物の外へと躍り出る。
そして、戦闘員は奇声を上げつつ広がるように動き、レンジャーをあっという間に取り囲んだ。
睨み合い、一触即発のふいんきが漂うが、そこへ少々緊張感のない声が聞こえてきた。

川 ゚ -゚)「遅れてすまない」

たなびく長い黒髪、モデルのようなすらっとした体型、そして見るものを虜にする美貌。
およそ戦いの場にはふさわしくないような容姿の女性が、コンビニ感覚で輪の中に入っていく。
そのあまりに堂々とした様子に、戦闘員達もつい無言で見送ってしまった。

( ,,゚Д゚)「また遅刻か博士、ゲームもほどほどにしろよゴルァ」
川 ゚ -゚)「すまん、どうしてもカ○ラが倒せなくてな。あの四回攻撃はチートではないのかと」
('A`)「今度は新○太郎伝説か……」

場違いな様相で場に割って入り、場違いな会話を女性は繰り広げる。
しかし、博士と呼ばれる彼女こそレンジャーのブレイン的存在であり、欠かせない要員なのだ。

ξ゚听)ξ「博士、アイツは楽に倒す方法がありますよ」
川 ゚ -゚)「だめだ! 今は再戦のためのレベル上げ中なのだ、そこから先は言ってはダメだ!」
(*゚ー゚)「あ、あの……戦闘員さんが待ってますよ……」
( ゚∀゚)「そうだぜ、それにようやく密林から爆乳御仏八百万(ばくにゅうみほとけやおよろず)が届いたばっかりなんだ」
( ,,゚Д゚)('A`)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)川 ゚ -゚) 「それはどうでもいい」
  _, ,_
( `Д´)「やだやだ! おっぱいおっぱい!! やおよろぉず! やおよろぉず!」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:19:42.18 ID:XhfdzFyt0
支援

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:22:12.06 ID:EziKmTvg0
(’e’#)1「お前らいつまで小粋なトーク繰り広げてんだ! イー!」
(’e’#)23「そうだ! それにカ○ラは半分の玉を使えば一瞬で撃破できるんだよ! イー!」
(’e’#)1「だからお前も何を解説してんだ! イー!」

改めて戦闘員は身構え、レンジャーもそれに応える形で身構える。
ただ一人、博士だけが無言で立ち尽くしていた。

( ,,゚Д゚)「博士! ここは危険だから逃げ……」
川  - )「……」

赤い人が博士に振り返った瞬間、その表情が一変する。
スーツ越しでもわかるかの如く緊張し、それはすぐに他のレンジャーにも伝わっていった。

(;,,゚Д゚)「お前らまただ! 早くここから逃げろ!」
(;'A`)「建物から子供達を避難させるぞ!」

レンジャーはなりふり構わず建物の中へと急ぎ、取り残された戦闘員は呆然とそれを見送る。
事態に気付いた戦闘員はそれを追いかけようとするが、すぐにその場に漂う剣気に気が付いた。

川  - )「ほう……半分の玉か……」
(’e’;)1「なんかこの状況……前にもあったような……」

次の瞬間、博士の懐から彼女の身長と同じぐらいの日本刀が姿を現す。
体全体を使って彼女は刀身を鞘から器用に抜き放ち、そのままあろうことか片腕でそれを担ぐ形で構える。
その身から放たれる異様な殺気に、戦闘員はいつぞやの如く凍りついた。

川  - )「やってくれた喃……戦闘員よ」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:25:06.03 ID:XhfdzFyt0
支援

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:25:36.84 ID:EziKmTvg0
細身からは考えられない体勢から、彼女はその剣先に全身の力を込めていく。
しかし、このような細腕でまともに長刀を扱うことができるのか。
自らを取り囲む複数の戦闘員を相手に立ち回ることができるのか。

できる、できるのだ。

川  - )「た、種ぇ……」
(’e’;)全員「お、お戯れをぉおおお!!」

ようやく命の危機に気付いた戦闘員は散り散りに逃げるが、時既に遅し。
博士の太刀は一振りで五人、返す刀で十人を斬り捨てる。
レンジャーは繰り広げられる惨事を子供達に見せないようにするのが精一杯であった。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:25:39.35 ID:XhfdzFyt0
支援

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:28:43.71 ID:EziKmTvg0
――都内某ビル。

(’e’;)1「はあ、はあ……」

一般には開放されていない入り口から、ぼろぼろになった戦闘員がビル内へと入り込む。
幼稚園での惨劇から命からがら逃げ延びたのは、彼一人のみだった。
腕から流れる血を手で押さえ、足を引きずりながら歩く姿は実に痛々しい。

从゚∀从「お?」

その戦闘員の姿を、廊下の向こうから見掛ける白衣の人物の姿があった。
顔立ちからすぐに女性だとわかるが、着ている服は少しだらしなく、髪も伸ばしっぱなしという印象である。
彼女は戦闘員が傷だらけであることに気付くと、慌てて彼の元に近付いた。

从;゚∀从「おいおいおい! また派手にやられたなぁ!」
(’e’;)1「長髪の、女……日本刀……イー……」

戦闘員は介抱する女性へとしなだれかかると、そのまま荒くなった呼吸を整えようと努める。
女性はとりあえずの応急処置として、持っていたハンカチで彼の出血する腕を結んだ。
そして、止血のために傷ついた腕を心臓より高くして肩を貸し、そのままゆっくりと歩き出す。

二人は医務室への道を進むが、その時、後方で扉の開く音がした。

(’e’)69「高岡博士! VIP国からの使者をお連れしました! イー!」
从゚∀从「ん?」

高岡と呼ばれた女性は振り向き、そこに軍服を着た三人の姿を確認する。
寄り添う戦闘員もそれに続いたが、次の瞬間、彼の様相が一変した。

(’e’;)1「うわぁあぁあああぁぁ!? ウッディ!!」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:28:58.40 ID:XhfdzFyt0
支援

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:32:35.66 ID:EziKmTvg0
从;゚∀从「おっ、おい! どうした!?」
(’e,)1「……あふぅ、○希眠いの〜……」

突然の奇声を上げ、戦闘員はそのまま全身の力が抜ける。
幸いまだ息はしているようだが、完全に失神してしまっているようだった。

从゚∀从「仕方ねえな……おいそこの! こいつを医務室まで連れてけ!」
(’e’)69「はっ! イー!」

命令された戦闘員は医務室へと患者を運ぼうとするが、意識がないのでもはや背負うしかなかった。

从゚∀从「騒がしくて悪いね」
川 ゚ -゚)「いや……あの者は大丈夫なのか?」
从゚∀从「さあ? なんか嫌なことでも思い出したんじゃねえの」

あっけらかんとした口調で答えた後、高岡を先頭に四人は廊下を進む。
先へ進むに連れ、建物内はどんどん異様なふいんきが漂っていった。

从゚∀从「そうそう、私の名は高岡。あんた達は?」
川 ゚ -゚)「私は豊田花子。そして……」
( ^ω^)「どうも、本田太郎ですお」
('A`)「こんにちは、松田一郎です」
从゚∀从(……偽名だろ、常考)

深くは追求せず、高岡は続けて自分達の組織について説明する。

と言っても、話したのは「セントジョッカー」という組織名と、大まかな規模についてだけだった。
秘密結社という名目上、当然と言えば当然のことである。

しばらくして、四人は大仰とする扉の部屋に辿り着いた。

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:36:42.13 ID:EziKmTvg0
从゚∀从「この部屋だ。ショボンって奴が中にいる。詳しい話は奴から聞いてくれ」
川 ゚ -゚)「案内、感謝する」
从゚∀从「いや……そうだ、後ろの二人は気を付けな」
( ^ω^)('A`)「?」

忠告と思わしき言葉を発した後、高岡はひらひらと手を振ってどこかへと消えていく。
若干の不安と緊張を感じながらも、クーは目の前の扉を押し開いた。

(´・ω・`)「やあ、待っていたよ」

中にいたショボンという人物は、独特のふいんきを持つ男だった。
グレーのスーツに身を包み、見下ろすように入ってきた三人を見つめる。
しかし、その眼差しは一人一人に対して若干違いがあるようだった。

(*´・ω・`)(軍人か……流石、いい体だね……)
(;^ω^)(;'A`)「?」

どこか射るような視線を感じ、ブーンとドクオはぶるりと体を震わせる。
そして、無意識に前に立つクーに隠れるように移動した。

川 ゚ -゚)「ショボンさん、早速本題に入って構わないか?」
(´・ω・`)「ん、ああ。構わないよ」

少しつまらなそうに返事をした後、ショボンは三人を部屋にある椅子へと促す。
そうして、歩きながらゆっくりと話し始めた。

(´・ω・`)「今回あなた方に潜入していただく荒巻コーポレーション……そこが未確認の兵器を有しているのは、紛れもない事実だ」
川 ゚ -゚)「何か証拠でも?」

クーにそう聞かれると、ショボンは傍にあったデスクの引き出しから何枚かの写真を取り出した。

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:37:02.95 ID:XhfdzFyt0
支援だぜ

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:40:26.59 ID:EziKmTvg0
(´・ω・`)「まあ見てくれ」
川 ゚ -゚)「む、これは……」

              ¶  ¶ 
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
          ./  (,)   (,)  ヽ
         |     | ̄|     |
         ヽ     ̄ ̄    /
          |  |   |  |   |
         .ノ .ノ ヽ ノ .ノ   .|
         (_ノ  (_ノ    .|
            / /  ̄/ /
           < <   .< <
            ヽ ヽ   ヽ ヽ

写真は巨大な人型兵器を写したものだった。
その頭から操縦桿と思しきものが確認でき、恐らくは有人操作によって動くものと判断できる。
ただ、そのあまりにもな容姿から、写真を見たクーはつい「こっち見るな」と思ってしまった。

川 ゚ -゚)「これは……我が国の脅威となり得るのか?」
(´・ω・`)「もちろんだ。見かけで判断すると痛い目を見ることになる」

続けてショボンはこの兵器の武装について説明する。
しかし、その内容を聞いてクーは眉をひそめた。
何故なら、音速を越えての飛行、周囲十キロを火の海にする、月まで拳を伸ばせるなど、まずありえないことばかりだったからだ。

クーだけでなく、後ろで聞いていた二人も首をかしげ、部屋には怪訝なふいんきが漂う。
ショボンが話をすればするほど、その真実味が薄れていくことになっていた。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:43:54.01 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「……」
(;´・ω・`)(まずいね、どう見ても信じてない……)

既に写真を見る様子もないクーを見て、ショボンにも段々焦りが見えてくる。

しかし、彼が持つカードはそれだけに留まらなかった。
ショボンはすぐに気分を落ち着かせ、一旦デスクの方へと近付いていく。
そして、デスクの上にあったノートパソコンに手を掛けた。

途端、彼の表情は自身に満ち溢れたものとなり、次いで出た言葉にもそれが現れていた。

(´・ω・`)「それでは、決定的な証拠を見ていただこう」

そう言って、ショボンはパソコンの画面を三人に向け、何かしらの操作をする。

すると、数秒の間隔の後、画面に何かの映像が浮かび上がった。
その内容はどこかしらの室内で演説が行われているようであり、周りには大勢の観衆が確認できる。
しかし、重要なのはその演説の内容にあった。

/   3「……であるからにして、我々こそが世界を統べる存在となり得るのである!」

川 ゚ -゚)「これは……」

スピーカーから聞こえてきたのは、高らかに世界征服を宣言する男性の声だった。
あからさまなその内容に三人も若干身を乗り出し、映される映像に注視する。
その様子を、ショボンは満足そうに眺めていた。

/   3「今こそ我々は武力によって世界を制する! そのためにはまず、この日本を……」

川 ゚ -゚)(……誰だ、この人物は……)

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:47:08.51 ID:EziKmTvg0
クーの期待に応えるかのように、段々とカメラが演説をする人物の方へと寄っていく。
そして、ついにはその面がはっきりと見えるまでになった。

川 ゚ -゚)「む、これは……」

画面上に、鈍い銀色の光を放つ甲冑を身に付けた初老の男性が映る。
それを見て、途端に三人の表情が一変した。

(;'A`)「こ、こいつは……!」
(´・ω・`)「そう、荒巻コーポレーション社長……荒巻スカルチノフだよ」

画面に映った人物を見て、ブーンとドクオは驚愕の表情を作る。
クーも表情には出さなかったものの、やはり若干の動揺に駆られていた。

川 ゚ -゚)「……これは本当に、荒巻スカルチノフ本人なのか?」
(;´・ω・`)「な、何を言うんです。見ればわかるでしょう?」
川 ゚ -゚)「それでは、この格好は?」
(;´・ω・`)「さあ、そこまではわかりかねます。それより、このような危険人物を放って置くおつもりか?」

クーはショボンの曖昧な態度に、わずかながら疑問を感じる。
しかし、画面に映っている男性は確かにクーの知っている荒巻に瓜二つであった。
やはりその奇抜な格好が気にかかるものの、確かめるには一度本国に戻る必要がある。

川 ゚ -゚)「……いずれにせよ、調査の必要はあるだろう」

そうして、クーは一つの決断を下した。
情報が確定したものでなくとも、とりあえずの結果を求める形となった。

その言葉を聞いてショボンは安堵し、後ろの二人は気を引き締める。
言葉を発したクー自身も、何かの予感に体を強ばらせていた。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:49:03.33 ID:EziKmTvg0
川 ゚ -゚)「この写真と、今の映像を頂戴してよろしいか?」
(´・ω・`)「構いませんよ。少々お待ちを……」

ショボンはパソコンを操作し、本体から一枚のディスクを取り出す。
未だ熱の残るそのディスクを専用のケースにしまい、クーへと手渡した。

(´・ω・`)「写真も今持っているのを使って構いません」
川 ゚ -゚)「把握した。それでは、ご協力感謝する」

三人は椅子から立ち上がり、ショボンへ向けて敬礼を行う。
そしてさっさと踵を返し、そのまま部屋を後にしていった。

(´・ω・`)「……ふう」

ショボンは一人になった部屋の中で、一度だけ深い深い溜め息を吐く。

(´・ω・`)「これでいい。これで邪魔なものを排除できるはずだ……」

ショボンはそう呟き、デスクの方へと振り返る。
そして、再びパソコンの画面に演説の映像を映し出した。

(´・ω・`)「しかし、すごいね。偶然もここまで来ると……」

画面に映る初老の男性を見つめながら、ショボンはくつくつと笑みを浮かべた。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:50:55.80 ID:EziKmTvg0
――荒巻コーポレーション。

時刻は昼の十二時。
作業は休み時間に入り、途端に格納庫から人の気配が少なくなる。
その代わりに、数体の警備ロボットが各所を忙しなく動き回っていた。

「休む時はしっかり休む」という長岡が立てた指標のおかげで、作業は実にメリハリのついたものであった。
社内食堂には多くの作業員が詰めかけ、各自それぞれの方法で休息を得る。

以前の作業はサービス残業が当たり前、休む時間があったら働くという、辛いものであった。
なので、今のこの状況は一重に作業員達の努力と、監督した長岡やツンの成果だと言える。

そして、その長岡の姿はと言うと、売店で買ったサンドイッチを片手に、未だ格納庫内のレストルームにあった。
  _  
( ゚∀゚)「ん〜……」

長岡はファイルとにらめっこしながら、持っているサンドイッチを豪快にかじる。
その拍子にパンくずがぽろぽろと膝に落ちるが、全く気にする様子もなかった。

「いたいた、お〜い長岡!」
  _  
( ゚∀゚)「あん?」

サンドイッチを頬張りながら、長岡は声のした方向へと視線を向ける。
すると、そこにはここの人間ではないことを現す服装をした二人組みの姿があった。
  _  
( ゚∀゚)「おお! 流石兄弟じゃねえか!」
( ´_ゝ`)「ぃょぅ長岡、久し振りだな」
(´<_` )「その流石兄弟って呼び名も久し振りだな、兄者」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:51:59.22 ID:NheVyRiSO
支援

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:55:12.10 ID:EziKmTvg0
現れた二人は長岡の知り合いであるようで、合った途端に「ピシガシグッグッ」と独特の挨拶を展開する。
長岡の言ったことや、「兄者」という発言から、二人は兄弟であるようだ。

兄と呼ばれた男性は「I LOVE ラルク」と書かれたTシャツにジーンズというラフな格好で、首にはドッグタグが掛けられている。
顔立ちはのっぺりしているが無精ひげが目立ち、服が内側から盛り上がって体つきはたくましいことがわかる。
そのふいんきはどことなく長岡のものと似ていた。

対して弟と思われる男性は兄よりも鼻が高く、まるでハーフのような顔立ちである。
服装もライダースジャケットにパンツで、兄よりも若干細めの体つきだった。
  _  
( ゚∀゚)「まだ軍でパイロットをやってるのか?」
( ´_ゝ`)「いや、今はどちらかと言えば教える立場になったよ」
(´<_` )「俺はまだ現役だが……遅かれ早かれだろうな」

三人はレストルームのソファに腰掛け、昔話に花を咲かせる。
その会話の内容から、兄の方は流石兄者、そして弟の方は流石弟者という名前であることがわかった。

そして、長岡の言った「流石兄弟」とは、彼ら二人のコンビ名のようなものらしい。
彼らは軍に在籍しているようで、そこでの通り名だと思われる。
  _  
( ゚∀゚)「それで、一体今日は何しに来たんだよ?」
( ´_ゝ`)「うむ、実は新しいソニンのブロマイドが手に入ってな……」
( ゚∀゚)「ソニンか……いいおっぱいしてるよな」
(´<_` )「いや、違うだろ」

兄者が懐から出した写真を長岡がまじまじと見つめる様子に、弟者が冷静に注意する。
その掛け合いは見事に息が合っており、三人が長年の付き合いであることを感じさせた。

( ´_ゝ`)「ホントはな……ちょっと自慢しに来たんだ」
( ゚∀゚)「自慢?」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:56:13.80 ID:NheVyRiSO
支援

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:58:06.50 ID:XhfdzFyt0
支援

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 21:58:40.32 ID:EziKmTvg0
長岡が怪訝そうな表情を作るのを見て、兄者はにやりと口元を緩ませる。
そして、もったいぶった後に何か話そうとするが、次いで言葉を発したのは長岡の方だった。
  _  
( ゚∀゚)「あ、ちょっと待ってくれ、おーい!」
( ´_ゝ`)「ん?」

急に長岡がレストルームの外へと声を掛け、流石兄弟の二人もその方へと視線を動かす。
すると、そこには休息を終えたのか、数人の作業員の姿があった。
  _  
( ゚∀゚)「まだ休み時間のターンは終了してないぜー!」
(::A:)「いえ、もう十分に休みましたので……」

帽子を目深に被った作業員は聞こえるか聞こえないかという声で呟き、そのまま行こうとする。
そのつっけんどんな態度に三人は少し言葉を紡ぐが、それ以上引き止めようともしなかった。
そうして、態度の冷たい作業員を先頭に、何かの荷物を運びながら二人の作業員が続く。
  _  
( ゚∀゚)「……ん、ちょっと待て」

荷物を運ぶ作業員がレストルームの前を通り過ぎようとした瞬間、突如長岡が再び彼らを呼び止めた。
しかも、今度は最初よりもその視線が鋭く、何かを捉えるかのようにある一点を見つめている。

(::A:)「何か?」
( ゚∀゚)「お前じゃねえ……なあ、そこのお嬢さん」
川 ::-:)「……私ですか?」

長岡はソファから立ち上がると、つかつかと作業員の元へと歩いていく。
そして、その女性作業員の傍まで近寄ると、あろうことかまじまじとその体を見つめ始めた。

当然女性作業員は気味悪がって顔を背けるが、長岡は一向にその視線を外そうとしない。
そのただならぬ様子に、慌てて流石兄弟も後を追った。

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:01:39.03 ID:EziKmTvg0
(´<_` )「一体どうしたっていうんだ? そんなに気にすることないだろう?」

弟者は作業員をねめつける長岡をいさめる。
彼自身、長岡は先ほどのそっけない態度に腹を立てたのだと思っていた。
しかし、やがて発した長岡の言葉はそんな考えとは全く別のものであった。
  _  
( ゚∀゚)「あんた……ここの人間じゃねえだろ?」
川 ::-:)「……」

その突飛な発言に、一気にその場が凍りつく。
言われた女性は目深な帽子のせいか落ち込んでるようにも見え、慌てて兄者と弟者が駆け寄った。

( ´_ゝ`)「え、なに、ディスってんの?」
(´<_` )「上等だメーン、やんのかメーン」

兄弟のとっておきの冗談も決まらず、場のふいんきがさらに重いものとなる。
その張本人である焦りからか、兄者は長岡に対して詰め寄った。

( ´_ゝ`)「どういうことだよ長岡? 何を根拠にそう思うんだ」
( ゚∀゚)「やっぱりそうだ、見たことねえ」
(´<_` )「見たことないって……もしかしたらお前が顔を覚えてないだけかもしれないだろ」
( ゚∀゚)「いや、ない。絶対に見たことない……」

そして、長岡は高らかに言い放った。
  _  
( ゚∀゚)「このおっぱいの形、俺は今まで見たことがねえ!!」
(;::A:)「ぶっ!?」

真面目な顔で放たれたその言葉に、作業員達は思わず噴き出す。
言われた女性も、表情には出さないが、確実に嫌気を感じさせていた。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:02:00.80 ID:XhfdzFyt0
sien

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:04:50.32 ID:EziKmTvg0
(;::A:)「何を言うんです……もう行っていいですか」
( ::ω::)「すいませんお、僕らも急いでるんですお」

そう言って作業員は立ち去ろうとしたが、すぐにその腕を引き止められた。

( ´_ゝ`)「いや、待て」

止めたのは意外にも長岡ではなく、兄者であった。
作業員にとってはもちろん予想外であったため、少し動揺が態度に現れる。

(;::A:)「なんです……まさか信じたわけじゃないでしょう?」
( ´_ゝ`)「いや、そのまさかだ」
(;::ω::)「なっ!?」
(´<_` )「信じられない気持ちもわかるが、こいつは女性の胸に対してはおかしいんだ。
       俺はこいつが女性を胸だけで誰だか言い当てたのを何度も見たことがある」

にわかには信じられない言い分だが、彼らの表情は皆一様に真剣そのものだった。

途端、作業員達の表情にも緊張の波が走る。
その中で長岡は一緒に来るよう告げるが、それに返された答えは言葉によるものではなかった。

(;´_ゝ`)「うおっ!?」
川 ::-:)「……チッ」

突然兄者の首に掛けられたドッグタグに何かが当たる。
肉眼で確認するのは難しいが、女性の腕時計から放たれた麻酔針だった。

川 ::-:)「作戦失敗だ、撤退するぞ」
( ::ω::)(::A:)「了解」

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:07:45.87 ID:EziKmTvg0
女性の一声の後、作業員達の動きが明らかに一変した。

先頭で手が空いていた男が、いきなり至近距離から弟者の腹部へと拳を叩き込む。
小さく息を吐き、体を折り曲げる弟者だが、間一髪クリーンヒットは避けたようだった。

弟者は突き出された拳を受け止め、そのまま肘関節を決めようと試みる。
だが、男も体をひねってそれに対応し、弟者の体を蹴って距離を離す。
そうしてすぐさま男は体勢を低くして構え、弟者の追撃の前に素早く他の作業員達と合流した。

(;´_ゝ`)「お、おい弟者!」
(´<_`;)「気を付けろ兄者……こいつら軍人だ!」

自らも軍人であるからこそわかるのか、先ほどの攻防で弟者は作業員達の素性を見切っていた。

そうこうする間もなく、作業員三人の内の男二人が女性をかばう形で前に出る。
その標的を流石兄弟に定め、二人は低くした体勢から飛び掛った。

( ::ω::)「おおっ!」
(;´_ゝ`)「ぐっ!」

腰を捻って繰り出された右フックを首だけでかわし、そのまま兄者は腕を取って投げ飛ばそうとする。
しかし、それより先に男が拳を引っ込め、続けざまに膝蹴りを繰り出す。
兄者は自ら体を折ってダメージを減らすが、そのまま首相撲の体勢に入られてしまった。

( ::ω::)「だおらぁっ!」
(;´_ゝ`)「うぐおっ!?」

連続で放たれる膝蹴りを、兄者は両腕で必死に防ぐ。
だが、それにも限界があった。兄者はその腕力だけでなんとか男を弾き飛ばす。
それでも、ダメージは明らかに兄者の方が大きかった。

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:08:00.55 ID:XhfdzFyt0
sien

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:10:55.15 ID:EziKmTvg0
川 ::-:)「二人とも下がれ」

わずかな警告の後、二人の作業員が格闘から身を離す。
何事かと思われたが、兄弟の二人も女性作業員が銃を構えているのを見てすぐに事態を把握した。

(;´_ゝ`)「おおっ!」
(´<_`;)「ぐうっ!」

すぐさま二人はそれぞれ近くにあった物陰へと跳躍する。
次の瞬間、断続する銃撃音がその場に轟いた。

(;´_ゝ`)「くっそー! 武器持ちか!」
(´<_`;)「どうする兄者!」
(;゚∀゚)「ま、任せろ! 警備ロボーッ! カームヒアーッ!!」

一足先にレストルームへ避難していた長岡が叫んだ後、その場にサイレン音が鳴り響く。
そうしてすぐに赤い光と共に警備ロボットが近付いてきた。

川 ::-:)「まずいな、二人とも戦闘を継続しつつ後退」
( ::ω::)(::A:)「了解」

作業員は運んでいた荷物からそれぞれ銃を手に取ると、緊急用のエレベーターに向かって走り出す。
それを、数体の警備ロボットが追撃した。

ロボットは山型の本体に手が生えたような形状をしており、小型ながら独自の浮力を搭載している。
作業員は後退しつつ銃を乱射するも、的が小さいのでなかなか当たらない。

それでも流石に鍛えられた脚力のおかげで、エレベーターまでは苦もなく辿り着く。
先頭だった女性作業員が制御スイッチのカバーを叩き割り、災害避難用の厚い扉が重低音と共に開かれる。
銃撃で牽制しつつ、作業員達は中へと踏み込んでいった。

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:12:37.89 ID:XhfdzFyt0
sien

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:13:08.86 ID:EziKmTvg0
(;::A:)「うおっ!?」

作業員の一人がエレベーターに入ろうとしたが、突然何かの強い力でその身を引っ張られる。
見ると、何やら持っていた銃が黄色い液体のせいで壁に張り付いていた。
液体は正しく一瞬の内に凝固し、作業員はなんとか離そうとするが、もはや人間の力ではどうしようもなかった。

川 ::-:)「やむをえん、その銃は捨てろ」
(;::A:)「りょ、了解!」

銃を離し、作業員は転がるようにしてエレベーターへと飛び込む。
それを銃撃で援護しつつ、女性作業員は文字盤を操作する。
再びの重低音の後、重々しい扉が閉じていった。

(;´_ゝ`)「くっ、逃げちまったか……!」
(´<_` )「待て兄者、この銃は……」

銃は完全に壁に張り付いてしまっていたが、そのグリップから弟者は何かを読み取る。
そして、そこに小さく彫られたマークのようなものを確認した。

(´<_` )「間違いない、この銃はVIP国製だ。このマークに見覚えがある」
( ´_ゝ`)「む……? しかし、なんだってVIP国が?」
(´<_` )「さあ、そこまではわからん。もしかしたらわざと他国の銃を使っているかもしれんしな」

思案を続ける兄弟の元に、顔を強張らせた長岡が駆け寄る。
走ったことよりも緊張で息を荒げ、弟者から銃のことを確認した。
  _  
(;゚∀゚)「VIP国? しかし、もう確かめようもねえな」
( ´,_ゝ`)「……そうでもないかもしれんぞ」

そう言って、兄者は意味あり気な笑みを浮かべていた。

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:16:12.81 ID:EziKmTvg0
まとめサイトかと思った

申し訳ないが、今日はここで終わりなんだ。本物の投下時間が迫ってきたからね
続きは明日か明後日ぐらいにまたスレ立てて投下するつもり

あと、勘違いして欲しくないんだが、今回は完全に俺の独断
俺が勝手にやってるだけなんでよろしく

それじゃ、支援してくれた人ありがとう。ほんじゃね

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:17:05.39 ID:XhfdzFyt0


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/13(土) 22:21:28.60 ID:K8Hlkh9f0
乙!

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